赤ちゃんにとって、泣くのは仕事のひとつと言われています。しかし、泣いてばかりいられるとお母さんとしては困ってしまいますよね。特に最初の頃は、何が原因で泣いているのかサッパリわからず、頭を抱えてしまうことも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが泣きだすと、つい耳をシャットダウンさせたくなりますが、泣き声を良く聞くことでその特徴に気づくことができます。
泣き声により何を訴えているのかわかることができれば、頻繁に泣いてしまう赤ちゃんのお世話もずいぶん楽になることでしょう。そこで、赤ちゃんの泣き声について特徴や対処方法など幅広い情報をご紹介していきます。
赤ちゃんが泣く理由とは?
赤ちゃんの泣き声を聞き分ける前に、まず何故赤ちゃんが泣くのかについて簡単にお伝えしておきましょう。赤ちゃんが泣くのは、唯一の表現方法だからです。
言葉を話すことができず、初めてのことを理解できない赤ちゃんにとって、戸惑いや不安、身体の不調などは全て泣き声で表現されるようになっています。
簡単に分けると、泣いていない時は平常で、泣いているときは何か変化が起きているということです。泣き声は赤ちゃんからのメッセージと捉え、しっかり聞いて分析していきましょう。
泣き声の特徴・種類で赤ちゃんの状態を把握
赤ちゃんの泣き声は、よく聞いてみるとどれも同じではありません。ギャーギャーと声を荒げて泣くこともあれば、悲しそうにグズグズと静かに泣くこともあります。それぞれの泣き声が異なるのは、泣いている原因が異なるからです。
泣き声の特徴を捉えることで、次第に赤ちゃんが何を求めているのか、わかるようになるでしょう。赤ちゃんの泣き声の特徴は、大きく分けると5つに分類することができます。
音としては、「ネー」「オー」「へー」「イヤー」「ウエッ」という聞こえ方に近くなります。それぞれの特徴と原因を詳しく見ていきましょう。
「ネー」の泣き声
赤ちゃんが「ネー」というようにナ行のような発音で泣き声を発している時は、お腹が空いていたり、おっぱいを口に含んで安心したりしたい時が多いと言われています。
舌を上あごにくっつけて泣くことから、「ネー」「ナー」というようにナ行の泣き声が出てくるのです。舌を動かすのは、おっぱいを求めているサインと考えられています。
赤ちゃんが「ネー」と泣いているときは、おっぱいを与えると泣き止んでくれるでしょう。
「オー」の泣き声
赤ちゃんが「オー」という泣き声で泣いているときは、眠くてぐずっていることが多いです。あくびをするような形で泣いているため、「オー」という泣き声になりますが、眠そうに眼をこすったり、ムニャムニャぐずったりする様子が見られるので、比較的原因がわかりやすい泣き声と言えます。
赤ちゃんは、眠くても上手く眠れないこともあるため、トントンと胸をたたいてあげたり、おでこや頭をそっと撫でたりして、リラックスさせてあげるようにすると、気持ちが落ち着いて泣き止み、スムーズに眠ることができるでしょう。
「へー」の泣き声
赤ちゃんが「へー」という泣き声で泣く場合、オムツが汚れていたり、汗が気持ち悪かったりすることが多いです。赤ちゃんによっては、「ホヘホヘ」と息をするように泣いたり、「ウェー」と泣いたりすることもあります。
ウンチやおしっこで蒸れを感じたり、汗が気持ち悪いと感じたりすると、「へー」と泣くため、不快さが体調不良と関係しているのではないかと心配する必要はないでしょう。
「イヤー」の泣き声
赤ちゃんが「イヤー」という泣き声で泣く場合、ウンチが出てくるサインと考えられます。「へー」の泣き声と似ているため、どちらが原因かわかりにくい部分がありますが、脚をバタバタさせたり、身体に力が入っていたり、頭を動かしたりする様子が多いようなら、ウンチが原因である可能性が高いでしょう。
また、お腹の中にガスがたまっているときも「イヤー」という泣き声になるため、ベビーマッサージでお腹をほぐし、ガスやウンチをスムーズに出せるようにしてあげてください。
「イヤー」と泣き声を発っしている時、おむつが汚れているのかもしれないと勘違いして外してしまうと、思わぬアクシデントに見舞われる可能性もあるので注意しましょう。
「ウエッ」の泣き声
赤ちゃんが「ウェッ」と短めの泣き声で泣いているときは、ゲップが上手く出せていない可能性があります。舌を前後するように「ウェッ」と泣いていたり、ぐずっていたりするようなら、縦に抱っこしてポンポンと背中をたたき、ゲップを出しやすくしてあげましょう。
赤ちゃんによっては、泣かずに「ウェッ」という声を出し続けることもあります。仰向けの状態でいると、ゲップと一緒に嘔吐して気管に詰まる可能性もあるので、横向きや縦に抱っこしてゲップを出させてあげましょう。
十人十色の泣き方
ご紹介した赤ちゃんの泣き声は、もちろんすべての赤ちゃんにあてはまるというわけではありません。赤ちゃんによって微妙に泣き声の表現方法は異なりますし、全く違う泣き声で要求していることもあります。
この泣き声をしているから、この原因に決まっていると決めつけてしまうと、赤ちゃんが本当に求めていることが見えにくくなってしまいますので、それぞれの赤ちゃんの個性に合わせて鳴き声を聞き分けられるようにしましょう。
わからないときはメモしよう
赤ちゃんによって、泣き声の特徴は異なります。そのため、赤ちゃんがこう泣くときはこんな症状が見られたとメモしておくようにしましょう。
最初は泣き声を聞き分けることができないとしても、次第に特徴を捉えていくことができますし、何が原因かもわかりやすくなってきます。こんな泣き声の時は、ウンチをした。
この泣き声の時はおっぱいをあげたら泣き止んだ、というようにひとつひとつメモしていくことにより、早く赤ちゃんの泣き声の特徴と、原因を結びつけることができるでしょう。
まずは抱っこすることが大切
赤ちゃんが泣いているときは、泣き声の特徴を捉えることで原因が見えてきます。しかし、じっと観察しているだけで判断することは難しいですし、何より赤ちゃんが泣いている状態ですから、まずは抱っこして落ち着かせてあげましょう。
赤ちゃんが泣いているのは、不快さや不安などがあって安心を求めているということです。お母さんが抱っこし、スキンシップをしっかり取ってあげることで、不安な気持ちが落ち着いてくることでしょう。
徐々に気持ちが落ち着いてきたら、泣き声の原因に合わせて対処することで、根本から解決することができます。泣いていたらまずは抱っこして、それから原因の究明と解決をするのが、赤ちゃんにとって心地よい流れと言えるでしょう。
新生児~生後3ヶ月の泣き声の意味
新生児の泣き声は生理的に不快なものに基づいていて、赤ちゃんが泣くのは空腹・排尿・温度・皮膚への刺激のいずれかが原因と思ってよいでしょう。
ですからこの時期の赤ちゃんが泣いた時は、まずオムツがぬれていないかを確認し、それでも泣き止まない場合は母乳・ミルクをあげてみましょう。
意外な原因なのが温度で、赤ちゃんが寒いだろうからと沢山布団をかけてしまいますが、赤ちゃんの体温調節機能は未熟なため熱がこもって体温があがり、その不快感から泣く事も多いです。
手足が少々冷たくてもお腹や背中が温かければ問題ありませんので、こまめに赤ちゃん周りの環境をチェックしましょう。
生後4ヶ月~6ヶ月の泣き声の意味
話せなくとも自我が芽生えて順調に感情の発達が進んでいるこの時期は、まさにその感情が原因で泣いてしまう事が多いです。
手足を動かしたいのに出来なかったり、眠くても上手く眠りに入れないと言ったもどかしさを、泣く事で表すようになります。ぐずるように泣く赤ちゃんが多く、今までのように母乳・ミルクやオムツだけでは泣き止まないので、お母さんは悩んでしまうかもしれません。
もう少し体が動くようになればこのぐずりも少なくなりますから、一旦家事の手を止めて赤ちゃんを抱っこしたりマッサージしたりとスキンシップを沢山とるようにしましょう。
生後7ヶ月~11ヶ月頃の泣き声の意味
お座りが出来るようになって、更に自分の手足を使って好きな所で移動できるようになる時期です。これまでは自我が発達していましたが、次の段階として自分と自分を世話してくれる相手との相互関係に目が向くようになります。
一番そばにいるお母さんを愛着の対象と見て、少しでも姿が見えなくなると不安になって泣いて後追いし始めます。
個人差がありますが、後追いは少し言葉がしゃべれるようになり周りと意思疎通ができる1歳ごろまで続くと言われているので、離れる時は赤ちゃんに一声かける・赤ちゃんの目に入る場所にいつもいる・抱っこやおんぶで密着するなどの対策を採りつつ、気長に後追い卒業するまで付き合ってあげましょう。
泣きすぎて声がおかしいときは?
どんな事をしても、赤ちゃんが泣き止まない時はあるものです。しかし、あまり長く泣いていると中には声が掠れたようになってしまう赤ちゃんもいて、お母さんは更に心配が募るのではないでしょうか。
これは声枯れといって長く泣きすぎて声帯が腫れてしまうために起こるので、しばらく激しく泣かせないようにすれば元に戻ります。ただ心配なのは感染で炎症をおこした声枯れで、そのまま放置すると気管支炎になる恐れがあります。
そういう時は熱や鼻水・咳といった他の症状が必ず付随するので、全身をよくチェックしてください。また乾燥も声枯れの一因ですから、エアコンの温度を下げすぎない・加湿器をつけるなどの方法を試してみましょう。
泣いている原因がわからない場合は?
赤ちゃんの泣き声だけで何が原因かわかるようになるのは、時間がかかります。しかし、次第に泣き声の特徴や原因がわかるようになっても、泣き止まないこともあるでしょう。
何が原因で泣いているのかわからない時は、病気や怪我など思わぬ事態が発生していることもあります。赤ちゃんの機嫌は健康のバロメーターでもあるので、何をしても泣き止まない時は一度病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんの泣き声の特徴や原因、対処方法についてご紹介しました。徐々に理解していくことができますので、焦らずしっかり観察し続けることが大切です。
赤ちゃんの泣き声を把握することができたら、親子にとってまたひとつ強い絆が生まれることでしょう。