赤ちゃんが毛深いときに知っておきたい胎毛・産毛こと

赤ちゃんが毛深いときに知っておきたいこと 赤ちゃん 肌

生まれたばかりの赤ちゃんの肌はつるつるですべすべだと思っていたのに、いざ赤ちゃんに対面してみると、意外に毛深くて驚いた。上の子はそうでもなかったのに、下の子だけ毛深くて心配になった。生まれた赤ちゃんを見て、予想以上の毛深さにびっくりしてしまうお母さんはことのほか多いようです。

赤ちゃんが毛深く生まれる理由から対処方法まで、赤ちゃんの胎毛、産毛について知っておきたい情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

赤ちゃんは予想以上に毛深い?あたりまえ?

赤ちゃんは予想以上に毛深い?

生まれたばかりの赤ちゃんが想像以上に毛深くて驚いた、という体験をするお母さんは意外に大勢います。赤ちゃんの肌はすべすべに違いない、という固定観念がありますが、これは事実とはちょっと異なります。生まれたばかりの赤ちゃんの中には大人顔向けに産毛が濃い子もいるのが現実。

そのうちに抜け落ちるといわれても、お母さんとしてはやっぱり不安なもの。とくに女の子の赤ちゃんの場合、このまま毛深いままだったらどうしよう?と焦ってしまうお母さんもいるようです。

赤ちゃんが毛深いのは珍しいことではなく、よくみられるありふれた状況です。生まれたばかりの赤ちゃんには胎毛があり、これが毛深く見える原因と考えられます。

また赤ちゃんの毛穴の数は生まれたときから変わりません。つまり大人と同じ数の毛穴が、赤ちゃんの小さな体の表面にびっしりあるということに。毛穴が密にあることも赤ちゃんが毛深く見える理由のひとつです。

胎脂肪について

胎脂肪について

胎毛とはそもそも、赤ちゃんがまだお母さんのおなかの中にいるときから生えているもので、その役割は胎脂を保護すること。

胎脂とは子宮の中にいる赤ちゃんの体の表面を覆っている皮脂で、妊娠中期からできはじめます。羊水のもたらす刺激から、皮膚が薄い赤ちゃんを保護し保湿することが、胎脂の役割。

生まれたばかりの赤ちゃんの体には、白いクリーム・チーズのような胎脂が付いています。お母さんのおなかの中にいたときは、胎脂は羊水の刺激から赤ちゃんを保護していましたが、赤ちゃんが生まれたあとは今度は乾燥から赤ちゃんを保護してくれます。胎脂には他にも、分娩の際に赤ちゃんが産道を通りやすい状態にしてくれる、というはたらきもあります。

胎毛について

胎毛について

胎脂ができ始める頃から生えてくるのが胎毛で、赤ちゃんの全身をびっしりと覆っています。胎毛には胎脂が羊水の中に流れてしまうことを防ぐ、というはたらきもありますが、妊娠34週目になると髪の毛を除き、徐々に体から落ちてしまいます。

生まれたばかりの赤ちゃんが毛深く見えるのは、この胎毛が残っているため。胎毛は時間が経過するにつれてどんどん抜け落ちていき、産毛にかわっていきます。

白いクリームのような胎脂と胎毛は新生児に特有の特徴。他にも蒙古斑や鼻の皮脂など、生まれたばかりの赤ちゃんにはさまざまな特徴がみられます。

胎毛の濃さには個人差がある

胎毛が生えている場所や濃さには個人差があり、ほとんど目立たない赤ちゃんもいれば、肩や背中にまでびっしり生えている赤ちゃんもいます。体だけでなく、顔に胎毛があることも。また髪の毛の生え際からおでこ、頬、眉、耳にまで広がっている赤ちゃんもいます。

体のほうは、うなじから肩、背中にかけて、中には腰やおしりの上にまで生えていることもありますが、これは決して異常なことではありません。生まれたときに生えている胎毛は、時間が経つにつれて少しずつ抜けていきますので、心配する必要はありません。

妊娠34週目以前に生まれた赤ちゃん

妊娠34週目以前に生まれた赤ちゃん

おなかの赤ちゃんに生えている胎毛は、通常妊娠34週目頃に抜け落ちるといわれています。

このため妊娠34週目よりも前に生まれた未熟児の赤ちゃんは、胎毛がまだたくさん残っていることが多く、正期産で生まれた赤ちゃんよりも毛深くみえますが、成長とともに少しずつ抜け落ちます。

胎毛はいつ頃抜けるの?

胎毛はいつ頃抜けるの?

生まれたときに生えている胎毛は1、2ヶ月で抜け落ちてしまうこともあれば、抜け落ちるまでにもう少し時間がかかることもあります。ほとんどの場合、生後数ヵ月すると濃かった胎毛が抜け落ち、かわって産毛が生えてきます。

中には生後1年経ってもまだ、耳や眉毛に毛深さが残っていることもありますが、これに関しても心配はいりません。赤ちゃんのときの毛深さは、そのまま成長したときの体毛の濃さにつながりませんが、何かとくに心配なことがあれば、乳幼児健診の際に医師に相談するようにしましょう。

赤ちゃんが毛深いのは遺伝のせい?

赤ちゃんが毛深いのは遺伝のせい?

赤ちゃんが毛深いのはもしかして遺伝のせい?と考えるお母さんもいるようですが、お母さんかお父さんどちらかの体毛が濃いからといって、赤ちゃんが毛深くなるとは限りません。

体毛も体の特徴のひとつであり、遺伝による影響を受けることは確かですが、両親の体毛の特徴がそっくりそのままの状態で、赤ちゃんに引き継がれるわけではありません。体毛の濃さには遺伝以外にも、生活習慣やホルモンバランスなどが影響を与えます。

赤ちゃんはお母さんお父さんの遺伝子を引き継いで生まれますが、両親からもらった遺伝のどの性質・特徴が、どのような配分で受け継がれるかを正確に予測することはできません。

たとえ赤ちゃんがお父さんの毛深さを受けついでいるとしても、生まれたときの毛深さとは関係がありません。生まれたときの毛深さは、胎児の頃の胎毛の残りで、そのうちに必ず抜け落ちます。遺伝的な特徴としての体毛の濃さがあらわれるのは、思春期になってから。赤ちゃんの毛深さは、遺伝的な体毛の特徴とはいえません。

赤ちゃんが毛深いときの対処法とは?

赤ちゃんが毛深いときの対処法とは?

生まれたばかりの赤ちゃんに生えている胎毛は、そのまま自然に抜け落ちていきます。沐浴やお風呂の際に体を洗うだけで落ちることもあり、生後1、2ヶ月でつるつるすべすべになる赤ちゃんもいます。

衣服の脱ぎ着でこすれて落ちる場合もあれば、抱っこや授乳でお母さんの体とくっついたときや寝返りをしたときに、抜け落ちることも。赤ちゃんの胎毛はそのまま自然に落ちてしまいますので、特別な対処法は必要ありません。

赤ちゃんの体毛の除毛はNG

赤ちゃんが毛深いからといって、除毛することは絶対にいけません。赤ちゃんの皮膚は非常に薄く、デリケートにできていますので、除毛すると皮膚に深刻なダメージを与えます。

また皮膚にダメージを与えるだけでなく、除毛するとさらに毛深く見えて逆効果。乳幼児に対しての除毛は絶対に行うべきではありません。

沐浴やお風呂のときの注意

沐浴やお風呂のときの注意

赤ちゃんの毛深さが気になるあまり、沐浴やお風呂のときに赤ちゃんの肌をごしごしと擦ってしまうお母さんもいるようです。赤ちゃんの皮膚は非常に薄く、ちょっとした摩擦でかぶれや炎症が生じます。赤ちゃんの胎毛を無理やりこすって落とすことは、かえって赤ちゃんの繊細な皮膚にダメージを与える結果に終わります。

赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点

赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点

赤ちゃんの体を洗う際には、皮膚への負担の少ない柔らかいガーゼを使いましょう。力を入れるのではなく、そっと優しく、体についた汚れや汗をふき取ってあげることがポイント。体毛をガーゼやタオルで無理やり落とそうとするのはNG。そっとふき取るだけで柔らかい胎毛は抜け落ちます。

体を洗い流しても落ちない胎毛はそのままにしておいて構いません。お風呂上がりには吸湿性がよく、柔らかいタオルでしっかり水分を吸い取ります。このときも赤ちゃんの皮膚をいためないよう、

そっと優しく拭いてあげましょう。タオルが皮膚に触れることで摩擦が生じ、胎毛が落ちることもあります。一日でごっそり全部抜け落ちることはありませんが、毎日の積み重ねでしばらくすると薄くなってきますので、焦る必要はありません。

赤ちゃんの保湿ケアも忘れずに

赤ちゃんの保湿ケアも忘れずに

赤ちゃんの皮膚は乾燥しやすく、バリア機能もまだ完全ではありません。お風呂上りは忘れずに保湿を行うようにしましょう。

皮膚の乾燥はかぶれや炎症の原因になるだけでなく、皮膚の新陳代謝を悪くする原因にも。赤ちゃんの皮膚を一日も早くすべすべにするには、胎毛を落とすことだけでなく、スキンケアにも配慮することが大切です。

赤ちゃんの産毛はこすりとるべき?

赤ちゃんの胎毛や産毛をこすりとってあげないと、赤ちゃんが毛深いまま大きくなってしまう、という話を耳にすることがありますが、これは本当でしょうか?赤ちゃんが毛深いことを心配して、沐浴やお風呂の際にガーゼで入念にこすっていると、そのうちつるつるになった、という体験談もあります。

確かに赤ちゃんの体毛が気になる部分を、お風呂のときなどに丁寧にこすってあげると、摩擦のせいで胎毛が抜け落ちやすくなるようです。生まれたときに赤ちゃんに生えている胎毛は、そのままにしておいても自然になくなりますが、ガーゼでこすることにより、より早く落ちます。

しかし上述したように赤ちゃんの皮膚は非常にデリケートですので、強くこすったり、何度も繰り返し同じ場所に摩擦を与えると、皮膚のバリア機能を損ねてしまい、かえって逆効果。赤ちゃんの濃い体毛が気になる場合は、そっと優しく触れる程度に留めましょう。

赤ちゃんが毛深いのは病気の可能性は?

赤ちゃんが毛深いのは病気の可能性は?

生まれたときの赤ちゃんが毛深いのは、お母さんのおなかの中で生えていた胎毛の影響です。

ほとんどの場合胎毛は生後1年頃までには抜け落ち、産毛に生え変わりますが、稀に病気の影響で毛深い状態がそのまま続くことがあります。病気のせいで赤ちゃんの体毛が濃くなる場合について、その原因や対処法を詳しくみていきましょう。

多毛症について

多毛症とは色が薄く、短く、そして柔らかな体毛が、濃く、長く、そして硬くなる状態で、その原因の多くは体質的なものにあるとされています。体質的なもの以外に挙げられるのは、甲状腺ホルモンの分泌に異常がある甲状腺疾患や、副腎や下垂体の異常、薬の副作用など。多毛症にはいろいろな原因が考えられます。

薬の副作用の場合にはステロイド剤や抗けいれん剤などを使用した際に起こる可能性があります。甲状腺疾患やステロイド剤による副作用といった原因の他にも、先天的な体質としての多毛症も多くみられます。

多毛症の治療について

このように多毛症は他の病気の症状のひとつであり、多毛症が疑われる場合には、専門医のもとで診察を受けなければなりません。多毛症かどうかを判断するためには、ホルモン検査を受ける必要があります。甲状腺ホルモンが不足すると、子供が低身長になるおそれもありますので、心配な方は早めに診察を受けさせるようにしましょう。

検査の結果多毛症と診断された場合には、その原因に沿った治療が行われます。赤ちゃんの体毛が少し濃いからといって、それがそのまま多毛症を意味するとは限りません。赤ちゃんの体毛の濃さに関して、どうしても不安なことや疑問点がある場合には、自己判断せずに専門医の判断を仰ぐようにしましょう。

ステロイド剤による副作用

ステロイド剤を多用していると副作用で多毛症が出ることがあります。赤ちゃんのアトピー性湿疹の治療として、ステロイドの外用薬を用いることがあります。赤ちゃんにステロイド剤が処方された場合には、副作用のことや代替の治療法があるかどうかなど、医師に尋ねてきちんと確認しておくようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんが毛深いときに知っておきたい胎毛・産毛の情報をいろいろとご紹介しました。生まれたばかりの赤ちゃんにはまだ胎毛が残っていて、背中、肩、腕、おでこ、おしり、腰、耳といろんな場所に生えています。

赤ちゃんの肌はつるつるすべすべしているもの、と思っていたお母さんは、生まれた赤ちゃんの予想外の毛深さに驚いてしまうますが、これは自然なことなので不安に思う必要はありません。

赤ちゃんの毛深さは所詮一時的なもの。時間が経つにつれてどんどん抜け落ち、気がついたらすべすべになっていた、というパターンが大半を占めます。赤ちゃんの毛深さは一時的なものと受け止め、赤ちゃんとの貴重な時間を有意義に過ごしましょう。