赤ちゃんの指しゃぶりについて知っておきたいこと

赤ちゃんの指しゃぶりついて知っておきたいこと 赤ちゃん 生活

赤ちゃんらしい仕草のひとつとして指しゃぶりがあります。可愛らしい仕草なので、微笑ましく感じている方も多いのではないでしょうか。

赤ちゃんは、生まれる前からお母さんのお腹の中で指しゃぶりしていますから、本能的に指しゃぶりを行っていることがわかります。ただ、指しゃぶりを行うことには、さまざまなメリットがありますが、それと同時にデメリットも存在します。赤ちゃんの為にも、指しゃぶりについてさまざまな情報を知ることで、気をつけるべき点を把握しておきましょう。

目次

赤ちゃんと指しゃぶり

赤ちゃんが指しゃぶりをするのは本能だとご紹介しましたが、どのような作用が起きて指しゃぶりをしているのでしょうか。赤ちゃんには、生まれながらにして「吸啜反射」という本能があります。

吸啜反射というのは、赤ちゃんが母乳やミルクを飲むために必要な本能で、口の周りに触れたものを無意識に何でも吸いつく様子のことを言います。何も教えなくても、赤ちゃんが自らおっぱいを飲もうとするのは、この吸綴反射があるからなのです。

指しゃぶりの始まりは?

指しゃぶりの始まり

赤ちゃんは教えられなくても吸啜反射があるので、母乳やミルクを飲むことができます。特に、生まれてから生後3ヶ月くらいまでの期間は吸啜反射が活発なので、口の周りに触れたものは何でも吸い付こうとします。

その時期に、偶然口の周りに触れた手や指に吸い付こうとし、指しゃぶりが始まっていくのです。

初めて指しゃぶりをしている時は、まだ指という認識はできておらず、触れたものに吸いつくことに集中しているだけです。徐々に指や手の認識がついてくるようになり、指しゃぶりが定着するようになってきます。

赤ちゃんの初めての遊び

初めての遊び

赤ちゃんは生後2ヶ月~3ヶ月くらいの時期に指しゃぶりを始めますが、最初は指というものを認識していません。口の周りに触れたものに対して吸い付いているうちに、動く指を観察するようになっていくのです。目の前で動くものはなに?と好奇心が働き指しゃぶりをして感触を確かめようとします。

指しゃぶりを行うことで、口の中で指の感触を学び、指も濡れていることや吸い付く力の感触を学んでいくのです。指しゃぶりは、赤ちゃんにとって初めての学びでもあり遊びでもあるので、この時期の指しゃぶりは無理やり止めさせないようにしましょう。

足までしゃぶる

最初は手の指をしゃぶっていた赤ちゃんも、次第に範囲を広げて足の指までしゃぶっていくようになります。身体の範囲を認識する上で大切な行為ですので、あたたかく見守ってあげましょう。

指しゃぶりをする時の原因、心理、どんな時?

赤ちゃんの指しゃぶりは、吸綴反応によるものからスタートしていきます。しかし、次第に特定の時にだけ指しゃぶりをすることもあるでしょう。では、一体どんな時に赤ちゃんは指しゃぶりをするのでしょうか。

眠いとき

眠いとき

まず最も多いのが、眠いときの指しゃぶりです。赤ちゃんは、眠気を感じてくると自然と指しゃぶりをするようになります。眠いときの指しゃぶりの原因としては、様々なことがありますが添い乳を求めているサインである可能性が高いです。

赤ちゃんは眠たくなっても、寝方を知らないのですぐに眠ることはできません。そんな時、お母さんに添い乳をしてもらうと気持ちがリラックスして眠りやすくなるのです。指しゃぶりは添い乳を求めていたり、眠気が増してきたりしたサインだと捉えるようにしましょう。

お腹が空いているとき

お腹が空いているとき

赤ちゃんが指しゃぶりをしているとき、お腹が空いているというサインの時があります。何となくお腹が空いてきたなと感じると、自然と指をくわえて授乳の準備を開始するのです。

実際に指しゃぶりをしてしばらくすると、お腹が空いたとぐずったり泣いたりすることが多いので、起きたばかりなのに指しゃぶりを始めたら、お腹がすき始めたサインだと捉えるようにしましょう。

不安になっているとき

不安になっているとき

赤ちゃんは、毎日のように新しいものに触れています。新しい景色、新しい人、新しい空気、新しいおもちゃなどに触れることで、日々成長していきます。

しかし赤ちゃんにとっては、大人が考えられないほどの刺激でもあるのです。ちょっとしたことでも、これは何?と不安になることもあります。赤ちゃんは、不安になると指をしゃぶって気持ちを落ち着かせようとすることがあります。

周囲にお母さんがいなくて不安になっているときも、指しゃぶりを頻繁にすることがあるので、不安そうな顔で指しゃぶりをしているときは、たくさんスキンシップを取ってあげるようにしましょう。

歯がかゆいとき

歯がかゆいとき

赤ちゃんは離乳食がスタートする頃には、可愛らしい歯が生え始めています。歯が生えてくる時期は、歯茎がむずむずして痒くなるため、指しゃぶりをして歯のむずむずを解消しようとしている場合があります。

乳歯が生えてくる時期には仕方のないことですが、指を噛んだり、おもちゃを噛んだりすることがあるので、歯固めを与えてあげると落ち着いてくるでしょう。

口に入れても安全で、さまざまなデザインの歯固めが出ているので、お気に入りの物を見つけることで、指を噛むことが減っていきます。

赤ちゃんの指しゃぶりで心配なこと

指しゃぶりの衛生面について

衛生面について

赤ちゃんが指しゃぶりをするのは、吸綴反射の本能からくるものです。無理に止めさせる必要はありませんが、中には指しゃぶりをしているときの衛生面が気になるということがあるでしょう。

赤ちゃんは、興味のあるものを何でも触ろうとしますから、指が汚れているときもあります。そのような状態の時に指をしゃぶると、ウィルスや細菌が体内に入り込んでしまうので注意が必要です。

赤ちゃんの指は、ぬれたタオルやウェットティッシュなどでこまめに拭くようにしましょう。指によだれがついたままになっていると、周囲のホコリやゴミがくっつきやすくなってしまうので、しっかり拭き取ってサラサラにしておくのがポイントです。

また、爪が伸びている状態だと口の中や舌を傷つけてしまう可能性があるので、こまめに爪切りをしておくことも大切です。

指しゃぶりで歯並びや出っ歯が心配

歯並びの心配

赤ちゃんの月齢が進んで行くと、指しゃぶりが歯並びに影響するのではないかと心配になってくるお母さんがたくさんいらっしゃいます。

実際に歯並びの影響が出てくるのは、乳歯が生え始めてからなので、月齢が浅い赤ちゃんなら心配する必要はないでしょう。しかし、乳歯がある程度生えそろってくる時期まで指しゃぶりをしていると、歯並びに影響が出てくる恐れもあります。

指しゃぶりが原因で、上の歯と下の歯の噛みあわせに不具合が出たり、出っ歯になったりすることもあるようです。指しゃぶりが歯並びに影響しないようにするためには、1歳半~2歳くらいまでには卒業していることが重要です。

この頃になると、乳歯が上下ある程度生えそろってきていますから、指しゃぶりを続けているとそのままの歯並びが定着してしまいます。しかし、1歳半~2歳くらいまでに指しゃぶりを卒業しておけば、少し歯並びが乱れていたとしても自然に元に戻っていくでしょう。

指しゃぶりで吐く赤ちゃん

指しゃぶりで吐く赤ちゃん

赤ちゃんの指しゃぶりといえば親指を使うイメージがありますが、実際は赤ちゃんの好みによって指や本数が変わります。人差し指と中指を一緒に吸ったり、中にはこぶしを口に入れたりとバラエティーに富んでいますが、時折口の奥まで指を入れすぎてえずいている赤ちゃんがいます。

ミルクや母乳を飲んだ後だと吐いてしまう場合があり、お母さんにしてみれば「飲みすぎ?」と心配の種になってしまうかもしれません。指しゃぶりを始めた時、赤ちゃんは口全体で指を確認していて、探っているうちに奥まで届いてしまうのだと考えられます。

何回か繰り返すかもしれませんが、そのうち上手になってえずいたり吐くのはなくなりますので、安心してください。

どうやって指しゃぶりを止めさせる?

どうやって指しゃぶりを止めさせる?

歩く前の赤ちゃんが指しゃぶりをしているのは、とても微笑ましいですよね。しかし2歳・3歳と大きくなってくると、お母さんの方でも止めさせたいと思ってくるのではないでしょうか。

止めさせる時の大きなポイントは、叱ったり怒ったりしない事です。指しゃぶりは赤ちゃんが不安をなくし落ち着ける方法ですから、それを怒ってしまうと何故怒られるのか分からずストレスになって指しゃぶりが酷くなる可能性があります。

赤ちゃんが指しゃぶりをしている時は、さりげなく両手を使う遊びへと誘ったり、お母さんが両手を握って手遊びをするようにしてみましょう。指しゃぶりをしなくても楽しい事が沢山あると分かれば、次第に減ってくるのであまりあせらないようにしましょう。

指しゃぶりの卒業時期は

指しゃぶりの卒業時期

赤ちゃんは、本能として指しゃぶりをスタートしますが、歯並びなどのデメリットを考えると指しゃぶりを卒業する時期を決めておかなければなりません。基本的に、赤ちゃんの指しゃぶりは1歳を過ぎると次第に治まっていきます。

オモチャに夢中になったり、知らない遊びに好奇心が芽生えたりすることから、指しゃぶりで遊ぶ欲求を満たす必要がなくなるからです。

3歳を過ぎるころには、多くの赤ちゃんが指しゃぶりを卒業していますが、稀に吸いダコができるほど指しゃぶりが習慣になっている場合もあります。寂しさなど精神的な欲求不満が関係している可能性があるので、一度小児科や心療内科を受診して改善策をアドバイスしてもらうようにしましょう。

指しゃぶりをしない赤ちゃん

発達の一つとされている指しゃぶりを全くしない赤ちゃんもいて、その場合もお母さんにとって心配事の一つとなってしまいます。

しかし、指しゃぶりを全くしないからといって何か異常があるわけではなく、よく見ればぬいぐるみや袖を代わりにしゃぶっている事が多いなど、全く問題なく順調に成長しているケースがほとんどです。指しゃぶりをする・しないは赤ちゃんの性格によるので、それに対してお母さんが一喜一憂しなくても大丈夫。

指しゃぶりをどうやって止めさせるか等の問題に悩まなくてよい分、ラッキーだったと思えばよいのではないでしょうか。

おしゃぶりについて

赤ちゃんが指しゃぶりを始めると、おしゃぶりも利用した方が良いのでは?と考える方もいると思います。利用する前におしゃぶりのメリットとデメリットを良く把握しておく必要があるので、簡単にご紹介しておきましょう。

おしゃぶりのいいところ

おしゃぶりのいいところ

まず、おしゃぶりのメリットとしては、鼻呼吸が定着しやすくなる、乳幼児突然死症候群のリスクを軽減できる、すぐに泣き止んでくれる、寝かしつけしやすくなる、ということがあります。

もともと赤ちゃんは鼻呼吸がメインですが、稀に口呼吸になってしまう赤ちゃんもいます。その場合、矯正する目的としておしゃぶりを使うと鼻呼吸への移行がスムーズになるでしょう。

また、乳幼児突然死症候群に関しては、おしゃぶりを使っていた方が発症する可能性が低いという報告が出ています。すぐに泣き止んでくれるというのは、お母さんにとっては強い味方ですので、必殺アイテムとして常備しておくと安心です。

夜に何度も起きてしまう赤ちゃんや、決まった時間に寝ない赤ちゃんにおしゃぶりを加えさせると、すーっと寝てくれるので睡眠リズムが安定してくるでしょう。

おしゃぶりの悪いところ

おしゃぶりの悪いところ

おしゃぶりを利用するデメリットとしては、おしゃぶりに依存して、それがなければ泣き止まなくなったり、寝付けなくなったりしてしまうということがあります。

また、いつも口にくわえているので、言語発達やコミュニケーション能力の発達が遅れてしまう可能性があるでしょう。さらに、長い期間おしゃぶりを加えていると、指しゃぶりと同じように歯並びに悪影響が出てくる恐れがあります。

このようにデメリットのことを考えると、おしゃぶりに依存すると卒業するのがかなり厄介になります。おしゃぶりは様々な意見がありますので、パートナーと相談し決めることが大切です。

ここまでのまとめ

赤ちゃんの指しゃぶりについて、さまざまな方向からご紹介しました。本能としてスタートした指しゃぶりは、学びや遊びに発展し、最終的には自然に消滅していきます。

指しゃぶりは赤ちゃんのさまざまなサインを反映してくれるものですから、無理に止めさせず、何が関係してくれるかを探っていき、健やかな成長をサポートしてあげるようにしましょう。

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