生後3ヵ月の赤ちゃんは、出生時に比べると体重が2倍になったり、首がすわりはじめたりする頃。成長の変化が大きくみられる時期なので、観察していると楽しいこともたくさんあります。
しかし、育児ってこれでいいの?体重の増え方が心配。と赤ちゃんの様子に不安を感じるお母さんも多いのではないでしょうか。そこで、生後3ヶ月の赤ちゃんの成長や育児に関するさまざまな情報をご紹介していきます。
生後3ヶ月の赤ちゃんの体の成長・発達
身長と体重の目安は
生後3ヶ月赤ちゃんは、どれくらいの身長で、体重になっているのが一般的なのでしょうか。
男の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長57.5cmから66.1㎝で中央値が62.0㎝です。体重は5.12kgから8.07kgで中央値が6.63kgになります。※1
女の子の赤ちゃんの場合、統計全体の94%は身長56.0cmから64.5㎝で中央値が60.7㎝です。体重は4.84kgから7.53kgで中央値が6.15kgになります。※1
出生時に比べると、体重は2倍近く増えているため、成長したことを実感しやすい時期でもあるでしょう。しかし、これはあくまで平均値なので、目安程度に捉えておいてください。
赤ちゃん成長カレンダー 発育・発達の目安
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生後3ヶ月 食の発達
授乳時間 間隔 回数 1日当たりの回数も安定
生後3ヶ月にもなれば、一度にたくさんの授乳が可能になるため、授乳間隔は広がり、1日当たりの回数も安定してきます。
平均すると、授乳間隔は3~4時間おきが多く、寝る前にしっかりと飲めば、朝まで授乳しないという赤ちゃんも出てきます。
中には、たくさん授乳できるようになることから、たっぷり飲めてしまうため、授乳疲れですぐに眠ってしまう赤ちゃんもいるほどです。
ミルク量 授乳量が心配なときは? 体重増えない
生後3ヶ月を過ぎているのに、なかなか体重が増えないし授乳量も少ない気がする場合は、医師に相談してみましょう。
基本的に、授乳量が急に増えても心配はいりません。全て成長につながっていきますので、ダイエットは不要です。しかし、ミルクの量に関してはたくさん飲むからと、薄めるようなことは避けましょう。
ミルクの濃度を調整してしまうと、かえって胃に負担がかかる恐れがあるので、注意が必要です。
定期的に体重を測り、わずかでも順調に体重が増えていれば、ほとんどのケースで心配ないと言ってよいでしょう。
生後3ヶ月の睡眠の発達
睡眠時間、昼寝はどれくらい?
生後3ヶ月の赤ちゃんは、どれくらいの睡眠時間を持つものなのでしょうか。一度に取る睡眠時間には、個人差がありますが、長めに取る赤ちゃんだと一度の睡眠時間は4時間を超すこともあります。短い赤ちゃんは、2時間程度で起きることもあるでしょう。
基本的に、生後3ヶ月を過ぎると夜に寝る時間が長くなり、お昼寝の時間は短くなることが多くみられます。お昼寝の睡眠時間は、30分~2時間くらいになるでしょう。
たそがれ泣きや夜泣きなどが増えはじめます
生後3ヶ月になると、夕方から夜にかけてなかなか寝ないことが増え、夜泣きのようにぐずることが増えてきます。
いわゆる「たそがれ泣き」というもので、原因は特定されていないのが現状です。同じ時間帯に泣き始めることが多く、泣き止む時間も決まってきます。
お腹が空いているわけでもないし、おしめも大丈夫。でもどうして寝ないのかと悩みがちですが、たそがれ泣きは成長過程において経験する赤ちゃんも多いため、深刻に考えず泣き止むまでスキンシップを取ったり、遊んだりして過ごすようにしましょう。
寝返りやうつぶせはもう少し先です。
生後3ヶ月になると、首がすわりはじめる赤ちゃんが出てきますが、寝返りできるのはまだ先です。
しかし、中には偶然寝返りができてしまう赤ちゃんもいるでしょう。しかし、これはあくまで偶然の出来事ですので、長時間うつぶせのままで放置することは避けましょう。
たまたま寝返りしてうつぶせのままでいると、呼吸がふさがれてしまう可能性があるので、家事をするときは枕でガードするなど工夫しておくようにしましょう。
生後3ヶ月の手や指の発達・運動発達
手に興味を持つ赤ちゃんが増え、指しゃぶり
生後3ヶ月になると、自分の手に興味を持つ赤ちゃんが増えてきます。手を動かす筋肉が発達するため、より力強く握ったり動かしたりすることができるためです。
指しゃぶりを始める赤ちゃんも増えてきますが、五感を強く刺激し脳の発達に役立ってくれます。しばらく指しゃぶりをしていくうちに、お気に入りの指が決まってくるでしょう。
掴んで鳴らしておもちゃ遊び
生後3ヶ月になると、視覚や聴覚、手の筋力がついてくるため、おもちゃで遊ぶことを喜ぶ赤ちゃんも増えてきます。ガラガラとなるおもちゃの方を見たり、掴んで鳴らして遊んだりすることも増えてくるでしょう。
また、お散歩に出かけて外からの刺激を受けることも、赤ちゃんにとっては遊びのひとつです。
触ったことのない葉っぱに触れたり、動く虫を観察したりしながら、遊んでいきましょう。
手で握ったものを口の中に入れよだれがたくさんに
生後3ヶ月の赤ちゃんは、指しゃぶりを始めますし、手で握ったものを口の中に入れようとします。
また、表情も活発になってきますし、首がすわりはじめることから動作も大きくなるため、よだれが大量に出やすくなるので注意が必要です。
基本的に、よだれがたくさん出ることは悪いことではありませんので、スタイを欠かさないようにし、こまめに拭き取ってあげると良いでしょう。
首すわりはじめる?すわらない?
生後3ヶ月ともなれば、徐々に首回りの筋肉は安定してくるため、首がすわりはじめる赤ちゃんも増えてきます。
寝ていても活発に頭を動かし、縦に抱っこしても頭がぐらぐらしなくなってきます。しかし、首すわりの時期には個人差があるため、生後3ヶ月でまだ首がすわっていないと心配になる必要はありません。
また、一度安定したとしてもまだまだ不安定さは残っているため、必ずサポートしてあげるようにしましょう。
生後3ヶ月のこころの発達
人見知りの初期かも 本格的な人見知りはもう少し先です。
生後3ヶ月になると、自分のお世話をしてくれている人が誰なのか、徐々に認識できるようになってきます。
いつも聞こえてくるママの声や、パパの抱っこに慣れてくるため、違う人が近くにいると違和感を生じ、泣き出してしまうこともあるようです。いわゆる、人見知りが早い赤ちゃんはスタートする時期でもあると言えるでしょう。
お母さんに甘えたい!たくさん抱っこ!抱き癖は?
「抱き癖がつくからあまり抱っこしない」というのを、年配の方から言われた事のあるお母さんは多いのではないでしょうか。しかしこれは一昔前の育児法で、現在では日本だけでなく欧米も赤ちゃんが欲するままに抱っこするよう指導しています。
生後3ヶ月ごろから情緒面での成長も加速して、一人ぼっちで心細い・お母さんに甘えたいという気持ちが泣きに繋がるのですが、この場合はミルクやオムツの場合と違ってお母さんに抱っこされて安心できたと赤ちゃんが思うまで、抱っこし続けたりあやさなければなりません。
お母さんにとっては何も出来ずイライラしてしまうかもしれませんが、赤ちゃんにとっては自分が安心できる場所を再確認しているのですから、抱き癖に悩まず赤ちゃんが納得するまで抱っこしてあげてください。
視力UPで観察する力が育ってきます。
生後3ヶ月になると、より視力がついてものを観察する力が育ってきます。また、身体を動かすことも増え、興味もどんどん湧いてくるため、あたりにあるものを観ようとすることが増えてくるでしょう。
色も認識できるので、カラフルな色のおもちゃにも反応します。しかし、寝るときは視覚をできるだけ制限する方が良いでしょう。
見えるものに強く興味を示すため、カラフルなポスターや、テレビなどがついていると、そちらに興味を示してなかなか寝ようとしてくれません。
生後3ヶ月の体調不良
一時的に授乳量が落ち、便秘になる場合も
生後3ヶ月の赤ちゃんは、脳も成長しているため満腹中枢や摂食中枢が発達してきます。このことから、一時的に授乳量が落ち、便秘になってしまうこともあるでしょう。
何日も便秘でうんちが出てこないという場合は、ベビーオイルを含ませた綿棒を肛門に少し入れ、刺激してあげると良いでしょう。ただし、毎日行っていると刺激がなければうんちが出なくなるため、注意が必要です。水分が足りない場合は白湯で水分補給してあげましょう。
逆に下痢がちだと心配になる場合もありますが、母乳だと水分が多めのうんちになります。異臭や黒いうんちが出たなど異常が確認されない場合は、心配しすぎる必要はないでしょう。
様子をしっかり確認して風邪 咳 熱の対処を
生後3ヶ月になると、定期健診で病院に行ったり、お散歩したりする機会が増えて風邪をひくことが出てくるかも知れません。
熱が出たからと言って解熱剤を、咳が出るからと言って咳止めを勝手に服用させることはやめましょう。
赤ちゃんの体質や月齢により、処方できる医薬品は違います。必ず医師の指示に従い、治療するようにしてください。
寒暖差でも鼻水、鼻づまりの原因に
赤ちゃんの粘膜は非常に敏感で、さまざまな環境の変化をキャッチするもの。だからこそ、ちょっとした寒暖差でも鼻水が止まらなくなってしまいます。
鼻水を放置しておくと、皮膚がカサカサになって荒れたり、鼻づまりを起こして呼吸が苦しくなったりするので、ガーゼや綿棒で優しく取り除いてあげましょう。
皮膚を清潔な状態に保ってつるつる肌に
赤ちゃんの肌は、新陳代謝が活発ですし、非常にデリケートです。汗をたっぷりかいたままにしていたり、皮脂が分泌されたままにしていたりすると、湿疹が出てくることもあるでしょう。
基本的に、顔や首、腕のシワなどに発生することが多いため、お風呂の時には低刺激の石鹸で優しく汚れと皮脂を洗い流しておきましょう。
お風呂に入っていないときは、柔らかいガーゼで、こまめに汗や皮脂を吸い取ってあげることも大切です。
皮膚を清潔な状態に保っておけば、徐々に湿疹は治まってくるでしょう。しかし、なかなか改善が見られない場合は、医師に相談し塗り薬を処方してもらいましょう。
生後3ヶ月の生活
外出時間はどれくらい?
生後3ヶ月になると、多くの自治体で健診が行われ始めます。地域によっては4ヶ月からの場合もあるので、確認しておきましょう。
かかりつけの病院が遠方の場合、外出時間が長くなりがちですが、基本的にお散歩に出かける時間は1時間以内に留めておくのが安心です。
スキンシップも兼ねて一緒のお風呂に
赤ちゃんをお風呂に入れるときは、ずっとベビーバスを使っているという方も多いと思います。しかし、スキンシップも兼ねて一緒のお風呂に入りたいという方もいらっしゃるでしょう。
もし、生後3ヶ月の赤ちゃんと一緒に家族のお風呂に入る場合は、ぬるめのお湯を心掛けるようにしてください。そして長い時間お風呂に入り続けると、上せてしまうので注意が必要です。
湯船に一緒に入るのは、5分から10分程度にしておくと良いでしょう。
旅行、飛行機もそろそろ大丈夫?
生後3ヶ月になれば、お母さんの身体も落ち着いてくるので、旅行に出かけたり、飛行機で遠出したりすることもあるでしょう。しかし気になるのが、飛行機に赤ちゃんを乗せても大丈夫かということ。
基本的に、飛行機に月齢制限はないので、生後3ヶ月の赤ちゃんでも利用することはできます。
ただ、初めての環境に戸惑い、体調を崩す可能性や、ぐずる可能性もあるため、細心の注意を払うようにしましょう。ご機嫌になりやすいおもちゃを持参する、離陸の時には授乳して落ち着かせるなどしておくと安心です。
また、飛行機会社によっては、赤ちゃんを優先的に扱ってくれるところも多いため、サービスを上手に利用するようにしましょう。
生後3ヶ月 生活リズム
赤ちゃんの生活リズムは、授乳と睡眠のサイクルで成り立っています。生後3ヶ月の間は、まだリズムが安定していない子もおり、昼夜逆転が治らないという場合もあるようです。
最初は、赤ちゃんの望むまま、授乳したり寝かしつけたりすることもあったでしょうが、生後3ヶ月ともなれば、徐々に習慣づけて生活リズムを確立させてあげるのも良いでしょう。
授乳する時間をある程度決めておき、お昼寝の時間や夜寝る時間には、必ず布団に入れるようにします。意識的に行うことで、徐々に赤ちゃんにも生活リズムに慣れてくるでしょう。
そして、なかなか寝ないときについ授乳してしまいがちですが、お腹が減っていないのに授乳してしまうと、眠りが浅く、中途半端な時間に目が覚め、お腹が空いてしまいます。お腹が減っていないのにぐずるときは、スキンシップでコミニュケーションを取ることを心掛けましょう。
生後3ヶ月 予防接種
生後2ヶ月からヒブと小児用肺炎球菌の予防接種を始めた場合、4週間後の生後3ヶ月にそれぞれ追加のワクチンを接種する必要があります。
また、この月からは百日咳・破傷風・ジフテリアにポリオを加えた4種混合ワクチン接種も開始できます。
なるべく早く終わらせるために同時接種を行う病院も多いのですが、同時接種はワクチン数が多いと、副作用などを心配するお母さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし弱いワクチンなので、副作用が起きたとしても短時間で自然回復する程度ですし、もし副作用を恐れて予防接種を受けずに発症してしまった場合の重篤度を考えれば、予防接種は必ず受けるべきです。
まとめ
生後3か月の赤ちゃんについてご紹介しました。成長するスピードや、首すわりのタイミングはそれぞれの赤ちゃんにより異なります。必ずこの平均値の範囲でなければならないということはありませんので、参考程度に捉えておきましょう。
そして、生後3ヵ月になると、定期健診があり、予防接種もスタートする時期です。それぞれの自治体により時期が異なる場合がありますが、担当の医師ときちんと話し合い、適切なタイミングで必要な予防接種を行えるようにしましょう。
生後3ヶ月になると、体重は2倍になり赤ちゃんらしい、ぽっちゃりとした印象に変化してきます。また、視力も発達してくるためコミュニケーションも密になってくる時期です。日々成長していくので、ひとときも目が離せないのではないでしょうか。
今しか見られない赤ちゃんの成長過程ですから、じっくり観察して日々の成長に喜びを感じ、楽しんでいきましょう。お母さんが赤ちゃんと接する時間を楽しめば、きっと赤ちゃんにもその楽しさが伝わるはずです。 ※1参考:厚生労働省 乳幼児身体発育調査