男の子の赤ちゃん(乳児~幼児)の育児で知っておきたいこと

赤ちゃん 生活

赤ちゃんは一人ひとり違うもの。赤ちゃんは男の子も女の子も同じように見えて、実は生まれてからすでに男女差が現れています。ですから、男の子の赤ちゃんを持つお母さんは自分の子供時代と比べて、あまりの違いにどうやって男の子を育てていけばいいのかわからない方も多いのです。

特に元気がよすぎて喧嘩したり他の赤ちゃんを泣かせてしまうと、お母さんとしては周囲の目が気になって育児に自信が持てなくなってしまうケースすらあります。

しかし、男の子にしかないチャームポイントもたくさんありますから、お母さんが上手く導いて長所を輝かせるようにしたいです。そこでお母さんが悩みがちな、男の子の赤ちゃんの育児で知っておきたいことを詳しくご紹介していきます。

目次

男の子は大変?

男の子は大変?

男の子の赤ちゃんがいると「男の子は大変よ」「女の子の方が将来安心」と言った意見が周囲から聞かれますが、本当に男の子の育児は大変なのでしょうか。確かに女の子が座って人形遊びをしている間に、男の子はエネルギーが有り余って走り回り、お母さんは追いかけてクタクタになってしまうパターンが多いです。

しかしそのやんちゃぶりが可愛いかったり、男の子の言動や行動などを新鮮に感じて毎日が疲れるけど充実していると言うお母さんもいらっしゃるでしょう。やはり赤ちゃんやお母さんの性格によりますから、一概に男の子は大変・女の子は楽とは言い切れないのです。

男の子は可愛い!その理由

男の子は可愛い!その理由

あまり周りの流れを気にせずマイペースに成長する男の子が多いですが、それでも最も身近な異性であるお母さんに対しては、小さな時から自分が守らないといけない存在と考えています。

男の子は乱暴である一面、お母さんが大好き!と行動や言葉で表してくれる一面もあり、そのギャップにメロメロで育児は大変だけど苦にならないお母さんも実は多いのです。

赤ちゃんの時は抱っこしたらぎゅっと抱きしめてくれたり、話せるようになったら褒めてくれたり、大きくなったら何も言わなくても荷物を持ってくれたりと、成長しても変わらずにお母さんを大事に思ってくれる気持ちが、男の子は可愛いと言う理由につながるのです。

男の子の赤ちゃんの特徴

男の子の赤ちゃんの特徴

赤ちゃんは性別で育て方が異なると言われています。男の子は育てにくい・こんなはずじゃなかったと思うお母さんもいらっしゃるかもしれませんが、もしかしたら男の子の赤ちゃんの特徴を知らないだけなのかもしれません。

男の子の特徴を少しでもつかめれば我が子の育児の参考となりますし、子育てが楽になる大きなポイントとなるでしょう。それでは男の子の赤ちゃんの特徴をチェックしてみましょう。

男脳とは

男脳とは

生まれたばかりの赤ちゃんでも、男の子は女の子に比べると泣き声が大きいなと思ったことはないでしょうか。実は胎児時代に男性ホルモンを浴びることで、男の子は生まれる前から男性の特徴を持っていることがわかっています。

これはアンドロゲンシャワーと呼ばれ胎生15週~24週(妊娠17週~26週)にかけて起こり、これによって生殖器が男性化し赤ちゃんに男性の特徴が備わると言われています。またアンドロゲンシャワーは脳の構造だけでなく、自閉症など脳疾患因子の一つに数えられます。  参照:日本アンドロロジー学会ニュースレター

体が大きい

体が大きい

厚生省の21世紀出生児縦断調査によると、男の子の出生時平均体重は3.076kgで平均身長は49.2cmです。

女の子の場合は出生時平均体重が2.990kgで平均身長は48.7cmと、男の子が体重・身長どちらも上回っています。この違いは筋肉や骨格を作る男性ホルモンによるもので、女の子と比べると随分ズッシリしていると思うお母さんも多いでしょう。

筋肉も女の子よりついているので、新生児であっても足をバタつかせてベッド内を移動して家族をびっくりさせることもあります。

乱暴

乱暴

男性ホルモンは、身体面だけでなく精神面にも影響します。自分が一番になりたいという気持ちを叶えるために周りと争う闘争心や、自分のテリトリーを広げるための冒険心・さまざまなことを知りたい好奇心などの気持ちは、男性ホルモンが大きく関わっています。

確かに冒険家や、好奇心の赴くままに危ないことをするのは男の子がほとんどですね。ただ、赤ちゃんの頃はそういった感情をコントロールするのは難しいですから、他の赤ちゃんに乱暴してしまったりルールを中々守れないといった行動が出てしまいます。

落ち着かない

落ち着かない

寝てばかりいた赤ちゃんが動けるようになると、気になったものに向かって寝返りやハイハイで突進しますが、特にその傾向が強いのが男の子です。

歩けるようになるとすぐにいなくなってしまったり、座ってもじっとしていないので、外出先ではその対処に忙しく疲れてしまうお母さんも多いのではないでしょうか。

胎児期と出生後は大量の男性ホルモンを浴びますから、冒険心や好奇心が旺盛といった男性ホルモンの特徴が顕著になりやすいのが原因だと考えられます。

言葉の発達が緩やか

言葉の発達が緩やか

男の子の赤ちゃんを持つお母さんがもっとも心配しているのが、言葉の発達です。健診項目にある話せる目安や指差しが全く出来ないという男の子の赤ちゃんも珍しくなく、自閉症ではないかと心配するお母さんも多いです。

男性の脳は右脳と左脳を結ぶ脳梁という部分が細いため、左右お互いの情報を共有できずに言葉の発達が遅れてしまうのです。しかし成長するにつれて言葉も追いついてきますので、先生に相談して問題がないならば心配する必要はありません。

男らしさを求め過ぎない

男らしさを求め過ぎない

昔のように「男は男らしく、女は女らしく」といったステレオタイプの考えは少なくなりましたが、それでもつい「男の子だから泣かない」「男の子だから乱暴しない」と言ってしまうこともあるでしょう。

男の子といっても全員が活発ではなく、おとなしい子や優しい子・感受性が強くすぐ泣いてしまう子もいます。それはその子の大事な個性なのですから、たとえ男の子の元気なイメージから外れていたとしても、それをネガティブに捉える必要はまったくありません。

それよりも、これから成長していく上で自立し社会に役立つ人となるにはどうすればよいか、を両親がしっかり考えていきましょう。

男の子の赤ちゃんが遊ぶ時のポイント

男の子の赤ちゃんが遊ぶ時のポイント

特に男の子の遊びは、赤ちゃんの時からダイナミックです。ですから怪我をしたり喧嘩をしたりすることも多く、元気すぎる赤ちゃんのお母さんなら、トラブルの可能性を考えて外遊びに行きたくないと思ってしまうかもしれません。

しかし、遊びを楽しみながらルールを覚えていく絶好のチャンスですし、赤ちゃんを持つお母さんならお互い大変であることを分かっていますから、あまり周りを気にせずどんどん遊ばせてあげてください。

五感をフルに使った遊び

五感をフルに使った遊び

赤ちゃんは生まれてから、たくさんの外部からの刺激を受けて様々な体の器官を発達させます。

怪我をしたら危ないからとあまり外遊びをさせないお母さんもいますが、家の中では遊びがワンパターンになってしまい、刺激を受けるのが難しくなります。特に男の子は好奇心の塊ですから、ぜひとも体を大きく動かす遊びで発達のサポートをしていきましょう。

喧嘩したときは

喧嘩したときは

お母さんが対処に困ってしまうのは、他の赤ちゃんと喧嘩したり泣かせてしまったりすることではないでしょうか。男の子はプライドが高いので中々謝ろうとせず、さらに喧嘩に発展してしまうこともあります。そんな時は無理やり謝らせようとせずに、まずはお母さんが相手の赤ちゃんに「ごめんね」と謝りましょう。

そうやって見本を見せてから赤ちゃんを促せば、たとえその時は言うことを聞かなくても、こういう場面では謝らないといけないと少しずつ理解してくれるようになります。その間は少々大変ですが、お母さんがフォローに回るようにしましょう。

一人遊びの時間を見守って

一人遊びの時間を見守って

男の子もごっこ遊びが好きですが、電車を動かしたりヒーローとなって悪い敵と戦ったりといった自分の空想の世界で遊ぶ特徴があります。

ブロックで武器を作ったり電車を手に持って空想の旅行をしたりと、傍目から見れば一人で黙々と遊んでいるので、大丈夫かなと思ってしまうかもしれません。

しかし心配だからと口出しすると赤ちゃんはお母さんの言うとおりに動いてしまい、赤ちゃんの空想力や考える力が抑えられてしまいます。赤ちゃんが一人で楽しく遊んでいる時は、邪魔をせず見守りましょう。

女の子の遊びが好きでもOK

女の子の遊びが好きでもOK

中には男の子のような遊びよりも、女の子と一緒にままごとや人形遊びをするのが大好きという赤ちゃんがいます。

これはこれで心配というお母さんもいますが、赤ちゃんが楽しそうに遊んでいればそれで問題ないと考えましょう。赤ちゃんは目新しいものへと興味が移っていきますから、発達に伴って夢中になる遊びがどんどん変わっていきます。

女の子の遊びだからと無理に止めさせるのではなく、お母さんも一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。

叱る時のポイントは?

叱る時のポイントは?

何回叱っても全く分かってくれず、一日中叱っているお母さんも多いですね。男の子はお母さんに叱られたとしても、自分の好奇心が勝ってダメと言われたことをついしてしまう性格があります。

好奇心の赴くままに興味がコロコロ変わる男の子の赤ちゃんに対しては、叱る時も女の子とは違ったアプローチをする必要があります。自分の叱り方がなぜ赤ちゃんに効果的でないのかを、一度見直してみましょう。

理由を説明する

理由を説明する

男の子は女の子のように共感する気持ちが弱く、自分の好奇心のままに行動します。「痛いかも」「お母さんが困るかも」といった考えはないので、ダメでしょ!と叱っただけでは何がダメなのか理解できません。

道路に飛び出すなど命の危険がある時は問答無用でダメと言ってよいのですが、それ以外はなるべく○○だからしてはいけない、というように理由を説明すると赤ちゃんも理解しやすくなります。

最初から上手くはいかないのですが、根気よく説明しているうちに次第にわかってくれるようになりますので、諦めずに続けてください。

状況によりますが人の目の無いところで

状況によりますが人の目の無いところで

男の子は赤ちゃんでも、プライドというものを一人前に持っています。お友達と遊べるようになると、最初はどうしても喧嘩をしてしまいます。

その時にお友達がいる前で叱ってしまうと赤ちゃんのプライドが傷つき、お母さんが叱ると余計に反抗する可能性が出てきます。

叱る時はすぐその場でという意見もありますが、男の子の赤ちゃんならば二人きりになる場所まで移動してしっかり話し合った方が効果的です。

男の子は病気になりやすい?

男の子は病気になりやすい?

男の子は病気になりやすいという言葉をよく聞きますが、確かに周産期死亡率や乳幼児死亡率を見ると女の子よりも男の子の割合がわずかに上回っています。

染色体の違いや肺機能の成熟度が女の子よりも遅れる傾向にあることが、理由となっているようです。また、家でも外でも活動的なので怪我が絶えない男の子も多いですが、それを怖がって制限をつけてしまうと赤ちゃんに必要な刺激が得られません。

怪我や病気をしながら強く成長することもありますから、いつ怪我や病気をしてもよいようにしっかり準備だけは整えて、危ない時はきちんと叱り後は赤ちゃんの行動を見守るのみにしましょう。 参照:総務省統計局 周産期死亡率 乳幼児死亡率

男の子の赤ちゃんに多い病気

男の子の赤ちゃんに多い病気

実はかかりやすい病気にも性差があります。男の子の赤ちゃんは下痢やぜんそくにかかりやすく、免疫力が弱いので何回も病気になりやすいのも特徴です。

それ以外にも「自閉症スペクトラム障害などは、男の子を1とすると女の子は4分の1~3分の1と男の子の発症率が高くなっています。」参考:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター

もし普段から育てにくいと感じたり健診で指摘を受けた場合は、早めに詳しい検査をしてもらうようにしましょう。

スキンシップをより大事に

スキンシップをより大事に

叱ったり赤ちゃんを追い掛け回すのに疲れたという時には、赤ちゃんをぎゅっと抱っこして落ち着く時間を作りましょう。

男の子の赤ちゃんは乱暴で扱いづらいと感じて放置してしまうと、赤ちゃんはお母さんの注目を得ようと、より一層お母さんを困らせるような態度を取るようになり悪循環となってしまいます。

お母さんに抱っこされて嬉しくない赤ちゃんはいませんから、ぜひ一日何回でもたくさんスキンシップを取ってくださいね。

自立を促す子育てを目指す

自立を促す子育てを目指す

男の子は今は赤ちゃんでも、将来就職したり結婚して家族を持ったりと社会的に自立した人間になることを求められます。

ただ可愛いからと甘やかしてしまったり、親の言うことを聞かないくらいの暴れん坊だからと好きにさせてしまえば、将来一人の人間として社会と関わるのが非常に難しくなってしまうでしょう。

しかし、だからといって何でもかんでも厳しくしてしまうのも悪影響が出てきます。そういった部分を上手くバランスをとりながら「マザコン」と呼ばれないためにも、赤ちゃんの将来を見据えて子育てをしていきましょう。

ここまでのまとめ

男の子は体が弱い・育てにくいと言われていますが、お母さんを常に大事に思ってくれる優しさを持っています。

喧嘩をしたり危ないことをしたりと目が離せないこともありますが、優しさを尊重してその子のよい部分を伸ばせるような育児を目指しましょう。

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