赤ちゃんとの生活は、ひとつひとつが新鮮でいつも新しい発見に出会いますよね。お世話をしていくと、身体のあちこちにあざを発見することがあります。
どこかにぶつけたのかしら?と思う方もいらっしゃいますが、産まれてすぐにあざを発見した場合、皮膚の病気ではと心配になる方も多いことでしょう。
赤ちゃんのあざにはさまざまな種類があり、自然に消えるものも多くありますが、中には治療が必要になるケースもあります。気になる赤ちゃんのあざについて知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介します。
あざについて
赤ちゃんのあざは、どのようにして発生するのでしょうか。どこかにぶつけたあざではなく、生まれながらにしてあざができていると、妊娠しているときの食べ物が良くなかったのではと心配になります。
赤ちゃんの皮膚に発生するあざは、皮膚に含まれるメラニン色素や毛細血管が増えたことにより出没します。
日本人の場合、青いあざが現れることがほとんどですが、場所によっては茶色いあざや黒いあざ、赤いあざが出てくることもあります。
あざの色が異なるのは、皮膚のどの深さにメラニン色素があるのかによって決まったり、赤血球の色が透けたりすることが関係しています。
青いあざの種類、症状、対処方法
赤ちゃんのあざにはさまざまな種類があります。まず、日本人の赤ちゃんにほぼ現れる青いあざからご紹介していきましょう。青いあざとしては、蒙古斑と太田母斑があります。
蒙古斑について
蒙古斑は、日本人のほとんどに現れるあざのことで、背中や腰、お尻を中心に出没します。蒙古斑の現れ方には個人差があり、小さくて少ない数しか出ない赤ちゃんもいれば、広範囲に大きく現れることもあります。2歳をピークに蒙古斑は増え、10歳くらいまでには自然に消失していくのがほとんどです。
蒙古斑にはもう一つ種類があり、お尻以外の場所に現れる蒙古斑のことを異所性蒙古斑と言います。
異所性蒙古斑は、腕やお腹、顔に現れることが多く消えにくいのが特徴です。色が濃い場合は、成人しても消えないことがあるため、レーザー治療が必要になります。
基本的に、蒙古斑や異所性蒙古斑は悪性に変化する可能性は低いと言えます。
太田母斑について
青いあざとして、蒙古斑のほかに太田母斑というものもあります。
太田母斑は、生後数ヶ月ごろから出没し始めることが多く、片側の目の周りやこめかみ、頬や額などに現れるため、目立つあざとして気にする方が多くいらっしゃいます。
蒙古斑の青とは少し違い、茶色っぽい色が混ざっていたり、青色が濃いめに出たりすることがあるでしょう。どちらかと言うと男の子よりも女の子の赤ちゃんに発生する確率が高く、皮膚のほかに口の中や白目部分に現れることもあります。
太田母斑は、自然に消失することはなく、思春期に近づくと色が濃くなる傾向があります。気になる場合は、早い段階でレーザー治療をしていきましょう。
ぶつけたときの青タン 打撲
ハイハイしたりつかまり立ちをするようになると、赤ちゃんが怪我をする機会が増えます。赤ちゃんは頭が重くバランスがとりにくいためすぐ転びやすく、また赤ちゃんの肌は大人よりも薄いため、転ぶと青い内出血が現れるようになります。
いわゆる青タンですが、あざとはでき方がまったく異なるので、もし見つけたとしてもパニックにならないようにしましょう。転んだ赤ちゃんは泣いてぶつけた場所を教えてくれますが、内出血で青くなってしまった場合はまず冷やすのが先決です。
早く冷やすほど内出血が速く止まり、腫れや痛みの悪化を抑えてくれます。ただし、内出血が消えるのに1週間~3ヶ月と大きな幅がありますので、あせらないようにしましょう。
茶色いあざの種類、症状、対処方法
赤ちゃんの肌に現れるあざとして、茶色いあざもあります。茶色いあざの種類としては、扁平母斑とカフェオレ斑がありますのでご紹介していきましょう。
扁平母斑について
扁平母斑はハッキリとした茶色のあざで、身体のさまざまな部分に出没します。産まれたときにすでに出没していることもありますが、成長するにつれて徐々に現れてくることもあります。
扁平母斑は自然に消失することがないため、レーザー治療が必要です。悪性に発展する可能性はないので、気にならない部分に出ているのなら、治療しないという選択肢を選んでも良いでしょう。
カフェオレ斑について
カフェオレ斑は、その名の通りカフェオレのようなやや淡い茶色をしているあざのことを言います。産まれたときにすでに出没していることもありますが、乳幼児の頃に出没しはじめることもあります。
ただし、もし赤ちゃんの間に2cm以上のカフェオレ斑が6個以上出没するようなら、遺伝性の病気を発症する可能性があるでしょう。レックリングハウゼン病をという難病で、脳や神経系、骨、目などに異常が出てきます。
早期発見と早期治療が必要ですので、複数のカフェオレ斑があるときは、すぐにお医者さんに相談するようにしましょう。
赤い色のあざの種類、症状、対処方法
赤ちゃんの肌に現れるあざの中には、赤い色をしたものもあります。毛細血管の色が透けて見えることで赤い色になるのです。
赤い色のあざとしては、サーモンパッチ、いちご状血管腫、単純性血管腫(ポートワイン母斑)、ウンナ母斑などがあります。
サーモンパッチについて
まず、サーモンパッチは、比較的多くの赤ちゃんに現れるあざのことで、身体の中央線に沿って現れるのが特徴です。
眉間やおでこの真ん中、上まぶた、上唇などに現れることが多く、真っ赤と言うよりはサーモンピンクの色が近いでしょう。毛細血管の色が関係しているので、赤ちゃんが泣いた時やいきんでいる時、入浴後などに赤みが強くなります。
サーモンパッチは新生児の頃に現れることが多いですが、2歳くらいになる頃には自然と消失していますし、悪性に発展する可能性もないので心配する必要はないでしょう。
いちご状血管腫について
赤い色のあざとして、いちご状血管腫というものがあります。いちごのような鮮やかな赤い色をしており、あざが次第に盛り上がってブツブツしてくるのが特徴です。
生後1週間~1ヶ月くらい現れることが多く、7歳くらいになる頃には自然と消失していきます。部分的にたるみやシワが残ることがあり、大きないちご状血管腫は合併症を生じることがあるので病院で診てもらうようにしましょう。
単純性血管腫(ポートワイン母斑)について
赤い色のあざとして、単純性血管腫も紹介しておきましょう。赤ワインのような色をしていることから、ポートワイン母斑とも呼ばれます。
産まれたときから出没していることが多く、顔を中心にさまざまな部分に現れるのが特徴です。悪性に発展することはありませんが、自然に消失することはないのでレーザー治療を行う必要があるでしょう。
ウンナ母斑について
赤い色のあざとして、ウンナ母斑といものもあります。サーモンパッチと似ていますが、後頭部やうなじなどにできるのが特徴です。
成長するにつれて消失しますが一部分が残るため、大人になっても半分あざが残る形になります。全てキレイに消失したい場合はレーザー治療が必要になるでしょう。
白いあざ 脱色素性母斑
皮膚内にメラニン色素がない箇所があると、その部分が白くなり白あざとなります。正常な肌と境目がはっきりしないのを脱色素性母斑といい、先天性または生後すぐに現れ胴体や腕・足に多く発生します。
たいていは1箇所のみに発生し、体が成長するにつれてあざも大きくなっていき、消失することはありません。メラニン色素がないための病気なので、レーザーなどの治療は効果がなく、改善は非常に難しいと言われています。
脱色素性母斑が2箇所以上できた時や、帯状に広がった時は神経系の病気につながる伊藤白斑である可能性があります。気になることは病院で診てもらい相談するようにしましょう。
黒いあざの症状、対処方法
赤ちゃんにできるあざとして、最後に黒いあざもご紹介しておきましょう。黒いあざは先天性色素性母斑と呼ばれ、黒やこげ茶色をしています。
小さいサイズのものはほくろとして扱われ、自然に消失することはありませんので取り除くにはレーザー治療が必要です。基本的に悪性化する可能性は低いですが、足の踵など刺激の受けやすい部分や、5cm以上の大きさがある場合は、悪性かする可能性が高くなります。
数が急に増えたり、黒いあざが急に大きくなったりした時は、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。
吸引分娩が原因のあざ
分娩中赤ちゃんの頭が産道から出てこなくなると、赤ちゃんの心拍数が弱くなり命を落としかねない非常に危険な状態となります。
そんな時は、緊急措置として鉗子や吸引カップを用いて赤ちゃんの頭を挟み引っ張り出すことがありますが、その際挟んだ部分が内出血してあざになってしまうことがあります。たいていは即頭部にあざが出来ますが、時として顔にまで鉗子によるあざがついてしまうこともあります。
皮膚も骨も弱い新生児ですから、頭蓋骨に異常が出るのではと心配になってしまいますが、骨には影響がほぼなく、頭や顔のあざは数日で消えますので安心してください。
ここまでのまとめ
赤ちゃんのあざについてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。あざの種類によって、自然と消失するものもあればレーザー治療が必要になる場合もあります。顔や腕など目立つ部分に消えないあざがあるときは、早めに治療するのがオススメです。
悪性化する心配のないあざが多いですが、急に大きくなったり数が増えたりすると悪性化する可能性もあるので、病院で診てもらうようにしましょう。赤ちゃんのあざがどんなタイプなのかを知り、適切にケアしていってください。