赤ちゃんにいつから靴下をはかせるかに関しては、いろいろな意見が聞かれます。靴をはいてもらうときは、靴下をはかせないと靴擦れしそうですが、それ以外のときには靴下をはかせる必要は一切ない、という意見もあります。
たとえ寒くても靴下ははかせないほうが健康に良い、よちよち歩きの赤ちゃんに室内で靴下をはかせると、つまづい転んでしまうので危ない、靴下をはかせると汗をかいてしまう、靴下がすぐに脱げてしまって面倒など、赤ちゃんに靴下をはかせることに関しては、否定的な考え方もたくさんあり、一体はかせたほうがいいのか、それともはかせないほうがいいのか、少なからず迷ってしまいます。
赤ちゃんに靴下をはかせることは必要なのか?はかせるとしたらいつが適当なのか?どんなときにはかせるべきなのか?どんな靴下が適しているのか?など、赤ちゃんの靴下に関して知っておきたい情報ををご紹介します。ぜひ参考にしてください。
赤ちゃんに靴下は必要?不必要?
出産祝いにベビー服のセットをもらうことがありますが、ベビー服のセットには可愛い小さな靴下もよく含まれています。でもこの新生児サイズの靴下、結局一度もはかせないままに小さくなってしまった、という経験はありませんか?
確かに、生まれたばかりの赤ちゃんに靴下をはかせる機会はあまりありません。靴下をはかせるのは、健康診断で病院に行くときなど、やむを得ず外出するときだけで、室内にいる限り靴下をはかせる必要はないように思われます。
赤ちゃんに靴下をはかせたほうがいいのはどんなときで、はかせないほうがいいのはどんなときか?この点をしっかり理解するには、赤ちゃんの体温や体温調節機能についての知識を備えておくことが必要です。
赤ちゃんの体温について
赤ちゃんの体はいつもぽかぽかと温かく、大人に比べると体温が高いような気がします。実際に生まれて1ヵ月目の赤ちゃんの体温は、3歳・4歳児の体温に比べて若干高めです。
生後2ヶ月目以降、体温は徐々に下がっていきますが、体温調節機能のほうはまだ完全に整っていません。大人の場合は体温調整中枢の働きが完成されていますので、必要に応じて、体内温度を適正に調節できます。
大人の体温調節のしくみとは?
体温調整のしくみとは以下のようなメカニズムになります。
すなわち①血管の収縮・弛緩により、血流をコントロールすることで熱を逃がさない・熱を放つ、②発汗作用により体から熱をにがす、③骨格筋の収縮・弛緩によって、熱を産み出す・のがす。
大人の場合はこのようなメカニズムが正常にはたらき、体温が一定に保たれますが、赤ちゃんの場合はこの体温調節機能はまだ完全に機能していません。
赤ちゃんの体温調節について
大人と違い、赤ちゃんの体温調節機能がまだ未熟。体重に比べると食事の摂取量が多いことから、熱を生み出しやすく、またそれと同時に皮下脂肪が少ないことから、体が熱を失いやすくなっています。
つまり、赤ちゃんの体は熱がこもりやすく、そし熱を失いやすいという両極端の特徴を併せ持っていることになります。
赤ちゃんの体温を適切に保つには、衣服や室内の気温を調節してあげることが必要。
赤ちゃんがいる部屋の温度設定に注意することと、靴下を含め、赤ちゃんの衣服の着せ方に注意すること、赤ちゃんの体温調節に絶対不可欠なポイントはこの二点になります。
室内では靴下をあえてはかせる必要はない
温度が一定に保たれた室内にいる限り、赤ちゃんにあえて靴下をはかせる必要はありません。
赤ちゃんの発汗機能はまだ完全ではありませんが、汗腺の密度が高いため、大人よりも汗の分泌は多くなります。
赤ちゃんは体温を下げる必要がある場合には、手足の表面から汗をかくことにより熱を放出しています。
布団の中にいる赤ちゃんには靴下ははかせない
暖かい室内にいるときや、布団の中にいる赤ちゃんに靴下をはかせると、熱がこもりすぎてしまい、かえって逆効果。たとえ気温の低くなる寒い季節であっても、室温が20℃から23℃に保たれていれば、靴下をはかせる必要はないでしょう。
赤ちゃんは汗の分泌量も多く、知らず知らずのうちに脱水症状に陥る可能性もあります。とくに睡眠中は汗をかきやすいので、布団の中で眠っている赤ちゃんに靴下をはかせるのは、意味がないどころか、赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。
睡眠中の赤ちゃんは暖めすぎないことが大切。室温を適切にコントロールし、衣服や布団を調節することで赤ちゃんが快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。
靴下をはかせない意見 感覚を刺激する
赤ちゃんに靴下をはかせない方が良いとする意見に、足裏を刺激して脳の発達を促す、という理由があります。ご存知のように足裏には体中に効くツボや反射区というものがあり、様々な体の部分に影響します。
これはもちろん赤ちゃんにも効果的で、赤ちゃんに靴下をはかせず裸足でいることで、これらのツボや反射区を刺激して血流が促進され、心身の発達への好影響が期待できるのです。
本来なら土や草の上などを歩き様々な刺激を得るのが一番なのですが、怪我の危険や衛生面を考えると難しいですから、せめて屋内では裸足でいて感覚を養って欲しい、と思う方もいらっしゃるのです。
赤ちゃんの手足が冷たい場合は靴下をはかせたほうがいい?
室内にいるときに赤ちゃんの手足が冷たいと感じた場合、靴下をはかせたほうがいいのでしょうか?いつもはぽかぽかと暖かいのに、突然手足がひんやりと冷たくなると、お母さんは焦ってしまいます。
風邪を引いたのでは?病気にかかったのでは?と不安に駆られてしまい、靴下をはかせたり、厚着をさせたくなりますが、これは正しい対処法といえるのでしょうか?
赤ちゃんの手足が冷たい場合の対処法とは?
赤ちゃんの体温調節のところで述べたとおり、赤ちゃんはまだ体温調節機能が完全にはたらいていないため、体温の調節が上手に出来ないときがあります。また体から熱がにげやすいため、手足だけがひんやりと冷たくなることがあります。
赤ちゃんの様子を観察する
手足が冷たいと感じたら、まずはおなかや背中の部分を触り確かめましょう。おなかや背中の部分が温かければ、手足が冷たくてもとりたてて心配する必要はありません。
手足が冷たいという理由だけで、寝ている赤ちゃんに靴下をはかせることはお勧めできません。熱があるかどうか心配な場合には、赤ちゃんの体温を念のため測ってみましょう。
赤ちゃんの体温は時間帯によって異なりますので、普段から平常時の体温を測り、記録しておくと安心です。
注意するポイントは、普段と変わった兆候があるかどうか。足先の色が紫色になるほど冷たい、ぐったりと元気がない、食欲がない、ぐずぐずと機嫌が悪いなど、普段と異なる異常な点があれば、躊躇せずに病院で診察を受けるようにしたほうが安心です。
体温が平常時と変わらず、赤ちゃんが機嫌良く、他にとくに異常が見られない場合は、そのまま赤ちゃんの様子を観察すれば大丈夫です。足先が冷たいからといって、すぐさま靴下をはかせるのではなく、まずは室温が適切肌着や掛け布団、そして室温を調節してみましょう。
靴をはかせるときは靴下をはかせる
靴をはかせて外出する際には、靴下をはかせてあげないと、赤ちゃんが足を痛めてしまう原因になります。赤ちゃんの足は小さく、とてもデリケート。
靴下をはかせずに靴だけはいてしまうと、靴擦れだけでなく、汗でムレてしまい、靴にいやな匂いや汚れが中敷についてしまいます。靴下は吸水性・通気性に優れたものを選ぶようにしましょう。
靴をはかせる場合には出来るだけ靴下をはいてもらうことが基本ですが、どうしても嫌がる場合には、靴を清潔に保てるよう、丁寧に洗ってあげるようにしましょう。またベビーフィートととも呼ばれる靴下と靴の中間のようなシューズにすると、抵抗なくはける赤ちゃんも多いようです。
また夏には素足にサンダルのほうが涼しく快適なような気がしますが、その場合は脱げにくく、赤ちゃんの足をしっかり保護してくれるようなサンダルを選びましょう。
赤ちゃんに靴下をはかせるときのポイントとは?
室内で赤ちゃんに靴下をはかせると、滑りやすく赤ちゃんが転んでしまうおそれがあります。また歩いているうちにずるずると脱げてしまったり、気がついたら片方だけなくなっていたりと、赤ちゃんに靴下をはかせるのはとっても面倒です。赤ちゃんに上手に靴下をはかせる際のポイントについて考えていきましょう。
滑り止めのついた靴下をはかせる
よちよち歩きの赤ちゃんは靴下をはいていなくても、ちょっとしたものに躓いて転んでしまいます。室内でフローリングの床の上では、なおさらのこと。赤ちゃんに室内で靴下をはかせる際には、足裏に滑り止めのついたタイプを選ぶようにしましょう。
靴下をはいた赤ちゃんがうっかり転ばないよう、床の上に段差のあるものやおもちゃは常に片付けておくことも大切です。
赤ちゃんの靴下が脱げるときの対策
今はかせたばかりなのに、気が付いたら赤ちゃんの靴下が脱げていた。外出中に片一方の靴下が脱げてしまい紛失した。赤ちゃんが自分で靴下を引っ張って脱がしてしまう。
赤ちゃんに靴下をはかせるようになったら、このような体験は日常茶飯事。赤ちゃんは足首が太く、靴下がずるずるとずりおちやすいことも、靴下が脱げる原因のひとつ。お座りが出来るようになった赤ちゃんは、自分の靴下を引っ張って遊ぶのが楽しく、はかせたばかりの靴下を引っ張って脱いでしまう、というシチュエーションもよく見受けられます。
靴下が脱げないような特別な工夫を凝らさなければ、お母さんが気付いたときには片方しかない靴下ばかりになってしまいます。
サポータータイプの靴下止めやハイソックスを利用する
靴下の上にはかせることで、脱げてしまうことを防ぐのがこのアイテム。サポータータイプで、靴下をしっかく固定するため、外出先でも室内でも、これさえあれば靴下が脱げてしまう、というお母さんの悩みが一気に解決されます。
動きが活発な赤ちゃんでも、これならどんなに引っ張っても脱げてしまうということがありません。ベビーカーでお出かけ中に、お気に入りの可愛い靴下を無くしてしまうというハプニングも防止できます。
外出するときは靴もきちんとはかせる
靴下と靴を一緒にはくのを嫌がる赤ちゃんもいるようですが、外出する際は靴下だけでなく、必ず靴もはかせるようにすると、靴下が脱げて紛失してしまうことがありません。
ベビーカーに乗せて外出する場合、赤ちゃんに歩いてもらう必要がないため、靴下だけをはかせてしまうお母さんもいるかと思われますが、ベビーカーで移動中に靴下が脱げてしまい、赤ちゃんの足元を冷やしてしまうこともあります。
たとえ赤ちゃんに歩く機会がないとしても、外出する際には靴下と靴の両方をはかせた方が安心です。
靴下付き靴について
室内で靴下をはかせたい場合には、靴下と靴の中間のようなルームシューズが便利です。これは靴下が付いた靴のようなもので、一人歩きを始めたばかりの赤ちゃんのトレーニングにも最適。靴下と靴のソールが組み合わさっていますので、簡易用の外歩きシューズとして利用するのも可能です。
靴下と靴の一体型なので、赤ちゃんにとってもはきやすく、お母さんにとってもはかせやすいのがポイント。いったんはかせてしまったら、あとは赤ちゃんの好きなように歩いてもらえるので、脱げた靴下をはかせる手間もありません。室内で靴下をはかせるとすぐに汚してしまい、洗濯が面倒というお母さんにもお勧め。
ソールはラバーの物は滑りにくく、靴よりは軽量で、初めての一人歩きに適しています。ソールがありますので、赤ちゃんの足をしっかり保護してくれるのもポイントの一つ。靴下と靴のメリットを兼ね備えており、赤ちゃんのよちよち歩きをサポートしてくれます。
タイツやレッグウォーマーも
季節によりますが、体はぽかぽかと温かいのに、手足だけひんやり冷たいときは、靴下をはかせるのではなく、タイツやレッグウォーマーで足もとをすっぽりと覆うことで、赤ちゃんの手足を温めてあげましょう。
まとめ
赤ちゃんに靴下をはかせるかどうか迷ったときに参考にしていただきたい情報をご紹介しました。
赤ちゃんの手足が冷たく冷えていると、そのままにしておくと風邪を引いてしまうのでは?と不安になり、つい厚着をさせてしまったり、分厚い靴下をはかせてしまうお母さんもいますが、これは必ずしも正しい方法とはいえません。基本的に室内にいて、体はぽかぽかしているときには、靴下をあえてはかせる必要はないと心得ておきましょう。
どんなときに赤ちゃんに靴下をはかせるべきか?どんなときは必要ないのか?赤ちゃんに靴下をはかせることに関する基本的な情報を知り、室内でも戸外でも赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげましょう。