生後9ヶ月赤ちゃんの成長と育児で知っておきたいこと

生後9ヶ月赤ちゃんの成長と育児で知っておきたいこと 赤ちゃん 月齢

生後9ヶ月の赤ちゃんは、とにかく好奇心が旺盛になります。目で見えるものなら何でも触ろうとしますし、理解しようとする力も発達するため、相手の反応を見ながら遊ぶことが可能です。

遊び方に変化が生じたり、ハイハイが始まったりと目が離せない生後9ヶ月ですが、自分の子供は成長が遅いのでは?と不安になることもあるでしょう。

生後9ヶ月の赤ちゃんができることには、個人差があります。しかし、おおよその目安を知ることで安心できる部分もあるでしょう。そこで、生後9ヶ月の成長具合と、育児でつまずきやすいポイントと改善点について、詳しくご紹介していきたいと思います。

目次

生後9ヶ月の赤ちゃんの体の成長・発達

生後9ヶ月 体重 身長

生後9ヶ月 体重 身長

生後9ヶ月になると、赤ちゃんはどれくらいのサイズに成長しているものなのでしょうか。

男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長67.4cmから76.2㎝で中央値が71.3㎝です。体重は7.16kgから10.37kgで中央値が8.70kgになります。※1

女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長65.5cmから74.5㎝で中央値が70.4㎝です。体重は6.71kgから9.85kgで中央値が8.17kgになります。※1

ただし、生後9ヶ月の平均体重や身長は、あくまで目安です。個人差がかなりあるので、あまり神経質にならないようにしましょう。

赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安

生後9ヶ月 赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安

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生後9ヶ月の食の発達

授乳間隔 回数 時間は?

生後9ヶ月 授乳間隔 回数 時間

生後9ヶ月になっても、まだ授乳は続きます。しかし、離乳食の影響により授乳回数は徐々に減ってくるでしょう。赤ちゃんによっては、授乳を嫌がったり、ミルクを拒否したりすることもあるようです。

栄養が不足しないか気になるところですが、離乳食をきちんと取れているようなら、ある程度回数が減っても問題ないでしょう。

また夜中に授乳していた赤ちゃんも、徐々に眠れるようになり授乳せずに朝まで眠ることも増えてきます。ただ、精神的な落ち着きを求めて授乳を欲する赤ちゃんも多いので、欲しがるようなら与えてあげるようにしましょう。

ミルクの量 授乳量は?

生後9ヶ月 ミルクの量 授乳量

生後9ヶ月になると、離乳食の量が増えるため、授乳量やミルクの量は減ってきます。1回の授乳量としては200ml前後が目安ですが、お腹がいっぱいになって飲まない赤ちゃんもいるので、無理にあげる必要はありません。

また、授乳やミルクを嫌がり、離乳食だけしか食べなくなる赤ちゃんもいます。離乳食だけだと栄養が不安だと感じる場合は、栄養豊富なフォローアップミルクを上げると良いでしょう。

生後9ヶ月なら、与えられるフォローアップミルクがあるため、月齢や飲み方を確認して、栄養補助の感覚で与えてあげると安心です。

しかし、必ず与える必要があるものではありません。食が細くて体重もなかなか増えないという赤ちゃんに試してみると良いでしょう。

離乳食の量は?

生後9ヶ月 離乳食 量

生後9ヶ月になると、離乳食の回数も増えてきます。それまで1日2回だったのが、1日3回になり大人と同じ食事回数に近づいてくるでしょう。しかし、突然朝昼晩と大人と同じタイミングで離乳食の時間を設定してしまうと赤ちゃんも戸惑ってしまいます。

今まで授乳していたタイミングを離乳食に置き換えることで、ストレスなく受け入れることができるでしょう。

離乳食の形状はつぶつぶの状態で、歯茎ですりつぶせる柔らかさが必要になります。もぐもぐせずに、そのまま丸飲みしているようなら、粒の形状をさらに柔らかめにしておきましょう。

離乳食をスタートした時期が遅めの赤ちゃんなら、無理をせず1日2回にとどめ、翌月に3回にしてもかまいません。赤ちゃんの様子を見ながら、食事の回数を増やしていくと良いでしょう。

離乳食を食べない 体重増えない

生後9ヶ月 離乳食 食べない 体重増えない

生後9ヶ月になると、食べられる離乳食は増えてきます。しかし、突然今まで食べていた離乳食を受け付けなくなることもあるでしょう。口に入れるとペッと吐きだしたり、嫌な顔をしたりするので、不安になるお母さんもいると思います。しかしこれは、赤ちゃんの味覚が発達している証拠です。

好みの味や柔らかさなども変わってくるので、食べる様子から離乳食の好みを探ってみると良いでしょう。

食べ方の変化 自分で食べる 手づかみ食べ

生後9ヶ月 食べ方

生後9ヶ月になると、自分で食べ物を掴んで口に入れようとしてきます。目の前の離乳食を掴んで食べるのは、その柔らかさを確かめて味わいたいという気持ちが芽生えているからです。

指の機能が発達しているため、小さな食べ物でもつまむことができるようになります。しかし、食べこぼしをしたり、お皿をひっくり返したりするため、お母さんにとっては行儀が悪く映ることもあるでしょう。

ただ、汚れるからと食べ物を掴めないようにしてしまうと、自発的に食べようとしなくなるため、トレーニングのひとつと思い、チャレンジさせてあげましょう。

食べムラが生じてきます

生後9ヶ月 食べムラ

生後9ヶ月になると、好奇心の範囲が広がるため、食べムラも生じてきます。食べている最中にテレビが気になって食べなくなったり、一度に食べる量が日によってムラになったりするのです。

食事も赤ちゃんにとっては遊びのひとつになっているため、食べムラがでたり、飽きてしまったりするのは仕方がありません。

他のことに興味を示して食べなくなったとしても、無理に間食させる必要はありません。充分食べたと思ったら、一定時間で片づけるようにしましょう。

生後9ヶ月の手や指の発達・運動発達

手先が器用になってきます 遊びでバイバイ

生後9ヶ月 遊び おもちゃ

生後9ヶ月になると、真似をする遊びにチャレンジしてみましょう。お母さんやお父さんがしていることを真似しようとするので、向かい合って「バイバイ」と手を振ると、同じように「バイバイ」と返そうとします。

まだ言語が発達していないので、正確に発音することはできませんが、真似をすることで脳が刺激され発達していくので遊びのひとつで取り入れて行くと良いでしょう。

また、生後9ヶ月になると指先の神経が発達してくるため、つまんで遊ぶということが可能になります。おもちゃの代わりにティッシュをつまんで引き出して遊んだり、積み木をつまんで遊んだりすることも増えてくるでしょう。

また、集中力も備わってくるので、ひとりで黙々と遊ぶことも可能になります。ただし、手がかからなくて楽だと思い、赤ちゃんの視界から外れてしまうと、後追いで泣き出してしまうので注意しましょう。

ハイハイできるように! ハイハイしない

生後9ヶ月 ハイハイ ハイハイしない

生後9ヶ月になると、ひとり座りも安定し、膝をついてハイハイし始める赤ちゃんも増えてきます。ハイハイし始めると、一気に行動範囲が広がり、あれこれ触って遊び始めるので、危険なものは早めに片づけておきましょう。

コンセントも掴んで引っ張り抜いてしまうので、危険です。よだれの水分が付着すると感電する恐れもあるので、手が届かないところに隠しておくようにしましょう。

ただ、生後9ヶ月になってもハイハイしようとしない赤ちゃんもいます。うつ伏せが嫌いだったりすると、ハイハイしないこともありますが、お母さんと一緒にハイハイの形を練習すると、マネをしてできるようになることもあります。

赤ちゃんによりハイハイを先にしたり、つかまり立ちを先にしたりと、好みがあるようなので、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。

つかまり立ち 後追い つたい歩き

生後9ヶ月 つかまり立ち 後追い つたい歩き

生後9ヶ月になると、低いテーブルなどにつかまり立ちする赤ちゃんも出てきます。しかし、まだ足腰の筋力は不完全なので、テーブルをどけてすぐに立たせようとしないようにしましょう。

また、生後9ヶ月になると目立ってくるのが後追いです。お母さんの姿が見えないことに不安を感じ、少しでも視界から見えなくなると泣き出してしまいます。トイレに行っていたら、大泣きされた。お茶を取りに行っただけなのにぐずり始めたという症状が見られたら、後追いが始まったと思いましょう。

お母さんとしては、ちょっとでも距離を離せないため、大変だと思いがちですが、赤ちゃんとの絆を強く感じる大切な時間でもあります。

赤ちゃんが後追いで泣きだしたら、しっかりと抱きしめて「お母さんはここにいるよ」ということを実感させてあげましょう。

生後9ヶ月のこころの発達

人見知り 後追い

生後9ヶ月 人見知り

生後9ヶ月になると後追いが始まりますが、これはお母さんという存在を強く認識している証拠ですお母さんと強く認識できるということは、他の人であることも理解できるということ。つまり、知らない人が目の前に来ると不安になり人見知りをして泣き出すことも増えてくるのです。

赤ちゃんにとって、見えている世界が全てですから視界の中にお母さんがおらず、知らない人がいることで不安は一気に大きくなります。初めての人と対面する時は、お母さんも一緒に視界に入るように工夫すると良いでしょう。

人見知りはすべての赤ちゃんに生じるわけではありません。赤ちゃんによっては知らない人に興味を示し、自ら手を伸ばしてスキンシップを測ろうとするケースもあります。人見知りするから良い、悪いということはありませんので、性格や気質の物と捉えておくと良いでしょう。

記憶能力が発達します

生後9ヶ月 記憶能力

記憶能力が発達してきていますが、この頃になると自分の名前が分かるようになります。これまでは自分以外のもの、お母さん・お父さん・おもちゃなどは全て同じような存在であると認識していましたが、日が経つにつれて区別できるようになり自分も同様に○○という名前を持つと認識するようになります。

実際赤ちゃんが自分の名前を認識するのは生後6ヶ月ごろと言われていますが、後ろから名前を呼ぶと振り向いたり笑顔を見せるなど、呼びかけに対して反応を見せるようになるのが9~10ヶ月ごろです。

反対に反応しないとしても即異常と判断せずに様子を見る事もありますが、中には中耳炎が原因で耳の聞こえが悪いケースも考えられるので、気になる場合は病院で見てもらいましょう。

ベビーサインでコミュニケーション

ベビーサインでコミュニケーション

言葉を話せなくても、指差しなどで赤ちゃんは自分の意思を伝えようとします。それを更に発展させて赤ちゃんにサインを教えて、親子でコミュニケーションをとりやすくするのがベビーサインと言われています。

赤ちゃんがお母さんを見て両腕を伸ばせばお母さんはすぐさま「抱っこ」だと分かるように、ご飯や抱っこなど赤ちゃんにとって重要性が高いものほど早いうちからサインとして周りに教えています。

そのようなサインを増やすにはお母さんからの働きかけが大事で、例えば離乳食を食べている時に「おいしいね」という言葉と決まったポーズをいつも赤ちゃんに見せるようにすると、おいしいの意味が理解出来た時に自分からするようになります。ぜひ赤ちゃんとのコミュニケーションを増やすために試してみてはいかがでしょうか。

生後9ヶ月の生活

成長の差ができてきます。

生後9ヶ月 成長の差

早い赤ちゃんではすでに伝い歩きが出来ますが、遅い赤ちゃんはまだずりばいと成長に差が出てくる時期です。離乳食は3回食になるので、毎回沢山食べる赤ちゃんや一口で終わりという赤ちゃんなど、ここでも個人の差が大きく出てきます。

発育・発達が良い分はお母さんも安心ですが、そうでない赤ちゃんのお母さんは毎日気を揉んでストレスが溜まってしまっているかもしれません。

育児書や健診の発達検査はただの目安でしかなく、赤ちゃんの性格や体質によって大きく変化しますから、医師から何も言われない限りはこういうタイプなのだと考えて無理強いはしないようにしましょう。あまりお母さんがイライラしてしまうと、赤ちゃんにも影響して悪化してしまうかもしれません。

歯が生える? 生えない? 歯磨きは?

生後9ヶ月 歯が生える 生えない 歯磨き

生後9ヶ月になると、歯が生え始める赤ちゃんも増えてきます。虫歯を予防するためにも、赤ちゃんの歯磨きはきちんと行ってあげるようにしましょう。

柔らかい赤ちゃん用の歯ブラシで優しく汚れを取り除いてあげるだけで充分です。あまり強く磨こうとすると、嫌がることもあるので注意しましょう。

歯ブラシ事態が苦手な赤ちゃんは、水で濡らしたガーゼを指に巻きつけ、歯ブラシ代わりに擦ってあげると良いでしょう。

生後9ヶ月になっても、まだ歯が生えない赤ちゃんもいますが、生えてくる時期はさまざまです。離乳食の粒の大きさに注意する必要がありますが、不安なら一度健診で相談してみると良いでしょう。

生後9ヶ月 生活リズム

生後9ヶ月 生活リズム

生後9ヶ月になると、夜にまとまった睡眠をとれるようになります。しかし、まだ夜泣きが続いたり、授乳が必要な場合もあったりするので、引き続き不規則な睡眠リズムの赤ちゃんもいるでしょう。

生後9ヶ月はたくさんの刺激を受けて好奇心も旺盛なときなので、昼間の強い刺激により神経が興奮して夜中に目覚めてしまうこともあります。

また、遊び足りなくて寝つきが悪く、なかなか長い時間寝てくれないこともあるでしょう。極端に睡眠時間が短い場合や、夜中に何度も起きる場合は、生活リズムが乱れている可能性があります。

食事の量やタイミング、運動量を見直し、メリハリのある生活リズムに整えていくことで、睡眠時間も徐々に安定してくるでしょう。

お母さんのリフレッシュ

生後9ヶ月 ママリフレッシュ

どんなに気丈なお母さんでも、9ヶ月赤ちゃんとつきっきりでは、疲れてくるもの。離乳食が始まれば、他の人に預けることも可能になってくるので、時にはリフレッシュも兼ねてひとりの時間を作ってみるのも良いでしょう。

人見知りをしない祖母や祖父に預け、ちょっとだけでも外へ出かけることで、ストレスを発散させることができます。

真面目なお母さんほど、育児ストレスをひとりで抱えてしまいがちです。ひとりで抱え過ぎると育児ストレスが気持ちに影響し鬱を引き起こしてしまうこともあるため、定期的にリフレッシュの機会を意識して作ることも大切です。

赤ちゃんを預かってくれるという義理母からの申し出も、有り難く受け止めてみてはいかがでしょうか。

生後9ヶ月 健診

生後9ヶ月 健診

生後9ヶ月になると、各自治体によっては健診が実施されることもあります。10ヶ月健診が主流ですが、成長具合に不安がある場合は、早めに受けてみるのも良いでしょう。

健診では、聴覚や視力、ハイハイや寝返りなどの成長具合をチェックしていきます。離乳食の量や、食べ方、アレルギーなど不安要素がある場合は積極的に質問しておくと良いでしょう。

自分としては、とても不安だったことも医学的に見れば健やかに成長しているので問題がないと判断されることも多いもの。

お母さんが不安を抱えてストレスを感じていると、それが赤ちゃんに伝わり、よくない連鎖が続いてしまうので、早めに悩みは解消しておくようにしましょう。

ここまでのまとめ

生後9ヶ月の赤ちゃんに関する情報を幅広くご紹介しました。後追いや、まねっこの始まり、離乳食の回数増加など、さまざまな変化が生じる生後9ヶ月ですが、赤ちゃんの成長スピードはそれぞれ違います。

歯がなかなか生えなくても、ハイハイが上手くできなかったとしても、その子の成長スピードにあっているのなら、何も問題もないのです。

人と比べてしまうと焦ったり不安になったりしますが、人それぞれ違うと気づけば、気持ちも一気に楽になっていくことでしょう。育児ストレスも溜まりがちな生後9ヶ月ですから、上手くリフレッシュしてストレスも解消していきましょう。※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査

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