赤ちゃんに牛乳を飲ませるときに知っておきたいこと いつから 注意点

離乳食を始めるようになると気になるのが牛乳や卵のこと。牛乳、卵、小麦粉といえば食物アレルゲンの代表的存在。あまり早くから卵や牛乳を挙げると、食物アレルギーを発症させてしまうのでは?と離乳食に牛乳をあげることを躊躇うお母さんも多いようです。

アレルギーのリスクは別にしても、最近では赤ちゃんには牛乳は不要という牛乳不要説を唱える人もいて、果たして赤ちゃんに牛乳をあげていいのかどうか、非常に迷ってしまいます。

赤ちゃんに牛乳を飲ませるのはいつからか、赤ちゃんに牛乳は必要?それとも不必要?赤ちゃんに牛乳をあげるときの注意点など、知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

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食物アレルギーと牛乳

食物アレルギーと牛乳

牛乳は三大アレルゲンのひとつ。卵アレルギーに並び、牛乳アレルギーは乳幼児に多い食物アレルギーです。赤ちゃんの頃から牛乳や卵、小麦粉といった子供に多いアレルゲンをたくさん食べさせると、アレルギー症にかかるリスクが高まるといわれています。

卵、牛乳、小麦粉の三つは乳幼児に多い食物アレルゲンで、離乳食に用いる際には十分注意しなければなりません。アレルギーにかかるリスクが高いのであれば、牛乳や卵は離乳食に入れないほうがいいのでは?と考えるお母さんもいるようですが、牛乳はカルシウムを豊富に含む栄養満点の食材。

離乳食に利用できるとメニューの幅も広がりますが、やはり牛乳アレルギーのことも気になります。牛乳アレルギーについて詳しくみていきましょう。

赤ちゃんに牛乳をあげるのはいつから?

赤ちゃんに牛乳をあげるのはいつから?

厚生労働省による離乳食の進め方の指針によると(参考1)、赤ちゃんに牛乳をあげるのは離乳の状態に応じて個別対応。牛乳を与えるのは1歳以降が望ましいとされています。

赤ちゃんの消化機能はまだ未発達。消化器官のはたらきもまだ未熟ですので、ちょっとしたことで下痢や便秘になることも多く、離乳食を進める際には焦らずじっくりと、一品ずつ食材をあげていくことがポイントです。

牛乳の場合、そのまま飲ませるのは生後1年後からが基本。そのまま飲ませるのではなく、離乳食に加える(加熱処理)場合には生後7ヵ月目頃からが目安とされています。

赤ちゃんに牛乳を飲ませる際には、飲ませ始める時期や飲ませ方などについて、いろいろな注意点を守っていく必要があります。離乳食に牛乳を取り入れる前には、まずは赤ちゃんへの牛乳の飲ませ方について学んでおくようにしましょう。

一歳以降のいつからあげる?様々な意見

迷ったらかかりつけの小児科医に相談する

厚生労働省の指針では、牛乳を与えるのは一歳以降が望ましい、ということになっています。一歳以降というのは分かりましたが、では一歳以降ならいつ始めてもいいのでしょうか?

以前にはアレルギーの発症を抑えるためには、牛乳や卵といったアレルゲンはあげる時期を遅らせたほうがいいという考え方が受けいれられていました。ということは、牛乳をあげるのは遅ければ遅いほうがいいような気がします。

しかし最近は、卵や牛乳といった食物アレルゲンは与え始める時期を遅らせるよりも、少量を早期から与えたほうがかえってアレルギーの発症予防になるともいわれています。

赤ちゃん本人にも家族にもアレルギーの既往症がない場合には、卵や牛乳をあげることに対して神経質になりませんが、お父さんやお母さん、あるいは兄弟に牛乳アレルギーの人がいる場合、卵・牛乳・小麦粉を与える時期について非常に悩んでしまいます。

いつから牛乳を与えいいかという点に関してはいろいろな意見がありますので、家族にアレルギーの既往症がある場合には、事前にかかりつけの医師に必ず相談しましょう。

牛乳アレルギーの症状とは?

牛乳アレルギーの症状とは?

赤ちゃんが牛乳アレルギーにかかっているかどうか、どのような症状から判断できるのでしょうか?アレルギー症状は主に皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状としてあらわれます。

皮膚症状としてはじんましん、湿疹、痒み、赤みや腫れなど、他にも目のかゆみや充血、口内の炎症としてあらわれることもあります。消化器系の症状としては下痢、便秘、胃痛、嘔吐、逆流性食道炎、胃炎など。呼吸器系の症状としては、ぜんそくや呼吸困難、咳、喘鳴など。

ひとつの症状だけでなく、いくつの症状が複合して出ることもありますので、ひとつでも該当する症状がある場合にはさらに注意深く見守る必要があります。アレルギーの症状や進行状態は複雑で、アレルギー反応は陽性であるにも関わらず、まだ症状があらわれていない場合もあり、自己判断は禁物です。

アレルゲンの特定について

アレルゲンの特定について

食べ物アレルギーは摂取してからかなり時間がたってからはじめて症状が出ることもあり、アレルギー症らしい症状があるからといって、すぐに原因となるアレルゲンを特定できるわけではありません。

アレルゲンを特定するには、医師の指示にしたがって諸々の検査や診察を受ける必要があります。アレルギー症状が進行し、重篤になると、アナフィラキシーという命にかかわる状態に陥ることもありますので、少しでも疑わしいことがある場合には、必ず専門医に相談し、適切な治療を受けさせるようにしましょう。

アレルゲンの除去は必要最小限にする

牛乳は確かに食物アレルゲンのひとつであり、すでに牛乳アレルギーを発症している赤ちゃんに対しては、医師の指示と治療に厳密に従う必要があります。

しかしアレルギーのない赤ちゃんに対して、アレルギー発症予防を目的として、医師に相談することなく牛乳を完全に除去することは勧められません。

厚生労働省の離乳食に関する指針においても、アレルギー発症予防および治療を目的として、医師に相談することなくアレルゲンを完全除去することは、当の赤ちゃんの成長および発達を損ねるおそれがあると記されています。

牛乳アレルギーを発症していない限り、赤ちゃんに牛乳を飲ませても差し支えありません。乳幼児の成長発達に支障を来たさないよう、アレルゲンの除去は医師からの指示があったときのみ、必要最小限に留めなければなりません。

離乳食から牛乳を除去する場合

離乳食から牛乳を除去する場合

離乳食から牛乳や乳製品を除去する際には、カルシウムやタンパク質が不足しないよう、その他の食材で補ってあげましょう。

カルシウムを豊富に含む食品といえば、しらす干しや小魚、小松菜などの野菜、大豆や大豆製品、海藻、ごまなど。タンパク質は肉や魚、そして卵などに多く含まれますが、卵はアレルゲンのひとつなので、離乳食で赤ちゃんにあげる際にはくれぐれも量やあげ方に注意しましょう。

カルシウム不足は骨や歯の形成に支障を来たしてしまいますので、離乳食から牛乳や乳製品を除去する場合には、この点に十分注意しましょう。

赤ちゃんの乳糖不耐症とは?

赤ちゃんの乳糖不耐症とは?

牛乳によるもうひとつのトラブル症状が乳糖不耐症。乳糖とは母乳や牛乳に含まれる成分のひとつでラクトースと呼ばれています。

ラクトースは小腸粘膜にあるラクターゼ(乳糖分解酵素)によって分解されて吸収されますが、ラクトースの分解に絶対必要なこのラクターゼがなんらかの理由により不足したり、欠乏すると、乳糖が消化されないまま腸内に留まってしまいます。

未消化のまま腸内に留まった乳糖は、大腸で細菌により発酵しますが、この際炭酸ガス、脂肪酸、水に分解されます。脂肪酸や炭酸ガスは大腸を刺激しますので、これにより下痢や消化不良が起こることを乳糖不耐症と呼んでいます。

乳糖不耐症の原因は二つ。ひとつは生まれつきラクターゼの分泌がない先天性のもの、もうひとつは細菌やウイルスにより、小腸の粘膜に炎症が起きたことから分解酵素の活性が低下する一過性のものです。

大人にも見られる乳糖不耐症

大人にも見られる乳糖不耐症

乳糖不耐症は赤ちゃんにだけ特有の症状ではありません。もともと日本では過去において牛乳をたくさん飲む習慣がなかったため、分解酵素活性度が低いといわれています。

牛乳を飲むとおなかがごろごろする、これは乳糖不耐症の典型的な症状で、大人でも乳糖不耐症の方は大勢います。牛乳を飲むとおなかがごろごろする、下痢気味になる、おなかが張る、といった症状に覚えがある方は、乳糖をあらかじめ分解してある、おなかに優しい牛乳を飲むことをお勧めします。

赤ちゃんの場合は母乳やミルクが栄養源であり、毎日乳糖をたくさん分解しなければならないため、乳糖分解酵素がたっぷり作られています。しかしその後離乳食を進めていくうちに、乳糖分解酵素活性度が低くなっていく傾向にあります。

乳糖不耐症の症状のあらわれ方とは?

乳糖不耐症の症状のあらわれ方とは?

赤ちゃんに牛乳を飲ませたら嘔吐した、酸っぱいにおいのする下痢をする、腹部の膨張、嫌な匂いのおならやげっぷが多い、水様のうんちが続くなどが、乳糖不耐症の症状になります。

しかしこれらの症状だけをもとに乳糖不耐症かどうか判断することは出来ません。赤ちゃんが下痢や嘔吐をしたら、念のため病院で診察してもらうようにしましょう。

乳糖不耐症の対処法とは?

先天性の乳糖不耐症や下痢による一過性の乳糖不耐症と診断されたら、赤ちゃんに飲ませるミルクを変えなければなりません。母乳やミルクだけの栄養で、まだ離乳食を始めていない場合には、無乳糖のミルクに変えることがいちばんの対処法になります。

ただしミルクは大切な赤ちゃんの唯一の栄養源ですので、自己判断に頼らず、必ず小児科の診察を受けた上でその指示に従うようにしましょう。

すでに離乳食を始めている赤ちゃんの場合は、牛乳だけでなく乳糖を含むすべての乳製品を除去するか、摂取量を制限します。風邪や腸炎による一過性の乳糖不耐症であっても、乳糖を除去しない限り、下痢やおなかの張りといった症状は改善されないことが多いので、必ず医師の治療を受けるようにしてください。

赤ちゃんに牛乳は必要?それとも不要?

赤ちゃんに牛乳は必要?それとも不要?

牛乳は赤ちゃんに不必要という話を耳にすることがありますが、これに関してはどうでしょうか?離乳食を始める前の赤ちゃんに対しては確かに牛乳は不必要かもしれませんが、離乳食を始めた赤ちゃんに牛乳を一切与えないとなると、カルシウム不足も気になります。

牛乳は不必要という考え方は、牛乳アレルギーや乳糖不耐症のリスクを考慮した上でのことかも知れませんが、牛乳には種々の栄養素がバランスよく含まれており、理想的な食べ物のひとつです。

必須アミノ酸を含む良質のタンパク質、脂質、糖質、カルシウム、炭水化物、ビタミンと、これひとつで一気にいろんな栄養素を手っ取り早く摂取することが可能な上、調理にも利用しやすい食材。

アレルギーや乳糖不耐症でなければ、離乳食にぜひ取り入れたい食べ物のひとつといえるでしょう。

赤ちゃんに牛乳を飲ませるときの注意点

赤ちゃんに牛乳を飲ませるときの注意点

赤ちゃんに牛乳を飲ませることに関しては、その時期や飲ませ方などに関していろいろな意見がありますので、離乳食に牛乳を取り入れることを決めたら、まずは赤ちゃんに牛乳を飲ませる際のポイントについてしっかり学んでおくようにしましょう。

最初は少量ずつ与える

最初は少量ずつ与える

そのまま飲ませるのではなく、離乳食に加える場合でも、最初からたくさんの量をあげることは絶対にやめましょう。最初はごく少量を加え、赤ちゃんの様子を観察するようにしてください。嘔吐や下痢をする場合には牛乳を加えるのをいったんやめ、容態を観察します。

離乳食に牛乳を加える時期は、生後7ヵ月ごろからにします。そのまま飲ませるのは生後1年を過ぎてからで、いずれにしても最初はごく少量から与えるようにしましょう。

温めてあげる

温めてあげる

冷たい牛乳をそのままあげるのは控えるようにしましょう。離乳食に食材のひとつとして利用する場合には心配ありませんが、そのままあげるときには少し温めてからあげるようにします。

下痢や腹痛がする場合は医師に相談すること

下痢や腹痛がする場合は医師に相談すること

牛乳を飲ませたときに下痢や腹痛、嘔吐などの異常があったときには、必ず医師や保健師さんに相談するようにしましょう。乳糖不耐症の場合には牛乳や乳製品をあげることをすぐにやめなければなりません。

下痢や嘔吐といった症状だけをもとに、アレルギー症なのか、それとも単なる下痢なのか、あるいは乳糖不耐症なのかを判断することは出来ません。少しでもおかしい、と感じることがあれば、出来るだけ早期に専門医の診察を受けるようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんに牛乳を飲ませるときに知っておきたいさまざまな情報をご紹介しました。牛乳といえば食物アレルゲンの代表的存在。アレルギーだけでなく、牛乳を飲むと乳糖不耐症になるおそれもあり、赤ちゃんにあげる場合には細心の注意が必要です。

アレルギーに乳糖不耐症といろいろ心配なこともある牛乳ですが、離乳食に使えるとメニューの幅も広がり便利です。栄養バランスに優れ、栄養価の高い牛乳を離乳食に取り入れ、赤ちゃんの健やかな成長をサポートしましょう!

※参考1 厚生労働省 離乳食の進め方

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