赤ちゃんにとって、ひとつひとつの出来事は初めてのことばかりで最初からうまくできることはありません。授乳ひとつにおいても吸う力をどうしたら出せるか試行錯誤しながら学んでいきます。
赤ちゃんにとって、授乳は生きるうえで必要なものですが、授乳の後に必ず行う行為として「ゲップ」があります。赤ちゃんは授乳をするとゲップを出さなければならないと言われていますが、なぜなのでしょうか。また、ゲップを上手に出すためにはどんなコツが必要なのでしょうか。
初めて育児にチャレンジするお母さんにとっては、ゲップひとつにおいても戸惑うことが多いことでしょう。そこで、赤ちゃんのゲップに関する情報を幅広くご紹介していきたいと思います。
赤ちゃんがゲップができる理由
赤ちゃんが授乳後にゲップを出す必要があるのは何故なのでしょうか。そもそも、赤ちゃんがゲップを出さなければならない理由として、空気をたくさん吸い込んでしまうということがあります。
赤ちゃんは、授乳ひとつにおいても試行錯誤しながら学んでいきます。舌を使い、ほっぺの筋肉を調整しながら吸う力を出せるようになり、初めて母乳やミルクを飲むことができるのです。
生きるうえで、また成長する上で栄養を補給することは大切な行為ですから、何分もたくさん飲み続けるためには呼吸を続けながら授乳しなければなりません。
その結果、母乳やミルクと一緒に大量の空気も飲み込んでしまうのです。まだ飲むという行為が未熟な赤ちゃんにとっては、母乳も空気も何でも一緒に飲み込んでしまうのです。そのため、不必要な空気はゲップとして外に出す必要がでてきます。
ゲップを出す理由 しない理由
赤ちゃんは、産まれてから初めて授乳するという行為にチャレンジするため、試行錯誤しながら飲むということを学んでいきます。
まだうまく授乳することができないため、母乳やミルクと一緒に大量の空気を飲み込んでしまい、ゲップを出さなければならなくなりますが、そもそもゲップを出す必要はあるのでしょうか。
大量の空気を飲見込むと、お腹の中にたくさんの空気が蓄積されていくことになります。ゲップをうまく出せないでいると、お腹の中が空気でパンパンになり苦しい状態になってしまうのです。その結果、お腹が張って苦しくて泣いたり、ぐずったりしてしまうことになります。
また、無理やりゲップを吐こうとして胃の中にある母乳やミルクが一緒に出てしまい、嘔吐になることもあるので、定期的にゲップを出す必要があるのです。
空気を飲む量は母乳とミルクの違う
赤ちゃんは、母乳で育てられている場合と、ミルクで育てられている場合によって、空気を飲む量が変わってくることをご存知でしょうか。
母乳とミルクを比べると、母乳の方がたくさん空気を飲み込み、ゲップが出にくくなる傾向があるようです。ミルクで育てている場合、赤ちゃんは哺乳瓶でミルクを飲みますが、母乳と比べると吸う力が弱くてもミルクが出てきて飲めてしまうため、たくさん空気を一緒に吸い込む必要がないのです。
一方、母乳の場合はしっかりおっぱいを吸わなければ、ホルモンのスイッチが入らず母乳が出てこないため、ミルクと比べるとたくさん吸う力が必要になるのです。
その結果、ミルクに比べると母乳は大量の空気も一緒に飲んでしまうことになります。ただ、どちらの場合でも授乳の際に空気を飲んでしまうので、授乳後は種類に関わらずゲップを出すようにしましょう。
ゲップはいつまで?
赤ちゃんが母乳やミルクを飲んだらゲップをさせましょう、というのは出産後すぐに言われる事ですね。しかし、いったいいつまでゲップを出させたら良いのでしょうか?
新生児はまだ体の力が弱いため、授乳時に空気を飲み込んでしまっても自力で出す事ができません。首が据わる生後3ヶ月ごろならお母さんのサポートがなくても自力でゲップが出そうに思えますが、一般的には寝返りが打てるようになる生後5・6ヶ月ごろまで続けたほうが良いと言われています。
寝返りは体をひねる動作ですから、それによって上手くゲップが出るようになるのでしょう。また、ちょうどこの頃は顎を開けたまま飲み込む赤ちゃん独自の動きから、唇と閉じて飲み込む動きへと変化していく時期であるのも、理由の一つとなっています。
赤ちゃんのゲップの出し方 コツ
赤ちゃんのゲップを出す方法をご紹介しておきましょう。
縦抱っこでゲップを出す
まず、首が座っていない赤ちゃんにもできる方法として、縦に抱っこして肩に赤ちゃんの顎を乗せ、背中をトントンとたたく方法があります。
肩に抱っこしてゲップを出させる場合、ゲップが出ると同時に飲んだミルクや母乳も一緒に吐き出してしまう可能性があるため、タオルをあらかじめ引いておくと安心です。
赤ちゃんが嘔吐すると言っても、大量になることはほとんどありません。ゲップと一緒に出てくる嘔吐の量としては、大さじ1~2杯ほどのものでしょう。
座ってゲップを出す
赤ちゃんのゲップを出す方法として、もうひとつご紹介したいのが座った状態でゲップを出させるタイプのものです。
太ももの上に赤ちゃんを座らせ、両脇にお母さんの腕を通してしっかり固定するように抱っこしたら、もう片方の手でトントンと背中を叩いていきます。
沐浴の時に背中を洗うスタイルとして学んでいるお母さんも多いでしょうから、そのスタイルを参考にすると良いでしょう。この方法なら、月齢が進んで体重が重くなった赤ちゃんでも、無理をせずにゲップを出すことができます。
出づらい時はその他の方法も
授乳後縦に抱っこしているだけでゲップが出て来る事も多いのですが、ゲップが出づらい赤ちゃんは背中を叩くのではなく、下から上へとさすりあげるようにしてみましょう。胃の中に溜まった空気を押し上げるイメージでさするとゲップが出やすくなります。
また、抱っこしてお母さんが歩くのも良いでしょう。赤ちゃんによって出やすい方法は様々ですから、色々試してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんのゲップの得意、不得意
赤ちゃんのゲップを出す方法は、抱っこするものと座らせて行うものがありますが、どちらの方法においてもゲップを出すことが得意な赤ちゃんと、苦手な赤ちゃんがいます。
赤ちゃんによって、得意さと不得意さが生じてくるのは、胃の入り口の角度がそれぞれ違うからです。そのため、赤ちゃんによってゲップが出やすい身体の角度が異なってきます。
ある赤ちゃんは、まっすぐ抱っこしてもゲップが出ますが、別の赤ちゃんはやや傾斜をつけなければゲップが出ないという事もあるのです。
赤ちゃんによって、ゲップが出やすい抱っこの角度は異なりますので、さまざまな角度を試してここぞというポイントを見つけられるようにしましょう。
いろいろ試したがゲップが出ていない場合は?
さまざまな角度で試したけれど、ほとんどゲップが出ていない場合、お腹の中に空気がたくさん溜まっていて、苦しそうで申し訳ないという気持ちになってしまいますよね。
ゲップが出ない場合、お腹の中にたまっている空気はどうなってしまうのでしょうか。実はゲップが出ない場合、お腹の中を通過して、肛門から空気が出ていくようになっているのです。授乳の際に飲み込んだ空気は、おならとして外に出されるため、お腹の中にたまり続けるという心配はありません。
ただ、赤ちゃんによってゲップだけでなくおならを出すことにも得意不得意がありますので、お腹が張って苦しそうなときはベビーマッサージで溜まったガスを定期的に抜けやすくさせてあげましょう。
もう一度ゲップしたいサインは?
授乳後に赤ちゃんを抱っこしたり座らせたりしてゲップの音が聞こえたら、ひと安心という気がします。
しかし、授乳中に赤ちゃんがどれくらいの空気を飲み込んでいるのかは見た目でわからないため、1回や2回のゲップですべてのゲップが出ているとは限りません。
赤ちゃんがゲップを出し切れず、まだお腹の中に空気がたまっている場合は、嘔吐するような様子で「ウェッ」と声を出すことがあるでしょう。お腹がかなり苦しい場合は、泣きながら「ウェッ」と繰り返すことがあります。
また、しゃっくりのように淡々と「ウェッ」と繰り返すこともあるので、ゲップが怪しいと感じたら一度トントンと出やすくさせてあげましょう。
授乳中に寝てしまった時は?どうする?
新生児は飲む力が弱いため、飲んでいる間に疲れて眠ってしまうことも多いです。そんな時ゲップをさせたら起きてしまうかもしれない、でも喉に詰まったら大変、とゲップをさせるべきかどうか迷ってしまいます。
まず、うなったり苦しそうに寝ているのでなければ、そのまま寝かせて様子を見ましょう。赤ちゃんがお腹の中の空気で苦しさを感じたら、自分で唸ったりパタパタ動き始めるので、その時に縦抱っこにしてみるとすぐにゲップが出る事もあります。
このように寝てしまった後のゲップはまず様子見が第一ですが、頻繁に唸るようだったりゲップが下手で泣いてしまうような赤ちゃんならば、授乳後寝てしまったとしても、しっかりゲップを出させたほうが良いでしょう。どちらにするか、赤ちゃんの様子で対応を決めましょう。
まとめ
赤ちゃんのゲップについて幅広くご紹介しました。授乳の際にたくさんの空気を飲み込んでしまう赤ちゃんにとって、ゲップをうまく出せないでいるとお腹の中に空気がどんどんたまってしまいます。
その結果苦しくなって泣いてしまったり、ぐずりの原因になったりしてしまうため、できるだけスムーズに授乳後はゲップが出せるようにしてあげてください。赤ちゃんにとってゲップが出やすい角度はさまざまですので、いろいろ試行錯誤しながらゲップが出やすい体制を探してあげてください。