ついこの前まで、ハイハイしていたと思っていたのに、あっという間にひとり歩きを始め、その危なっかしさにヒヤヒヤしているお母さんも多いことでしょう。しかし、1歳4ヶ月からはよじ登る力もついてくるため、もっと目が離せなくなります。
どんどんアクティブになる我が子に、可愛さを感じつつも大変さを痛感することも増えてくるでしょう。しかし周りの子と比べると、我が子の発育が心配になったり、何をすべきか戸惑っていたりするお母さんも多いと思います。
ひとりひとり発育のスピードに差はあるとわかっていても、気になります。そこで、1歳4ヶ月の子供を持つお母さんに向けて、発育の状態や育児のポイントについて詳しくご紹介していきたいと思います。
1歳4ヶ月の赤ちゃんの体の成長・発達
1歳4ヶ月の体重 身長は?
1歳4ヶ月になると、個人差はかなり生じてくるもの。しかし、ある程度の平均値は知っておきたいですよね。
男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長73.9cmから83.8㎝で中央値が78.7㎝です。体重は8.36kgから11.98kgで中央値が9.97kgになります。※1
女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長72.1cmから82.1㎝で中央値が77.3㎝です。体重は7.75kgから11.33kgで中央値が9.38kgになります。※1
あくまで平均値であって、この平均値内に必ず納まらなければならないというわけではありません。我が子の成長グラフが正常なら、平均値から外れていても問題ないと考えて良いでしょう。
体形の変化 幼児体型に
体を更に自由に動かせるようになるので、これまでのポチャポチャした赤ちゃん時代とは異なってすっきりした幼児体型へと変化していきます。活発な赤ちゃんは食事を摂っても消費エネルギーが上回って、痩せてしまったり体重が増えないケースも出てきます。
体重が増えないと悩むお母さんが出てくる時期ですが、離乳食を沢山食べて病気の兆候が無く生活リズムが変わらないのならば、あまり心配する必要はありません。
気にするべきなのは、どんどん体重曲線から外れて下がっていったり、反対に身長の伸びに対して体重が増えすぎている場合で、それが継続する場合は一度専門家に診てもらうと適切なアドバイスが受けられます。
1歳4ヶ月の言葉の発達
1歳4ヶ月になると、言葉を理解することができるようになってきます。そのため、いけないことをしたら「ダメ」と教えることで、理解できるようになるでしょう。
しつけをスタートし始めることもオススメです。危険なもの、いけない事にはちゃんと説明してあげるようにしましょう。
熱いやかんを触ろうとしたら、「アチチだよ!」と熱がるしぐさをしたり、バチンと平手打ちをしたら「イタイタイ」とオーバーに泣きまねを見せたりするのも良いでしょう。相手の様子を観察し、これはいけないことだと学習することができます。
とはいえ、まだ長く記憶することは難しいので、根気よく教えてあげることが大切です。たくさん言葉をかけ、リアクションで伝えることで、徐々に言葉を理解度も上がっていくでしょう。
1歳4ヶ月の食の発達
離乳食 食事の量は?食事の仕方は?
1歳4ヶ月になると、そろそろ離乳食は終盤に差し掛かります。硬さも大人に近い状態に近づきますし、ほぼ同じものを食べても大丈夫でしょう。
1日3食決まった時間に食べるように心がけ、場合によっては午後におやつをプラスしても良いでしょう。
子供により食欲には差がありますので、周りの子に合わせる必要はありません。ただ、薄味にすることと油を控えめにするようにしましょう。
離乳食 食べない 体重増えない
1歳4ヶ月になると、食べムラが出てくることがあります。体重が増えないと焦るお母さんもいますが、心配はいりません。
食べる楽しさを覚えてくる時期なので、同じメニューが続いていないか、同じ味付けに偏っていないか、もう一度見直してみると良いでしょう。
また、離乳食をスタートする時期が遅かった子の場合、硬さや大きさに馴染んでいない可能性もあります。大人の食事に近づけすぎたせいで、食べづらさを感じ、食欲を無くしてしまう場合もあるので調整してあげましょう。
食欲がまばらな場合、運動量が足りていない可能性があります。食べている最中にスプーンで遊んだり、バタバタ暴れたりする場合は、遊びの時間をもっと充実するようにしてください。
しっかりと体を動かす遊びをしていれば、お腹も空いて食欲も増しますし、食事に集中することができます。
1歳4ヶ月の睡眠の発達
睡眠時間は?昼寝時間は?睡眠のリズムは?
1歳4ヶ月になると、お昼寝の時間に個人差が生じてきます。まとめて2時間お昼寝を取る子もいれば、午前と午後に1時間ずつ必要な子もいるでしょう。
朝起きる時間が早めの子なら、午前に短いお昼寝を取るのも良いですが、朝が遅めの場合は、午後にまとめて取らなければ夜の睡眠に影響してきます。
睡眠時間としては、トータルで12時間から14時間くらいを目安にすると良いでしょう。
睡眠時間を安定させるためには、食事の時間を決めたり、入浴の時間を決めたりすることが大切です。ぐずっていても、必ずその時間に食事や入浴を行えるようにしましょう。
また遊び足りないと睡眠も浅くなるので、日中しっかり遊ぶことも大切です。身体をたくさん使うほど、夜はぐっすり眠れるようになるでしょう。
寝ない 夜泣き 夜中 起きる
1歳4ヶ月になると、夜に長く眠ることができるようになります。しかし、なかなか寝ない子や、夜泣きがひどい子、夜中に起きる子もいるでしょう。
理想的な就寝時間は夜の20時ですので、それまでに入浴や食事など、刺激の強い行為は終えておく必要があります。
なかなか寝ない子は、入浴のタイミングが遅かったり、寝るより遊びたい欲求が強いことがあるので、お布団に入りながら絵本を読んだり、指遊びしたりして眠気が来るのを待つようにしましょう。
夜泣きがひどい子で、おっぱいを吸いたがる場合は含ませてあげるのも良いでしょう。ミルクを飲まなくても、おっぱいに吸い付いていることで気持ちが安定してくるからです。
夜中に起きてしまう子は、お昼寝の時間が長めになっている可能性があります。お昼寝はトータルで2時間以内に抑え、夕方にお昼寝してしまわないように注意しましょう。
1歳4ヶ月のこころの発達
かんしゃく 苛立ち
1歳4ヶ月になると、思い通りにならないとかんしゃくを起こす子がいます。突然大きな声でかんしゃくを起こすのは、気持ちを上手に表現できない苛立ちからくるものです。
自分はこうしたいという気持ちはあるのに、それをうまく伝えることができないためもどかしさが募り、爆発してしまいます。
まだ言葉の発達も充分ではありませんし、何で気持ちを表現すればいいのか方法を知らないため仕方がありませんが、精神的な病ではありませんので心配する必要はありません。かんしゃくを起こす子は、自己表現の欲求が強く、自我も芽生え始めていると考え、成長のひとつと捉えるようにしましょう。
危ないことやダメなことは、しっかり言葉と表情で伝え、かんしゃくを起こしてもそばにいて向き合うことで徐々に気持ちは治まってきます。しばらくして落ち着いたら、お気に入りの遊びで楽しい気分に切り替えていきましょう。
1歳4ヶ月 の手や指の発達・運動発達
遊び方は? おもちゃは?
1歳4ヶ月の子には、どんな遊びやおもちゃが最適なのでしょうか。
ひとり歩きが上手になった子なら、すべり台やブランコで遊んでみると良いでしょう。道具を持って遊ぶこともできるため、スコップを持って砂場で遊んだりするのもオススメです。
また、絵本に興味を示すようになるので、カラフルな絵本を読み聞かせするのも良いでしょう。ストーリーを理解することはまだできませんが、絵本を見ながら指をさし、言葉を聞くことで脳はどんどん発達していきます。
握る力が安定してくるので、太めのクレヨンでお絵かきにチャレンジしてみるのもオススメです。口に入れても害のないクレヨンがありますので、試しに与えてみると良いでしょう。
また、ものまねをするのが大好きなので、一緒にダンスを踊ったり手拍子をしながら歌をうたったりする遊びもオススメです。テレビやDVDのダンスのフリを、あっという間に覚えてビックリさせることもあるでしょう。
1歳4ヶ月 発達 発育
1歳4ヶ月になると、今までひとり歩きができていた子は、よじ登る力にチャレンジし始めます。テーブルの上によじ登ろうとしたり、椅子に上がろうとしたりするので、どんどん脚力がついてくるでしょう。
気を付けたいのは、ベランダの台や階段です。思わぬ転落で怪我をしてしまう可能性もあるので、十分に注意しておくようにしましょう。
1歳4ヶ月になると、行動範囲はますます広がりますし、今まで手の届かなかった部分にもよじ登って取ろうとします。危険なものは極力片づけるようにし、ロックをかけられる戸棚にしまっておきましょう。
また、このころはイタズラも加速する時期です。相手の反応を見るために、わざと食べ物をひっくり返すこともあるので、「それはダメ!」と強い口調で教えてあげるようにしましょう。
1歳4ヶ月の体調不良
肌トラブル 虫刺され
毎日外に出て遊ぶようになると、気になるのが肌トラブルです。体が小さくとも汗腺の数が大人と一緒なので、とても汗をかきやすいです。汗をかいたままだとあせもになったり痒みが出てくるので、外で遊ぶ時には着替えを数枚持っていってすぐ着替えられるようにしましょう。
また汗をかく分虫も寄って来やすく、デング熱や日本脳炎などの怖い病気は虫に刺されて感染するので、徹底した対策が必要です。
刺されると子供の皮膚は薄いので大人よりも症状が酷くなり、掻いているうちにそこから雑菌が入って化膿しとびひへと進行してしまう可能性があります。虫さされの塗り薬が無い時は冷たいタオルで冷やせば痒みが収まるので、応急処置として是非覚えておきましょう。
1歳4ヶ月歯の本数は? 虫歯ケア
1歳4ヶ月頃の歯の本数は上2~6本 下2~6本ぐらいです。まだ生えない子供もいます。歯の生え方、本数は個人差がありますのでしばらく様子を見れば生えてきますが、心配な場合や異常を感じる場合は歯科医に相談してみてください。
食事全般から歯磨きまで、どんなにお母さんが気をつけていても虫歯になってしまう子もいます。歯の強さは遺伝するので、同じようにケアをしていても虫歯が出来る子と出来ない子が出来てしまうのです。
乳歯の虫歯の進行は早いので、虫歯だと診断された場合は小児歯科で早い治療を行います。早く診せれば器具での治療はせずに、虫歯の進行を止める薬を塗る程度で済むこともあります。
小児歯科は乳幼児専門の歯科ですから、子供が泣いても暴れても上手くあやして治療してくれるので、心配せずにお任せしましょう。この時期虫歯を防ぐには、3ヵ月毎のフッ素塗布がお勧めです。
1歳4ヶ月の生活リズム
1歳4ヶ月になると、身体の動きはどんどんアクティブになってきます。それぞれの性格にもよりますが、好奇心のままに歩いて行ったりよじ登っていったりすることがほとんどです。
生活リズムとしては、日中しっかり遊んでいれば、夜もぐっすり眠りますし御飯もたくさん食べます。今までは、寝ることと食べることが中心の生活リズムでしたから、1歳4ヶ月からは遊ぶことを積極的に生活リズムに加えていきましょう。
同じくらいの赤ちゃんにも興味を示しますし、遊べる道具も広がってきます。家の中で遊ぶよりも、外で遊んだ方が何倍も好奇心を刺激できますし、身体の筋肉の発達スピードも伸びていくでしょう。
可能なら、午前と午後、1時間ずつ外で遊ぶのが理想的ですが、忙しい場合は午後に遊びの時間を入れると良いでしょう。
午前はお買い物をかねて外出し、午後は公園で遊ぶとお母さんの用事も一緒に組み合わせると、負担なく生活サイクルに遊びを取り入れることができます。
また、アクロバティックな動きも好きになる頃ですので、飛行機や高い高いなどの遊びを、お父さんに遊んでもらうようにしましょう。身体が安定してきているので、アクロバティックな遊びに夢中になるはずです。
赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安
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ここまでのまとめ
1歳4ヶ月の発育や、育児のポイントについて幅広くご紹介しました。階段をのぼったり、いたずらをしたりとヒヤヒヤしたり、イライラしたりすることが多い時期ですが、成長のひとつとして見守ってあげることが必要です。ひとりではサポートできないこともあるので、夫や家族に手伝ってもらうようにしましょう。
また、階段や台所など危険なエリアには柵を設置して目を離したすきに危険な行動をしないよう、制御しておくと安心です。すべてに目を配ることは難しいですから、ラクできるところはして、無理のない育児を心掛けるようにしましょう。※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査