赤ちゃんのあやし方について知っておきたいこと

赤ちゃんのあやし方について知っておきたいこと コツ 方法 どんな時 月齢 対処方法 注意点 など 赤ちゃん 生活

にこにこ笑っているときや眠っている姿は天使のように可愛い赤ちゃん。でもいったん泣き出すとなかなか泣き止んでくれず、お母さんやお父さんを困らせます。

赤ちゃんは泣いたり、ぐずったりするものと分かってはいるものの、いつまでも止まない赤ちゃんの泣き声にストレスを溜めるお母さんも多いのが現実。どんなことをしても泣き止んでくれないのはお母さん失格?と自己嫌悪に陥ってしまう方も多いようです。

赤ちゃんがぐずったり泣き止まないときに赤ちゃんの上手なあやし方。赤ちゃんのぐずり泣きに対応するには、効果的なあやし方や対処方法を心得ておくことが必要です。赤ちゃんのあやし方について知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介します。

赤ちゃんが泣きぐずる原因について

赤ちゃんが泣きぐずる原因について

赤ちゃんの上手なあやし方について挙げていく前に、まずは赤ちゃんがどうして泣きぐずるのか、その原因について考えてみましょう。赤ちゃんがどうして泣いているのか、その原因が分かれば効果的な対処法を取ることができます。

赤ちゃんが泣く原因は大きく分けて二つに分類できます。ひとつは身体的な不都合や苦痛が生じているため、もうひとつは精神的な要因によるもの。以下にそれぞれについて詳しく挙げてみました。

身体的・生理的な要因によるもの

身体的・生理的な要因によるもの

身体的な要因をいくつか挙げると、おなかがすいた、体に痛みや痒みを感じている、おしっこやうんちでおむつが濡れている、げっぷが出ていない、湿疹やあせもが気持ち悪い、発熱している、風邪を引いている、部屋が寒すぎる・暑すぎる、鼻がつまっているなど。この他病気にかかっているために体の具合が悪い可能性もあります。

精神的・情緒的な要因によるもの

精神的・情緒的な要因によるもの

精神的な要因とは身体に不調がないにも関わらず生じるもので、寝ぐずりや夜泣きがその代表。赤ちゃんの睡眠リズムは昼夜のリズムが確立されるにしたがって徐々に整っていきますが、睡眠リズムが完全に整うまでには時間がかかります。

夜泣きや寝ぐずりは生後6ヵ月前後から1歳半くらいによく見られる症状で、赤ちゃんの発達成長プロセスの一過程といえるでしょう。

人見知りや個性によるもの

人見知りや個性によるもの

精神的な要因によるぐずり泣きの原因は、月齢によっていろいろ。お母さんやお父さんのように身近にいる人とそうでない人の区別がしっかりつく時期になると、お母さんに抱っこしてもらいたい、甘えたい、遊びたいといった理由でぐずることが増えてきます。知らない人に抱かれるのを嫌がるだけでなく、中にはパパ見知りをする赤ちゃんも出てきます。

生後3、4ヶ月目までは誰が抱いても嫌がることはありませんが、お母さんに対する愛着が深まるにつれ、お母さん以外の人に対して人見知りをし、泣き出すことも増えてきます。赤ちゃんは生後5、6ヶ月頃からお母さんとそれ以外の人との区別がはっきりするようになります。

また赤ちゃんの個性が形成される時期になると、自分のしたいことができずにぐずる場合や、眠いのにまだ遊び足りない、といった理由も加わります。

赤ちゃんがぐずる理由を見極める努力

赤ちゃんがぐずる理由を見極める努力

赤ちゃんが泣き止まず、ぐずって困るときはまず赤ちゃんを抱き上げるようにします。赤ちゃんを抱き上げてあやしているうちに、ぐずり泣きがおさまり機嫌が良くなる場合は、お母さんに抱かれたくてぐずっていた可能性が高いでしょう。

抱き上げてあやしてもなおらないときは、熱がないかどうか、おむつが濡れてないかどうか、おなかがすいていないかどうか、といったことを確認してみましょう。

月齢ごとの違い

赤ちゃんが泣き続けたり、ぐずったりする理由は月齢によっても異なります。赤ちゃんを上手にあやすためには、月齢によってぐずり泣きをする理由が違うことを理解することが必要です。

赤ちゃんのあやし方のコツやポイントについて挙げる前に、まず赤ちゃんがどんな時にぐずるのかを月齢ごとに見ていきましょう。

生後2、3ヵ月目頃まで

生後2、3ヵ月目頃まで

生まれてすぐの赤ちゃんはとにかくよく泣きます。おなかがすいた、眠くなった、おむつが濡れて気持ち悪い、などの生理的な理由から泣き出すことが多く、原因さえ取り除いてあげれば、すぐに泣きやんでくれることもあります。

おなかがすいていれば授乳、おむつが濡れていれば取り替える、といったようにすぐに解決できることが多いので楽な気がしますが、その反面もっと大変なことも。生まれてすぐの赤ちゃんは授乳回数が多く、おなかがすくたびに泣かれてしまうのでお母さんは心が休まる暇がありません。

他にもお母さんの母乳がうまく飲めずに泣きてしまう赤ちゃんもいれば、とくに理由もなく泣き続ける赤ちゃんも。総じて生後1ヵ月は赤ちゃんがいちばんよく泣く時期といえるでしょぅ。

月齢5、6ヶ月頃

月齢5、6ヶ月頃

この頃になると夜泣きや黄昏泣きを始める赤ちゃんも増え始めます。黄昏泣きは生後8ヶ月がピークといわれていますが、赤ちゃんごとに個人差が大きく、早い子では生後4、5ヶ月頃から始まり、満2歳頃まで続くことがあります。

夜泣きや黄昏泣きの場合は、抱き上げてあやすだけでは泣き止んでくれません。あやし方のポイントやコツをしっかり覚えておくことが大切です。

生後半年頃になると人見知りやパパ見知りも始まり、お母さん以外の人に抱かれると泣き出す赤ちゃんも多くなります。抱き上げられることを嫌うだけでなく、話しかけられたり、側に寄られるだけで激しく泣き出す赤ちゃんも。夜泣きに加えて人見知りやぐずり泣きも始まり、お母さんにとっては精神的に辛い時期かもしれません。

赤ちゃんのあやし方のコツとは?

赤ちゃんがぐずり泣きをするときのあやし方のポイントや注意点について、いろいろなコツをひとつずつみていきましょう。

赤ちゃんをあやすことは赤ちゃんとのコミュニケーションの一環。ぐずり泣きをなだめるだけでなく、あやすことで赤ちゃんが可愛い笑顔を見せてくれることを楽しみに頑張りましょう。

まず抱き上げる

まず抱き上げる

赤ちゃんがぐずっていたらまずは抱き上げて優しく話しかけてみましょう。お母さんに抱かれたい甘え泣きはほとんどの場合、抱き上げ、背中をとんとんとしたり、優しく話しかけることでおさまります。

言葉のしゃべれない赤ちゃんが泣くのは、お母さんに注目してもらいたいから。赤ちゃんがぐずり泣きをしたら、何をしていてもまず声をかけ、それから抱き上げるようにしましょう。

抱き方を変えてみる

抱き方を変えてみる

抱き方を変えることでうまく赤ちゃんをなだめられる場合があります。赤ちゃんによっては横抱きを好む子もいれば、縦抱きのほうが好きな子もいますので、どんな抱き方をするといちばん効果的か、いろいろ試してみましょう。

首がすわる前の赤ちゃんは横抱きが基本といわれていますが、げっぷをさせるときは縦抱きにします。首が座っていなくても短時間であれば縦抱きしても大丈夫。縦抱きをする際には、赤ちゃんの頭と体がぐらつかないよう、しっかりと頭を支えます。

赤ちゃんの中にはお母さんの上半身と密着できる縦抱きのほうが大人しくなることもあります。横抱きで赤ちゃんを寝かせ、耳元で優しく子守唄を聞かせることも効果的。赤ちゃんがぐずって困ったら、抱き方を少し変えてみましょう。肩こりや腰痛のある方は、抱っこ紐を利用すると身体にかかる負担を減らせます。

優しく揺すってあげる

優しく揺すってあげる

横抱きに抱き上げた状態で赤ちゃんを優しく揺すってあげることも効果的です。ゆらゆらとゆっくり揺すってあげるようにしましょう。このときの注意点は静かに優しく揺すること。赤ちゃんの頭や身体がぐらぐらするような強い揺さぶりを与えることは危険ですので絶対にやめましょう。

赤ちゃんの首が座るまでの間はとくに注意が必要です。縦抱きに抱いている場合には、赤ちゃんの背中を優しくとんとんと叩いたり、さすってあげるようにしましょう。

赤ちゃんが安心できる音や音楽を聞かせる

赤ちゃんが安心できる音や音楽を聞かせる

赤ちゃんが好む音や音楽を聞かせることも赤ちゃんをあやすのに効果的です。テレビの砂嵐やラジオのノイズなど、赤ちゃんがお母さんのおなかの中で聞いていた音に近い物を聞かせると、眠りに入りやすいといわれています。

このような音はホワイトノイズと呼ばれ、雑音をシャットアウトしてくれますので、赤ちゃんが落ち着きやすく、眠りに入りやすくなります。赤ちゃんが安眠できる音楽やホワイトノイズのスリープアプリを利用するのも、赤ちゃんをあやすひとつの方法です。

戸外であやしてみる

戸外であやしてみる

部屋の中であやしてみてもまったく泣き止まないときは、赤ちゃんを戸外に連れ出してみましょう。周囲の環境が変わり、戸外の風景を目にすることで落ち着く赤ちゃんもいます。

車に乗せてドライブすることが効果的な場合もあります。車の心地よい振動を感じることで泣きやみ、そのまま寝入ってしまう赤ちゃんもいるようです。

赤ちゃんを車に乗せる際の注意事項

赤ちゃんを車に乗せる

赤ちゃんを車に乗せるときには安全に十分に注意しなければなりません。首の座った赤ちゃんでも長時間チャイルドシートに乗せることは控えたほうが安心です。急ブレーキや急発進の際の振動は大人にとってはさほど負担になりませんが、赤ちゃんの体には大きな衝撃として感じられます。

後述する揺さぶられ症候群のリスクをなくすためにも、赤ちゃんを車に乗せてあやす際にはくれぐれも赤ちゃんの安全に注意しましょう。とくに生後2、3ヶ月目までの赤ちゃんを車に乗せる際には、時間も走行距離も短くすることがポイントです。

おくるみで包んであげる

おくるみで包んであげる

赤ちゃんをおくるみや柔らかいガーゼタオルなどでしっかりとくるんであげることも、赤ちゃんをあやすときのひとつの方法です。

お母さんの腕と胸で赤ちゃんをしっかりと抱くだけでなく、おくるみやガーゼケットなどでしっかり包んであげると密着感がさらに増し、赤ちゃんが安心感を抱けます。

赤ちゃんをあやす際の注意点とは?

黄昏泣きや夜泣き、そして人見知りによるぐずり泣きなどは、お母さんがどんなにあやしてもなかなか泣き止んでくれません。

自宅に赤ちゃんと二人きりでいるときに赤ちゃんが泣き出してしまい、どんなことをしても泣き止んでくれないと、お母さんは精神的に追い詰められてしまいます。赤ちゃんの泣き声にイライラしたときの対処法や注意点について挙げてみましょう。

ひとりで悩まないように

ひとりで悩まない

赤ちゃんの夜泣きやぐずり泣きをお母さんひとりで抱えていても、問題はまったく解決しません。精神的に追い詰められてしまい、お母さんが育児ノイローゼになると赤ちゃんやお父さんはさらに大変な状況に陥ります。

赤ちゃんの夜泣きやぐずり泣きはひとりで抱えず、赤ちゃんのお父さん、祖父母、その他の家族、友人、お住まいの地区の育児相談窓口に相談し、手助けを求めるようにしましょう。ひとりで悩んでいると赤ちゃんに対する気持ちも複雑なものになりがち。育児に大変なときは遠慮せず、周囲の方に理解と協力を求めましょう。

乳児揺さぶり症候群とは?

乳児揺さぶり症候群とは?

赤ちゃんをどんなにあやしても一向に泣き止んでくれないのは辛いもの。赤ちゃんに対する理不尽な思いに駆られるお母さんがいてもおかしくありません。

しかし赤ちゃんに対してどんなにイライラが募っても、赤ちゃんを揺さぶったり、どなったりすることは絶対にしてはいけません。赤ちゃんは泣き止まないどころか、さらに激しく泣き出してしまいます。

また赤ちゃんを激しく揺さぶることより、乳児揺さぶり症候群のリスクが生じます。赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまい、感情をコントロールできないときは、赤ちゃんの側からいったん離れる、お父さんや家族に任せるなどの対応が求められます。

乳児揺さぶり症候群のリスク

赤ちゃんの頭がぐらぐらするほど揺さぶることは、赤ちゃんの命にかかわるリスクを招きます。乳児揺さぶり症候群と呼ばれる症状がこれで、首の座っていない赤ちゃんを激しく揺さぶったり、上下に振り回したりすると、くも膜下出血や脳挫傷といった深刻なダメージが生じるおそれがあります。

赤ちゃんを揺らしてあやす場合の注意点

赤ちゃんを揺らしてあやす場合の注意点

首の座っていない赤ちゃんを揺する場合は、ごく弱い力でゆっくり優しく行うように注意しましょう。赤ちゃんを揺りかごやバウンサーに乗せた状態で強く揺らすことも危険です。上のお子さんがまだ小さい場合には赤ちゃんと二人きりにしないように注意しましょう。

首の座った赤ちゃんにしても同様で、高い高いをして遊んであげるときや、体を急激に左右・上下に振り回すときも、勢いあまって赤ちゃんの体に急激な揺さぶりを与えないように注意しましょう。

まとめ

赤ちゃんの上手なあやし方についてぜひ知っておきたい情報をご紹介しました。言葉で自分の気持ちや状態を表現することのできない赤ちゃんにとって、泣くという行動はお母さんやお父さんに対する唯一のはたらきかけ。

月齢の低い赤ちゃんの場合は、おなかがすいた、おむつが濡れた、眠くなったなどの生理的なものが多く、月齢が上がるにつれて人見知り、黄昏泣き、夜泣き、かんしゃくによるぐずり泣きが増えてきます。赤ちゃんをあやす際にはどうして泣いているのか、その原因を突き止める努力を行い、その上でもっとも効果的と思われる方法で対応するようにしましょう。