赤ちゃんの歯(乳歯)について知っておきたいこと

赤ちゃんの歯(乳歯)について知っておきたいこと 赤ちゃん 生活

生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんのおっぱいやミルクを飲んで成長していきます。そんな中、最近やたらおもちゃを口に入れるようになったと思ったら、可愛らしい歯がちょこんと生えていたということもあるでしょう。

歯が生え始めると、より赤ちゃんの成長を実感できてうれしいですよね。赤ちゃんの歯が生え始めるタイミングや、生える順番は違いがありますが、歯が生えてきたらきちんと虫歯のケアをしてあげることも大切です。

そこで、赤ちゃんの歯に関するさまざまなことを幅広くご紹介していきましょう。

妊娠中の食生活が赤ちゃんの歯に影響?

妊娠中の食生活が赤ちゃんの歯に影響

赤ちゃんの歯が生えてくる時期には違いがありますが、どの赤ちゃんも、胎児の頃から歯の組織が作られ始めています。

生まれるまでにある程度の歯の組織が完成に近づいているため、赤ちゃんが丈夫な歯を持つためには、妊婦時代の食生活が関係してくると言えるでしょう。

諸説いろんな意見がありますが、妊婦の頃に偏食勝ちで虫歯が多いほど、赤ちゃんの歯は弱く虫歯にかかりやすいと言われています。丈夫な歯の為には、妊婦時代から気を付けておく必要があるのです。

初めの歯が生える時期

初めの歯が生える時期

赤ちゃんの歯が生えてくる時期には、かなりの個人差があります。およその目安としては、生後6ヶ月くらいから歯が生え始めることが多いようです。しかし、赤ちゃんによっては生後9ヶ月くらいの頃にようやく最初の歯が生え始めるケースもあります。

出生時の体重や体格、また遺伝などにより歯が生える時期は異なりますが、1歳を過ぎてもまだ生えないようなら医師や歯科医に相談してみると良いでしょう。

歯が生える兆候

歯が生える兆候

寝返りができるようになると歯が生えてくるのはいつごろかとそわそわしてしまいますが、実は歯が生えてくる兆候というものがあります。

特に目立ってくるのがよだれで、歯が生え始める頃になるとよだれの量が急に増えます。唾液には歯についた菌を洗い流して虫歯を作らないようにする働きがあるので、乳歯が生える前からその準備をしていると考えられます。

また、歯と歯茎の間に組織液が溜まる萌出性のう胞になると、歯が生える前に歯茎が腫れたり出血する事があります。これは歯が出てくれば自然と治まるので慌てて病院にいかなくても大丈夫。赤ちゃんが急に口の中へ手を入れたりするようならば、生え始めかもしれないので、口の中をチェックしてみましょう。

赤ちゃん歯の生え方と時期について

赤ちゃん歯の生え方と時期

赤ちゃんの歯が生えてくる順番としては、多くの場合下の前歯から出てくることが多いようです。大体の生えてくる時期をご紹介しておきましょう。

生後6ヶ月あたりから生後9ヶ月あたりまでに、下の前歯(乳中切歯)が生え始めます。

生後6ヶ月あたりから生後9ヶ月あたりまでに、下の前歯(乳中切歯)が生え始めます。

生後9ヶ月あたりから生後10ヶ月あたりまでに、上の前歯(乳中切歯)が生え始めます。

生後9ヶ月あたりから生後10ヶ月あたりまでに、上の前歯(乳中切歯)が生え始めます。

上下の前歯(乳中切歯、乳側切歯)が合計で4本

生後11ヶ月あたりから生後1歳あたりまでに、上下の前歯(乳中切歯、乳側切歯)が合計で4本生えそろってきます。

奥歯(第一乳臼歯)

生後1歳2ヶ月あたりから生後2歳のたりまでに、奥歯(第一乳臼歯)が生え始めます。

赤ちゃん歯 全て生える

生後1歳8ヶ月あたりから生後2歳あたりまでに、乳犬歯(けんし)奥歯(第二乳臼歯)が生え始めます。

これらはおよその目安であって、赤ちゃんにより時期が前後することもありますし、歯の生えてくる順番が異なる場合もあります。赤ちゃんによっては、最初に生える歯が上の歯ということもありますし、生まれたときにすでに歯が生えているということもあります。

時期や生え方が異なっていたとしても異常ではありませんが、心配な場合は医師に相談してみましょう。

歯磨きについて

歯磨きについて

赤ちゃんの歯が1本でも生えてきたら、歯磨きをスタートしていく必要があります。歯を清潔な状態に保ち、虫歯を防ぐためには例え1本でもきちんとケアすることが重要と言えます。

まだ乳歯だし、虫歯になったとしても永久歯の時に気を付ければ大丈夫と思いがちですが、乳歯の頃にひどい虫歯になると、それが永久歯にも影響し虫歯になることがあるので、早めのケアが必要なのです。

歯磨きは、赤ちゃん専用の歯ブラシもありますが、嫌がるようなら柔らかいガーゼを水で濡らして指に巻き、優しく汚れをふき取ってあげると良いでしょう。

歯磨き粉について

歯磨き粉について

赤ちゃんの歯が生え始めてきたら、虫歯呼ぼうとしても歯磨きをスタートしていく必要があります。その時、気になるのが歯磨き粉の使用をするべきかどうかということです。

歯磨き粉は、口の中をサッパリさせてくれますし、フッ素も配合されているので虫歯予防にも役立ちます。しかし、口をゆすぐことがまだできない段階だと、口の中に歯磨き粉が残り、不快感が出てしまうので、うがいができるようになったり、ブクブク口をゆすいだりすることができるようになったら、使用するようにしましょう。

離乳食の頃なら、味付けも薄めで硬いものもほとんどないため、汚れはつきにくくガーゼや赤ちゃん用の歯ブラシで充分虫歯予防することができます。

徐々に歯が増えてきて、離乳食も大人に近いものになってきたら、ブクブク口をゆすぐのと、歯磨き粉にチャレンジしてみましょう。

大人のお手本 マネ

大人のお手本 マネ

歯を健康に保つためにも、歯磨きは必要ですが、赤ちゃんによっては歯磨きを嫌がる場合もあります。

ムリにさせると、歯磨きが嫌いになってしまうので、お水やお茶を飲ませたり、機嫌の良いときにガーゼで汚れを拭いてあげたりすると良いでしょう。また、なんでも真似したくなる時期があるので率先して親が歯磨きをしてお手本を示すことも大切です。

大人のしていることをなんでもやりたがるので、楽しそうに歯磨きしている様子を見て、「私もやりたい!」という気持ちを引き出していきましょう。親がきちんと歯磨きしていないと、その生活習慣を子供が真似してしまいますので、親子そろって虫歯だらけになってしまいます。

子供の虫歯を予防するためには、まず大人が歯のケアを習慣化し、それをお手本として見せられるようにしましょう。

丈夫な歯 虫歯予防方法

食事の後は水かお茶

食事の後は水かお茶

赤ちゃんがまだ母乳やミルクを飲んでいる時期なら気にする必要はありませんが、甘いジュースを飲みはじめたり、ミルク以外の乳製品を口にしたりするようになったら要注意です。

甘いものや乳酸菌が口の中に残ると、虫歯になりやすいのであまり与えないようにしましょう。もし、与える場合は最後にお水かお茶を口に含ませて歯を清潔な状態に保つことが大切です。

離乳食をスタートしているときも、必ず最後はお水やお茶を飲んで口の中に食べかすや甘いものが残らないようにしましょう。

ママの虫歯菌が伝染

ママの虫歯菌が伝染

そもそも赤ちゃんは、生まれてきたときは口の中は非常に健康な状態に保たれています。しかし、虫歯になってしまうのは虫歯菌に感染したことが関係していると言えるでしょう。

虫歯菌は、親からの口移しやキス、使用済みのスプーンを使いまわすことにより、感染します。お父さんやお母さんの口の中に虫歯があると、スプーンやキスを介して虫歯菌が赤ちゃんに移ってしまいます。

全く感染しないようにすることは難しいので、できるだけ親も口内ケアをきちんとしておくようにしましょう。特にお母さんは、つわりがひどいと歯磨きするのも気持ちが悪くなり、口内ケアがおろそかになりがちです。もし、虫歯になった時は安定期にしっかりと治療をしておくようにしましょう。

妊婦の頃から定期健診で口内ケアをしてもらい、出産後もできるだけ歯磨きやケアを徹底するようにすることで、赤ちゃんが虫歯になることを予防することが大切と言えます。

離乳食と歯の関係

離乳食と歯の関係

基本的に、歯が生え始めたら離乳食をスタートしても良いと言われています。歯が生えてくるということは、母乳やミルク以外からも栄養を摂れる準備が整ったという身体のサインと考えられているからです。

最初の離乳食はまだとろとろの液体に近い状態ですが、徐々に離乳食の量を増やしていき、硬さを増やしていくことで咀嚼回数を増やしていくようにしましょう。

何度ももぐもぐして顎を使うことで、筋肉が刺激されて歯並びも整いやすくなってきます。

歯並びが綺麗な状態だと、歯磨きもしやすく汚れもたまりにくくなるので、虫歯予防の一環としても良く噛むことを大切にしましょう。

歯に悪い食べ物 飲み物

歯に悪い食べ物

赤ちゃんの歯をできるだけ丈夫にしたい、虫歯をできるだけ予防したいと考えるなら、食べ物にも気を付ける必要があります。

ただ、カルシウムを取っていれば歯が丈夫になるというわけではありませんので、バランスの良い食事を心がけていれば十分です。むしろ、歯に良くない影響を及ぼす食べ物を控える方が良いでしょう。

チョコレートなど砂糖がたっぷり入っているお菓子や、甘いジュースは、虫歯になりやすい歯にさせてしまいます。また、ヨーグルトなどに含まれている乳酸菌も、虫歯にかかりやすくさせてしまうので注意が必要です。

これらの砂糖や乳酸菌は、食べたからと言ってすぐに虫歯になるというわけではありませんが、虫歯菌のエサになるものです。長時間口の中に甘いものや乳酸菌が残っていると、どんどん虫歯菌が増殖して、歯を傷めてしまうことになるでしょう。

お菓子や甘いもの、乳酸菌系の食べ物は、ダラダラ長時間食べないようにして、食べた後はお水やお茶を飲んでキレイにしたり、歯磨きをしたりして虫歯にならないようにしましょう。

赤ちゃん歯並び

指しゃぶりの心配

指しゃぶりの心配

赤ちゃんの歯が生えてくると、指しゃぶりやおしゃぶりが歯並びに悪影響を与えるのではないかと心配することがあります。

赤ちゃんが指しゃぶりやおしゃぶりをするのは、成長過程の上で必要なことですから、無理にやめさせる必要はないでしょう。指しゃぶりと歯並びの関係については諸説考え方がありますが、基本的には2歳から3歳くらいまでは指しゃぶりをしていても歯並びに影響はないと考えられています。

ただ、2歳を過ぎても指しゃぶりやおしゃぶりがやめられないという場合は、他の面で心配する必要があるかもしれません。

最初は、おっぱいやミルクがほしいというサインや、指の感覚を知るために指しゃぶりをします。しかし、2歳を過ぎて卒乳した後も指しゃぶりがやめられないという場合は、何かに不安を感じている可能性があります。

精神的に落ち着きたいという時に、指しゃぶりが必要になりますので、2歳を過ぎても指しゃぶりの回数が多いという場合は、スキンシップをしっかり取り、きちんとコミュニケーションを取るようにしましょう。

赤ちゃん歯ぎしりについて

赤ちゃん歯ぎしりについて

歯が生え始めてしばらくすると、歯ぎしりが気になることがあります。赤ちゃんが歯ぎしりをするのは、歯がむずむずしているのを解消させようとしていたり、歯のかみ合わせを調整しようとしたりしているからです。

日常的に歯ぎしりがあるようなら、一定の年齢に達すれば落ち着いてきますが、突発的に歯ぎしりが起こる場合は、ストレスが関係している可能性があるので、注意しましょう。

歯ぎしりはストレスが溜まっていてそれを解消するために無意識に出ると言われています。弟や妹ができると、急に歯ぎしりが始まったというケースもあるので、スキンシップやコミュニケーションがきちんと取れているか、もう一度確認してみましょう。

赤ちゃん歯ぐずりについて

歯ぐずりについて

赤ちゃんの歯が生えてくるタイミングとしては、生後6ヶ月以降になることが多いようですが、この頃になると歯ぐずりが始まることもあります。

歯ぐずりは、歯が生えてくるときに生じる特有のむずむず感を不快に思い、泣き出したりぐずったりすることです。ご機嫌で遊んでいたのに急に不機嫌になったり、夜泣きが続いたりするのは、この歯ぐずりが原因とも言われています。

歯ぐずりを鎮めるためには、歯がむずむずしているのを、解消してあげるのが一番の方法です。赤ちゃんは、歯のむずむずを解消するために、なんでも口に入れたがりますので、歯がためのオモチャを与えてあげると良いでしょう。

最近の歯がためのオモチャは、種類も豊富で飽きないようにさまざまな工夫がほどこされています。形や色が握りやすい設計になっていたり、ひんやりと冷たい刺激が出て歯のむずむずを抑えたりしてくれるものもあるので、お気に入りの歯固めグッズを見つけてあげると良いでしょう。

フッ素塗布はいつからできる?

フッ素塗布はいつからできる?

虫歯予防の大きな味方にフッ素がありますね。手軽に虫歯予防できるのなら是非赤ちゃんに、と考えるお母さんも多いでしょう。しかし、実際のところ赤ちゃんはいつからフッ素塗布できるのでしょうか?

歯科医によれば、生え始めの歯はフッ素を吸収しやすいので、生えてきたらすぐ塗布するのが一番効果的なのだとか。また継続的なフッ素塗布が必要で、永久歯が全て生え変わる中学3年生まで続けるのが理想的だとされています。

歯科医院で高濃度のフッ素を期間を空けて塗布する方法と家で毎日低濃度のフッ素を塗布する方法と2種類あるので、まずは歯科に相談し無理なく続けやすい方法で行いましょう。

歯並びやすきっ歯が心配

歯並びやすきっ歯が心配

赤ちゃんの歯は最初に上下の前歯が生えてくるのですが、その時に歯と歯の隙間が空いてしまう事があります。いわゆるすきっ歯の状態ですが、歯が段々生えてくるとお互いの歯が押されて隙間が埋まるので心配しなくても大丈夫です。

しかし上唇の内側にあって歯茎をつなぐ筋である上唇小帯が歯茎にまで伸びてしまうと、歯の間の隙間は埋まらなくなってしまいます。

赤ちゃんの時の上唇小帯は太く短いものなのですが、成長するにつれて上にあがってくるので永久歯が出てくるまでは様子を見る病院も多いです。ただ、歯ブラシが上唇小帯にあたって痛みを感じたり歯茎が腫れやすいので、お母さんの方でも工夫が必要になります。

かかりつけの歯科医院を見つける

かかりつけの歯科医院

赤ちゃんの歯が生え始めてきたら、早めにかかりつけの歯科医院を見つけておくことも大切です。

小さいころから歯のケアをしておくことで、健康な永久歯を育むこともできますし、かみ合わせや歯並びも早めに対処することができるからです。

また、歯科医院で定期的にチェックを行うことで虫歯を予防したり、早急に処置したりすることができます。フッ素を定期的に塗って、虫歯になりにくい歯にすることも大切でしょう。

いずれにせよ、歯のことは歯のプロに任せてきちんと指導を受けることが必要ですので、早めにかかりつけの歯科医院を見つけられるようにしましょう。

 まとめ

赤ちゃんと歯の関係について様々なことを幅広くご紹介しました。歯が生える時期には個人差がありますから、およその目安として考えてください。

また、生えてきた乳歯をきちんとケアすることで、健康な永久歯を育めるので、1本でも生えてきたらきちんと歯磨きするようにしましょう。大人も一緒に口内ケアをすることで、家族みんなが健康な歯を保てるようにしてください。