赤ちゃんを車に乗せるときに知っておきたいこと

赤ちゃん 生活

いつから赤ちゃんと一緒に車に乗せられるのか、という厳密な決まりがあるわけではありませんが、必要に迫られて赤ちゃんを車に乗せる場合もあります。チャイルドシートなどの赤ちゃんを車に乗せることに関して、赤ちゃんを守るために交通労働省で定められたルールがあり、この決まりに従わなければなりません。

赤ちゃんを車に乗せるときに知っておきたい情報をご紹介いたします。チャイルドシート着用に関する決まりを知り、赤ちゃんを安全に車に乗せるポイントを押さえておきましょう。

赤ちゃんを車に乗せる際のルール

赤ちゃんを車に乗せる際のルール

赤ちゃんの首が座るまで旅行は控えよう、と思っているお母さんやお父さんは多いと思われますが、赤ちゃんを連れて車で出かける必要に迫られる場面は意外に早くやってきます。

出産後退院し自宅に戻るとき、実家に里帰りするときなど、生まれたばかりの赤ちゃんを車に乗せる必要に駆られることは多く、赤ちゃんの安全を確保するためには、お母さんやお父さんがチャイルドシート着用のルールやポイントをしっかり把握しておかなければなりません。

赤ちゃんを車に乗せる際のルールは、道路交通法によって厳密に決められています。

チャイルドシート着用の義務化

チャイルドシート着用の義務化

道路交通法では6歳未満の子供を車に乗せる際には、チャイルドシートを着用することが法律で定められています。ぐずる赤ちゃんをチャイルドシートに乗せることが面倒で、お母さんが抱っこしたままの状態で車に乗せられた赤ちゃんも見受けられますが、これは非常に危険なこと。

車が急ブレーキで止まったときや接触事故を起こしたときに、赤ちゃんにかかる衝撃は計り知れません。国土交通省によると、チャイルドシート未使用者の重症死亡例は、使用者の約2.1倍にものぼります。

シートベルトは大人用ですので、これを赤ちゃんや子供に使用することはできません。赤ちゃんの安全を第一に考え、チャイルドシートの着用のルールやポイントについてよく学んでおくことが絶対に必要です。※参照1 国土交通省 チャイルドシートに関する注意事項

チャイルドシートの着用はいつからいつまで?

チャイルドシートの着用が義務付けられているのは、新生児から6歳未満まで。たとえ生まれたばかりの赤ちゃんであっても、マイカーを利用する場合にはチャイルドシートを着用しなければなりません。

出産後に病院からマイカーで自宅に戻る際にも、チャイルドシートが必要ということになりますので、マイカーをお持ちの方は出産前から準備しておく必要があります。

長距離の車移動はいつからOK?

長距離の車移動はいつからOK?

赤ちゃんが生まれると、遠く離れたご両親から孫を見せに来るよう言われることも増えるでしょう。ただ、赤ちゃんの月齢によっては片道数時間かかる距離ともなると、大きな負担となってしまいかねません。

なるべく希望に応えたいと考えると、赤ちゃんの長距離の車移動は、一体いつくらいからOKなのでしょうか。一般的には首が据わる生後4ヶ月以降となっていますが、首の据わる時期は赤ちゃんによって異なります。

赤ちゃんを仰向けにして両手を引っ張って起こした時に首がついてきたり、うつ伏せにした時にふらふらせず頭をぐっと持ち上げられるようだと、首が据わったといえます。まずはこれらを試して赤ちゃんの首が据わっていると判断できてから、長距離移動の計画を立てるようにしましょう。

チャイルドシートの種類

チャイルドシートは赤ちゃんの年齢によって、乳児用(ベビーシート)、幼児用、そして学童用(ジュニアシート)の三つに分けられています。

乳児用チャイルドシートの特徴

乳児用チャイルドシートの特徴

乳児用は体重が13kg未満、年齢でいうと新生児から一歳くらいまでの赤ちゃんに最適です。乳児用シートはまだ首の座っていない赤ちゃんを念頭に作られていますので、赤ちゃんを45度に寝かせて着用することになります。

シートの向きは進行方向とは逆、後ろ向きに取り付けます。取り付ける席は後部座席。後部座席の左側、すなわち歩道側に取り付けると、赤ちゃんを車から降ろすときも安心です。

お母さんやお父さんが運転中で、他に大人が同乗していないときに、赤ちゃんを後部座席にひとり置くのは心配、という方も多いようですが、助手席に赤ちゃんを乗せるのは非常に危険です。

助手席に赤ちゃんを乗せる危険性

お母さんの運転で出かける際には、自分の視野の届く助手席に赤ちゃんを乗せたくなりますが、助手席に赤ちゃんを乗せることは危険ですので、出来る限り避けるように勧告されています。

助手席に赤ちゃんを乗せると危険な理由は、エアバッグの膨張にあります。事故の際の衝撃を和らげるためのエアバッグですが、エアバッグの膨張するサイズは大人の体型をもとに設計されたもの。

赤ちゃんが座っていることを想定しているわけではありませんので、万が一エアバッグが膨張するような事態に陥った場合、期待される効果があがるどころか、かえって赤ちゃんへの被害を大きくするおそれがあります。

助手席に赤ちゃんを乗せる場合

リスクがあることを承知の上で、やむなく赤ちゃんを助手席に乗せる場合には、座席をいちばん奥まで引き、それからチャイルドシートを前向きに備え付けます。

助手席には後ろ向きのチャイルドシートを取り付けることは出来ませんので注意しましょう。

幼児用チャイルドシートの特徴と着用上の注意事項

幼児用チャイルドシートの特徴と着用上の注意事項

幼児用チャイルドシートは1歳から4歳までの赤ちゃんに最適なタイプ。首が座り、自分で座席に座れるようになったら、このタイプがお勧めです。

体重は9kgから18kg未満までが目安。乳児用シートと違い、幼児用シートは前向きに取り付けます。取り付ける席は乳児用同様、後部座席。大人用のシートベルトを用いて、チャイルドシートをしっかりと座席に取り付け、付属のハーネスで赤ちゃんをしっかり固定します。

座席のシートベルトがたるんでしまうと、チャイルドシートが不安定になりますので、この点についても十分に気をつけるようにしましょう。

学童シートの特徴

学童シートの特徴

幼児用から学童用に切り替える目安は、身長が100cm以上、あるいは体重が18kgを超えるようになったこと。他にもシェルと呼ばれるハーネスの固い部分から頭が出るようになる、ハーネスがきつくなる、このような場合には幼児用から学童用に切り替えてあげるようにしましょう。

学童用のチャイルドシートは座高を調節することにより、大人用のシートベルトで体を固定できるようにするタイプになります。

使用できる目安は身長135cmから140cm以内まで。シートベルトが使えるようにまではこの学童用シートを利用することが出来ます。

学童シートはいつまで使う?

学童シートは年齢的には4歳から9歳くらいまで利用可能。上に挙げたように身長が135cmから140cm、体重が40kg以上になったら、大人のシートベルトが使えるようになりますが、これは身長および体重を含めた体格にもよりますので、お母さんやお父さんが注意深く観察してあげなければなりません。

満6歳になったらチャイルドシートは不要?

満6歳になったらチャイルドシートは不要?

道路交通法で義務付けられている年齢は6歳未満までですが、では満6歳を超えたらチャイルドシートをつけなくても良いのでしょうか?

チャイルドシートは満6歳まで、というのはあくまでも法律的な義務があるという意味で、6歳になったからといってチャイルドシートが一切必要なくなるという意味ではありません。

赤ちゃんや子供だけでなく、シートベルト着用は大人にも義務付けられています。運転席、助手席に加えて、後部座席のシートベルト着用も義務付けられた今、車に乗る際にはどの席に座ってもシートベルトを着用しなければなりません。

大人であってもシートベルトの着用が求められる以上、満6歳になったからといってチャイルドシートの着用をやめるのはリスクを伴います。幼児用のチャイルドシートを卒業してから、車のシートベルトが付けられるようになるまでの間も、学童用シートを利用することが勧められています。※参照2 JAF はじめてのチャイルドシート クイックガイド

チャイルドシートを着用しなかった場合の罰則とは?

チャイルドシートを着用しなかった場合の罰則とは?

赤ちゃんのチャイルドシート着用を怠った場合の罰則とはどんなものでしょうか?道路交通法では赤ちゃんや満6歳までの子供に対してチャイルドシートを着用させないことを、幼児用補助装置使用義務違反と呼び、罰則規定としては点数1点、反則金は設けられていません。

チャイルドシートをしなくていい場合とは?

チャイルドシートをしなくていい場合とは?

赤ちゃんを車に乗せる際には原則、チャイルドシートの着用が義務付けられていますが、バスやタクシーに乗る場合には、着用義務は免除されます。

他にも車中でオムツ替えや授乳をするとき、怪我や病気の赤ちゃんを病院に連れていくとき、著しい肥満や身体の状態によりチャイルドシートを着用させることが出来ない場合などには着用義務が免除されます。

ただし友人や知り合いの車に乗せる際には、着用は免除されませんので注意が必要です。お母さんやお父さん本人だけの責任でなく、運転する人に減点がついてしまいます。マイカーにしろ、知り合いの車にしろ、ほんの少しの距離だから、ちょっとそこまでだから、と甘く考えないようにしましょう。

チャイルドシートの選び方のポイントとは?

チャイルドシートの選び方のポイントとは?

チャイルドシートの種類についてはすでに詳しく説明しました。乳児用、幼児用、学童用と三種類あるチャイルドシート、個別にひとつずつ揃える方法もあれば、長く使える兼用タイプを利用する方法もあります。

乳児用・幼児用兼用のもの、幼児用・学童用兼用のもの、そして乳児期から学童期まで長く使えるタイプと、チャイルドシートの種類はさまざまですので、購入に当たってはいろいろな製品の特長や価格を下調べし、その上でもっとも用途に合ったものを選ぶようにしましょう。

赤ちゃんを車に乗せるときの注意点とは?

赤ちゃんを車に乗せるときの注意点とは?

赤ちゃんを車に乗せる際に注意したいポイントを挙げてみましょう。

いくらチャイルドシートがあるからといって、大人と同じように車にじっと乗っていることは、赤ちゃんにとって大きな負担になります。赤ちゃんの体調や機嫌を見ながら、決して無理させないように車に乗せることが大切です。

長時間のドライブは避ける

長時間のドライブは避ける

必要がないにも関わらず、長時間のドライブに赤ちゃんを連れ出すのは控えましょう。赤ちゃんは体力もなく、車中で授乳を繰り返すのはお母さんの体力も消耗させます。

赤ちゃんを車に乗せたらそのままにせずに、赤ちゃんの様子を常に観察するようにしましょう。抱っこをしていれば、赤ちゃんの様子の変化にすぐに気がつきますが、後部座席のチャイルドシートの赤ちゃんは、お母さんやお父さんの視線の外にいることもあります。

赤ちゃんを車に乗せたら、乗せっぱなしにせずに赤ちゃんの様子を常に伺うようにしましょう。

チャイルドシートは規格適合品を選ぶ

チャイルドシートは規格適合品を選ぶ

チャイルドシートを購入する際には、国の安全基準を満たした規格適合品を選ぶようにしましょう。規格品にはマークがついていますので、購入に当たっては必ずこれを確認してください。現行基準合格品はEマーク、旧規格合格品には自マークがついています。

未承認品も多く出回っていますが、未承認品は品質が保障されません。大切な赤ちゃんの安全を守るため、チャイルドシート選びは慎重に行いましょう。

赤ちゃんの日射・熱中対策を行う

赤ちゃんの日射・熱中対策を行う

赤ちゃんは体温調節機能がまだ完全に整っていないため、汗をかきやすく、平熱も高めで熱があがりやすい傾向が見られます。赤ちゃんを車に乗せたら、車内の温度や湿度調節を適切に行い、赤ちゃんが熱中症にかからないよう注意しましょう。

赤ちゃんを車に乗せる機会が多くなる場合は、直射日光に当たらないように、カーフィルムなどの利用も考えてみましょう。また暑さだけでなく、空調による寒さで赤ちゃんが風邪を引かないよう、おくるみやバスタオルなども車内に必ず用意するようにしましょう。

赤ちゃんの車酔い対策

赤ちゃんの車酔い対策

新生児は身体の平衡感覚を取る機能が完成されていないため、幼児に比べると車酔いしにくいといわれています。身体機能が発達するにつれて、車酔いをする赤ちゃんも増えてきますので、赤ちゃんを車に乗せる際には車酔いしていないかどうかについても気を配るようにしましょう。

機嫌が悪くなりぐずる、普段よりも動きが少なくなる、顔色が悪いなどの症状が出た場合には、車酔いの可能性もあります。

赤ちゃんの車酔いを防ぐには、車内の換気をこまめに行う、ゆっくり運転する、満腹の状態で車に乗せない、おなかを締め付ける服を着せないようにする、などの点に注意するようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんを車に乗せるときに知っておきたい情報をご紹介しました。赤ちゃんを車に乗せる際にはチャイルドシートの着用が法律で義務付けられていますので、マイカーをお持ちの方は出産前にチャイルドシートを準備しておいたほうが安心です。

チャイルドシートについてに関するルール、チャイルドシートの種類や選び方など、赤ちゃんを車に乗せる際に必須の知識を養うことが求められています。※参照:神奈川警察 チャイルドシートQ&A