赤ちゃんのマグ(ストローマグ・スパウト)を使うときに知っておきたいこと

赤ちゃん 食事

離乳食を始める頃から気になるのが赤ちゃんのマグトレーニング。生後半年前後に始める離乳食、この頃になるとほとんどの赤ちゃんには乳歯が生え始めます。母乳やミルクだけの栄養を卒業し、さまざまな食べ物や飲み物にチャレンジする時期で、離乳食を始めると食べ物だけでなく、いろんな飲み物も口にするようになります。

赤ちゃんが哺乳瓶を卒業し、ベビーマグにチャレンジするときに知っておきたいポイントをまとめてみました。最終目標は赤ちゃんが自分ひとりでコップから飲めるようになること。いきなりコップから飲めるようになる赤ちゃんもいますが、ほとんどの場合、スパウトマグやストローマグから挑戦していくことになります。

赤ちゃんのマグはいつから?マグを使った練習は行うべき?ストローマグとスパウトマグの順番は?など、赤ちゃんがマグにチャレンジする際の疑問点やポイントなどについて知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。

赤ちゃんの練習用マグは必要?

赤ちゃんの練習用マグは必要?

赤ちゃんが自分でコップを持って飲めるようになるまでには、いろいろな段階があります。生まれてすぐの赤ちゃんが誰にも教わらずに母乳やミルクを飲めるのは、生まれつき備わった哺乳反射のため。哺乳反射とは吸着・吸啜・嚥下の三つの運動から成り、直母哺乳でも哺乳瓶による哺乳でも、赤ちゃんは反射的に飲んでくれます。※参考 日本未熟児新生児学会

これに対してストローやコップから飲む行為は、赤ちゃんに練習してもらい、飲み方やコツを覚えてもらわなければなりません。赤ちゃん用のマグにはいろいろな種類があり、それぞれメリットやデメリットがあり、適切な時期にもっとも合ったものを与えることが大切です。

赤ちゃん用のマグで練習することにより、赤ちゃんは少しずつストロー飲みやコップ飲みのコツを覚えていきます。

赤ちゃんのマグはいつから必要

赤ちゃんのマグはいつから必要

赤ちゃんにマグを与えるタイミングは離乳期をはじめるとき。離乳食初期には赤ちゃんの飲む母乳やミルクの量はそれまでと同じで減りませんが、離乳食中期に入ってくると離乳食の量が増え、その分母乳やミルクの量が減ってきますので、母乳やミルク以外の水分補給が重要になってきます。

赤ちゃんの水分補給について

赤ちゃんの水分補給について

赤ちゃんの水分補給は新生児期には、基本的には母乳やミルクだけで十分といわれています。ただしなんらかの事情により、赤ちゃんが水分不足になりそうなときは、水分補給として白湯をあげます。たとえば夏場の暑い時期、体調が悪く母乳やミルクを飲む量が少ないとき、汗をたくさんかいて暑がっているとき、湯上りで汗をかいている時など。

授乳中の赤ちゃんに飲ませるものとしては、湯冷ましの他に赤ちゃん用の麦茶やイオン飲料などがあります。

離乳食前には母乳やミルクをたっぷり飲ませることで、水分補給は十分足りていますが、母乳やミルクの量を減らしていくときは、その分の水分を食材や飲み物で補ってあげるようにしましょう。

赤ちゃんのマグの練習のタイミングとは?

赤ちゃんのマグの練習のタイミングとは?

赤ちゃんにマグの練習を始めてもらう最適なタイミングは、離乳食を始めたとき。離乳食初期から練習することにより、離乳食中期・後期になる頃にはマグやコップからそのまま飲むことに慣れてしまいます。

ただし赤ちゃんにマグの練習をしてもらうためには、赤ちゃんにそれ相応の準備が整っていなければなりません。マグの練習を始めるタイミングの目安は、赤ちゃんがお座りできるようになったこと、手でしっかり物を掴めるようになったこと、吸啜反射が消失し、自分の意思で飲み食いができるようになること。

赤ちゃんの身体機能の発達の度合いや個性などにもよりますが、生後半年頃には吸啜反射が消失し、離乳食を始めやすくなりますので、この時期が赤ちゃんのマグの練習を始める絶好のタイミングといえそうです。

赤ちゃんのマグの種類について

赤ちゃんのマグにはいろいろな種類があり、はじめて赤ちゃんがマグにチャレンジする際に、一体どれを選べばいいのか、迷ってしまうお母さんも多いようです。ここで赤ちゃんのマグの種類について詳しく押さえておきましょう。

赤ちゃん用のマグカップは吸い口のタイプによって、主に四つに分かれています。四つのタイプとは、哺乳瓶タイプ、スパウトタイプ、ストロータイプ、そしてコップタイプ。それぞれの特徴について知り、どの時期にどのタイプを用いるべきか、しっかり学んでおきましょう。

哺乳瓶タイプのマグの特徴

哺乳瓶タイプのマグの特徴

哺乳瓶タイプとは両手で掴めるハンドルのついたマグカップに、哺乳瓶用のニップル(乳首)がついたもの。これは離乳食を始める前の赤ちゃんに最適です。哺乳瓶のニップルなので、マグは初めての赤ちゃんにも違和感なく飲んでもらえます。

両手でしっかりマグを握る練習としても便利。スパウトやストローマグにチャレンジする前のトレーニングとして利用する価値は十分あります。物を握れるようになった赤ちゃんが、自分の手でマグをしっかり持つトレーニングとして最適です。ミルク以外にも白湯や麦茶、果汁をあげたいときにも便利です。

使用する月齢について

使用する月齢について

赤ちゃんの手指の機能の発達には個人差があり、物を握れるようになる時期は赤ちゃん一人一人違っています。哺乳瓶タイプのマグは、赤ちゃんが物を握れるようになったらチャレンジしてみましょう。直母・ミルク栄養、いずれの場合でも、離乳食を始める前の赤ちゃんにもっとも適したマグになります。

赤ちゃんが両手でマグを掴めるようになったらぜひ始めてみましょう。いったん離乳食を始めたら、スパウト、ストロー、コップに挑戦することになりますので、離乳食を始める前に与えなければ意味がありません。このタイプのマグは月齢3ヶ月くらいから始めることが可能です。

スパウトタイプのマグの特徴

スパウトタイプのマグの特徴

スパウトタイプのマグは哺乳瓶とストロータイプの中間的存在。飲み口の穴は小さく、少し傾けるだけで飲み物が出てきますので、ストロー飲みやコップ飲みにチャレンジする前に利用できます。

両手でしっかりハンドルを掴み、飲み口を口に持っていくという動作を覚えることが出来ますので、哺乳瓶タイプがしっかり持てるようになったら利用してみましょう。ストローはまだ無理、でも哺乳瓶は完全に卒業したという赤ちゃん向きです。

スパウトタイプを始めるタイミング

タイプを始めるタイミング

スパウトタイプのマグにチャレンジするタイミングは、離乳食を始める前後、すなわち月齢5、6ヶ月頃から。ストローのように吸う必要がなく、飲み口を口に入れ、マグを傾けるだけで飲み物が出てきます。スパウトで上手に飲めるようになると、外出時の水分補給も随分楽になります。

ストロー飲みやコップ飲みがまだ出来ない赤ちゃんに適していますが、中には飲み口の素材のにおいを嫌がる赤ちゃんもいるようです。スパウトで飲むことが苦手、スパウトの飲み口が嫌いな赤ちゃんは、そのままストローマグにチャレンジしても構いません。

ストロータイプのマグの特徴

ストロータイプのマグの特徴

ストロータイプのマグを始めるタイミングは月齢8ヶ月頃から。ストローを上下の唇に挟み、飲み物を吸うというのは複雑な動作。離乳食中期・後期になって、上下の唇で食べ物を挟めるようになってから始めましょう。通常のストローは細くて、赤ちゃんの小さな唇では挟みにくいので、ストローの練習をする際にはベビー用のストローマグが便利です。

ベビー用ストローマグのストローの特徴は、赤ちゃんが口にはさみやすい形状をしていること。赤ちゃんのデリケートな唇や口に怪我をしないよう、太めで柔らかいストローがついています。

また赤ちゃんがむせないように、ストローの内部に弁がついていて、一気に大量に流れ出ないよう工夫されたものもあります。スパウト同様、赤ちゃんがストローマグから飲めるようになると、お母さんがつきっきりで飲ませる必要がなくなるので、お母さんの手間は格段に減ります。離乳食中期後半からのマグトレーニングとして最適です。

ベビー飲料で練習

ベビー飲料で練習

ストロー飲みの練習はストローマグでトレーニングするだけでなく、ベビー飲料を使う方法もあります。赤ちゃん用のミニサイズのジュースや麦茶についているストローを使って、赤ちゃんにストローで飲む練習をしてもらいましょう。

赤ちゃん用のパック飲料は飲みきりサイズで、ストローも赤ちゃん用の小さなものでストロー飲みの練習に最適。赤ちゃんにストローをくわえてもらい、お母さんがそっとパックのサイドを押してあげましょう。最初はストローの使い方が分からなくても、繰り返し練習するうちに上手にストローから飲めるようになります。

コップタイプの特徴

コップタイプの特徴

コップタイプのマグカップは、赤ちゃんにも飲みやすいようにさまざまな工夫がされています。まだ上手にコップから飲めない赤ちゃんのために、中味がこぼれないようふたやサポートがついているものが大半。最初はふたをした状態で練習し、上手に飲めるようになったらふたを外して使用します。

普通のコップを利用すると、赤ちゃんが飲み物をこぼすたびにイライラしますが、赤ちゃんのトレーニング用コップなら安心。こぼれを防ぐ工夫が随所に凝らされていますので、まだコップでうまく飲めない赤ちゃんのトレーニング用に最適。赤ちゃんが飲み物をこぼさないか、とはらはらしたり、こぼしたあとの後始末をする必要がないので安心です。

コップタイプにチャレンジするタイミング

コップタイプにチャレンジするタイミング

コップタイプのマグを始める時期ですが、これは赤ちゃんの様子を見ながらお母さんが判断するのがいちばん。赤ちゃんの中にはスパウトやストローで飲むことが嫌いだったり、苦手だったりする赤ちゃんもいます。

実際に哺乳瓶を卒業して、スパウトやストロータイプを省略し、一気にコップ飲みができるようになる赤ちゃんも。コップタイプのマグはスパウトやストローと併用して使うことも考えてみましょう。

マグの種類の選び方と順序

哺乳瓶からコップ飲みまでの段階は通常、哺乳瓶→スパウト→ストロー→コップという流れになります。しかし実際には必ずしもこの順序通りになるとは限りません。

赤ちゃんによってはスパウトを飛ばして、いきなりストローやコップで飲めるようになる子もいます。他にもスパウトよりも先にストローで飲めたり、ストロー 飲みとコップ飲みの両方が一緒にできるようになる子もいます。

マグの種類と練習の流れについてはあまり神経質にならずに、赤ちゃんにとって楽な方法を選んであげるようにしましょう。

便利なマググッズを利用する

便利なマググッズを利用する

市販のベビーマグの中には飲み口を替えることにより、哺乳瓶・スパウト・ストロー・コップと四種類の使い方が出来るものもあります。本体はそのままで、ふたや飲み口を替えるだけなので、四種類全部を買い揃えるよりもコスト的にお得。

飲み物の種類や赤ちゃんのご機嫌や希望に合わせて、飲み口を替えるだけで、スパウトにもストローにもコップにもなるという便利さ。同時に二つ以上の飲み方の練習をさせたいときにも最適です。赤ちゃんから幼児期までずっと長く使えることに加えて、いつどのタイプを買ったらいいか悩む必要もありません。

マグを選ぶときに注意したいポイントとは?

マグを選ぶときに注意したいポイントとは?

毎日赤ちゃんが口にするマグは、安全性や衛生面が気になります。マグを選ぶ際にはどんな消毒に対応しているか、説明書きをきちんと読み確認しておきまょう。

日本のメーカーの製品はほとんどが煮沸・レンジ・薬剤消毒に対応していますが、品質が基準を満たしていない海外製品もあります。マグを購入する際には安全性を第一に考えて行いましょう。

パーツが少なく洗浄しやすいもの

パーツが少なく洗浄しやすいもの

安全性に加えてもうひとつ注意したいポイントが洗いやすさ。毎日繰り返し使うものだけに、洗いやすいかどうかは重要なポイントのひとつです。

いくら機能性やデザイン性に優れていても、パーツの数が多いと毎日の洗浄が面倒に感じられます。パーツの数が少なく、組み立てが簡単で使いやすいものを選ぶようにすると、育児の手間が確実に減ります。

マグで気になること!飲み残しをあげても良い?

マグに入れた飲み物を、赤ちゃんが1回で全部飲み干すことはほとんどありません。ですからどうしても飲み残しが出てしまうのですが、それを毎回捨てて新しく入れなおすか、それとももったいないからそのまま飲ませても良いか、迷ってしまいます。

ミルクやジュースを飲み残した場合はその都度捨てて洗い入れなおす方が衛生的に安心ですが、白湯や麦茶などは、ふたをきちんと閉めればある程度そのまま飲ませても大丈夫という意見もあります。

ただ、白湯や麦茶でも、一日外にいて同じものを飲ませ続けるのは心配、という時には別に水筒を用意し、赤ちゃんが欲しい時に少しずつマグに分けたり、その都度作ってあげると安心です。

まとめ

赤ちゃんのマグについて知っておきたいポイントなどをご紹介しました。哺乳瓶タイプ、スパウト、ストローマグ、コップタイプと、赤ちゃんのマグにはいろいろな種類があり、赤ちゃんの月齢に合ったものを選んであげることが大切。

哺乳瓶タイプは授乳中から併用し、その後スパウトにチャレンジ。唇でストローを挟めるようになったらストロータイプに替え、最後に目標のコップ飲み完了。これが赤ちゃんのマグトレーニングの基本の流れですが、練習の使用するマグの種類や順番は、赤ちゃんの好みや順応性に合わせて臨機応変に変えることがポイント。いろいろなマグを利用して、赤ちゃんが自分でコップで飲めるようになるまで、ベビー用マグを上手に利用しましょう。