出産してから丸1年。1歳のお誕生日を迎えた喜びに、時の流れの速さを実感するお母さんも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんにとって、この1年はめまぐるしいスピードで成長しています。徐々に赤ちゃんらしさから幼児へと変わってくるときです。赤ちゃんの頃とは違う大変さがありますが、ひとつひとつクリアし、育児を楽しんでいきましょう。
そこで、1歳の成長や育児のポイントについて詳しくご紹介していきたいと思います。
1歳の体の成長・発達
1歳の体重 身長は?
1歳になると、出生したころに比べるとかなり大きく成長しています。身長は1.5倍になり、体重においては3倍近くになっている子が多いでしょう。
男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長70.3cmから79.6㎝で中央値が74.8㎝です。体重は7.68kgから11.04kgで中央値が9.24kgになります。※1
女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長68.3cmから77.8㎝で中央値が73.4㎝です。体重は7.16kgから10.48kgで中央値が8.66kgになります。※1
個人差がありますし、成長スピードによってはこの範囲に収まらない子もいると思います。しかし、出生時からの成長が順調なら問題ないでしょう。
赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安
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1歳の食の発達
離乳食の量は? 味付けは?
1歳になると、大人と同じように1日3食離乳食を食べるようになります。ただ、離乳食は徐々に完了していくように調整していきましょう。大人と同じような硬さで食事を摂ることはまだ難しいですが、噛む行為を大切にするためにも徐々に噛める硬さにしていきます。
おかゆの状態から、柔らかいお米の状態にしていき、食材も柔らかく調理したものを用意するようにしましょう。物を噛み切る力はまだないので、指でつぶれる硬さに柔らかくしておくことが大切です。
味付けに関しては、大人と同じにすると塩分がきつすぎます。まだ腎臓機能が発達していないため身体にとっては負担となるので、1歳の子に与えるときは薄味にしておくと良いでしょう。
離乳食を食べない 体重増えない
1歳で離乳食を食べなかったり、なかなか体重が増えなかったりすることもあります。体重に関しては今までのように増えることは少なく、どちらかというと身長の方が伸びていく傾向になるでしょう。
離乳食を食べない原因は、味付けや柔らかさに問題がある可能性があります。硬すぎてうまく味わえなかったり、塩分が強すぎて不快感を覚えたりすることもあるでしょう。
また、毎食同じようなメニューだと大人でも飽きてしまいますので、食材を変えたり、レパートリーを増やしたりすることも大切です。なかなかレパートリーが増やせない、忙しくて作れないという方は、市販のベビーフードを頼るのもオススメです。
栄養が考えられ、バラエティ豊かな食材が揃えられているので、たまには息抜きついでに利用してみると良いでしょう。
ミルク?フォローアップミルク?牛乳?
1歳になるとそろそろ卒乳が始まる時期です。離乳食をメインにしますし歯も生えてきているので自然と授乳から離れる子もいるでしょう。
無理やり卒乳する必要はありませんが、ミルクの代わりにフォローアップミルクや牛乳を与えたいというお母さんもいらっしゃいます。離乳食としてではなく、おやつとして与えるのであれば牛乳を利用しても良いでしょう。
ただし、お子さんによっては牛乳にアレルギー反応を起こすこともあります。うんちの状態を観察し、お腹の調子が悪くなっていないか、湿疹が出ないかよく見ておくようにしましょう。
保育園に預ける お弁当は?
1歳になると、育児休暇が終わり社会復帰するお母さんも続々と増えてきます。職場に託児所がある場合は、気兼ねなく預けて仕事することができますが、保育園に預ける場合はお弁当が必要になります。
柔らかく作ったお弁当なので、水分がこぼれたりしないようタッパのような密封率の高いものにしましょう。保育園によっては、ご飯は用意してくれて、おかずだけ準備すればOKなどさまざまです。どんなお弁当が最適かわからない時は、保育園の先生にアドバイスをもらうのも良いでしょう。
基本的には、手で掴んだりしやすく、柔らかく煮た味付けの薄い野菜やお豆があればOKです。
1歳の睡眠の発達
1歳の睡眠時間 昼寝時間
1歳になると、日中の動きが活発になるため、遊べば遊ぶほど夜は長く寝られるようになります。
しかし、睡眠時間がなかなか定まらないと、お母さんの生活リズムも狂ってしまうため、できるだけ同じタイミングで寝付いてほしいものです。
夜にしっかりと睡眠時間を取るためには、お昼寝の時間を調整するようにしましょう。1日のうち昼寝の睡眠時間は2時間以内で1回に抑えておくべきです。これを守るだけで、睡眠リズムが安定し、夜もぐっすり眠れるようになるでしょう。
寝ない 夜泣き 夜中起きる
睡眠サイクルを整えても、夜中に突然起きる子や、夜泣きを卒業できない子もいます。夜中に突然目が覚めてしまうのは、昼間の刺激がフラッシュバックしている可能性があるでしょう。ドキドキしたり不安になったりした記憶がよみがえり、その時と同じ気持ちになって泣いてしまうのです。
また、脳が発達することから夢を見て、それと現実とのギャップに戸惑い不安を感じることもあるようです。
更に、目が覚めたときに暗い部屋でひとりぼっちというシチュエーションも夜泣きに繋がることが多いため、鳴き声を聞きつけたら、すぐに近くに行って寄り添ってあげるようにしましょう。
1歳になると赤ちゃんのようにお母さんを欲することがあります。卒乳している場合は、スキンシップはきちんと取り不安を少しでも取り除いてあげましょう。
1歳のこころの発達
しつけ おこる
1歳になると、言葉を理解し始めている頃。どんなことが良いことなのか、悪いことなのかを判断することができます。
例えば、いたずらをしているのを発見したとき、真剣な顔で向き合い「それはダメ」と強い口調で説明することで、「これはしてはいけないことなんだ」と理解することができます。
ダメだということを理解させ、伝えるためには、真剣さが必要です。子供の目を見て、いつもとは違う声のトーンで繰り返し言うことで、徐々に分別がついてくるようになるでしょう。
人見知り お母さんとのかかわり
1歳になると、お母さんとの時間をより必要にしてきます。ベッタリと甘えてくることも多い分、お母さん以外の人に懐かなくなることもあるでしょう。
保育園に預けるときには、人見知りが激しく保母さんに対しても拒否する姿勢を取ることもあります。徐々に慣れてくるとは言え、どちらかというとお母さんと離れることを寂しく感じる時期なので、どの人でもダメなときがあるでしょう。
怖がり 臆病 不安
見るもの触るもの全てに興味を持つので、気持ちの赴くままにどんどん行動範囲が広がっていき、それを追いかけるお母さんも一苦労です。しかし、さっきまで夢中になって遊んでいたと思ったら急に甘えだしたり、夜中に泣き出してしまう事も少なくありません。
赤ちゃんとお母さんの距離が極端に伸び縮みするのがこの時期の特徴ですが、未知のものに対する赤ちゃんの行動は、好奇心が最優先でもその裏には不安や怖さが隠れているので、刺激を受けた後は安心できる場所に戻って不安や怖さを払拭するのです。
新生児に比べれば色々な事ができるようになりましたが、まだまだ赤ちゃんですからお母さんの所に戻ってきた時にはしっかり抱きしめてあげましょう。
1歳の手や指の発達・運動発達
つかまり歩きから一人歩き 靴 サイズ
1歳になると、つかまり歩きから、徐々に一人でも歩けるようになってきます。
最初は、よちよち歩きで心もとないですが、徐々にバランスを取れるようになり、何歩も歩けるようになってくるでしょう。歩けるようになると、外でも活発に動き回るようになるため、靴が必要になります。
靴を選ぶときは、足のサイズにあっているか、足の形が合っているかをチェックするようにしましょう。サイズはピッタリでもつま先が窮屈になっていたり、踵に隙間があったりすると、歩いているうちに靴擦れを起こしてしまいます。ちなみに平均的な足のサイズは12センチ~13センチです。 日本サイズで12.5号~13.5号です。
また、まだ不安定な歩き方なので滑り止めが就いた安全な靴を選ぶことも重要です。軽い素材で丈夫なものを選べば、靴に違和感を覚えることなく、思いっきり歩くことを楽しめるでしょう。
遊び おもちゃは?
1歳になると、言葉を理解する力がついてくるため、絵本を読み聞かせるのにも興味を示してきます。何度も同じ絵本を読み聞かせていると、次第に同じシーンで同じ言葉を発しようとしてくるでしょう。
また、運動機能がどんどん発達してくるため、公園に出かけて積極的に遊ぶことも増えてきます。家の中で、おもちゃで遊ぶのもいいですが、外に出かけて足腰の筋力をしっかりつけながら遊ぶことも大切です。
徐々に同じくらいの子供に興味を示す頃ですので、たくさん赤ちゃんや子供が集まっている場所に行ってみるのも良いでしょう。
1歳の言葉の発達
1歳だと、まだはっきりとした言葉を話すことはできません。しかし、少しずつ話そうとするスピードは速まってきます。
前は、聞いた言葉を真似するのもゆっくりでしたが、徐々にその言葉を覚え、早く言えるようになるのです。次第に意味も理解できるようになるため、自らその言葉を発することも増えてくるでしょう。
お腹が空いた時には「まんま」大好きなおもちゃの自動車は「ぶーぶ」など、意味を理解して発する言葉をひとつかふたつ持つようになります。
たくさん話しかけてあげることで、言葉の発達はどんどん進んで行きますから、たくさんの言葉を聞かせ、コミュニケーションを取るようにしましょう。
1歳の体調不良
中耳炎や目やに
1歳を過ぎて風邪をこじらせる子の中には、中耳炎になる場合があります。発熱がありその後耳に手を当てながら嫌な顔をしたり、泣き始めたりする場合は中耳炎を疑ってみると良いでしょう。
微熱が続いたり、首をブンブン振って耳の違和感を緩和させようとしたりする子もいます。症状に気づいたら、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。
また、子供によっては目やにが多く出てくる子もいます。目薬を処方してもらい、水で濡らした綿棒で優しく拭き取ってあげるようにしましょう。
1歳 予防接種
1歳までに受けるべき予防接種はたくさんあります。自治体からお知らせが来る場合もありますが、保護者でスケジュールを組む必要があるので、かかりつけの医師に相談し、適切な感覚で予防接種を受けられるようにしましょう。
定期接種に認定されているものもあれば、任意接種もありそれぞれの判断に委ねられているなど、さまざまです。
それぞれの家庭により予防接種についての考え方はあると思いますが、医師とよく相談したうえで決めるようにしましょう。
1歳の生活
乳歯は上下生えそろう子も 虫歯 歯磨き
1歳になると、乳歯は上下生えそろってくる子も増えてきます。離乳食も徐々に大人の形状に近づいているので、きちんと歯磨きをして歯を健康な状態に保ってあげるようにしましょう。
離乳食に食物繊維を意識して摂りいれると、歯を刺激してくれるのでオススメです。歯磨きがあまり好きではない子は、食事の後にお茶やお水を飲ませ、ご機嫌なときを見計らって歯磨きするようにしましょう。
歯磨きをするときも、言葉をかけてちゃんとできたら「偉いね」と褒めてあげることも大切です。
1歳 習い事 英語
1歳になると言葉を覚え始め、それを理解し、発せられるようになる頃です。まだ何を話しているのかは理解できないものの、お母さんやお父さんに積極的に話そうとする風景も良く目にします。
言葉を理解し始めると、気になってくるのが習い事です。特に英語は小さいころから親しんでおくと大人になってから困らないという話をよく聞くため、関心のあるお母さんも多いのではないでしょうか。
1歳から英語の習い事を始めるのは、ちょっと早い気がすると思う方もいらっしゃるでしょうが、LとRの発音を聞き分けることができるようになったり、早い段階から英語の発音に耳がなれたりするため、結果的には語学力がつくと言われています。
英語を習う時は、カラフルな絵本を使うことも多いので、1歳でも楽しみながら英語に触れることができるでしょう。
1歳 生活リズム
1歳の子供の生活リズムは、ほぼ大人に近くなってきています。
朝7時に起きて、朝食を取り、10時ごろにお散歩にでかけます。帰宅して12時にお昼を食べ、1時間~2時間ほどお昼寝をしたら、15時のおやつタイム。再びお散歩に出かけて帰宅し、18時に夕食。19時にお風呂に入って20時には就寝というのが理想的な生活リズムです。
ただ、仕事に出かけているお母さんがいる場合、理想通りに食事をしたり、就寝したりすることは難しいでしょう。
しかし、成長ホルモンが分泌されるのは夜の時間帯なので、遅くても21時までには就寝したいものです。できるだけ早めに夕食とお風呂を済ませ、しっかりと夜の睡眠と成長ホルモンの分泌を確保するようにしましょう。
1歳誕生日 風習
産まれて初めての誕生日はやはり特別で、昔は様々な風習、慣わしがあり今でも行っている家庭が多いです。
よく聞かれるのが「一升餅」と「選び取り」で、一升餅はこれから一生食べ物に困らないようにとの願いをこめて約2kgのお餅を赤ちゃんに背負わせて歩かせる儀式です。
選び取りは赤ちゃんの目の前に複数の品を並べて、最初に赤ちゃんが取ったもので将来の職業や才能を占う儀式で、そろばん・筆・お金の3種類を並べるのが一般的です。
バースデーケーキでお祝いするのも良いですが、機会があった時には昔ながらの風習、慣わしも試してみてはいかがでしょうか。
ここまでのまとめ
1歳の子供の成長スピードと、育児のポイントについてご紹介しました。言葉への興味がわき、理解も深まるためより一層深くコミュニケーションを取りはじめられる時期です。また、靴を履いて歩きまわることも増えてくるため、さらに活発になってくることでしょう。
赤ちゃんから幼児へと成長し始める時期ですから、ひと時もその成長から目を離すことはできません。
毎日コロコロ変わり、一歩ずつ確かに成長していく姿を楽しみに、今という時間をめいっぱい大切にしていきましょう。※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査