今まで同じ場所に寝ていたり座っていたりした赤ちゃんも、生後8ヶ月になるとハイハイして動き始めます。予測がつかない動きをするため、ちょっと目を離したすきにアクシデントを起こすこともあるでしょう。
また、離乳食のレベルアップや、動き方の成長具合、歯の生え方など他の赤ちゃんとの違いに不安を感じるお母さんも多いことでしょう。
そこで、生後8ヶ月の赤ちゃんの成長具合や育児のポイントなどを詳しくご紹介していきますので、ひとつの目安として参考にしていただければと思います。ある程度平均値がわかり、育児のポイントを知ることができれば、不安や焦りは解消されていくことでしょう。
生後8ヶ月の赤ちゃんの体の成長・発達
生後8ヶ月の身長と体重は?
生後8ヶ月になると、身長や体重にはかなり個人差が現れてきます。ハイハイができるかどうかで体格も変わってきますし、離乳食の食べ方でも体重の変化に違いが生じるでしょう。しかし気になるのか母心というもの。一般的な平均値をご紹介したいと思います。
男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長66.3cmから75.0㎝で中央値が70.6㎝です。体重は6.96kgから10.14kgで中央値が8.50kgになります。※1
女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長64.4cmから73.2㎝で中央値が69.2㎝です。体重は6.53kgから9.63kgで中央値が7.97kgになります。※1
出生後からの数値を見比べ、緩やかな増加であってもきちんと成長している様子が見えるようなら、問題ありません。気になる場合は健診で、食生活や成長具合をみてもらうとよいでしょう。
赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安
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生後8ヶ月の食の発達
授乳間隔 回数 時間はどれぐらい?
生後8ヶ月になると、離乳食になれてくるので授乳間隔は広がり回数も減ってきます。1日に4~5回くらいの授乳回数になるでしょう。ただし、季節によっては喉が渇き授乳回数が増えることもあります。
また、離乳食を食べているからと、無理に授乳回数を減らす必要はありません。
食欲旺盛な赤ちゃんは授乳量も変わらないまま離乳食も食べるということもありますので、おおらかに考えておくと良いでしょう。
ミルク量 授乳量は?
生後8ヶ月になっても、1回あたりの授乳量はあまり変わりません。200ml前後飲んでいるようなら平均的な数字と言えるでしょう。
ただ、赤ちゃんによっては飲む量は変わらず回数が減ったり、回数は変わらず量だけ減ったりするなど個人差があります。
今までと同じミルクの量をあげていたのに残して不安になる方もいるようですが、しっかり離乳食も食べているようなら心配ないでしょう。
離乳食を始めても、赤ちゃんは安心を求めて授乳を欲します。眠たいときや甘えたい時は授乳したがるので、スキンシップを取りながら与えてあげましょう。
離乳食の量はどれぐらい?
生後8ヶ月になると、離乳食を開始している赤ちゃんがほとんどですが、どれくらいの量を食べさせればよいのでしょうか。
離乳食をスタートした時期にもよりますが、1日2回離乳食を食べるようにしましょう。最初は裏ごしした状態のとろとろな離乳食でしたが、徐々に粒を残していき、形のあるものに徐々に近づけていきます。
少しずつ形状のあるものにすることで、飲むだけでなくもぐもぐと噛む練習をすることができるでしょう。
お母さんが食べる様子を見て、一緒にもぐもぐ練習する赤ちゃんもいますので、食べるときは「もぐもぐしようね」と声をかけながら一緒に動作をしてあげると良いでしょう。
離乳食を食べない 体重増えない
生後8ヶ月になると、離乳食もどんどんレベルアップしていきます。しかしなかなか離乳食を食べてくれないと、落ち込むお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
今まではちゃんと食べていたのに、急に食べないそぶりを見せ始めるのは、味覚が発達している証拠です。生後8ヶ月になると、好きな離乳食と嫌いな離乳食が出てくるのです。嫌いな離乳食だと、口から出して拒否してきます。
また、粒の状態が大きすぎて、うまくもぐもぐできずに吐き出してしまうこともあるので、とろとろ寄りに戻してあげましょう。
また、生後8ヶ月になると離乳食のスプーンを自分でつかもうとしたり、食べ物を自分でつかんで口に入れようとしたりします。
これは、食べ物に興味を示している証拠で、自分で食べるという行為の練習でもあります。食べ物で遊んでいるように見えますが、それを制止してしまうと食べさせてもらうのを待つようになるので、見守ってあげるようにしましょう。
生後8ヶ月の睡眠の発達
生後8ヶ月睡眠時間は? 昼寝時間は?
生後8ヶ月になると、大人と同じようにお昼と夜のリズムができるため、睡眠時間は安定してきます。しかし、なかなか安定しない赤ちゃんも多く、夕方に眠くなって中途半端にお昼寝をしてしまい、夜中もバッチリ置き続けてしまうということがあります。
夜中に起きてしまうと、朝起きる時間も遅くなり、離乳食のタイミングもどんどんずれてしまうので、早めの段階で修正しておくようにしましょう。
夕方に眠くなる頃にスキンシップを取って遊ぶようにし、朝早く起こして光を浴びることで、徐々に睡眠時間のリズムは改善されていきます。
寝ない 夜泣き 夜中に起きる
生後8ヶ月では、夜に長時間寝ることが増えてくるもの。赤ちゃんによっては6時間以上明け方まで寝ることもあるでしょう。しかし、夜中に突然起きたり、夜泣きが毎日のようにあったりしてしまう場合もあります。
授乳で落ち着く場合もありますが、原因不明でどう対処すればよいのかわからないということもあるでしょう。
夜中に起きて泣き出す場合、何か夢を見ている可能性があります。気持ちが興奮しているので、抱っこして外の空気にあたることで気持ちを静めていきましょう。
また、夜泣きのパターンも赤ちゃんにより違いがあります。ギャンギャン激しく泣く赤ちゃんもいれば、悲しそうにグズグズ泣き続ける赤ちゃんもいるでしょう。
どちらの場合も、気持ちが落ち着くまでトントンと身体をたたいたり、抱っこして揺らしてあげたりしているうちに治まってくるので、この時期だけのことと思い、気長に泣き止むのを待つようにしましょう。
生後8ヶ月手や指の発達・運動発達
つかまり立ち 後追い つたい歩き
生後8ヶ月になると、足腰の筋力がついてくるため、つかまり立ちをし始める赤ちゃんもいます。今まではひとりで座ることがほとんどでしたが、近くのテーブルにつかまり、立とうとするようになるのです。
赤ちゃんによっては、ハイハイよりもつかまり立ちを先にする場合もあります。サポートしてみると、伝い歩きをすることもあるでしょう。
また、お母さんの後を追ってハイハイし始めることもあるため、赤ちゃんの周辺は動きやすいように片づけておくと良いでしょう。
目で見えるものすべてを手でつかんでおもちゃにしようとするため、危険なものに触れようとする可能性があります。ストーブや、たばこ、害虫駆除アイテムなど、危険なものはできるだけ手の届く範囲におかないようにしましょう。
興味のあるものに触れようとする 遊びながら発達
生後8ヶ月になると、さまざまなことに興味を示し始めます。中でも、同じ赤ちゃんに興味が湧いてくるのが生後8ヶ月の頃です。赤ちゃんの顔をじーっと眺めたり、何か話しながら顔をペチペチ叩いて泣かせてしまったりします。
生後8ヶ月になると、手や指の発達が進むため、興味のあるものに触れようとするので注意が必要です。
おもちゃとして与えるなら、指先を使うおもちゃが良いでしょう。ボールや積み木など、掴んだり投げたりできるもので遊ぶと喜びます。また、絵本にも興味を示し始めるので、穴あきの絵本や、押すと音が出る絵本で楽しく遊ぶようにしましょう。
生後8ヶ月のこころの発達
人見知り
生後8ヶ月になると、人の顔をじっと見て区別できるようになってきます。そうなると始まるのが人見知りです。
今までは、どの人に抱っこされても大丈夫だったのに、家族以外の人に抱っこされると急に眉間にしわを寄せて嫌な顔をしたり、泣き出したりしてしまいます。
急に泣き出したり、嫌な顔をしたりすると、お母さんとしては冷や汗ものですが、これも立派な成長の証です。
お母さんと他の人を区別できるようになったのだと安心し、相手には人見知りが始まったことを伝えておくと良いでしょう。
記憶力が発達してきます
例えば今まで赤ちゃんが遊んでいたおもちゃをお母さんが取り上げると、赤ちゃんはそのおもちゃをずっと目で追います。おもちゃはお母さんの所にあるという、覚える能力が発達してきます。
ですから、お母さんが再びおもちゃを赤ちゃんに見せると、自分の記憶どおりになって赤ちゃんは大喜びします。赤ちゃんが好きな遊びの一つ「いないいないばあ」は、お母さんの顔が隠れてまた出てくるという一連の動きが赤ちゃんの記憶能力とマッチしているため、喜び何回もやってほしいとせがみます。
赤ちゃんが延々とせがむためにお母さんは疲れてしまうかもしれませんが、ぜひ付き合ってあげてください。
生後8ヶ月の言葉の発達
喃語の種類が増える 仕草で意思表示ができる
喃語の種類が増えてきて、この時期は破裂音を出すのが上手になってきます。赤ちゃんがママよりもパパと言って、お父さんを嬉しがらせるのはこのためなのでしょう。
ただし意味があってパパと言ったわけではなく、そうなるにはもう少し時間が必要です。喃語が増えたといってもまだはっきりした言葉をしゃべれるわけではありませんが、自分のおもちゃなどを取って欲しい時には、指さしして自分の気持ちを伝えようとし始めます。
お母さんが赤ちゃんの要望に答えると、赤ちゃんは自分を理解してくれていると感じて情緒面でも成長していくので、ぜひ赤ちゃんと二人で遊ぶ時間を作ってコミュニケーションを深めましょう。
生後8ヶ月の体調不良
うんちの状態 (便秘 下痢 アレルギー)
生後8ヶ月の頃は、離乳食の幅も広がり、1日2回と回数も増えるため排便の状態にいろんな変化が出てきます。
特に注意したいのが便秘です。離乳食を始めると水分が不足しがちになるので、便が硬くなりやすいので注意しましょう。お茶やお水を補給し、母乳も積極的にあげるようにしてください。
また、とろとろの状態から粒の状態にすることで、消化がうまくできず下痢になる赤ちゃんもいます。消化機能が徐々に発達していくと改善されていきますが、気になるようなら形状をとろとろに戻してあげるようにしましょう。
また、いろんな食べ物を食べ始めるため、アレルギー反応として下痢症状が出ることもあります。今までとは違う下痢だと感じたら、何を食べたのかを調べ、医師に相談してみるようにしましょう。
お父さんやお母さんが食物アレルギーを持っている場合、赤ちゃんもその体質である可能性が高いので、新しい食材を食べ始めるときは様子を見ながら少量ずつ試すようにしましょう。
風邪~鼻水~中耳炎に
赤ちゃんは免疫力がないので、大人にはなんともない菌に感染し熱・咳・鼻水が出る回数が増えます。熱が一番気になる所かもしれませんが、鼻水は中耳炎の原因となるので注意が必要です。
赤ちゃんに多い中耳炎は、鼻水や喉から細菌やウイルスが進入し鼓膜を圧迫して痛みを覚えます。不機嫌・耳を触る・寝かせると大泣きする、そんな場合は耳鼻科に早めに連れて行きましょう。
中耳炎の治療を怠ると、手術をしなければならなかったり難聴になる可能性があるので、日ごろから赤ちゃんの様子をよく観察して。また、頻繁に中耳炎を繰り返す反復性中耳炎になってしまった場合は、鼓膜切開やチューブ挿入などの処置をとる事があります。
生後8ヶ月の生活
歯が生えたときのケアは?生えないときは? 歯磨きは?
生後8ヶ月になると、ほとんどの赤ちゃんから歯が確認され始めます。歯が生えてきたら、歯磨きのケアも始めていくようにしましょう。水で濡らしたガーゼで歯についた食べ物を取り除いてあげるのもいいですが、ある程度歯が生えているようなら柔らかい歯ブラシを使ってみるのもオススメです。
ただ、赤ちゃんによっては生後8ヶ月になっても、まだ歯が生えない場合があります。歯の生える時期には個人差がありますし、1歳に近くなってから歯が生える赤ちゃんもいるので、焦らず見守ってあげると良いでしょう。
お父さんと一緒に育児
生後8ヶ月になると、ハイハイも始まりますし、指を使った遊びにも慣れてくるため、どんどん好奇心が磨かれていきます。
今まではお母さんとおとなしく遊ぶことが多かったかもしれませんが、お父さんと一緒に遊ぶことも大切にしていきましょう。
首も身体もしっかりしてきているので、ダイナミックに身体を上下に動かしたりすると、とても喜びます。
ダイナミックに動かす遊びは、お母さんだと体力的に厳しい面があるため、お父さんに活躍してもらいスキンシップをたくさん撮ってもらうようにしましょう。
生後8ヶ月 生活リズム
生後8ヶ月の赤ちゃんは、よく食べてよく眠り、よく遊び始めます。生活リズムを安定させるためには、朝起きる時間や離乳食の時間をきちんと決めることが大切です。
ダラダラと離乳食を食べ続けたりせず、時間になったら片づけることも大切です。
また、寝つきが悪い赤ちゃんは遊び足りていない可能性もあるため、さまざまな遊びでしっかりと体力と頭を使うようにしましょう。
ママの身体のケア
生後8ヶ月になると、赤ちゃんにも重みが増しますし、動く範囲も広がるので、お母さんとしては目が離せません。抱っこしながらもダイナミックな動きを好むため、肩こりに悩んだり、腰痛に苦しんだりするお母さんも増えてくるころです。
産後で身体も落ち着いてきているので、軽い筋トレをはじめ、体力を使う遊びはできるだけお父さんの助けを借りるようにしましょう。
また、生後8ヶ月になると育児疲れもたまってくる頃です。ひとりで育児を抱えていると、ストレスから疲労が抜けにくくなってくるので、周囲のサポートをお願いするようにしましょう。
ここまでのまとめ
生後8ヶ月の赤ちゃんについてさまざまな情報をご紹介しました。平均的な成長具合や、育児のポイントを知ることで、少しでも不安を取り除いていきましょう。
そして、生後8ヶ月になると赤ちゃんの動きはダイナミックになってきます。ハイハイし始めるので、周囲に危険なものが置かれていないか、定期的に点検しておくようにしましょう。
どんどん活発になる赤ちゃんと一緒に遊んでいると、お母さんの身体にもメリハリがついてきます。産後太りに悩んでいる方は、ダイエットの機会と思い、思いっきり赤ちゃんと遊びながら身体を引き締めていきましょう。ひとつひとつのことに楽しさを見出すことで、育児はもっと楽しくなっていくはずです。※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査