体重増えない赤ちゃんについて知っておきたいこと

体重増えない赤ちゃんについて知っておきたいこと 赤ちゃん 生活

初めての育児は、わからないことだらけで何かと戸惑うことも多いもの。試行錯誤しながら育児を進める中で、唯一の楽しみは赤ちゃんの成長ではないでしょうか。

とにかく、健康にすくすく育ってほしいというのがお母さんの願いですが、成長スピードが緩やかな赤ちゃんだと、何か育児方法が間違っているのではないかと不安になってしまいます。特に、赤ちゃんの体重がなかなか増えないままになると、身体に重大な問題が起きているのではないかと思ってしまいます。

赤ちゃんの体重が増えない原因は、何が関係しているのでしょうか。その原因を知り、的確な対処方法を実践することで、お母さんの悩みは解消されていくことでしょう。そこで、赤ちゃんの体重が増えない原因と、対処方法などについて詳しくご紹介していきたいと思います。

赤ちゃんの体重の目安

赤ちゃんの体重

赤ちゃんの体重は、月日を重ねていくたびに増えていくことがほとんどです。出生時に比べると、生後3ヶ月の体重は約2倍になり、生後12ヶ月あたりになると体重は約3倍にまで増えるのが一般的です。

また、母子手帳に掲載されている「身体発育曲線」も目安になるもののひとつとなっています。身長や体重がグラフ化されており、どの範囲におさまるかで、順調に成長できているかどうかを判断します。

判断材料に縛られない

判断材料に縛られない

赤ちゃんの体重が増えていくスピードは、月齢や身体発育曲線などで判断されることがほとんどです。しかし、このような判断材料があることから、その範囲を外れていると成長に問題があるのではないかと思ってしまいます。

紹介しているものは、あくまで平均値ですから、これらにあてはまらなければ即異常というわけではありません。赤ちゃんにより出生時の身長や体重は異なりますし、早めの出産だった場合や条件も変わってきます。

大切なのは、赤ちゃんらしい成長スピードができているかということです。体重があまり増えず、判断材料から外れていても、元気いっぱいなら問題ないと言えるでしょう。

体重が増えない原因 対処方法

赤ちゃんの体重が増えるスピードには個人差があります。しかし、なかなか体重が増えないと気になってしまうのは当然です。

では、なぜ赤ちゃんの体重は思うように増えないことがあるのでしょうか。それは月齢や状況によって大きく異なってきます。まずは新生児の赤ちゃんの体重が思うように増えない原因について、ご紹介していきましょう。

新生児の赤ちゃんの体重

新生児の赤ちゃんの体重

産まれたばかりの新生児の赤ちゃんは、驚くほど成長スピードが早いため、あっという間に体重も増えてきます。生後1ヶ月経つ頃には、体重が約1000g増えていることが多く、1日の体重増加の目安は30gになります。

もちろん、日によって体重の増え方も違いがありますし、1ヶ月で約1000g増えない赤ちゃんもいるでしょう。

思うように増えないと今後の成長に影響が出るのではと考えてしまいます。新生児の赤ちゃんの体重が増えないのは、まだうまく授乳できていないことが関係していると言えます。

産まれたばかりの赤ちゃんは、何をするのも初めて体験することばかりです。お母さんのおっぱいを飲むことも、哺乳瓶を吸うことも、手探りの状態で学んでいくため、思うように授乳量が増えないことがあるのです。授乳が上手くできるようになれば、体重の増え方も順調になってくるでしょう。

新生児の生理的体重減少とは

赤ちゃんは産まれてから退院するまで毎日体重測定をしますが、生後2~5日にかけて3~10%ほど体重が減ります。小さい赤ちゃんの10%が減ってしまうのはちょっと心配ですが、実はこれは新生児なら誰にでも起こる現象です。

赤ちゃんは胎便や尿を抱えて産まれてきますが、産後数日でその不要物や汗が排出されます。そのために体重が減るのです。

10%以上減ってしまった場合でも、赤ちゃんが母乳を飲めてどこにも異常が認められないならばそのまま観察を続ける病院も多いですが、減少率が15%以上になった場合は、何らかの異常があるとして治療を開始します。7日~10日ほどで元に戻り増加に転じるので、不安になり過ぎないようにしましょう。

室内の温度調整、低すぎは注意

室内の温度について

産まれたばかりの新生児の赤ちゃんは、手探りで初めての授乳にチャレンジしているため、なかなか思うように飲むことができずに体重が増えないことがあります。

しかし、それ以外の原因も体重に影響している可能性があるのでご紹介しておきましょう。

新生児の赤ちゃんの場合、室内の温度が低すぎると体重が増えないことがあります。室内の温度が低いと、赤ちゃんは体温を維持するためにたくさんのエネルギーを使おうとします。その結果、授乳で摂取したエネルギーが身体に蓄積されることなく、消費されてしまうのです。

赤ちゃんにとって快適な室内の温度は、24℃前後になりますのでエアコンなどで調整するようにしましょう。特に冬場は、気温が低くなりやすく赤ちゃんの寝ている床まで温かさが届かない場合もあります。毛布や衣服などを1枚プラスし身体が冷えることを防げるようにしましょう。

赤ちゃんの消費カロリーに注目

消費カロリーに注目

新生児の赤ちゃんにおいては、室内の温度が低すぎると体温を維持するためにエネルギーが消費され、体重が増えないことがあるとご紹介しました。エネルギーが消費されることは、他にもあります。

例えば、身体を動かすことが大好きな赤ちゃんは、消費カロリーが多くたくさん授乳していたとしても体重はあまり増えていきません。

大人でも、よく動く人と全く動かない人では同じ量を食べていても消費カロリーが異なってきますし、体重の増え方も異なってきますから、同じことが言えるのです。

特に、首が座って寝返りが打てるようになったり、ハイハイやつかまり立ちなどアクティブさが増してきたりする時期になると、体重が思うように増えないことが増えてきます。赤ちゃんが元気でよく動いているようなら、消費カロリーが体重増加に影響していると考えられるでしょう。

母乳とミルクでは体重の増え方が異なる場合も

母乳とミルクでは体重の増え方が異なる場合も

新生児の頃は1日で何グラム増えたらOKという基準がありますが、母乳育児とミルク育児ではその増加体重が異なります。

あごを動かすだけで口の中に入ってきて、簡単に沢山飲めるミルクだと赤ちゃんはどんどん体重を増やしていきます。その反対に母乳の場合は口や舌をしっかり動かさないと母乳を飲めないので、力のない新生児の頃は途中で疲れて寝てしまう赤ちゃんも少なくありません。

そうすると飲む量が少ないため増え方もいまいちです。また、母乳は消化に優れていてすぐに排泄されるため、母乳育児の赤ちゃんは余計に体重の増え方が少ないのです。1日の増加量にこだわらず、赤ちゃんの様子やグラフの増えを見るようにしましょう。

授乳間隔に捕らわれない

授乳間隔に捕らわれない

初めての育児を体験しているお母さんにとって、育児参考書の情報は何よりの手がかりです。しかしすべての情報を正確に行わなければならないと思うことで、結果的に育児がやりにくくなることもあります。

例えば、授乳間隔に置いては育児参考書では3時間おきが最適だと書かれていることがほとんどです。そのため、授乳からわずかな時間しか経っていない時に赤ちゃんから授乳を要求されても、3時間経過するまで待とうとしてしまいます。

育児参考書に書かれている授乳間隔の時間は、あくまで目安であって必ず従わなければならないというものではありません。赤ちゃんが欲しているのなら、授乳間隔は狭くても与えてあげることが大切ですので、情報に縛られすぎないようにしましょう。

それぞれの赤ちゃんにより、一度の授乳で飲める量は異なりますし、食欲が旺盛な子もたくさんいます。赤ちゃんが何を欲しているかをよく観察することが、一番理にかなっている育児方法だと言えるでしょう。

母乳の影響 トラブル

母乳の影響 トラブル

生後5ヶ月くらいまでは、母乳かミルクで栄養のほとんどを摂取していきます。母乳で育てているお母さんの場合、さまざまな母乳トラブルが赤ちゃんに影響し、体重増加に繋がらないということもあるのでご紹介しておきましょう。

母乳で育てている場合、乳頭のトラブルや、乳腺炎などのトラブルに見舞われやすくなります。母乳はお母さんの血液から作り出されるもので、何を食べたかやどのような環境にいるのかで母乳の質が変わってきます。

脂が多かったり、糖分を摂りすぎたりすると母乳の質が悪くなり乳腺を詰まらせて乳腺炎になり、母乳を与えることができなくなってしまうことがあるのです。また、赤ちゃんの吸い方によって乳頭が荒れたり、切れたりすることがあり、授乳の度に痛みが走り思うように母乳が出なくなることもあります。

母乳にはたくさんの栄養や抗体が含まれているため、できるだけ与えたいと考えるお母さんは多いですが、トラブルが起きてしまうとミルクに切り替える必要があります。母乳に慣れている赤ちゃんだと、哺乳瓶やミルクを受け付けずに体重が増えなくなってしまいます。

また母乳を再開できれば体重も増加していくので問題ありませんが、できるだけトラブルを未然に防ぐことが、大切だと言えるでしょう。

乳腺炎について知っておきたいこと
母乳育児について知っておきたいこと

遊び飲みを防ごう

遊び飲みを防ごう

赤ちゃんが成長していくと、いろんなものに興味を示すことが増えてきます。初めて見るもの、触れるものに敏感に反応し、たくさんの情報がインプットされて脳や身体の発育に繋がっていきます。

しかし、たくさんのものに興味が湧いてくると授乳に集中することができないこともあります。あたりをキョロキョロしながら遊び飲みしている場合、長い時間授乳していてもあまり飲んでいないことが多いのです。

できるだけ刺激の少ない環境を選び、赤ちゃんが授乳に集中できるようにすれば、また体重は増えていくでしょう。

離乳食の影響で食べない

離乳食の影響

生後5ヶ月~6ヶ月くらいになると、離乳食をスタートする赤ちゃんも増えてきます。しかし離乳食が授乳の代わりに加わると、途端に体重増加がストップすることも多いのです。

離乳食は、赤ちゃんにとって初めての固形物です。上手く飲み込めない赤ちゃんもいるでしょうし、胃腸も初めての消化ですから順調に処理できるとは限りません。

そのため、離乳食をきっかけに食欲が落ちたり、嫌がったりして体重が増えないことが多いのです。しかし、徐々に離乳食になれていき、たくさんの量を食べられるようになってきたら、体重は少しずつ増えてきますので心配する必要はないでしょう。

母乳不足かどうか赤ちゃんの尿でチェック

母乳不足かどうか赤ちゃんの尿でチェック

赤ちゃんの体重が増えないと、特に母乳育児のお母さんは足りていないのでは?と考えてしまいがちです。健診の際に医師や助産婦から体重が軽いからミルクを足して、と言われてしまう事が更にその考えに拍車をかけてしまうのでしょう。

母乳が足りないかも、と不安になったら体重の増加ではなく、赤ちゃんの尿の回数と色を確かめてください。いつもどおり授乳して、おしっこが1日6回以下だったり濃い黄色である場合は母乳不足が考えられます。

また、授乳後に赤ちゃんがごきげんならばお腹がいっぱいになったという事ですので、授乳回数が多くなったとしても母乳不足ではありません。体重が増えないと思ったら、一度赤ちゃんの様子をじっくり観察してみてはいかがでしょうか。

身長が伸びている場合も

身長が伸びている場合も

成長曲線はきれいなカーブですが、実際はそのような線を描かずに体重が増えない平行線の時も多いです。

面白い事に赤ちゃんは体重と身長が交互に成長すると言われていて、体重が増えない時には身長が伸び、身長の伸びが一度止まった時には体重がぐっと増える。ですから順調に体重が増えていても、ある時期まったく体重が増えなくなった時は身長の伸びをチェックしてみましょう。

体重増加に回すエネルギーを、この時期は身長へと回しているのかもしれませんよ。体重増加と身長の伸びが交互でなかったり増え方のバランスが悪い時もあるかもしれませんが、そこは赤ちゃんの個性によるものですから、わずかでも増えているのであれば心配せず見守ってあげましょう。

健診でチェック

健診でチェック

赤ちゃんの体重が増えないと、心配になるお母さんも多いと思います。1ヶ月健診など、定期的に受けられる健診でお医者さんにアドバイスを求めることも大切です。

赤ちゃんの体重が増えない原因として、稀に成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌が不足していることもありますが、定期健診で問題がないと判断されれば心配する必要はないでしょう。

授乳間隔や離乳食など、いろんな角度からアドバイスを受けて調整することで、少しずつ改善されていくはずです。

まとめ

赤ちゃんの体重が増えない原因と対処方法などについてご紹介しました。赤ちゃんの成長スピードには個人差がありますし、基準に満たないからといって問題があるとは限りません。

赤ちゃんにより、授乳量や運動量も異なりますので、あまり気にしすぎないようにしましょう。基本的には、元気いっぱいで食欲もあるようなら問題ありませんが、少しでも気になることがあれば相談してみてください。体重だけに捕らわれず、赤ちゃんらしい成長を見守っていってください。