赤ちゃんのおむつかぶれ対策に何を利用していますか?赤ちゃんのおむつの中は高温・高湿。その上赤ちゃんは皮膚が薄くデリケートなため、ママがよほど気をつけていないとすぐにおむつかぶれになります。
おむつかぶれやあせも対策としてもっともよく使われているのが、ベビーパウダー。ほんのり優しい香りとさらさらした触り心地で、赤ちゃんの汗をほどよく吸収。さらさらすべすべに保ってくれます。
赤ちゃんのおむつかぶれの定番ともいえるベビーパウダーですが、最近では赤ちゃんにベビーパウダーは使わないほうがいい、という意見も多く聞かれます。赤ちゃんにベビーパウダーを使うのはかえって逆効果。ベビーパウダーを使うことで、赤ちゃんの肌にトラブルが発生する、というのがその理由です。
赤ちゃんのベビーパウダーには賛否両論、様々な意見があります。赤ちゃんにベビーパウダーは使っていいの?使わないほうがいいの?と迷ったときに知っておきたい情報を幅広くご紹介します。
赤ちゃんの皮膚はデリケート
赤ちゃんのすべすべした肌はとてもデリケート。赤ちゃんは大人に比べる皮膚が半分程度と薄く、新陳代謝も活発。皮膚を外部の異物や乾燥から保護してくれるバリア機能や体温調節機能は、まだ十分に整っていません。
そのため一見するとしっとりと潤っているように見えますが、赤ちゃんの肌は意外に乾燥しやすく、保湿を丁寧に行わなってあげないと、すぐにかさかさのドライ肌になります。
体温調節が未熟な赤ちゃんは、手足の末端から熱を逃すことで体温を調節しています。そのせいで赤ちゃんはとっても汗かき。さらにおしり、おなか、下半身は、おむつを付けているせいで蒸れやすく、おむつ替えの際に空気に触れさせないと、じめじめと湿ってしまいます。乾燥しやすく、かぶれやすい。赤ちゃんの皮膚はこのような環境に置かれています。
赤ちゃんの肌トラブル
おむつかぶれすると赤いぽつぽつができ、症状がもっとひどくなると腫れのある部分が熱を持ったり、薄いピンク色の柔らかい大きな腫れとなってあらわれます。
おむつかぶれ以外にも乳児湿疹、あせも、脂漏性湿疹、とびひなど、赤ちゃんの肌にはとかく肌トラブルが生じやすいもの。赤ちゃんは言葉で自分の状態を説明できないため、ママが注意してあげないとあっという間に症状がひどくなります。
赤ちゃんのベビーパウダーについて
おむつ替えのときやお風呂のあと、赤ちゃんのおなかやおしりにベビーパウダーをつけてあげると、赤ちゃんの肌はすべすべ、さらさらに。
ベビーパウダーは赤ちゃんのおむつかぶれ予防として、また赤ちゃんのスキンケアの一手段として、昔からママたちに愛用されてきました。ベビーパウダーの成分や特徴について詳しくみていきましょう。
ベビーパウダーとは?
ベビーパウダーはタルカムパウダーとも呼ばれ、赤ちゃんのあせもやかぶれを予防・改善する目的で使われます。主成分はタルク(滑石)と呼ばれる自然の鉱物で、他にコーンスターチが使用されることもあります。
肌の炎症防止のために配合される成分は、酸化亜鉛など。また保湿成分としては、植物由来の天然オイルやスクラワン、他にも香料、仕上げの色を美しくする着色料といった成分が含まれることもあります。
上記に挙げた成分がベビーパウダーの主成分になりますが、ベビーパウダーに含まれる成分は製造メーカーによってそれぞれ異なります。何が使われているか気になる方は、使用前に必ず成分を確認するようにしましょう。香料や着色料が気になるママには無添加タイプがお勧め。
市販されているベビーパウダーには他にもオーガニックタイプや薬用タイプなど、いろいろな種類が揃っていますので、赤ちゃんの肌との相性に合わせて上手に選んであげましょう。
タルク(滑石)とは?
タルクとは天然の鉱物で、ベビーパウダーだけでなく、建築用などいろいろな製品の材料として用いられています。化粧品やスキンケア製品としては、ファンデーション、アイシャドー、口紅などにも使われています。
粉末状にされたタルクは滑りやすく撥水性があるため、皮膚上の水分を跳ね除けてくれる効果があります。タルク自体には毒性はなく、肌に対する刺激性も少なく、ベビーパウダーの主成分として用いられています。
コーンスターチとは?
コーンスターチはとうもろこしから取り出されるでんぷんで、主な利用法は食用。白い粉末状で、食べ物にとろみをつけるために使用されます。タルク同様、肌に対する毒性や刺激性はなく、外気に応じて吸湿および保湿を行います。
吸湿性と保湿性の両方を備えていることから、ベビーパウダーの成分にぴったり。アレルギー反応が出ることもほとんどなく、赤ちゃんのデリケートな肌にも安心して使えます。
ベビーパウダーと天花粉の違いとは?
タルクやコーンスターチ以外の成分としては、日本伝来の天花粉(てんかふん、てんかふ)があります。天花粉の原料はキカラスウリの粉で、白いでんぷん状。天花粉は一昔前まで、赤ちゃんのおむつかぶれやあせも予防によく使用されていましたが、現在では安価で供給が安定しているベビーパウダーが一般的です。
ベビーパウダーのパッチテスト
ベビーパウダーは赤ちゃんに使うものですので、基本的に低刺激で、肌に負担をかけないような成分が用いられています。ほとんどの製品は、アレルギーテストや皮膚への刺激度を測るテストを行った上で製造されていますが、場合によっては赤ちゃんの皮膚に合わないこともあります。
ベビーパウダーやローションを使う際には、まずはパッチテストで赤ちゃんの皮膚に合うかどうか確認したほうが安心です。
ベビーパウダーのメリットな意見 効果とは?
赤ちゃんにベビーパウダーを使う効果やメリットについて挙げてみましょう。ベビーパウダーには吸湿性に富む成分が配合されており、汗や水分をしっかり吸収。赤ちゃんの肌をさらっと保ち、あせもを予防してくれます。
抗菌作用を備えたベビーパウダーなら、赤ちゃんの皮膚に雑菌が繁殖することを抑え、清潔な状態に保ってくれます。またベビーパウダーには保湿性もありますので、さらさらに保ってくれると同時に適度なしっとり感ももたらしてくれます。赤ちゃんの皮膚表面の余分な水分を吸い取ってくれますので、かぶれや湿疹の予防に効果的です。
ベビーパウダーは使わないほうがいい意見
赤ちゃんのベビーパウダーの成分や効果について詳しく挙げてみました。あせもやかぶれができやすい赤ちゃんの肌をさらさらに保ってくれるベビーパウダー。
一昔前までは当たり前のように使われていましたが、最近では赤ちゃんにはベビーパウダーは必要ない、むしろ使わないほうがいい、という話も聞かれます。赤ちゃんにベビーパウダーを使うのはよくないのでしょうか?
ベビーパウダーのデメリットとは?
赤ちゃんのあせも・かぶれ対策としてベビーパウダーを使用するのはあまりよくない。こんな話を耳にして、使ったほうがいいの?使わないほうがいいの?と迷ってしまうママも多いようです。ベビーパウダーを使うことによる悪影響やデメリットについて挙げてみましょう。
毛穴をふさいでしまう
ベビーパウダーの細かい粒子が毛穴をふさいでしまい、かえって皮膚にはよくない、という話があります。皮膚上の水分を吸収した粒子が毛穴を覆ってしまい、だまになることもあるようです。
ベビーパウダーの粒子は非常に微小ですので、実際にこれが原因で毛穴が塞がってしまうことはあまり考えられませんが、つけ過ぎがよくないのは確かです。肌についた水分をよく拭き取らずにたっぷりつけてしまうと、赤ちゃんの太ももやあごの下など、皮膚がたるんでいる部分にたまってしまうことがあります。だまになった部分に雑菌が繁殖すると、かぶれや炎症が生じるリスクがあります。
タルクにアスベストが混入?
ベビーパウダーの主成分であるタルクに、不純物としてアスベストが混入していた、という事例が、過去に一時期報告されました。アスベストは石綿とも呼ばれ、タルクやその他の鉱物の不純物として自然界に存在しています。
アスベストは人間の髪の毛よりも細く、これを吸入すると体にさまざまな健康被害が生じるおそれがあります。アスベストは過去に建築用材として広く用いられていましたが、現在では代替用品のないごく一部の製品を除き、原則すべての製造が禁止されています。
ベビーパウダーに配合されているタルクに関しても同様で、アスベストの混入したタルクの使用は一切禁止されています。現在市販されているベビーパウダーにはアスベストは一切含まれていない、と報告されています。
アスベストによるリスクがあったのは過去のことで、現在では国内の製造メーカーに対して、厚生労働省からの厳密な指導がなされています。タルクを成分として用いる際には、試験により不純物として石綿の混入が認められないことが確認された原料のみを用いること、というのが厚生労働省からの指導内容になります。
この結果、現在国内で流通しているベビーパウダーには、アスベストの混入したタルクは含まれていない、と考えられます。それでも尚且つタルクによる影響が心配なママには、タルクフリーのベビーパウダーをお勧めします。※参照1
誤ってベビーパウダーを吸引してしまうリスク
赤ちゃんにベビーパウダーをつける際に、あやまって赤ちゃんの口や鼻にベビーパウダーが入ってしまうと、赤ちゃんがむせてしまうおそれがあります。
ベビーパウダーには専用のパフがついていますが、つけるときに赤ちゃんが動いてしまい、パフでうまくつけられないこともあるようです。この場合は、ママが少量手の平に取り、それを赤ちゃんの肌につけるようにすると安心です。
パウダーの飛び散りが気になるママにお勧めなのは、固形タイプのベビーパウダー。固形タイプなら粉の飛び散りがあまり気になりません。他にもパフの毛先を短くすることで、粉の飛び散りを抑える工夫が凝らされた製品もありますので、いろいろ下調べをした上で購入するようにしましょう。
肌トラブルを悪化させる?
ベビーパウダーは赤ちゃんの肌をさらさらに保ち、あせもやかぶれを予防する効果がありますが、すでに肌トラブルが生じているときに使うと、かえって良くない結果をもたらすおそれがあります。
ベビーパウダーの効果はあくまでも肌をさらさらに保つことで、乳児脂漏性湿疹やあせもやかぶれを直接改善することは期待できません。赤ちゃんの肌トラブルがひどく、セルフケアでは対処できない場合には早めに専門医の診察を受けるようにしましょう。
赤ちゃんのベビーパウダーを使うときの注意点
赤ちゃんにベビーパウダーを使う際に注意したいことを挙げてみましょう。ベビーパウダーにはメリットとデメリットの両面がありますので、使う際の注意点をしっかり把握することが大切。赤ちゃんのデリケートな肌を摩擦、乾燥、汗、かぶれから保護するために注意したいポイントを挙げてみました。
ベビーパウダーをつける前にしっかり乾燥させる
ベビーパウダーをつける前に必ず、赤ちゃんの体の水分をしっかりふき取ってあげましょう。お風呂上りにつける際には、赤ちゃんの体を柔らかいガーゼで拭き、水分が残っていないかきちんと確認します。
汗をかいたあとやおむつ替えのあとは、おしりや下半身をしばらくそのまま空気に触れさせ、その上で体が完全に乾いたことを確認してからベビーパウダーをつけてあげましょう。
湿ったベビーパウダーはこまめにふき取る
足の付け根やあごの下など、しわのよった部分につけたベビーパウダーは、赤ちゃんが汗をかくことで湿ってしまいます。じわりと湿ったベビーパウダーをそのままにしておくと、雑菌がはびこる原因に。
股ずれ防止でつけたベビーパウダーは、おむつ替えのたびに湿っていないかどうか確認してあげましょう。湿ったベビーパウダーはだまの原因になります。こまめに拭き取り、丁寧に乾燥させた後に再びつけてあげるようにしてください。
つけすぎないように注意
パフでベビーパウダーをつける際にはつけすぎに注意しましょう。粉が飛び散り、赤ちゃんの顔にかからないよう、少量ずつ軽くつけることがポイント。たっぷりつけたからといって、効果がアップするとは限りません。
粉が赤ちゃんの鼻、口、目に入らないよう、十分に注意しながら、適量をおしりや足の付け根、あごの下などに丁寧につけてあげましょう。
赤ちゃんのスキンケアは保湿も大切
赤ちゃんのスキンケアはおむつかぶれやあせも対策だけでなく、保湿してあげることも重要です。ベビーパウダーは赤ちゃんの肌をさらさらに保ってはくれますが、保湿に関しては不十分。肌が乾燥しがちな赤ちゃんの場合、きちんと保湿を行わなければ、肌の乾燥につながります。
赤ちゃんの肌がかさかさと乾燥している場合には、オイルやローションで保湿することも考えてみましょう。
赤ちゃんのベビーパウダー・オイル・ローションは必要?不要?
ベビーパウダー・オイル・ローションといった赤ちゃんのスキンケア製品は、必要に応じて上手に使うことがポイントです。これらの製品にはメリット・デメリットの両面がありますので、使う・使わないはママの判断次第。ベビーパウダーにしても、ベビーオイル・ローションにしても、それぞれのメリット・デメリットや使い方のポイントを知っておくことが必要です。
赤ちゃんのベビーパウダーやベビーオイルは、あくまでも肌を健やかに保つ手助けをしてくれるもので、皮膚疾患の改善にはつながりません。赤ちゃんの皮膚にトラブルが発生している場合には、できるだけ早く専門医の診断を仰ぎ、適切な治療を受ける必要があります。皮膚疾患が生じている場合、ママの自己判断で市販のスキンケア製品を使うことは控えましょう。
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まとめ
赤ちゃんのベビーパウダーについて、その成分やメリット・デメリット、使用する際の注意点について幅広い情報をご紹介しました。ベビーパウダーを赤ちゃんに使うことに関しては賛否両論、様々な意見があります。
ベビーパウダーは赤ちゃんの肌をさらさらに保ってくれますが、間違った使い方をするとかえって逆効果になることも。ベビーパウダーの正しい使い方を覚え、赤ちゃんのあせも・おむつかぶれ予防に役立てましょう。
※参照1 独立行政法人環境再生保全機構 石綿と健康被害
※参照 厚生労働省 ベビーパウダーに関する石綿問題の対応
※参照 厚生労働省 アスベスト(石綿)を含有する医薬品・医療機器等実態把握調査の結果について