産後のおならについて知っておきたいこと

産後おならについて知っておきたいこと 産後お母さん

赤ちゃんが産まれると、妊娠前には想像ができないほど目まぐるしく日々が過ぎていくようになります。初産の場合、初めての育児に戸惑うことも多いですし、産後の身体の調子がこれほど思うようにいかないのかと、驚かれることも多いと思います。

産後は、体調にさまざまな変化が生じますしいろんな症状が現れやすい時期です。胸の張りが強くて授乳が辛かったり、悪露が長引いたりと人によってさまざまな症状が現れますが、中には人に相談しにくい厄介な症状もあります。それが、「産後のおなら」です。

産後のおならに悩んでいるお母さんは意外と多く、人に相談しづらいことからひとりで悩みを抱えていることも珍しくありません。そこで、産後におならは何故引き起こされるのか、その原因や対処方法について詳しくご紹介していきましょう。

おならとは?

おならとは?

産後のおならについて触れる前に、そもそもおならとはどういったものなのか、簡単にご説明しておきましょう。

おならは何からできている?

おならは、ガスでできていると思っている方も多いですが、そのほとんどは口から飲み込んだ空気が出てきています。水を飲むときや食事を摂る時などで、一緒に空気を飲み込んでしまいます。

空気だけなら臭いは発生しませんが、そこに食べ物から発生するガスメタンや二酸化炭素、水素などと交わることで、おならのガスに変換されるのです。

おならの成分の割合

おならとして出てくる割合を厳密に表すと、炭酸ガス、メタン、窒素、水素、酵素で約70%を閉めています。

残りの30%のうち、20%は、血液中のガスが腸に染み出し混ざり合うことで構成されており、10%は腸に残留している食べ物から発生しています。腸に残留した食べ物は、細菌により分解されるときに、硫化水素やスカトールといったガスを発生させ、それがおならとして出てくるのです。

産後におならが増える理由

産後におならが増える理由

産後のおならを悩みにしている方は、そのほとんどが「出産前よりおならの回数が増えた」と実感しています。おならの回数は、通常よりも産後は倍以上になることも珍しくありません。

では、なぜ産後におならが多くなってしまうのでしょうか。

筋力の低下

筋力の低下

産後におならが増えやすいのは、筋力が低下するからです。出産により大きく骨盤が開くため、肛門筋も一緒に引き伸ばされてしまいます。さらに、出産する時に赤ちゃんを外に出そうと力いっぱい力むため、骨盤底筋群の筋肉に負荷がかかり傷めてしまうようになります。

その結果、出産を終えると肛門をはじめ骨盤に関わるさまざまな関節や筋肉が傷んだり緩んだりして、筋力が低下してしまうのです。筋力が低下すると、肛門を開けたり閉めたりする力が弱まるため、おならが出やすくなってしまうのです。

腸の圧迫

腸の圧迫

産後におならが増えやすいのは、出産により骨盤が大きく開き、腸が他の臓器に圧迫されてしまうからです。もともと、妊娠中は大きくなった子宮に腸は圧迫され続けていましたが、赤ちゃんを無事に出産して子宮が小さくなると、圧迫されることもなくなり、元の位置に戻れるようになります。

しかし、骨盤が開いたままの状態で動いたり起きていたりする時間が長いと、腸がズルズルと骨盤底の方まで下がっていき、他の臓器と共にすっぽりと骨盤の底に入り込んでしまうのです。

すると、骨盤は開いたままの状態になり閉じることができなくなりますし、腸は他の臓器に圧迫され続けてしまいます。その結果、圧迫された腸はうまく動けず、ガスが発生しやすくなっておならを増やしてしまうのです。

排便への不安感

排便への不安感

産後におならが増えやすいのは、産後に排便をガマンしてしまうことがあるからです。特に分娩直後から数日の間は、出産の痛みが残っていたり、会陰切開や帝王切開の痛みが影響したりするため、「排便する時に痛くなりそう」と便意のまま排便をすることが怖くなってしまいます。

すると、排便しようとしていた腸は蠕動運動を落ち着かせて、便秘を引き起こしてしまうのです。便秘になるとおならの回数も増えやすいため、排便をガマンすればするほどおならは増えやすいと言えるでしょう。

ストレスの影響

ストレスの影響

産後におならが増えやすいのは、ストレスの影響があるからです。産後は、身体が思うように動かないストレスや、赤ちゃんをどうお世話すればいいのかわからない育児ストレス、夫が手伝ってくれないことへのストレスなど、さまざまなストレスが発生しやすくなります。

ストレスが蓄積されると、自律神経の働きを乱して不安定にさせてしまいます。自律神経は、腸の蠕動運動をコントロールしている機関なので、自律神経が乱れることにより腸の活動は不安定になります。すると便をうまく排出することができなくなり、ガスが溜まっておならが増えてしまうようになるのです。

また、ストレスが溜まると歯を食いしばったり唾を飲み込んだりすることが増えるため、飲み込む空気の量が増えておならが増えることもあります。

水分不足の影響

水分不足の影響

産後におならが増えやすいのは、水分不足になっているからです。特に母乳で赤ちゃんを育てている方は、母乳を与えることにより多くの水分が奪われてしまうため、慢性的な水分不足に陥りやすいでしょう。

水分が不足すると、腸内にある便の水分も失われてしまうため、硬くなってしまいます。硬くなった便はなかなか排出しにくいため、便秘になり腸内で長くとどまりやすくなってしまい、ガスが発生しおならが増えてしまうのです。

早食いの影響

早食いの影響

産後におならが増えやすいのは、早食いになってしまうからです。産後は赤ちゃん優先で自分のことは後回しになってしまうため、食事を摂る時間すらゆっくりとれなくなってしまいます。赤ちゃんが寝ている間に、と急いで食べることも多くなるため、どうしても産後は早食いが習慣化しやすくなります。

早食いになると、たくさんの空気を一緒に飲み込んでしまいますし、よく噛まずに飲み込むことで消化不良を引き起こすため、腸でガスが発生しやすくなり、おならが増えてしまいます。

骨盤ベルトやガードルの影響

骨盤ベルトやガードルの影響

産後におならが増えやすいのは、骨盤ベルトやガードルで締め付けているからかもしれません。不安定な骨盤を安定させようと締め付けすぎると、腸を圧迫させて動きを制限させてしまうからです。

骨盤ベルトやガードルをつけ始めておならが増えたという方は、締め付けすぎている可能性があるので、少し緩めるようにしましょう。

産後のホルモン変化

妊娠中はプロゲステロン・エストロゲンの分泌が大幅に増加した時期ですが、産後はそれら女性ホルモン分泌ががくんと下がり非常に少なくなる代わりに、プロラクチンやオキシトシンといったホルモンが分泌を始めます。

このように出産前後でガラッとホルモン分泌が変化するのですから、その変化が体調に影響するのは当たり前。特に筋力を維持するエストロゲンが低下するため、胃腸の動きが弱まります。

つまり十分に消化出来なかったり腸のぜん動運動が鈍って便秘になり、おならの回数が増えたり匂いが強くなったりします。産後のホルモン変化は誰にでもあることですから、この場合のおならは致し方ないともいえます。

おならの音がしてしまう場合

おならの音がしてしまう場合

産後のおならの悩みとして、おならをするときに音が出るようになってしまったという場合があります。

産前は、おならをしたくなったときでも音はならなかったため、周囲にばれることはなかったという方がほとんどですが、産後はおならの音をコントロールできなくなってしまうことが多くなります。

おならの音は、腸に溜まったガスが肛門から出るときに、肛門の周辺の皮が震えることにより発生します。ガスが出る圧力が強いほど、肛門の皮が震えやすくなるため、おならの音は大きくなります。

産前に音を出さずにおならを出していた方は、肛門からガスが出るときに、肛門を広げて皮が震えないようにしていたからです。

しかし、産後肛門筋が低下し、肛門を開け閉めする力が弱かったりコントロールできなくなったりするため、おならの音が出やすくなってしまうのです。

ニオイが強い場合

ニオイが強い場合

産後のおならの悩みとして、産前よりニオイが強くなったと感じている方もいらっしゃいます。おならのニオイは、空気がほとんどですので通常ニオイはしませんが、さまざまな条件により悪臭が発生しやすくなります。

産後におならのニオイが強くなったと感じている方は、腸内の悪玉菌が活発になり、善玉菌より優位になって増えている可能性が高いと言えます。腸内環境は通常、善玉菌が優位となっていますが、どのような状態になると悪玉菌が増えやすいのでしょうか。

自律神経の乱れ

おならのニオイが強くなるのは、ストレスを感じて自律神経が乱れ、腸の蠕動運動が弱まってしまうことが関係しています。

腸の蠕動運動が弱まると、腸内の便がスムーズに運ばれず長くとどまり、悪玉菌を増やして腐敗臭を発生させやすくしてしまうからです。

早食いの影響

おならのニオイが強くなるのは、早食いにより消化不良を起こしているからです。未消化の食べ物からガスが発生し、悪玉菌を活発にして腐敗臭を出すようになります。

タンパク質の摂り過ぎ

おならのニオイが強くなるのは、タンパク質を摂り過ぎている可能性があります。悪玉菌はタンパク質を好んで分解し、悪臭を発生させます。母乳のために、ダイエットにと肉や魚をたくさん食べてしまうと、あっという間におならのニオイは強くなってしまいますので、バランスよく食べるようにしましょう。

食物繊維の摂り過ぎ

おならのニオイが強くなるのは、食物繊維を摂り過ぎている可能性があります。便秘を解消しようとしたり、身体に良いものを食べようとしたりして、食物繊維を多く摂り過ぎると、逆に便通を詰まらせて悪玉菌を増やしてしまうようになるのです。

特に食物繊維の中でも水に溶けない「不溶性食物繊維」は、腸に長い間留まるため、腐敗臭を発生させやすくしてしまいます。

おならの悩みの解消方法

産後のおならの悩みは、回数からニオイ、音までさまざまです。では、このような悩みはどのようにして解決していけばよいのでしょうか。具体的な対処方法をご紹介していきましょう。

骨盤を整える

骨盤を整える

産後のおならの悩みは、骨盤を整えることで改善することができます。出産により不安定にあり歪んだ骨盤を整えて安定させることで、骨盤底筋が安定し肛門筋も正常に働けるようになります。

産後は安静に過ごす産褥期間が設けられていますが、おなら問題を少しでも早く改善するためにも、充分すぎるくらい安静に過ごし、骨盤が安定できるようにしましょう。

また、産褥期間後にストレッチや筋力トレーニング、整体などで歪みを取り除くことによって、骨盤が歪んで腸が他の臓器に圧迫されることを防ぐことができます。

食生活を整える

食生活を整える

産後のおならの悩みは、食生活を整えることで改善することができます。まず、便を硬くさせないためにも水分補給はしっかりと行うようにしましょう。そのうえで、バランスよく偏りのないように気をつけながら食事を摂るようにしてください。

悪玉菌が増えるとおならのニオイが強くなるので、善玉菌を活発にするためにも、ヨーグルトや味噌汁、納豆など乳酸菌が豊富に含まれている食材を必ず取り入れるようにしましょう。

また、ゴボウやバナナ、玉ねぎなどオリゴ糖を含む食材を摂ると、善玉菌のゴハンとなってくれるので、より活発に増やせるようになります。善玉菌を優位にさせるためにも、このような食材を積極的に摂るようにしましょう。

ストレス環境を見直す

ストレス環境を見直す

産後のおならの悩みは、ストレス環境を見直すことで改善されます。産後はさまざまなストレスに悩まされることが多くなりますが、ストレスをため込んでしまうと、自律神経が乱れ腸の蠕動運動を弱め、おなら問題を引き起こしてしまいます。

全てを完璧にやろうとすると、ストレスが溜まってしまいますので、「半分できたら上出来」くらいで考えるようにしましょう。また、1人で全てを抱えようとせず、周囲のサポートを受けることも大切です。

お腹をマッサージをする

お腹をマッサージをする

産後のおならの悩みは、マッサージを行うことで改善されます。あおむけになってお腹を「の」の字にマッサージしていきましょう。

お腹を温めると効果がアップしますし、深呼吸をしながら行うことでリラックス効果も期待できます。少しの時間でも、自分を労わるマッサージを行うことは、良いリフレッシュにも繋がりますのでオススメです。

膣から出るおならの場合も

音がするおならでドキッとすることもあるかもしれませんが、実はお尻から出た音ではないこともあります。出産で最も圧力がかかっている膣でも、同じようなことが起こります。

これを「膣からのおなら=ちなら」と呼ぶことがありますが、この場合は緩んだ筋肉が原因で外から空気が入ることで起こり、産後入浴時に膣内で水が入ってくるようだと、ちならが出る可能性があります。

おならとの違いは、低い音でくさくないことが特徴です。また、おならのように出そう!と事前に分かるのではなく、ちならはいつ何時起こるかわからないです。

まとめ

産後のおならについて詳しくご紹介しました。産後のおなら問題は、さまざまな原因から引き起こされています。何が原因かを探り、適切に対処することで少しずつ悩みは解消されていくでしょう。

産後は、思うように身体をコントロールできないことが多いため、歯がゆい思いをしたり恥ずかしいと思ったりすることもあるかもしれません。おならもそのひとつですが、産後は誰にでも発生することですし、時が立つにつれて徐々に解決していく問題でもあるので、深刻に考えすぎないようにしてください。