赤ちゃんの肌は思わず頬ずりしたくなるほどツルツルでみずみずしいもの。その反面、とっても繊細で刺激に弱い部分があります。
赤ちゃんのお世話をして、オムツかぶれに悩むお母さんも多いのではないでしょうか。デリケートな赤ちゃんのお尻を、ツルツルでかぶれのない状態でキープするためにも、オムツかぶれの原因と予防法など知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。
赤ちゃんの肌について
赤ちゃんの肌は非常に薄く、とってもデリケートな状態です。大人の肌に比べると表皮が非常に薄く、さまざまな刺激に弱いため、ちょっとしたことにも敏感に反応してしまいます。
お母さんの肌ですら、赤ちゃんのお尻の状態に比べれば丈夫だと感じるのではないでしょうか。とってもデリケートな赤ちゃんの肌だからこそ、きちんとケアをして守ってあげなければなりません。
オムツかぶれとあせも・乳児湿疹の違い
赤ちゃんは肌が薄く弱いため、スキントラブルが多く発生します。新生児に起こりやすい乳児湿疹・夏場に多いあせもとオムツかぶれは、どれも共通して赤みが強く出てポツポツと湿疹のようなものが出てくるので、お母さんはどのスキントラブルか分からずに間違った手当てをしてしまう方もいらっしゃるでしょう。
これらの区別のポイントは赤みや湿疹ができる場所で、乳児湿疹は皮脂の分泌が多い頭皮やおでこ・耳に出来、あせもは首やひじ・ひざなど皮膚が重なっている場所に出来やすいです。
オムツかぶれはお尻や性器・肛門周辺だけに出来るので、赤ちゃんの赤いポツポツは体のどの部分にあるかをチェックすれば適切な対応が取れます。
オムツかぶれの原因や治し方は
さまざまな原因でオムツかぶれは起きますが、具体的にオムツかぶれはどのような状態になるのでしょうか。
おむつをつけている範囲にだけ、かぶれが生じていることをオムツかぶれと言います。赤いブツブツができていたり、広範囲で赤くただれていたり、湿り気のあるジクジクとした悪化した状態もあります。
見た目は少し赤い程度でも、お湯をかけて痛がったり、お尻を拭かれるのを嫌がったりする場合は、かぶれが始まっている可能性がありますので、早めに処置してあげることが必要です。
赤ちゃんがオムツかぶれを起こしてしまうのは、さまざまな原因があります。
おしっこ うんち
まず、おしっこやうんちの回数が関係していると言えるでしょう。赤ちゃんは、何度もおしっこやウンチをするもので、1日に7回~8回ほどウンチをすることも珍しくありません。おしっこに至っては1日に20回以上する場合もあるのです。
おしっこやウンチの頻度が高いということは、それだけ肌に排泄物がついている時間が長いということになります。
おしっこのアンモニアは、皮膚をかぶれさせてしまいますし、赤ちゃんのウンチは酸性が強いため、こちらもかぶれの原因になります。そのため、少しでも排泄した気配を感じたら、すぐにおむつを交換した方がいいと言えるでしょう。
素材によるかぶれ
赤ちゃんがオムツかぶれを起こしてしまう原因として、排泄物の刺激が影響していることをご紹介しましたが、別の要素も刺激になるのでご紹介しておきましょう。
実は、赤ちゃんによっては、おむつの素材がかぶれに繋がっていることがあります。使い捨てタイプの紙おむつの場合、化学繊維やゴム、吸水性の薬剤が刺激となりかぶれる場合があります。
赤ちゃんの肌はとても繊細ですし、アトピー症状を持っている赤ちゃんは、少しの刺激でも赤くかぶれてしまいます。
紙おむつでかぶれるようなら、布おむつにチャレンジし、様子を見てみると良いでしょう。布おむつなら、綿でできているので肌あたりが柔らかくかぶれにくいとされています。
布おむつのいい所と注意点
紙おむつにより、オムツかぶれが起きてしまっている赤ちゃんは、布のおむつにチャレンジしてみると良いでしょう。
綿素材なので肌あたりが柔らかく、低刺激なので安心です。ただ、布おむつはきちんと管理しなければ逆にかぶれる原因になるので注意しましょう。
まず、洗濯についてですが刺激の強い洗剤を使っていたり、柔軟剤のすすぎが不十分だったりすると、それに反応してかぶれてしまうことがあります。
また、乾きが不十分で生乾きの状態だと、お尻が蒸れてかぶれてしまうのでしっかり日光に当てて乾燥させるようにしましょう。また、暑い季節や湿度の高い季節だと、綿が湿気をうまく逃がせずに逆に蒸れてしまうこともありますので、季節によって紙おむつに切り替えてみるのも良いでしょう。
きついオムツでのかぶれ
オムツかぶれの原因は、おしっこやウンチによる刺激やオムツ内のむれだけではありません。サイズが小さいオムツだとウエストや足の付け根がゴムに締め付けられて擦れてしまい、かぶれの原因となってしまうのです。
赤ちゃんのオムツはテープを止めてオムツとおなかの間に指一本入るくらいの隙間があるべきなのですが、無理やり引っ張って内側にテープを止めてしまうようだと、それもまた擦れてかぶれてしまいます。
赤ちゃんは短期間にどんどん大きくなりますから、新生児用オムツはすぐサイズが小さくなってしまうので、沢山買いだめしない方がよいでしょう。かぶれを予防するためにも、オムツのサイズは赤ちゃんにフィットしたものを選んでください。
おしりふきが合わない かぶれ
おしりふきは赤ちゃんのオムツ替えになくてはならないアイテムですが、時としてオムツかぶれの原因にもなる事があります。
おしりふきはどれも天然素材成分・無着色・無香料などと赤ちゃんの肌に優しいものばかりですが、防腐剤のパラペンやアルコールが配合されているおしりふきを使うと、特に敏感肌の赤ちゃんはパラペンアレルギーとなってかぶれを起こします。
おしりふきは水分を多量に含んでいますのでこれらの防腐剤は必ず配合されているのですが、メーカーによっては不使用のおしりふきがあるので、気になる方はそちらを試してみては。また、柔らかい布やコットンにたっぷりお湯を含ませれば、おしりふきよりも安全ですしお尻もきれいになります。
夏のオムツかぶれ むれ
夏になると、オムツかぶれになる赤ちゃんが増えてきます。これは、たくさん汗をかいてお尻が蒸れるようになるからです。暑い季節は、おしっこやウンチに加えて、汗にも対策をしておく必要があります。
赤ちゃんの汗腺はまだ発達途中ですので、汗腺の出口が詰まりやすく、炎症を起こしてただれてしまうこともあるのです。オムツは、おしっこやウンチで濡れることが多く、そこにあせも追加されるので蒸れの状態はかなり強くなります。
通気性を重視したオムツに切り替えたり、こまめにシャワーを浴びて汗や汚れを洗い流したりしておくことで、清潔な状態を保てるようにしましょう。
皮膚の弱さと遺伝
どんなに対処しても、なかなかオムツかぶれが改善しないケースがあります。皮膚カンジダ菌症の可能性もありますが、もともと肌が弱いことも関係しているでしょう。
肌が弱い赤ちゃんの場合、オムツかぶれだけでなく、さまざまな所にかぶれが生じる可能性があります。汗をかきやすい腕のシワや、首なども一緒にケアしてあげると良いでしょう。
お父さんやお母さんの肌が弱いと、遺伝的に赤ちゃんも肌が弱く生まれてくることがあります。健康な状態でも肌が薄くてデリケートな時期ですから、より一層ケアに力を入れてあげる必要があるでしょう。
オムツかぶれの予防法、ならないための対策
オムツかぶれになると、回復するまでにある程度時間がかかってきます。それは、何度もおしっこやウンチをすることで刺激が継続してしまうからです。
オムツかぶれにならないためにも、オムツかぶれを引き起こしやすい原因を追究し、それらを避けることでオムツかぶれを予防していきましょう。
おむつチェックの間隔
オムツかぶれを予防するためには、おむつのチェックをこまめに行うことが大切です。いつも泣いたらオムツを確かめて交換するというスタイルの方は、時間を区切ってチェックするスタイルに切り替えていきましょう。1時間ごとにオムツをチェックするようにすれば、ウンチやおしっこにお尻が触れている時間がより短くなります。
お尻を乾燥させよう
オムツかぶれを予防するためには、蒸れない状態にしておくことが大切です。オムツを交換する時は、すぐにおむつを装着するのではなく、少しお尻の肌を休ませてあげることも大切です。
うちわであおいで乾燥させたり、ベビーパウダーを薄くつけて蒸れを防止したりするのも良いでしょう。
ただ、あまり長い時間オムツをつけていないと、ちょっと目を離したすきにウンチやおしっこをされてしまうこともありますので、注意が必要です。
強く拭き取らない
オムツかぶれを予防するためには、ウェットティッシュやおしりふきで、ゴシゴシ拭き取らないことが大切です。赤ちゃんのお尻はとっても繊細なので、何度も擦ることで皮膚が弱ってしまいます。
柔らかいガーゼで大まかな汚れを取り除いたら、洗面器にお湯を張って洗い流してあげると良いでしょう。かけ湯をしたり、シャワーで洗い流したりすることで、お尻の皮膚が擦られることを防ぐことができます。
ワセリンを塗る
オムツかぶれを予防するために、汚れを洗い流して乾かしたら、ワセリンを薄く塗って皮膚を保護しておきましょう。次におしっこをしたり、ウンチをしたりしたときの刺激が肌にダイレクトに伝わりにくくなりますし、皮膚の回復にも役立ちます。
相性の良いおむつを試してみる
メーカーによって、おむつの機能性は異なります。サイズや素材など相性の良いおむつを見つけることが大切です。
布おむつの方がかぶれないという赤ちゃんもいれば、吸水性の高い紙おむつの方がかぶれないという赤ちゃんもいます。また、月齢によっても適したオムツは変わってきますので、一度に大量に買うことは避け、少しずつ調整していくようにしましょう。
赤ちゃんの動き
赤ちゃんの月齢により、サイズだけでなく動きも変わってきます。新生児の頃の赤ちゃんは、寝ている体勢が多くあまり動くことは少ないので、蒸れにくい素材のおむつを選ぶようにすると良いでしょう。また、首が座り始めると縦に抱っこする機会が増えて腰周りに隙間が出てきやすくなります。伸縮性の高い素材のおむつにすることで、ずれたり漏れたりすることを防げるでしょう。
さらに、寝返りやつかまり立ちなどアクティブさが出てきたら、ストレッチが効いている素材のおむつが最適です。いろんな方向に身体を動かすので、ずれてしまうとその刺激が肌に伝わり、かぶれの原因となることがあるでしょう。
こまめに体勢をチェンジ
オムツかぶれがひどい場合は、こまめに体制を変えてあげることが大切です。ベビーカーに座らせたままの時間が長いと、おむつとお尻が密着しやすくなり、かぶれがひどくなる恐れがあるからです。
車移動をするときも、ベビーシートに長時間座りっぱなしにならないように気をつけましょう。お尻が蒸れてかぶれそうだなと思った時は、おむつを外して外気に当てて乾燥させる事も大切です。
暑い季節なら、一定の時間おむつなしで過ごしてみるのも良いでしょう。おしっこやウンチが心配な場合は、お湯の入っていないベビーバスに座らせておいたり、シートを下に引いたりしておくと安心です。ただ、寒い季節は体温が下がり、風邪を引かせてしまう恐れもあるので室内温度を上げてから、お尻を乾燥させるようにしましょう。
肌ケアの考え方について
オムツかぶれが出てくると、赤ちゃんの肌をどうケアすればよいのか戸惑うこともあるかと思います。ウェットティッシュやおしりふきで拭き取らないようにし、お湯やシャワーで汚れを洗い流すことが大切ですが、キレイにした後はどんな肌ケアをするべきなのでしょうか。
基本的に、赤ちゃんの肌はスキンケアを必要としないことが多いため、化粧水やクリームを塗る必要はありません。皮脂の分泌が活発な赤ちゃんの場合、かえってスキンケアをすることで肌の状態が悪化してしまう恐れがあるからです。
しかし、オムツかぶれをどうにかしてあげたいという時は、皮膚をコーティングするワセリンを薄く塗ってあげると良いでしょう。また、ドラックストアで販売されているオムツかぶれ用の軟膏を塗るのもオススメです。
軟膏を塗るときは、手や指を清潔な状態にしてから塗るようにしてください。ステロイドが気になる場合は、非ステロイド対応の軟膏も販売されているので、薬剤師に相談してみると良いでしょう。ただ、オムツかぶれが長引く場合はステロイドが必要になる場合もあります。
その時は、病院で一度診察を受けて状態を確認してもらい、病院で処方された軟膏を使用するようにしましょう。
月齢で変化するかぶれ
オムツかぶれがひどいと、この先もずっとオムツかぶれが続くのではと思いがちです。しかし、月齢が進むにつれておしっこやウンチの回数も減ってきますし、おむつを替えるタイミングも決まってくるので、少しずつオムツかぶれも落ち着いてくるでしょう。また、月齢が進むとトイレトレーニングも始まるので、おむつをつける時間が短くなっていきます。
おむつをつけている時間は、終わってみると長いようで短いものですから、心配なオムツかぶれも今だけのことと思い、悪化しないようにケアしてあげるようにしましょう。
皮膚カンジダ菌症について
おむつをつけている範囲だけ、かぶれが起きるのがオムツかぶれですが、別の原因が隠されていることもあります。お尻だけが赤くなったり、脚の付け根に症状が現れたりするものとして、皮膚カンジダ菌症というものがあるのでご紹介しておきましょう。
皮膚カンジダ菌症とは、カンジダ菌というカビの一種が原因となり引き起こされるかぶれです。赤いブツブツができるので、一見オムツかぶれと間違えやすいですが、適切に処置をしても症状が長引く場合は、一度診察を受けて確かめてみると良いでしょう。
病院で適切に処置を受ければ、また綺麗なツルツルのお尻に回復することができます。
かぶれを繰り返す場合は病院へ
オムツが外れる2歳くらいまでは、程度の差はあれ多くの赤ちゃんがオムツかぶれを経験します。成長すればおしっこやウンチの回数が減ってくるので、だんだんとオムツかぶれになる回数は減ってくるでしょう。
しかし、直ったと思ったらすぐにまたかぶれてしまう場合は、慢性的な皮膚炎の可能性があるので一度病院で検査を受けましょう。
何回もオムツかぶれになってしまう子は、敏感肌を通り越してアトピーである可能性も考えられます。適切な治療を行えば数日できれいになりますから、ただのかぶれと思わずに病院に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
赤ちゃんのオムツかぶれについてさまざまな原因や、予防方法などをご紹介しました。1日に何度もおしっこやウンチをする赤ちゃんですから、オムツかぶれが起きやすいのは当然のことです。
こまめにおむつを替えて、優しくケアしてあげることで、オムツかぶれを予防することができるでしょう。また、オムツかぶれが起きてしまった時でも、早めにケアすることで悪化を防ぐことができます。
月齢や動き、季節により適したオムツは変わっていきますので、状態によっていろんなおむつを試してみることも大切です。心配な場合は早めに病院で状態を見てもらい、赤ちゃんのオムツかぶれを1日も早く改善していきましょう。