出生後は小さくて壊れそうなほどデリケートに思えた赤ちゃんも、生後5ヶ月になれば体重も重くなり、身長もどんどん伸びていきます。
また、このころになると急にアクティブに成長し始めるため、目が離せなくなることも増えてくるでしょう。しかし赤ちゃんにより成長のスピードには違いがありますし、この状態で大丈夫?と不安になることもあるでしょう。
そこで、生後5ヶ月の赤ちゃんに関する育児や成長の情報を、幅広くご紹介していきたいと思います。
生後5ヶ月 赤ちゃんの体の成長・発達
生後5ヶ月の体重と身長は?
生後5ヶ月ともなれば、すっかり大きくなって抱っこするのも徐々に重さが気になり始める頃。では、実際にはどれくらいの身長や体重に成長しているのが一般的なのでしょうか。
男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長61.9cmから70.4㎝で中央値が66.2㎝です。体重は6.10kgから9.20kgで中央値が7.66kgになります。※1
女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長60.1cmから68.7㎝で中央値が64.9㎝です。体重は5.74kgから8.67kgで中央値が7.14kgになります。※1
もちろん、個体差は大きく生じている時期なので、一般的な平均値として認識しておきましょう。
赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安
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生後5ヶ月 食の発達
授乳時間は?授乳間隔は? 回数は?
生後5ヶ月になると、授乳間隔はかなり安定してきます。4時間以上間隔が開くことも珍しくなくなってくるでしょう。
また、1回の授乳にかかる時間も短くなるのが特徴です。舌の発育が進むため、吸い込む力が増すためです。
もし生後5ヶ月になっても30分以上かけて授乳する場合、遊び飲みをしている可能性があるので、30分を目安に一度休憩する癖をつけておくようにしましょう。
ミルク量 授乳量はどれぐらいに?
生後5ヶ月になると、一度に授乳する量が増えてきますが、具体的にはどれくらいの量を飲むのでしょうか。
ミルクであれば、1回の授乳で200mlほど飲むのが通常です。これを1日4~5回飲んでいきます。
授乳量が気になる場合は、授乳する前と授乳した後で体重を測り、どれくらい増えているかを確認しておくと良いでしょう。
ただ、生後5ヶ月になると離乳食をスタートさせる赤ちゃんも出てきます。離乳食が加わるとミルクの量や授乳量は減少していくでしょう。
離乳食をスタート 初めは一口から
生後5ヶ月になると、離乳食をスタートする赤ちゃんが増えてきます。スタートする目安としては、赤ちゃんが食べたがっているかどうかで判断すると良いでしょう。
大人が食べている様子をじっと見ている。食べている姿をマネして口をもぐもぐしている。食べている姿を見てよだれがたくさん出てきている。などこのようなサインが出たら、離乳食をスタートしても大丈夫と言えるでしょう。
最初はスプーンを口に含ませてみて、嫌がらないようなら離乳食を食べさせてみましょう。
野菜やお米などを裏ごしし、スープやお湯で伸ばしたものを、一口ずつ食べさせていきます。アレルギーの心配もあるので、初日は一口だけ与えて様子を見、次の日に二口、三口と徐々に増やしていきましょう。
離乳食を食べない? 体重増えないときは?
生後5ヶ月になっているのに、離乳食を食べない。スプーンを嫌がったり、口に入れたものを吐きだしてしまったりする赤ちゃんもいます。もしそのような症状が見られたら、無理に食べさせることはやめましょう。
授乳をメインにしてもう少し様子を見るようにしてください。離乳食は生後5ヶ月だと少し早い場合もあります。周りが食べているからと焦って無理に食べさせず、赤ちゃんのペースで慣れていくと良いでしょう。
体重が増えないと悩むこともあるでしょうが、しっかりとミルクや母乳を飲んでいれば安心です。
生後5ヶ月 こころ・言葉の発達
奇声にもいろいろなタイプがあります
生後5ヶ月になると、時々赤ちゃんが奇声を発することがあります。びっくりして赤ちゃんの様子を見に行くと、ニコニコしていて不機嫌な様子も見られないということがあるでしょう。
またその逆で、奇声とともに大きな声で泣き出す赤ちゃんもいます。生後5ヶ月になると、感情により発する声が変わってくるため、赤ちゃんが今どんな気持ちでいるのかを把握しやすくなります。
ニコニコしながら奇声を出しているときは、自分の声が聞こえるのを楽しんでいるか、お母さんにかまってほしいときと言えるでしょう。
奇声を発しながら泣いたり怒ったりしているときは、お腹が減っていたり、うんちをして不快感があったりするときなどが多いです。
奇声を通じて、赤ちゃんがどんな意思表示をしているのか、注意深く観察していくと何を訴えているのかが声を聴くだけでわかるようになるでしょう。
言葉でコミュニケーション クーイング~喃語へ
自分が出す音を確かめていたクーイングから、声を出す練習としての喃語(なんご)へと言語能力がステップアップします。聞いていると、今までとは違ったしっかりした音を発し始めているのが分かります。
赤ちゃんは周りの人の真似をしながら話し方を覚えていくので、ぜひ赤ちゃんが喃語を話した時にはお母さんも喃語で返してあげましょう。
赤ちゃんと同じ言葉で返事をしてあげると赤ちゃんが更に話すようになって、言語能力だけではなくコミュニケーション能力の向上にもつながります。赤ちゃんがご機嫌に喃語を発している時は、お母さんも家事を後回しにして一緒にお話しする時間を持ってみてはいかがでしょうか。
人見知り 怖い、不安という感情の成長
生後5ヶ月になると、生活リズムが安定するため、外出したりお友達と対面したりすることも増えてきます。そのような環境の中で人見知りが出てくる赤ちゃんもいるようです。
視覚や聴覚が発達してきていることから、普段接っしていない人を敏感に察知するため、怖いという感情や不安という気持ちが出てくるのです。
また、突然出会った人に急に抱っこされることでパニックになり泣き出してしまう赤ちゃんもいます。つい気にしてしまいがちですが、人見知りは、聴覚や視覚が発達している証拠と思い、成長のひとつだと捉えておくと良いでしょう。
生後5ヶ月の睡眠の発達
睡眠時間は?昼寝時間は?
生後5ヶ月になると、夜にたっぷりと睡眠時間を確保するようになります。長い時間眠れる赤ちゃんなら、5時間~8時間眠り続けたままということもあるでしょう。
夜中の授乳も、1回で済むことが増え、中には朝まで授乳せずとも大丈夫という赤ちゃんもいます。
睡眠時間は、日中しっかり遊ぶこととお昼寝の時間をコントロールしていることで決まってきますし、朝の光を浴びることで睡眠サイクルも安定してくるでしょう。
寝ない 夜泣きの原因は?
生後5ヶ月になっても、なかなか夜に寝てくれない。夜泣きが急に始まったというケースもあります。生後5ヶ月になると、夕方から夜にかけて夜泣きをする赤ちゃんが急速に増えるのです。
昼間の強い刺激が影響している、脳が発達したことにより夢を見たことが影響していると考えられています。
いずれもお腹が空いている、うんちやおしっこをしたなど身体的な問題が関係していなければ、一定時間あやすことで落ち着いてくるでしょう。
ただ、睡眠サイクルが安定していないと遊びたいのに寝かされていると不機嫌になり、寝なくなってしまうこともあります。
決まった時間にお布団に入る。起きたときは朝の光を浴びる。日中はしっかり遊び、お風呂や離乳食の時間も決めておくというルールを守ることで、夜も寝やすくなってくるでしょう。
生後5ヶ月の手や指の発達・運動発達
自らおもちゃを掴み 向き合いながら遊び 外の刺激で散歩
生後5ヶ月になると、脳の発達が急速に進むため、自発的に遊びに参加しようとします。今までは与えられたおもちゃを掴むだけでしたが、生後5ヶ月になれば自らおもちゃを掴みに行こうとします。抱っこすると、お母さんの顔や髪を触ろうとすることも増えてくるでしょう。
また、聴覚や舌の機能が発達するため、家族に話しかけたりすることも増えてきます。表情も良くとらえているので、一緒に向き合いながらコミュニケーションを取って遊ぶと良いでしょう。
また、外の刺激は脳の発達にとっても大切です。お天気の良い日は、積極的にお散歩に出かけ沢山の情報をインプットするようにしましょう。
お座りやうつぶせの状態でもしっかり!早い子はハイハイも
首がしっかりとすわってくる生後5ヶ月は、うつぶせの状態でも上半身を起こす力がついてきますし、寝返りも打てるようになる赤ちゃんが増えてきます。
また、手足の筋肉もついてくるので、バタバタしているうちにハイハイをし始める赤ちゃんもいるでしょう。
さらに、首がしっかり座ってくるので、サポートしつつもお座りできるようになってきます。まだサポートなしではフラフラしますが、首と同じように徐々に安定してくるでしょう。
生後5ヶ月の体調不良
離乳食をスタートでうんちの変化(便秘 下痢)
生後5ヶ月になると離乳食をスタートするため、うんちの様子に変化が生じてきます。アレルギーがあったり、体質に合わない食べ物の可能性があったりする場合、うんちから発見することもあるでしょう。
いつもより便秘がちな場合、離乳食で水分が足りていない可能性があります。暑い季節は水分をたくさん必要としますので、白湯などで水分補給すると良いでしょう。
また、下痢気味な場合は食べ物があっていない可能性もありますので、下痢が続きひどい場合は病院で診てもらうようにしましょう。
風邪を引く機会も増えます 咳、熱、鼻づまり、鼻水に注意を
生後5ヶ月になると、外出する機会も増えますし、赤ちゃん同士で接する機会も増えていきます。
そこで心配なのが風邪です。鼻水がいつもより多めに出ていたり、咳が続いたりする場合は、風邪の可能性があるのですぐに診てもらいましょう。
熱が出ている場合、すぐに治まることもあれば、急上昇する場合もあります。食欲がなく、ぐったりとした様子なら、すぐに診てもらうようにしましょう。
肌トラブル 湿疹か?アレルギーか?
赤ちゃんと言えば、つるつるのお肌と思いがちですが、ほっぺや腕に湿疹が出てしまう子もいます。生後2ヶ月~出はじめる赤ちゃんもいますが、皮脂や汗によるかぶれが原因であることがほとんどです。
お風呂できちんと洗い、清潔な状態を心掛けることで改善されていくでしょう。しかし、生後5ヶ月からは離乳食をスタートさせることが多いため、何かのアレルギーである可能性もあります。
離乳食を食べ始めて急に湿疹が出始めたのなら、一度診てもらいアレルギー検査を済ませておいた方が良いでしょう。
生後5ヶ月 生活
外出の注意点と外出時間
生後5ヶ月になれば、首も座り身体も活発に動かし始める時期です。ベビーカーで外出しやすくなるので、積極的にお外に出かけて沢山の刺激をインプットしていくようにしましょう。
その時、気になるのが外出時間ですが、日中で授乳とお昼寝の合間に行うようにすると良いでしょう。紫外線が強い時間帯である午前10時から午後2時まではUVケアも怠らないようにするのが大切です。
また、外出時間は30分~2時間程度の範囲に納めておくと良いでしょう。
家族と同じお風呂での注意点は
生後5ヶ月になれば、首も充分座っているので家族と同じ湯船につかっても大丈夫です。お風呂に入ることで身体が温まりやすく、良い睡眠に繋げやすいので寝る前に行う習慣を付けていくと良いでしょう。
ただ、家族と同じ湯船につかる場合、温度が高すぎてのぼせてしまう危険性があります。赤ちゃんにとっての適温は、38℃から40℃と少しぬるめなので、自分の快適な温度にしないよう、気を付けましょう。
生後5ヶ月 旅行で飛行機
生活リズムが安定してくる生後5ヶ月なら、ちょっとした旅行に行きやすくなります。ただ、気になるのが交通機関です。気圧が関係してくる飛行機は、赤ちゃんにとって負担になるのではと感じることもあるでしょう。
基本的に、月齢により飛行機の搭乗制限はないため、生後5ヶ月でも飛行機に乗ることは可能です。気圧が心配な方は、耳抜きも兼ねて授乳をしっかりと行うと改善しやすくなるでしょう。
密集している空間に一定時間いなければならないので、授乳や離乳食、お気に入りのおもちゃなど、ご機嫌を取れるグッズは常に携帯して置けるようにしましょう。
生後5ヶ月 生活リズム
生後5ヶ月になると、夜にまとめて睡眠時間を確保することができますし、離乳食をスタートさせるため食事のリズムも決まってきます。
食事や睡眠が安定してくると、生活リズムが整ってきますし、生活リズムの変化から体調を知ることも可能になります。
また、いつどのタイミングでお出かけできるか、家事をしたり、好きなことをしたりするタイミングがわかるなど、予定を立てやすくなるでしょう。
生後5ヶ月 予防接種
生後5・6・7ヶ月はBCGの接種推奨時期で、1歳半までが接種範囲内です。BCGは結核に対するワクチンですが、日本では毎年新たに2万人が結核を発症していて欧米と比べると罹患率が非常に高いため、5ヶ月になったらなるべく早く接種するよう厚生省は勧めています。
BCG接種後に赤く腫れたり湿疹が出来る副反応を示す赤ちゃんもいますが、薬・クリームを塗るのは厳禁で、心配な場合は病院に連れて行きましょう。
赤ちゃんの体調が悪かったり忙しくて忘れていたなど、まだ赤ちゃんに予防接種を受けさせていない家庭も多いですが、赤ちゃんの身体にかかわる事なので早めにスケジュールを組みましょう。
ここまでのまとめ
生後5ヶ月の赤ちゃんに関する情報を幅広くご紹介しました。離乳食のスタートや寝返り、ハイハイ、言葉など成長が著しく変化する時期です。
赤ちゃんと一緒にお母さんも生活リズムが安定してくるため、気持ちにも余裕が持てるようになるでしょう。 ※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査