赤ちゃんが一人歩きできるようになったら、いよいよファーストシューズ選びです。赤ちゃんの足は小さくて柔らかく、まだ足の骨格も完全には発達していません。骨と骨や軟骨の間には隙間があり、身体の成長とともに足のサイズもどんどん大きくなっていきます。
赤ちゃんの足はまだ発達途中。骨がまだ柔らかいために、足に合わない小さな靴でも履けないことはありませんが、足の骨の成長にとって望ましいことではありません。
反対に大きいサイズのものをはかせてしまうと、上手に重心を取れずに転倒しやすくなったり、靴の中で足が動いてしまうため、歩きにくく、赤ちゃんが靴嫌いになってしまうこともあります。
ファーストシューズを買うタイミングや、サイズの目安、どんなタイプの靴が最適かなど、ファーストシューズをはじめ、赤ちゃんの靴を選ぶ際に知っておきたいポイントをご紹介します。
赤ちゃんの足の成長について
赤ちゃんの足はとっても小さく、デリケート。足の筋肉や骨格はまだ成長途中にありますので、間違った靴選びをすると、赤ちゃんの足の正常な発達の妨げになるおそれもあります。
ファーストシューズを選ぶ前に、まずは赤ちゃんの足の特徴や成長過程について知っておくようにしましょう。
赤ちゃんの足の特徴とは?
生まれたばかりの赤ちゃんの足は、まだ骨格が完成していません。骨格の基礎は出来上がっていますが、大人の骨のように固くなく、軟骨状態のまま。人間の足の骨が完全に整うのは、18歳前後になります。
足のかかとの骨を足根骨と呼びますが、大人の足根骨は全部で七つあるのに対し、赤ちゃんの足根骨はまだ四つ。身体の成長とともに、カルシウムやその他の栄養素を十分に摂取することにより、骨がしっかりと固く、丈夫になります。
足根骨が完成するのは満4歳以降ですので、この時期の靴選びは歩きやすさだけでなく、赤ちゃんの足の骨や筋肉の正常に発達にとって非常に重要な意味を持ちます。
赤ちゃんの足の機能発達について
赤ちゃんは運動機能もまた、足の骨や筋肉同様、まだ未完成。月齢が進み、身体が成長するとともに運動機能も次第に発達していきます。赤ちゃんが一人歩きできるようになるまでには、さまざまな過程があります。
赤ちゃんの歩行機能発達
赤ちゃんの身体機能の発達は頭から足先へと順々に進んでいきます。首の座り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩きと続き、そして最終的に一人で歩けるようになるまで成長していきます。
赤ちゃんの歩行機能のプロセスには個人差があります。基本的には上述した過程をひとつずつクリアしていき、最終的に一人歩きに至りますが、それらがいつ頃できるようになるかについては、一人一人の赤ちゃんの成長の度合いや個性などによって異なります。
一人歩きが出来る時期ですが、満1歳前に出来るようになる赤ちゃんもいれば、1歳半を過ぎてはじめて一人歩きをするようになる赤ちゃんもいます。標準よりも少し遅いからといって、嫌がる赤ちゃんに無理に歩く練習をさせるのは逆効果。焦らず、赤ちゃんの成長をじっくり見守ることが大切です。
ファーストシューズをはかせるタイミング
赤ちゃんがよちよち歩きを始めたら、可愛いファーストシューズを買ってあげたくなります。赤ちゃんが一人歩きをするようになると、以前に比べ外出の機会も格段に増えてきますので、赤ちゃんの靴を用意しておくことが必要になります。
しかしいざ赤ちゃんに靴をはかせそうとすると嫌がったり、歩いている途中に脱げてしまったりと、赤ちゃんの靴に関する悩みは尽きません。
ファーストシューズをはかせるタイミングについてもいろいろな意見があり、新米お母さんはどれがもっとも正しい意見なのか、判断に迷ってしまいます。ファーストシューズをはかせるタイミングについて考えてみましょう。
ファーストシューズをはかせる目安
気の早いお母さんの中には、赤ちゃんが伝わり立ちを始めたらすぐに靴をはかせる方もいるようです。
伝わり歩きの段階でのファーストシューズは、まだ少々早いかも知れませんが、よちよち歩きで部屋の中を歩き回れるようになったら、ファーストシューズを用意しておくことをお勧めします。
一人歩きが出来るようになったら、お母さんと一緒にお買い物や公園に出かける機会も増えます。一人歩きを覚えたばかりの赤ちゃんは、つまずいたり、転んだりすることも多いので、赤ちゃんの安全のためにも靴を履かせたほうが安心です。
早めに用意しておくことのデメリット
つかまり立ちを始めた時点で、ファーストシューズを用意する方もいるようですが、早めに用意するのはあまり意味がありません。
赤ちゃんの足は成長の度合いが早く、早めに用意しておくと実際に履いてもらうときにはすでにサイズが小さくなっていることもあります、赤ちゃんの靴はいよいよ履かせるときになってから、購入するようにしましょう。
赤ちゃんの足のサイズの測り方のポイントとは?
赤ちゃんの靴選びの基本中の基本は、赤ちゃんの足のサイズを正確に計測すること。
赤ちゃんの足のサイズを測る際のポイントは、足の長さだけでなく、足囲も測ること。足囲いを測ることで、足の甲の広さや厚さを把握できます。赤ちゃんの足にぴったりする靴を選ぶには、①足長と②足囲が必要です。
足長の測り方
amazon:ベビー足長計測器 フットメジャー
赤ちゃんの足のサイズを測るには、ベビー用のフットサイズ計測器が便利です。フットサイズ計測器には赤ちゃん用のものと標準的なものがありますが、ベビー用のものでも20センチまでは測れますので、一台あれば小学生にあがるまで使えます。
計測器を使って測る場合のポイントは、必ず赤ちゃんに立ってもらい測ること。足にしっかり体重をかけ、足の人差し指までの全長を測ります。この際赤ちゃんが足指を曲げてないかどうかきちんと確認しましょう。まっすぐに立ち、前を見た状態で測らなければ、正確な数字は得られません。
足のサイズ計測シートなどを利用する方法
フットサイズ計測器がなくても大丈夫。足のサイズを計測できるシートをプリントアウトして利用すると、手軽に赤ちゃんの足のサイズや足囲を測ることが出来ます。参考ダウンロード先:asics 足サイズ計測シート
赤ちゃんがじっとしてくれなくて、自宅ではどうしても正確に計測できない場合には、シューフィッターのいるお店やベビー靴専門店で測ってもらうといいでしょう。
足囲の測り方
これは赤ちゃんの足に限ったことではありませんが、足の長さは同じでも、靴のサイズは違うことがあります。
靴のサイズを選ぶ際には、足の長さだけでなく、足の甲の厚みも関わっているため、足の長さ自体は同じでも、一サイズ大きいものしか合わないこともあります。ぴったり足にフィットする靴を見つけるには、足囲のサイズを把握することも大切です。
足囲はメジャーを使い、赤ちゃんの足の甲をぐるっと測ります。親指の付け根と小指の付け根の骨のもっとも厚いところを測り、足の長さとともに記録しておくようにしましょう。
赤ちゃんの靴の選び方のポイントとは?
赤ちゃんの靴を選ぶのは簡単ではありません。幼稚園児や小学生のお子さんであれば、靴が窮屈かどうか、足にぴったり合っているかどうか、言葉でお母さんに伝えることが出来ますが、初めて靴を履く赤ちゃんにはこれは到底無理な話。
赤ちゃんにとって快適な靴を選べるかどうかは、お母さんの知識と判断次第といえるでしょう。赤ちゃんの靴を選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
つま先にゆとりのあるもの
大人の場合、歩行する際には踵から着地し、つま先で床や地面を蹴って次のステップに移りますが、赤ちゃんの場合、足の裏全体で着地する、いわゆるべた足歩きになります。足の裏全体で着地し、そしてそのあとつま先の部分で地面を掴むようにして歩きますので、つま先の部分に余裕がないと、転倒しやすくなります。
これは大人の靴でも同じですが、靴の中で足の指を自由に動かせる余裕がないと、歩き方も不自然になり、足先を痛める原因にもなります。赤ちゃんに靴を履かせ、靴の先を押してみて隙間があるかどうか確認しましょう。
つま先が多少上がったもの
べた足で歩くという特徴のため、つま先が少し上がった靴でないと歩きにくく、転倒しやすくなります。踏み返しのことを考慮して、つま先が少し地面よりも浮いた形の靴を選ぶようにすることがポイントです。
踵がぴったりフィットしているもの
踵の部分でしっかりと足を支えるタイプのものを選びましょう。サンダルやスリップオンタイプのものよりも、踵の部分がしっかりした靴が適しています。
足全体をしっかり固定できるもの
赤ちゃんの足は成長が早く、足のサイズにぴったりの靴を買うとすぐに履けなくなってしまいます。このため、足のサイズよりも一回り大きめのサイズの靴を買う場合がありますが、足のサイズよりも靴が大きいと、靴の中で赤ちゃんの足が固定されずに泳いでしまいます。靴の中で足が前後左右に移動するのは望ましくありません。
大きめサイズの靴をはかせる場合には、足の甲にフィットし、靴の中で足が泳いでしまわないよう、紐やマジックテープで足の甲と踵をしっかり固定できるものにしましょう。
はかせやすく、脱がせやすいもの
はかせやすく、脱がせやすい靴を選ぶようにしましょう。赤ちゃんにはかせやすい・脱がせやすい靴のイメージとしては、足を入れる間口が大きく開くもの。大きく開き、そしてはかせたあとは足全体をしっかり固定する靴が理想的です。
靴底は厚すぎない・薄過ぎない
靴底があまりにも柔らか過ぎるものは、あまりお勧めできません。足裏に受ける衝撃を緩衝するには、ある程度の厚みがあり、弾力性のあるものが適しています。
靴底が指の付け根で曲がるもの
赤ちゃんの靴は、靴底が足指の付け根で曲がるものにしましょう。大人の歩き方と違い、赤ちゃんは足裏全体で着地し、足の指で地面をつかむようにして前に進みます。
指の付け根の部分が曲がらないと、赤ちゃんは歩きにくく、無駄に体力を消耗させてしまいます。靴底は適度に固く、そして指の付け根部分一箇所だけが曲がる靴を選んであげましょう。
ハイカット?ローカット?どっちがいいの?
足元がふらふらしてしまう赤ちゃんには、足首まで高さのあるハイカットの靴が良いといわれていますが、これはどうでしょうか。ハイカットの靴が良いといわれるのは、赤ちゃんの足をきっちり固定してくれるためですが、ハイカットの靴にはデメリットもあります。
かかとから足首までをしっかり支えてくれることはメリットですが、このメリットゆえに足首を動かしにくいというデメリットが生じてしまいます。まだうまく歩行のリズムを取れない赤ちゃんは、少しバランスを崩すだけで、つまずいたり、転んだりします。
このとき足首の部分が動かないと、前のめりに転倒してしまい、思わぬ怪我につながります。また素材によっては、足首が擦れてしまうこともあるでしょう。ハイカットの靴は確かに足全体をしっかりと固定してくれますが、デメリットがないわけではありません。ハイカットの靴を選ぶ際には、この点に注意を払うようにしましょう。
赤ちゃんの靴のサイズについて
赤ちゃんの足は成長とともにどんどん大きくなります。したがって、靴のサイズを足の成長に合わせて変えてあげる必要があります。赤ちゃんの足の骨はまだ柔らかく、靴が小さくなっても、足の指を曲げたりすることで、窮屈な靴でもそのままはけてしまいます。
しかしこれは足の成長にとって悪い影響を与えてしまいます。赤ちゃんの足の正常な発達のため、足のサイズをその都度こまめに計測し、足に合うサイズの靴に買い替えてあげましょう。
月例目安 | サイズ目安 | 表示サイズ |
新生児~3ヶ月 | 8~11㎝ | 50~60 |
3ヶ月~6ヶ月 | 9~12㎝ | 70 |
6ヶ月~1歳半 | 11~13㎝ | 80 |
1歳半~2歳 | 12~14㎝ | 90 |
2歳~3歳 | 13~15㎝ | 95 |
赤ちゃんの靴の買い替えの目安とは?
赤ちゃんの靴を買い換える目安ですが、赤ちゃんが3歳になるまでは3ヵ月に一回程度、3歳以上になったら半年に一回といわれています。
赤ちゃんの身体の成長には個人差がありますので、これはあくまでも目安。大切なことは、赤ちゃんの足のサイズを定期的に把握すること。靴の中敷きぎりぎりまで足あとがついたら、靴のサイズをひとつ大きいものにしてあげましょう。
まとめ
赤ちゃんの靴を上手に選ぶために知っておきたいポイントをご紹介しました。赤ちゃんの足は柔らかく、まだ骨の形成が完成していません。赤ちゃんの靴を選ぶ際には、デザイン性やお母さんの好みだけを優先させず、赤ちゃんがはきやすく、歩きやすい機能性に富んだものを選んであげましょう。
赤ちゃんの靴選びのポイントは、赤ちゃんの足の特徴、サイズ、歩き方などをきちんと把握しておくこと。はじめての経験で赤ちゃんの靴選びの自信のない方は、お店でシューフィッターやスタッフに相談してから決めましょう。