赤ちゃんが寝すぎるときに知っておきたいこと

赤ちゃんが寝すぎるときに知っておきたいこと 赤ちゃん 睡眠

何しても寝ない、夜中も泣いてばかりで寝不足など、赤ちゃんが寝なくて困るお母さん多いですね。生まれてすぐから良く寝てくれる赤ちゃんを、うらやましいと思うのも仕方の無いことでしょう。

しかし、「寝る子は育つ」という言葉はあっても、あまりにも寝すぎると赤ちゃんになんらかの病気や異常があるのではないか、と心配するお母さんは多いのです。

一般にはあまり心配する必要は無いと言われていますが、その中でも赤ちゃんがたくさん寝る原因は何か、病院を受診する必要はあるか、お母さんが気をつけるべきことは何か、など気になる情報を幅広くご紹介します。

目次

赤ちゃんの睡眠時間の目安を知る

赤ちゃんの睡眠時間の目安を知る

赤ちゃんは寝すぎかどうかを確認するには、やはり赤ちゃんの平均睡眠時間を知ることが大事です。他の赤ちゃんと、自分の赤ちゃんの睡眠時間を比較することは少ないですよね。

ですから、お母さんが「たくさん寝ている」と思っても、実際は平均と同じくらいの睡眠時間であることもありますし、「赤ちゃんの睡眠時間はこんなもの」と思っていたら寝すぎだった、なんていうこともありえます。月齢ごとの赤ちゃんのおよその睡眠時間は以下のようになっています。

生後0~1ヶ月

生後0~1ヶ月

生まれたばかりの赤ちゃんは、16時間~18時間近く眠ります。1日の大半を寝てすごしますが、睡眠・授乳・オムツ替えを2~3時間おきに繰り返すサイクルです。

お腹の中にいた時のようにまだ昼夜の区別がついていないので、昼でも夜でも同じように起こされて、お母さんも寝不足になりやすい時期です。睡眠時間が長い赤ちゃんは20時間以上、寝ない赤ちゃんは12時間~14時間ほどになり、個人差がありますので目安と考えましょう。

生後1~3ヶ月

生後1~3ヶ月

生後2ヶ月を過ぎると、赤ちゃんの睡眠時間はぐっと少なくなり14~15時間程度になることが多いようです。

また、時間帯に関係なく睡眠と授乳を繰り返していたこれまでとは異なり、日中の昼寝と夜の就寝という風に寝ている時間と起きている時間がはっきりしてくるのが特徴です。生後3ヶ月の赤ちゃんは、午前・午後・夕方の3回の昼寝で5時間程度の睡眠と夜の就寝が目安です。

生活リズムを作るのはこの時期から

生後3ヶ月頃に、体内時計を調整するホルモンが分泌され始めます。昼夜の区別がつかなかった赤ちゃんも次第に昼・夜と言った感覚が分かってくる頃なので、ぜひこの時期から生活リズムを作るようにしていきましょう。

生活リズムは規則正しい習慣を身に付けるのに役立ち、赤ちゃんだけでなくお母さんも楽になりますし、幼稚園・小学校とこれから集団生活を送る上でも役立ちます。

生後3~6ヶ月

生後3~6ヶ月

この時期の睡眠時間は13~14時間ですが、ぐっすり眠るノンレム睡眠の時間が増えてくるので、中には夜に6時間程度続けて眠る赤ちゃんも出てきます。

お母さんにとっては、やっと夜中に起こされずに眠れる時期に入ります。寝返りやお座りなど動き始める時期なので、昼間たくさん遊んで良く眠れるようにしていくと生活リズムをつけやすくなるでしょう。

生後6~11ヶ月

生後6~11ヶ月

睡眠時間は11~13時間となり、昼夜の区別がしっかりつくようになっています。お昼寝の時間は3時間程度になり、昼寝の回数も午前と午後の2回と少なくなってくるでしょう。

ただ、この時期は夜泣きをする赤ちゃんが増えてくるので、夜まとめて眠れるようになったお母さんも再び寝不足になってしまうかもしれません。

生後1~3歳

生後1~3歳

1歳を過ぎれば、赤ちゃんは一段と体の機能が発達します。その成長をフォローするための睡眠はまだまだ必要不可欠で、1歳~3歳の睡眠時間は6ヶ月~11ヶ月の睡眠時間とほぼ変わらないと思ってよいでしょう。

幼児に近い年齢になるとお昼寝はいらないのでは?と思ってしまいますが、そこは赤ちゃんによって様々です。絶対お昼寝がないと生活リズムが崩れてしまう赤ちゃんもいますし、昼寝をしなくても元気いっぱいの赤ちゃんもいます。

ただ、沢山遊んだ日や外出した日は疲れやすいですから、赤ちゃんの様子を見ながら臨機応変にお昼寝を取り入れていきましょう。

赤ちゃんが寝すぎる原因は

赤ちゃんが寝すぎる原因は

赤ちゃんが寝なくても心配だし、寝すぎても心配ですよね。赤ちゃんの顔や体型が異なるように睡眠時間も異なりますので、寝すぎるのは体質や性格の一部であることがほとんどです。

しかし、体質以外にも可能性がある原因がいくつかありますのでご紹介しましょう。

ぐったりしている 体調不良

ぐったりしている場合も

赤ちゃんはさまざまな菌に感染しやすく、発熱や下痢を繰り返します。体内の水分は大人よりも多いので、こまめに水分補給をしないとすぐ脱水症状に陥り、ぐったりしてしまいます。

特に発熱の時は寝ていても汗をたくさんかきますから、お母さんが気づかないうちに脱水でぐったりし寝すぎているように見えるのです。尿の回数が少なく、寝ていても赤ちゃんの顔が赤いようならば病院で処置をしてもらいましょう。

病気の可能性

病気の可能性

お母さんにとって心配なのが、やはり病気の可能性ですね。すぐ病院で治療が必要なほど深刻なケースは少ないのですが、赤ちゃんの精神的発達が影響している場合もあります。気になる場合は医師に相談してみると良いでしょう。

新生児黄疸

新生児黄疸

赤ちゃんは生まれて2・3日すると、黄疸が現れるようになります。通常赤血球が壊れると肝臓で処理され、壊れた際に出るビリルビンが増えることはありません。

しかし、新生児は多血状態で生まれるため、肝臓の処理が間に合わずビリルビンの黄色が白めや肌に現れるようになります。黄疸が強い赤ちゃんが睡眠時間が長いという特徴があります。

新生児黄疸は再発の可能性

新生児黄疸は入院時に検査と治療を行いますが、たまに一度治った新生児黄疸が再発することがあります。この時、白目が黄色くなる・おしっこの色が濃くなる・うんちの色が白っぽくなる症状が現れますので、病院を受診しましょう。

その際、撮った写真やオムツを持参すると、医師の判断材料の一つとなって的確な診断が受けられます。

発達障害

発達障害

睡眠時間が長いことは、発達障害の中でも自閉症やアスペルガー症候群といった広汎性発達障害の特徴に数えられます。

神経が過敏で受ける刺激が他の人よりも多く、非常に疲れやすいため睡眠時間が長いというだけでなく、刺激を受けすぎて興奮して眠れないなどの睡眠障害も見られます。

寝る時間が長い赤ちゃんが必ずしも発達障害と言うわけではありませんが、目が合わない・無表情・一つのことに執着するなどの症状が無いかをチェックしましょう。

診断は3歳以降

赤ちゃんに発達障害・広汎性発達障害を疑う症状が現れたとしても、確定するのは3歳健診以降です。

赤ちゃんは一つのものに興味を示して誰にも触らせなかったり、あまり泣かず静かな赤ちゃんも多いですが、ただ体質や性格によるものという場合もありますから、睡眠時間が長いからとすぐに診断することはありません。

心配な時は自治体の保健所や保健福祉課に相談し、発達専門病院を紹介してもらうようにしましょう。

新生児の寝すぎには注意が必要

新生児の寝すぎには特に注意が必要

新生児の1回の睡眠時間は短いもの、というのが当たり前ですが、中には4・5時間続けて眠る赤ちゃんもいます。新生児のうちからたくさん寝るということは、悪いことではありません。

しかし、だからと言ってそのまま寝かせてしまうと、赤ちゃんやお母さんに影響が出てくるので注意が必要です。

授乳回数の減少

授乳回数の減少

赤ちゃんの寝すぎで心配なのが、やはり授乳回数が減って成長に影響が出てしまう可能性です。新生児の頃の授乳回数は8~12回、ミルクの場合は赤ちゃんの体重などによって異なりますが、3時間おきに7回が目安となっていて、寝すぎる赤ちゃんだとこの授乳をスキップしてしまう可能性が出てきます。

寝すぎても体重がきちんと増えているようならば問題ありませんが、体重が増えないような場合は、寝ていても起こして授乳したり小児科に相談してみましょう。

お母さんにも影響が乳腺炎の可能性

お母さんにも影響が乳腺炎の可能性

赤ちゃんが寝すぎて授乳をスキップしてしまうと、乳房が痛くなるほど張ってしまうお母さんも出てきます。放置すれば乳腺炎に進行してしまうので、時間になったら一度赤ちゃんを起こして授乳させるのがベストです。

それが出来ない時は、氷をタオルにくるんで冷やしたり、搾乳して乳腺炎を防止しましょう。

起こして授乳するには

起こして授乳するには

寝すぎの赤ちゃんを起こすにもコツが必要です。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類ありますが、赤ちゃんがノンレム睡眠状態になっていると、足の裏をくすぐっても起きることはありません。

無理に起こすと赤ちゃんは不機嫌になって、母乳やミルクを飲むのを嫌がってしまったり、ぐずって今度は寝てくれない、なんてことにもなりかねません。

レム睡眠に移行して、口元や手足に動きが出てくるようになった時を見計らって起こすと、赤ちゃんもすんなり起きてくれるでしょう。

新生児突然死症候群(SIDS)との関係

新生児突然死症候群(SIDS)との関係

新生児突然症候群は赤ちゃんが寝ている間に呼吸が止まり死亡してしまう状態で、うつ伏せ寝や暖めすぎなどが原因に挙げられますが、はっきりしたことはまだ分かっていないのが現状です。

寝すぎる赤ちゃんがSIDSに関係しているわけではありませんが、たくさん寝るのが当たり前になって赤ちゃんを一人にすることが増えると、何か異常があった時に発見が遅れてしまいます。

良く寝る赤ちゃんであっても新生児のうちは頻繁に様子を見て、うつ伏せになっていないか・室内が暖まりすぎていないかをチェックしましょう。

寝すぎる赤ちゃん こんなことが気になる

寝すぎる赤ちゃん こんなことが気になる

赤ちゃんがたくさん寝ても、体に異常がなければ心配する必要が無いのを分かり安心したお母さんも多いことでしょう。

しかし、周りの家族や親戚・友達の中には寝すぎる赤ちゃんを良くない兆候であると指摘する方もいます。気にかけることは全くありませんが、そういった話を聞くとやはり不安の種が出てきてしまいます。実際そういった話が本当なのかどうか見てみましょう。

[噂]寝すぎる赤ちゃんは体が弱い?

寝すぎる赤ちゃんは体が弱い?

「寝すぎる赤ちゃんは体が弱い」と言われるのは、おそらく大人が睡眠で体力回復を図ることを赤ちゃんに当てはめたのだと思われます。

赤ちゃんは生まれてからの1年間で急速に体と脳が成長しますが、この成長スピードのためには睡眠が必要不可欠であり、疲労回復とは関係がありません。

ただ、寝ている時間が長いため外出する機会が激減すると、さまざまな菌に感染して免疫力を付けていくことが難しくなる、というのはあるかもしれません。寝ている時間を考慮したスケジュール作りが必要でしょう。

[噂]そのうちに寝なくなる?

そのうちに寝なくなる?

実際にたくさん寝ていた赤ちゃんを持つお母さんの中には「今はたくさん寝ても、後で夜泣きがひどかったり寝てくれなくなる」という方がいます。

体験者の言葉ですから信憑性があるように感じてしまいますが、これはもう赤ちゃんの性格や体質によるとしか言えません。もちろん体験談のように、今までとは一変し夜泣きが始まり中々寝てくれなくなる赤ちゃんも出てくるでしょう。

しかし反対に、たくさん寝る赤ちゃんのまま成長していくケースも多いのです。この先どうなるかは誰にも分かりませんから、今の状態を楽しんでおきましょう。

[噂]サイレントベビーの可能性は?

サイレントベビーの可能性は?

赤ちゃんが沢山寝て大人しいと「サイレントベビーでは?」と言い出す方もいるかもしれません。親の愛情が足りないと、責められているように感じてしまうお母さんもいるでしょう。

赤ちゃんの呼びかけを周りが無視しつづけ、赤ちゃんは自分から関わるのを諦めて無表情になりめったに泣かなくなる状態をサイレントベビーといいます。

寝すぎる赤ちゃんと特徴が似ていますが、サイレントベビーは親が呼んでも反応しませんが、寝すぎる赤ちゃんの場合は親が呼ぶと反応してそちらを向く点が大きく異なります。

赤ちゃんが目を覚ました時に泣いてお母さんを呼ぶのならば、サイレントベビーではありませんので安心してください。

寝ることはメリットがいっぱい

寝ることはメリットがいっぱい

赤ちゃんの寝不足が問題になることがあっても、赤ちゃんがたくさん寝る点に関しては病気以外ならば問題ありません。

それ以上に赤ちゃんの心身面では大きなメリットになることを、お母さんも知っておきましょう。そうすれば、不安や心配に思うこともなくなります。

成長ホルモン分泌

成長ホルモン分泌

一番大きなメリットは睡眠をとると成長ホルモンが分泌されることです。たくさん眠る赤ちゃんはそれだけ成長ホルモンが多く分泌されます。

この時期の赤ちゃんは急激に成長します。そのためにも成長ホルモンは不可欠ですので、質の良い睡眠が必要になります。

ここまでのまとめ

お母さんが気になる赤ちゃんの寝すぎは、黄疸や発達障害などの病気に関係するもの以外は問題ないと考えてよいでしょう。

ただ、新生児で寝すぎる場合は、夜中の授乳が減って体重が増えなかったり、新生児突然死症候群が気になりますので、特別に注意する必要があります。寝過ぎる赤ちゃんは、他のお母さんが羨ましがるくらいですから、お母さん思いの赤ちゃんだと考えて、心配せずにすごしてください。

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