言葉への興味が湧いてくる1歳9ヶ月は、おしゃべりが楽しくなる時期です。これがどんな名前の物なんだろう?と自分から興味が湧き、質問してくる場合もあります。
その一方で自分の気持ちを言葉にできず、かんしゃくがひどくなる子もいる時期です。どう接すればいいのか、悩んでしまいがちですがこれも成長している大切なポイントです。対処法を知りながら、うまく接していけるようにしましょう。
そこで、1歳9ヶ月の子供とどう接するべきか、また発達具合や育児ポイントなど幅広い情報をご紹介していきましょう。
1歳9ヶ月の体の成長・発達
1歳9ヶ月の体重 身長は?
1歳9ヶ月になると、どれくらいの体格に成長しているのが一般的なのでしょうか。自分の子が小さいのでは?肥満児じゃないだろうか?と心配なお母さんも多いことでしょう。
男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長78.1cmから88.8㎝で中央値が83.3㎝です。体重は9.19kgから13.20kgで中央値が10.91kgになります。※1
女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長76.6cmから87.4㎝で中央値が82.0㎝です。体重は8.49kgから12.44kgで中央値が10.27kgになります。※1
出生時の体重からグラフにして、緩やかな成長カーブを描いているようなら問題ないでしょう。極端に体重が増加していたり、減少していたりする場合は食事内容や運動量を見直す必要があります。育児教室や病院でアドバイスをもらうようにしましょう。
1歳9ヶ月 言葉の発達
1歳9ヶ月になると、自分から言葉を知りたいという気持ちが強まってくる時期です。今までは、家族から「これは〇〇」と教えられるだけでしたが、自分から「これなーに?」と質問してくるようになるでしょう。
お外で出かけたときも、絵本を開いた時も、これがどんな名前なのかに興味がわきます。図鑑を与えると、喜んでページをめくりどんどん質問してくるようになるでしょう。
また、言葉が発達することにより会話らしい言葉を交わせるようになります。「リンゴおいしい?」と聞くと「おいしい」と返したり、「これは何?」と質問すると「ワンワン!」と答えたりします。会話を楽しむようになると、ますます言葉を知りたいという欲求が増えてくるので、どんどん教えてあげるようにしましょう。
1歳9ヶ月の食の発達
食事の量は?食事の質?
1歳9ヶ月になると、身体をめいっぱい動かして遊ぶことが増えてくるため、食欲も増加してくる傾向にあります。食事の量も増え、おやつもしっかり食べるようになるでしょう。
今までは夕食の時間はお父さんや他の家族が帰宅するまで待つことができていましたが、身体を動かす分お腹が減るのも早いので、夕食の時間が待ちきれなくなることもあるでしょう。
中途半端な時間におやつを食べてしまうと、メインの食事時に入らなくなりますし、就寝時間も遅れてしまいます。今までは家族中心だったタイミングを見直し、子供優先で18時から20時の間に夕食を済ませておくようにしましょう。
食事を食べない 体重増えない
1歳9ヶ月になると、急に体重が増えないことがあります。これは、運動量が増加しエネルギーを燃焼しているからです。食欲に問題がなければ、心配する必要はないでしょう。しかし、用意した食事を食べようとしない子もいます。
病気のようでなければ、好き嫌いができ始めている可能性があるので、食べ方に注目してみましょう。わかりにくい場合は、「これ好き?」と聞くと「キライ」と答えることがあります。
苦みやえぐみのあるものを嫌う子は多いですが栄養面を考えると、いろんな食材をバランスよく食べる必要があります。ハンバーグに混ぜ込んだり、スープに溶け込ませたりしながら、食べてもらうようにしましょう。
1歳9ヶ月の睡眠の発達
睡眠時間は? 睡眠の質は?昼寝時間は?
1歳9ヶ月になると、日中にしっかり遊ぶ分、睡眠時間も安定してきます。お昼寝の時間も決まってきますし、夜も長くぐっすり寝られるようになるので、生活サイクルも安定してくるでしょう。
特に注意したいのが、夜寝る時間です。就寝時間が遅いと成長ホルモンの分泌が減少し、発育に影響してくる恐れがあります。
寝る子は育つと言いますから、できるだけ早い時間に就寝できる癖をつけておきましょう。遅くても21時までには就寝できるよう環境を整え、朝早く起きて身体を動かし、朝ごはんを食べることで身体もスクスク成長していくことでしょう。
夜泣き 夜中起きる
夜泣きは収まってくる時期ですが、それでも突然始まったりまだ継続中という赤ちゃんも少なくありません。
急に始まる夜泣きは、昼間の楽しかった遊びや歌などが刺激となって夜中に起きてしまうもので、中には夜泣きで起きて好きなおもちゃで少し遊んだらまた寝る、と言う行動を繰り返す赤ちゃんもいます。
繊細な赤ちゃんは部屋の模様替えや大掃除など、お母さんがいつもと違う行動を取っているだけでも夜泣きにつながる事があるとか。毎日の刺激に慣れてきて脳も成長を続けるうちにこのタイプの夜泣きは収まってくるので、もう少しの辛抱だと思って頑張ってください。
1歳9ヶ月のこころの発達
かんしゃく、怒る、イライラ
1歳9ヶ月になると、たくさんの言葉を覚え、理解し、話せるようになります。「マンマ」「ニャーニャー」といった一語から、「マンマ食べる」「にゃーにゃーこっち」というように二語に増えることで、会話らしさが出てくるでしょう。
しかし、言葉を覚えているとはいえ、まだまだ少ない段階です。思っていることをうまく伝えられずイライラしてかんしゃくを起こす子もいるでしょう。
気持ちをうまく伝えられないために起こることですが、徐々に言葉を覚えてくると解消されてきます。自我が芽生え、伝えたいという気持ちが出てきていると、成長の1ページとして捉えておくようにしましょう。
イヤイヤ期
1歳9ヶ月になると、なんでも自分でやりたがるようになります。お洋服を着せようとすると、「イヤ!」と拒否をして逃げ回るようになることもあるでしょう。
イヤイヤ期に入ると、いうことすべてにイヤだと反応するため、時間がどんどん過ぎてイライラするお母さんも多くなると思います。しかし、時間がないからと無理やり着させてしまうとかんしゃくを起こして抵抗することがあります。
時間はかかりますが、「どのお洋服が良い?」と自分で着る服を選ばせてあげたり、ズボンやスカートは自分で履かせたりするようにしましょう。
しつけ お片付け
1歳9ヶ月になると、言葉を理解することができるので、遊んだおもちゃを箱にしまうしつけも行っていきましょう。
ひととおり遊んで、おやつや御飯の時間になったら、「先にお片付けしようね」とおもちゃを持って箱にしまっていきます。お母さんと一緒におもちゃを箱に入れたら、「お片付け偉いね!」と褒めてあげましょう。
1回でお片付けを覚えることは難しいですが、何度も繰り返していくと、「おもちゃ、お片付けして」というと自分で片づけられるようになっていくでしょう。
しつけは、根気のいるものです。教えたからといってすぐにできるわけではないので、何度できないことがあっても叱らず、丁寧に教えてあげるようにしましょう。
じっとしていない 落着きがない
食事の時椅子に座っていられない・一つのおもちゃでゆっくり遊ばない・集団行動できない、等の行動が目立つ赤ちゃんを持つお母さんは、発達障害なのではと不安に思ってしまうかもしれません。
特にお母さんの言う事を良く聞く同い年の赤ちゃんがそばにいると、比較してしまって余計落ち込むことも。赤ちゃんは目につくものや興味のあるものに触ってみたり、その方向へ行ってしまう事が良くあって、今していた事をすっかり忘れてしまうものです。
好奇心旺盛な赤ちゃんほどその傾向にあるので、赤ちゃんの行動に一つ一つ区切りをつける環境を作ってみてはいかがでしょうか。何らかの問題がある場合は1歳半健診で医師から指摘されているはずなので、少し様子をみてみては。
1歳9ヶ月の手や指の発達・運動発達
歩きたがらない
歩けるのにすぐ抱っこをせがんだり、公園に行ってもお母さんが抱っこしたままで遊ぼうとしないと、お母さんはイライラしてしまいますね。赤ちゃんが歩きたがらないのは、ただのわかままだけではない色々な理由があります。
体調が悪い・暑い・大きい赤ちゃんで動くのが億劫・人見知り・靴が気に入らない等々、他にも沢山あるかもしれません。また、最近スキンシップが少なくなったと、赤ちゃんが不満に思っている事も考えられます。
対策としては赤ちゃんが泣いた時のように一つ一つ原因を取り除いていくしかないのですが、まずは沢山スキンシップを取りましょう。お母さんにしてみれば大変ですが、ずっとこの状態が続くわけではないのでもう少しの辛抱と思って付き合ってあげてください。
遊び方は?おもちゃは?
1歳9ヶ月になると、身体がしっかりしてきます。運動能力を高めるためにも全身を使った遊びをしていくようにしましょう。
芋虫のものまねをして転がったり、ジャンプをしながらダンスしたり、ボール遊びでキャッチボールしたりすると喜びます。
また、手先が器用になっているので、クレヨンでお絵かきをしたり、粘土で好きなものを作ったりするのも良いでしょう。
何でもものまねをするのが大好きなので、おままごとセットを与えると、お料理の真似をして遊んだりします。
お外で遊ぶとどろんこになって遊びますし、粘土やクレヨンはお部屋を汚してしまうこともあるでしょう。しかし、創造力や運動能力を養うのには欠かせない遊びですので、目いっぱい楽しませてあげるようにしてください。
1歳9ヶ月 生活
歯の成長は?歯磨き
1歳9ヶ月になると、上下8本の歯のほかにも歯が生えてきます。幼児食に切り替わり、食事の量も増えてくるので歯磨きはしっかり行うようにしてください。
歯磨きが苦手な子は、キャラクターのついた可愛い歯ブラシや、カラフルな歯ブラシに変えて興味を持たせてみましょう。また、イキナリごしごし磨くのではなく、歯ブラシを加えるだけでも充分です。
まねごとをするのが好きな時期なので、お母さんが歯ブラシしている姿を見て、自分でもやりたいと言ってくることもあるでしょう。
できるだけ食後には歯磨きの習慣を身に着け、夜寝る前はスキンシップも兼ねてお母さんに仕上げをしてもらうようにするのが理想的です。
1歳9ヶ月 生活リズム
1歳9ヶ月になると、起きる時間、食べる時間、遊ぶ時間、寝る時間がだんだん固まってきます。
ここで気を付けておきたいのが、夜型の生活リズムになっていないかという点です。特に、お父さんの帰宅時間が遅い家庭では、お父さんと遊びたいと寝ないで待っているケースが多くみられます。しかし、子供の成長にとっては遅めの就寝や短い睡眠時間はよくありません。
お父さんとの時間は週末の楽しみに取っておき、できるだけ早い時間に眠れるようにしましょう。
1歳9ヶ月 発達 発育
1歳9ヶ月になると、たくさんの言葉を覚えますし、言葉を話すことも増えてきます。何でもやりたがり、お手伝いやものまねをすることもあるでしょう。また、ダメなことを理解できるようになるのでしつけも徐々についてくる頃です。
歩くスピードも速くなり、ジャンプや階段を上るなど脚力もついてきます。体型も赤ちゃんから幼児らしく変化するため、このままどんどん幼児に成長していくように思いますが、まだまだ心は赤ちゃんのままです。
お母さんが見えないと不安になりますし、離れると嫌がります。甘えたがることも多いですし、添い寝が引き続き必要になることも多いでしょう。
甘えたい時は思いっきり甘えさせてあげることも大切です。幼児食を食べていても、おっぱいを吸いたがる子もいるでしょう。
しっかり甘えることは心を平和に保ってくれるもの。かんしゃくがひどいお子さんの場合、甘える時間が少なくなっている可能性もありますので、添い寝やスキンシップなどの時間を長めに取るよう、心がけましょう。
赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安
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まとめ
1歳9ヶ月の子供について育児のポイントや、成長具合をご紹介しました。話す言葉の量も増え、活発に遊ぶことが増えてくる時期ですから、少し前の赤ちゃん時代が懐かしく思えてくるお母さんも多いのではないでしょうか。しかし、体つきは幼児に成長していても、心はまだまだ赤ちゃんのままです。
スキンシップを大切にし、少しずつ心の成長もサポートしていきましょう。ひとつひとつの成長を見守り、お母さんも一緒にステップアップしていってください。※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査