赤ちゃん用の洗濯洗剤・柔軟剤選びで知っておきたいこと

赤ちゃん用洗濯洗剤、柔軟剤選びで知っておきたいこと 赤ちゃん 生活

妊娠後期に入ると、赤ちゃんの出産準備にさまざまなグッズを買いそろえるようになります。赤ちゃんのために必要なものとして、必ず購入するのがベビー服です。可愛らしいデザインのものからナチュラル素材まで幅広い種類があるため、ウキウキで準備される方も多いことでしょう。

ベビー服は、糊付けされていたり外にさらされたりしているため、赤ちゃんが着る前に洗濯しておく必要があります。そんな時気になるのが、洗剤や柔軟剤の存在です。

赤ちゃんが着る服なのに、大人用の洗剤を使っても大丈夫?と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。そこで、赤ちゃんの洗剤や柔軟剤の選び方について、さまざまな角度から詳しくご紹介していきましょう。

赤ちゃんの服はどう洗う?

赤ちゃんの服はどう洗う?

赤ちゃんが着る服は、よだれがついたり、ミルクを吐いたり、ウンチやオシッコがかかったりすることも多いため、頻繁にお洗濯する必要があります。

この時気になるのが、赤ちゃんの服と大人の服を一緒に洗っても良いかどうかということです。赤ちゃんの肌のことを考え、汚れ落ちをアップさせるなら、赤ちゃんの服は個別に洗った方が良いでしょう。

大人の服を洗う時に使用する洗剤や柔軟剤には、赤ちゃんの肌に刺激となる成分がたくさん含まれていますから、同じ洗濯機でまとめ洗いは避けた方が安心です。

また、赤ちゃんの服は汚れやすいため、大人の服と混ざることで洗浄効果が減ってしまう部分もありますので、分けて洗濯した方が良いでしょう。

洋服は赤ちゃんの肌には刺激が強い?

洋服は赤ちゃんの肌には刺激が強い?

赤ちゃんの服は、できれば大人の洗濯物とは分けて洗濯するのがオススメです。なぜなら、一般的な洗剤や柔軟剤には、赤ちゃんの肌にとって刺激となる成分がたくさん含まれているからです。

肌トラブルに悩まされて皮膚科を受診し、洗剤や柔軟剤の使用を控えたり変えたりするように指導されるケースも多いので、デリケートな赤ちゃんの肌を守るためにも、低刺激タイプや、ナチュラルタイプの洗剤や柔軟剤を選ぶようにしましょう。

赤ちゃん服の水通しに洗剤は必要?不必要?

赤ちゃん服の水通しに洗剤は必要?不必要?

妊娠中の赤ちゃん服の準備として、水通しという大事な仕事があります。買ったばかりの赤ちゃんの服には薄く糊が利いてあるものがありますが、肌の弱い新生児にそのまま着せると着心地が悪く中々寝てくれなかったり、布地とこすれて肌が赤くなってしまうことがあります。

こういった状態を避けるために、妊娠中に一度洗って糊を落とし柔らかい状態にするのが水通しなのですが、洗うのなら洗剤を使った方が良いのではないかと考えてしまいます。

洗剤を使うかどうかはお母さん次第という意見もありますが、赤ちゃんの肌への影響を抑えるのが目的ならば洗剤は用いず水だけで大丈夫と言えそうです。もちろん服だけでなく、シーツやタオルなど赤ちゃんの肌に触れるものは全て水通しをするようにしましょう。

洗剤や柔軟剤に含まれている成分は

洗剤や柔軟剤に含まれている成分は

赤ちゃんの服を洗う洗剤や柔軟剤は、大人とは違うものを使用するべきです。なぜなら、一般的な洗剤や柔軟剤にはさまざまな成分が含まれており、それが赤ちゃんのデリケートな肌を刺激してしまう恐れがあるからです。

陰イオン系合成界面活性剤

洗浄力の強い洗剤には、陰イオン系合成界面活性剤が主成分として含まれています。陰イオン系合成界面活性剤の代表的なものとしては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)やアルキル硫酸エステルナトリウム(AS)です。

皮膚のタンパク質を分解する作用が強いため、洗剤に配合することで高い洗浄力を発揮しますが、その分皮膚にアレルギー症状が出やすくなります。

非イオン系合成界面活性剤

洗浄力の強い洗剤には、非イオン系合成界面活性剤も含まれていることが多くあります。非イオン系合成界面活性剤の大法的なものとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがありますが、たんぱく質の変成作用があるため、赤ちゃんの皮膚に触れるとアレルギー症状を引き起こすと言われています。

蛍光増白剤

衣類の白さを引き出すことを強調している洗剤には、蛍光増白剤が含まれていることが多くあります。蛍光増白剤は、洗濯物を白くキレイに見せるための染料で、皮膚に付着することでアレルギー反応が出やすくなります。

この蛍光増白剤は、経済産業省が「乳幼児用製品にはできるだけ使用を避けるように」と警告している成分なので、赤ちゃんが着る服には使用しないようにしましょう。

柔軟剤の陽イオン界面活性剤

柔軟剤に含まれている成分として、陽イオン界面活性剤があります。陽イオン界面活性剤は、カチオン界面活性剤とも呼ばれています。陽イオン界面活性剤の代表的なものとしては、アルキルアミドアミンやジアルキルアンモニウムなどがほとんどです。

これらは、衣類をふんわり柔らかく仕上げる作用のほか、静電気を防止する作用や強い殺菌作用があります。殺菌作用があると言われると、逆に良いのではないかと思いやすいですが、殺菌作用が強すぎると皮膚の常在菌まで殺菌してしまい、肌の抵抗力を弱めてしまうことがあります。

特にジアルキルアンモニウムは、殺菌作用が非常に強いため、赤ちゃんの肌に触れることでアレルギー反応を引き起こしやすくなってしまうでしょう。

香料

近年、多くの洗剤や柔軟剤に配合されるようになったのが香料です。香料は化学物質から作られていることが多く、香りの強さは年々強くなってきています。

赤ちゃんの嗅覚は非常に敏感ですから、ベビー服に使用することで強烈に感じてしまいますし、化学物質から作られた香り成分が、直接鼻を通じて体内に入り込んでしまいます。香り成分によっては、化学物質過敏症を発症する可能性もあるため、無香料のものを選ぶ必要があるでしょう。

赤ちゃん専用の低刺激タイプで洗濯を

赤ちゃん専用の低刺激タイプで洗濯を

赤ちゃんの服を洗う洗剤や柔軟剤は、赤ちゃん専用の低刺激タイプのものを選ぶようにしましょう。さまざまな界面活性剤や蛍光増白剤が含まれていないものを選ぶことで、赤ちゃんの皮膚や健康を守ることができます。

最近は、赤ちゃん専用以外にも、環境や肌に優しい洗剤や柔軟剤が発売されるようになっているので、成分表示を確認しより安心なものを選ぶようにしましょう。

赤ちゃんの衣服と別洗いが大変な場合は?

赤ちゃんの衣服と別洗いが大変な場合は?

赤ちゃんの服は汚れやすいため、頻繁にお洗濯する必要がありますが、わざわざ赤ちゃん用と大人用で分けて洗濯するのは大変!という方もいらっしゃるでしょう。

そんな時は、手間を感じて疲れてしまうよりも大人の服と一緒に洗うことも悪くはありません。ただ、一緒に洗うのであれば、大人の服も赤ちゃん用の低刺激な洗剤や柔軟剤に切り替えるようにしましょう。

全てを赤ちゃん用の洗剤や柔軟剤に変えてみる

全てを赤ちゃん用の洗剤や柔軟剤に変えてみる

個別洗いが大変だと感じる場合、大人の服と一緒に洗って、今まで浸かっていた洗剤や柔軟剤を赤ちゃん用に変えるというのもオススメです。赤ちゃんの肌に優しいものは、大人の肌にも優しいですし、赤ちゃんを抱っこしたり遊んだりするときに大人の服も赤ちゃんの肌に触れるからです。

いくら、赤ちゃんのために低刺激の洗剤や柔軟剤を使っていても、大人の服にアレルギーを発症させやすい成分が残っていれば、間接的に刺激してしまうことになるでしょう。

赤ちゃんの出産をきっかけに、これまで使ってきた洗剤や柔軟剤を見直すことで、家族みんなの健康を守っていけるようにしましょう。

安くてナチュラルなお洗濯の方法

安くてナチュラルなお洗濯の方法

赤ちゃんの服を洗うに当たり、赤ちゃん専用や低刺激の洗剤・柔軟剤を選びたいと思っていても、値段が高いものが多いため、なかなか手が伸びないという方もいらっしゃるでしょう。赤ちゃんの服は頻繁に洗濯する必要があるため、経済的な負担となるようなら別の方法を考える必要があります。

そんな時は、ナチュラル思考のお洗濯方法に切り替えてみてはいかがでしょうか。石鹸、重曹、クエン酸、セスキ炭酸ソーダなどをうまく活用することで、汚れもスッキリ落ちますしアレルギーの心配もなくなります。

口に入れても問題のないものばかりですし、百円均一などでも手軽に手に入りやすいため、経済的にもオススメです。

石鹸

石鹸

赤ちゃんの服がかなり汚れている時、石鹸で洗うとスッキリ落ちやすくなります。石鹸の成分は「脂肪酸カリウム」で洗浄力も充分にありますし、身体を洗うこともできるものなので、肌の刺激も最小限になります。

ぬるま湯で溶かして使う粉石けんのほか、液体せっけんもあるのでお洗濯に使いやすいでしょう。

重曹

重曹

赤ちゃんの服にニオイがついてしまったり、強い汚れがあったりする時は重曹を使ってみましょう。重曹には消臭効果があり、汚れを落とす作用があるため石鹸にプラスして使用することでスッキリキレイに仕上げることができます。

液体石鹸や粉石鹸に、カップ1杯くらいの重曹をプラスすることで、ベビー服の白さや色も鮮やかになりますし、すすぎの時にカップ3分の2くらいの重曹を入れると、衣類がふんわりして柔軟剤代わりになります。

クエン酸

クエン酸

赤ちゃんの服のニオイが気になる時は、柔軟剤かわりにクエン酸を使用してみましょう。クエン酸には殺菌効果があるため、ベビー服についた汚れもスッキリ洗い流してくれます。水10リットルに対し、クエン酸を10g入れれば充分です。

ただし、一般の洗剤と一緒にクエン酸も入れてしまうと、化学反応を引き起こしてしまう可能性があるので、すすぎや洗いなおす時に使用するようにしましょう。

セスキ炭酸ソーダ

セスキ炭酸ソーダ

赤ちゃんの服が全体的に汚れていない場合、セスキ炭酸ソーダでも充分にスッキリ洗い上げることができます。セスキ炭酸ソーダは、アルカリ性なため、油汚れや血液、食べ物による汚れを落とす作用があります。

水10Lに対してセスキ炭酸ソーダ小さじ1/2~1位で充分です。少量なので本当に汚れが落ちるの?と思いやすいですが、セスキ炭酸ソーダを入れすぎると服にベタつきや独特のニオイがつくことがあるため、少量で充分です。溶かした水を指で触ってみて、少しヌルッとするようなら充分洗浄力があるという目安になります。

襟汚れや、ピンポイントの食べ物汚れは、洗濯する前に溶かしたセスキ炭酸ソーダ水をスプレーで振りかけておけば、スッキリ落ちやすくなります。また、すすぎの仕上げ時にクエン酸をプラスすると、さらに洗い上がりがスッキリするでしょう。

しつこい汚れは煮洗いをプラス

しつこい汚れは煮洗いをプラス

赤ちゃんは新陳代謝が活発なため服など意外と汚れやすく、シーツなどもこまめな洗濯が必要です。特に服に付いたミルク汚れは中々落ちにくく、その時は白く洗いあがったように見えても、後で黄ばみとなって現れ、お母さんをがっかりさせてしまうことも少なくありません。

こんな風になってしまった赤ちゃんの肌着を捨てるのはもったいないと思った時は、まず煮洗いを試してみましょう。煮洗いはなべにお湯を沸かして粉石けんと酸素系漂白剤を加え、洗剤が溶けた後に服を入れて数分程度煮るだけです。

また煮洗いは、汚れ落としだけでなく消毒面でも効果的ですから、生乾きの匂いが気になる時にもおススメ。大人の服とは違い赤ちゃんの服は小さいですから、大きな鍋を用意する必要もなく煮洗いの時間も少ないので、ぜひ一度試してみてください。

赤ちゃんの洋服の干し方のコツは?

赤ちゃんの洋服の干し方のコツは?

いつもお洗濯の時に柔軟剤を使っていた方の場合、赤ちゃんの服がゴワゴワになってしまうのが気になるという方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、重曹やクエン酸を柔軟剤の代わりに使用する方法もありますが、干し方を少し工夫することでふんわり仕上げることができます。

柔軟剤を使っていなくても、干す時に何度もパンパンと洗濯ものを振ることで、服の繊維に空気が入り柔軟剤を使ったようにふんわり仕上がるようになります。パンパンと振ることで、洗濯物も早く乾くようになるので、是非お洗濯を干す時の習慣にするようにしましょう。

洗濯機のお掃除をしっかりと

洗濯機のお掃除をしっかり

赤ちゃんの洗剤や柔軟剤にこだわることも大切ですが、肝心の洗濯機が汚れていては台無しです。洗濯層の裏側には、洗剤の残りカスや皮脂汚れなどが付着しているため、あっという間にカビが繁殖していることがあるからです。

赤ちゃんの服を洗う前に、まずは洗濯機をキレイにお掃除しておくようにしましょう。洗濯機のお掃除に使う洗剤も、強力なものではなく低刺激でナチュラルなものを選ぶと、その後の洗濯物に影響する心配が無くなりますので、ご説明しておきます。

重曹+クエン酸

洗濯機をナチュラルにお掃除するなら、重曹とクエン酸を組み合わせるのがオススメです。洗濯機にギリギリまで水を溜め、重曹を1カップ投入して洗濯機を回しましょう。水は捨てずそのまま漬け置きの状態にしておき、一晩経過させます。

翌日、再び洗濯機を回すと黒カビや汚れが浮き上がってくるので、網ですくいます。重曹入りのお水を捨てて、すすぎの時に今度はクエン酸を1カップ投入しましょう。クエン酸には除菌効果がありますし、残った石鹸カスを溶かす働きもしてくれます。後は、お水で1回すすいでよく乾燥させれば終了です。

注意点として、クエン酸はお掃除の最初に入れないようにしましょう。初めに入れてしまうと、洗濯層に残った石鹸カスとクエン酸が結びついて酸化してしまいます。

酸素系漂白剤

洗濯機をナチュラルにお掃除するなら、酸素系漂白剤もオススメです。酸素系漂白剤は塩素を含まないため、デリケートな赤ちゃんの肌に影響する心配がありません。発砲するので汚れを浮かせやすいのが特徴です。重曹と同じように溶かして一晩おき、後は水ですすいで仕上げると良いでしょう。

まとめ

赤ちゃんの洗剤や柔軟剤の選び方について幅広くご紹介しました。赤ちゃんが着る服は、肌に直接触れるものなので洗剤や柔軟剤選びはとても重要です。デリケートな赤ちゃんの皮膚は、さまざまな刺激に弱いためすぐに皮膚トラブルへと発展してしまいます。

最初は気にしていなかったという方も、赤ちゃんの皮膚にトラブルが続くようなら、一度洗剤や柔軟剤を見直してみてください。また、これを機に家族で使うものを選びなおすことで、赤ちゃんが誰に抱っこされても安心できるようにしていきましょう。