赤ちゃんせんべいとは、離乳食の食べられるようになった赤ちゃんにあげるおやつで、市販のものも人気ですが、手作りで作ったものをあげるお母さんも大勢います。
赤ちゃんせんべいについてはいろんな意見があり、一体どのようにあげればいいのか、迷ってしまう方も多いようです。
いつからあげるべきか、どのような種類のものをあげるべきか、あげる時間帯や回数は?食べ過ぎを防止するには?など、赤ちゃんのせんべいについて知っておきたいことをまとめてみました。
赤ちゃんせんべいとは?
赤ちゃんせんべいとは、一般的なおせんべいとは違い、離乳食が食べられるようになった赤ちゃんのために特別に作られたおやつを指します。
市販の赤ちゃんせんべいは、まだよく噛んで食べることの出来ない赤ちゃんでも食べられるよう、様々な工夫が凝らされています。
市販の赤ちゃんせんべいの特徴とは?
市販の赤ちゃんせんべいは、赤ちゃんでも食べやすいように工夫されています。乳歯が生えはじめたばかりの赤ちゃんは、まだよく噛んで呑み込むことが出来ません。赤ちゃんせんべいはそんな赤ちゃんでも食べられるように、唾液でなめるとすぐに溶け出すように出来ています。
赤ちゃんの手で握って食べやすい形状や大きさに出来ていますので、握り食べを覚えた赤ちゃんにも適しています。また製品によっては、カルシウムや鉄分などの栄養素がプラスされたものもあります。
味に関しては、まだ離乳食を食べている時期なので、砂糖も塩も控えめ。赤ちゃんにあげても差し支えない薄い味付けになっています。おせんべいタイプのもの以外にも、マルボーロやウエハース、ビスケットタイプのものなど、月齢に合わせて選ぶことができます。
赤ちゃんせんべいの原材料は
赤ちゃんせんべいの原材料ですが、でんぷんやお米を使ったものが多く、アレルゲンが気になるお母さんでも安心してあげられる製品がたくさんあります。
ただしビスケットやウエハース、卵ボーロタイプのものになると、小麦粉や卵が使われていることも多いので、アレルゲンが気になる方は購入前にきちんと確認するようにしましょう。
添加物に関しても、赤ちゃん用おやつは着色料・保存料を使っていないものが多く、原材料の産地は国産、またオーガニックにこだわっている製造元も多いのが特徴です。安全性が気になるお母さんには、無添加のものがお勧めです。
せんべいはいつからあげる?二つの意見
赤ちゃんのおやつに関しては、相対する二つの意見があります。ひとつは離乳期の後期や完了期までは、ミルクや離乳食以外のものは与えないという考え方。
もうひとつは離乳期初期からおやつを与えても大丈夫という考え方です。どちらの考え方にもそれなりの根拠があります。
どちらが根本的に間違っているというわけではなく、それぞれの考え方について知った上で、赤ちゃんの成長具合や状態に合わせて臨機応変に対応することが求められています。
離乳期の赤ちゃんの食事について理解するには、まず赤ちゃんの歯の生え方や咀嚼能力の発達についての知識を備える必要があります。
離乳の時期について
離乳食中期まではおやつをあげないほうがいいといわれるのは、おやつをあげすぎると赤ちゃんが離乳食を食べなくなる恐れがあるため。離乳食が進まないと結果として卒乳も遅れてしまいます。
離乳期初期や中期から赤ちゃんせんべいをあげる際には、食べ過ぎないよう注意することが必要です。
また離乳をあまり早く始め過ぎると、アレルギーになりやすいという説もあり、12ヶ月を過ぎるまでは母乳とミルクだけで育てるお母さんもいます。ただし、離乳の時期があまり遅過ぎるのも問題。離乳の時期は早過ぎず、遅過ぎず、タイミングを計ることが重要です。
赤ちゃんせんべいを与える目安時期
市販の赤ちゃんせんべいの表示には、生後6ヶ月・7ヵ月からと書いているものが多いのですが、これはあくまでも目安。現在では離乳食の開始時期は、生後6ヶ月目が目安になっていますので、赤ちゃんせんべいもこの頃からあげることが可能です。
赤ちゃんせんべいに関しては、原材料はお米、赤ちゃんの唾液で溶けるように出来ていますので、生後6ヶ月目の離乳期初期の赤ちゃんでも、口に入れてなめるだけで食べることが出来ます。
赤ちゃんの状態をよく観察する
市販の赤ちゃんせんべいには、目安として○○ヵ月からという表示がされていますが、上に書いたとおりこれはあくまでも目安です。
一人一人の赤ちゃんの体の成長や発達具合は異なりますので、それに伴い離乳食を始める時期も多少ずれてきます。赤ちゃんせんべいをあげても大丈夫かどうかの判断基準になるものを以下にいくつか挙げてみますので参考にしてください。
お座りが出来る
赤ちゃんせんべいは唾液で溶けるように出来ていますが、寝ている状態ではそのまま飲みこむことは難しく、喉につまらせてしまうおそれがあります。お水をあげて呑み込みやすくしたとしても、やはりまだお座りの出来ない赤ちゃんにあげるのは時期尚早です。
また市販の赤ちゃんせんべいは、赤ちゃんがそのまま握ってなめられるよう、赤ちゃんの手で掴みやすい形になっていますので、首が座り、支えてあげるとお座りが出来るようになった頃を見計ってあげるようにしましょう。
よだれが出るようになった
よだれが出るようになるのも、離乳食を始める目安といわれています。赤ちゃんせんべいは赤ちゃんの唾液で溶けるように出来ていますので、唾液がたっぷり出るようになった時期が頃合です。
またお母さんやお父さんが食事をしているときに興味を持ったそぶりをしたり、食べ物に興味が出てくることもひとつの目安になります。
哺乳反射がなくなる
赤ちゃんは生まれてすぐに母乳を飲むことが出来るよう、哺乳反射という能力を備えています。哺乳反射とは、母乳や哺乳瓶の乳首は受けいれ哺乳し、それ以外のものに対しては口に入ってくると押し出そうとします。
この反応は押し出し反射と呼ばれていますが、押し出し反射が顕著な時期に赤ちゃんの口にスプーンを入れようとしても、赤ちゃんは舌で押し出そうとしますので、離乳食を食べさせようとしてもなかなかうまくいきません。この押し出し反射が無くなる時期もまたひとつの目安になります。
赤ちゃんせんべいのあげ方のポイント
生後5、6ヶ月目の赤ちゃんはまだうまく食べ物を飲み込むことが出来ませんので、赤ちゃんせんべいをあげるときは、赤ちゃんの様子に十分注意することが必要です。
唾液で溶けてべっとりしたせんべいを喉に詰まらせないよう、赤ちゃんの側から離れず注意深く見守ることが必要です。また赤ちゃんせんべいをあげる際は、必ず白湯や麦茶などを用意しておきましょう。
そのまま握って食べてもらう場合
赤ちゃんせんべいのあげ方のポイントですが、手で握って食べることを好む赤ちゃんであれば、そのまま手にもたせて食べてもらって構いません。
この際赤ちゃんが喉を詰まらせないように、必ずきちんと側に付き添って注意を払うようにしましょう。赤ちゃんせんべいは、赤ちゃんが手にもってなめることで、せんべいを溶かし、飲みこみやすい状態にします。
小さくちぎってあげる場合
小さくちぎってあげたほうが食べやすいような気がしますが、これはごくんと飲み込めることが前提。
口の中の食べ物を咀嚼して、飲みこむことが出来ない赤ちゃんに、小さいちぎったものをあげると、喉につまらせてしまうおそれがあります。
小さくちぎってあげる際には、あらかじめお湯やミルクに浸して柔らかくしておいたほうがいいでしょう。
せんべいを食べた後は水分を
赤ちゃん用のおせんべいってどんなものかしら、とほとんどのお母さんが口にしてみたことがあるでしょう。そして口に入れた時に、おせんべいが上あごにくっついてしまい困った経験を持つお母さんはかなり多いのではないでしょうか。
赤ちゃんせんべいは溶けやすいのですが、水分を吸いやすい傾向にあるため、食べた時に水分の多いところへくっついてしまいがち。お母さんでも困るのですから、口の小さな赤ちゃんは更に大変なのは明白です。
赤ちゃんが食べたがるけど口内や喉に引っかからないか心配というお母さんは、赤ちゃんせんべいを食べさせた後にお水やお茶を飲ませましょう。水分を取れば口内の食べかすもきれいになって、赤ちゃんの歯の健康が保てます。
赤ちゃんせんべいをあげるタイミング
生後12ヶ月以前の赤ちゃんにとっては、母乳やミルク、そして離乳食をたっぷりと摂取することが最優先事項です。おやつに関してはあくまでも補助的な存在ですので、おやつが原因で赤ちゃんが離乳食を食べたがらない、といったことがないように、十分注意しましょう。
赤ちゃんせんべいをあげるタイミングに関しては、決まりがあるわけではありませんが、赤ちゃんが欲しがるからとたくさんあげるのは禁物。母乳や離乳食の合間に、少しだけあげるようにしましょう。
離乳食の量や回数は今までどおり、たっぷり食べてもらうようにし、赤ちゃんせんべいやその他のおやつは赤ちゃんの気分転換やちょっとしたお楽しみと考えてあげるようにしましょう。
赤ちゃんせんべいを握り食べすることにより、食べ物を咀嚼する力や自分で食べる習慣を身につけることが期待できます。
外出中や買い物の際にあげる場合
外出時や買い物の際に、赤ちゃんせんべいをあげると、赤ちゃんが静かにしてくれるのでついつい与え過ぎてしまう、というお母さんもいるようですが、これは赤ちゃんに悪いくせをつけてしまうことにつながります。
離乳期の大切な時期に、おやつを食べ過ぎないよう、ぐずったらあげるといったあげ方は出来るだけ避けるようにしましょう。買い物中や外出先でぐずってしまうときには、あげる量を決めておき、それ以上はあげないようにしたほうが無難です。
赤ちゃんがぐずるからと、好きなだけ食べさせてしまうと、赤ちゃんに悪いくせが付くだけでなく、離乳食を食べる量が不足してしまい、離乳期の完了も遅れてしまいます。
月齢に応じてあげる量や回数を調節する
離乳期の赤ちゃんは月齢が増えるごとに体もぐんぐん成長し、それにつれて体の各機能も目覚しく発達していきます。市販の赤ちゃんせんべいの多くは、生後7ヵ月以降の赤ちゃんに適していますが、生後8ヶ月、9ヶ月目になると、もう少し固いものも食べられるようになってきます。
赤ちゃんせんべいやその他のおやつは、月齢に合わせて、あげる量やタイミング、回数、あげるおやつの種類などをうまく調節するようにしましょう。
赤ちゃんの歯の生え方について
赤ちゃんの歯はまず下の前歯が生後6ヵ月から9ヶ月目にかけて生えてきます。上の前歯が生えるのはこれよりも後で、通常生後9ヶ月目前後。この後生後11ヶ月から12ヶ月くらいにかけて、上下の歯が各四本ずつ生えそろいます。
さらに奥歯が生えてくるのが1歳2ヶ月から1歳半頃。この頃になるとしっかりと歯茎を使って食べ物を咀嚼して食べることが出来るようになります。
ただしこれはあくまでも目安。まず下の前歯、次に上の前歯といった順番は同じですが、生えてくる時期や生えそろってくるスピードに関しては個人差が大きく、周囲の子と比べてもあまり意味はありません。歯の生え方などに関して疑問や不安な点があれば、乳幼児定期健診の際に相談するようにしましょう。
月齢に合わせてあげ方を工夫する
生後6、7ヵ月目の頃には、まだ噛んで食べることが出来ませんので、唾液だけで溶けるようなものしか挙げられません。離乳期初期・中期には、おやつをあげる量も回数もごく控えめにすることがポイント。
最初の頃は回数・量を制限してあげていたおやつも、一日三食の食事のリズムが確立された頃からは、あげる量を少し増やしても構いません。時間帯を決め、午前中と午後の二回程度を目安にあげるようにしましょう。
離乳期の後期以降になると、やや固いもの、噛み応えのあるものも食べられるようになりますので、せんべいタイプのものだけでなく、クッキーやビスケットなどの食べ応えのあるものも加えてあげると、赤ちゃんも飽きずにおやつタイムを楽しめます。
ながら食べには注意を
生活習慣や食事のマナーはある程度大きくなってからで良い、と考えている家庭も多いと思われます。しかし、赤ちゃんは今までOKだったことを急にダメと叱られると、理由が分からず反発してしまうでしょう。
ですから、できれば基本的なマナーは、赤ちゃんの頃から身につけさせたいもの。マナーの中でも最初に教えたいのが「ながら食べ」をしないことです。遊びながらご飯を食べるのは食べ過ぎの原因になりますし、周りも良い風に見てくれません。
静かになるからと赤ちゃんせんべいを与えると、お母さんが見ていないうちにながら食べになってしまいがちです。赤ちゃんせんべいを食べる時は、お母さんも横に座って「今は食べる時間である」ということを赤ちゃんに理解してもらうようにしましょう。
市販の赤ちゃんせんべいと手作りの赤ちゃんせんべい
市販の赤ちゃんせんべいは手軽で便利。赤ちゃんにあげやすい個数をパック包装しているものも多く、外出時にも大活躍します。
種類も豊富で、いろいろな味の中から赤ちゃんの好みのものを選ぶ楽しさもあります。市販の赤ちゃんせんべいは手軽で便利ですが、ひと手間かけて自宅で手作りすることも出来ます。
手作りの赤ちゃんせんべい
大切な赤ちゃんだから、自宅で無添加のおやつを作って食べさせたい!と願うお母さんもいるでしょう。赤ちゃんせんべいは自宅で手作りで作ることも出来ます。
材料は米粉や上新粉、きび砂糖や甜菜糖、塩など。ありふれた材料で簡単に作ることが出来ますので、時間があるときに作っておくと便利です。市販のものだけでなく、手作りのおせんべいも用意しておくと、赤ちゃんも味の変化を楽しむことが出来るでしょう。
まとめ
赤ちゃんせんべいの特徴やあげる時期などを中心にまとめてみました。赤ちゃんせんべいは、生後6ヶ月、7ヵ月目の赤ちゃんでも食べられるように出来たおやつ。お米で出来たものが大半で、まだうまく食べ物を噛めない赤ちゃんでも、手に握ってなめることでやわらかく溶けて食べやすくなります。
いろいろと便利な赤ちゃんせんべいですが、離乳期の基本はやはり離乳食をしっかり食べてもらうこと。赤ちゃんせんべいをあげる際には量やタイミングに注意し、離乳食や母乳の摂取の妨げにならないように気をつけましょう。