赤ちゃんの「でべそ」について知っておきたいこと

赤ちゃんの「でべそ」について知っておきたいこと 赤ちゃん 生活

泣き叫んでいる赤ちゃんをあやしに行くと、おへそが飛び出していてビックリ!でべそ状態になっているので、身体に異変があるのではと不安になったり、このまま定着してしまうのではと心配になったりするお母さんも多いことでしょう。

実は、赤ちゃんのでべそ現象はよく起きることで成長と共に治っていくため、心配する必要はありません。しかし、なぜ赤ちゃんのでべそは頻繁に起きてしまうのでしょうか。そこで、赤ちゃんのでべその原因と対策方法などについて、詳しくご紹介していきたいと思います。

でべそになる原因は?

でべその原因

赤ちゃんがでべそになるのには、ある原因が関係しています。赤ちゃんが産まれると、お母さんと繋がっていたへその緒は切られます。切られたへその緒は少しずつ縮んでいき、おへその穴も小さくなって閉じていくのが通常です。

おへその穴は臍輪(さいりん)と呼ばれており、腹筋と腹筋の間にできています。しかしでべその場合、臍輪が小さくならず閉じないため、切れたへその緒が縮む時に納まりきれず、臍輪から腸が飛び出す形になってしまいます。赤ちゃんのお腹に出ているでべその部分は、実は腸でもあるのです。

でべその治りが遅い可能性 ゲップが下手?

でべその原因 ゲップが下手?

よくウーウー唸っている赤ちゃんは、お腹に空気が溜まって気持ち悪いためだと言われていますが、実はこのゲップの下手さが、でべその原因になる事があります。

不要な空気がお腹の中にある事で体の内側から外へ力がかかりますし、それだけでなく唸れば腹圧がかかりますから、余計にでべそになりやすくなってしまうのです。実際よく唸る赤ちゃんはでべそが出やすい傾向にあると言われていますが、改善するにはまずゲップをきちんと出させる事から始めましょう。

普通のやり方でダメな時は、お母さんの肩に赤ちゃんのお腹が来るように位置を変えたり、少しの間うつ伏せにしておくとゲップが出やすくなりますので、試してみてください。

でべその治りが遅い可能性 便秘?

でべその原因 便秘?

でべそは腸の一部がはみ出して出来るものです。ですから、赤ちゃんが便秘になると腸が膨らんででべそも大きくなってしまいます。また、便秘だと赤ちゃんもお腹に思いっきり力を入れて出そうとするので、更にでべそが悪化します。

赤ちゃんのでべそが気になるという方は、赤ちゃんが便秘にならないように毎日注意しましょう。

お腹をのの字にさするマッサージを毎日の習慣にしているお母さんも多いと思いますが、オムツ替えの際に両足を持って屈伸させると腸を刺激するので、この運動もマッサージに加えて行うようにしてみてください。

[噂]泣きすぎるとでべそになる?

[噂]泣きすぎるとでべそになる?

でべそは非常に目立つために、昔からあれこれ言われてきました。実際に現在でもでべその赤ちゃんがいるお母さんは周りの年配の方から様々な事を言われている事でしょう。

その中で最も困るのが「泣かせすぎてでべそになった」というもの。しかし、どれだけ泣けば「泣かせすぎ」といわれるのか、個人差はないのかといった所はまったく分かりません。

確かに泣けば腹圧がかかりますが、だからといって赤ちゃん全員がでべそになるわけではないので、こういった意見は気にしないのが一番です。

でべそが最も酷いのは生後4ヶ月ごろとされていて、その後寝返りが出来るようになると自然に治まってきますので、これらの意見を真に受けて悩むのは止めましょう。

でべその正式名称

でべその正式名称

赤ちゃんのでべそには正式名称があります。切れたへその緒が納まりきれず、臍輪から腸が飛び出す形になっているのが「臍ヘルニア」です。

しかし稀に皮膚だけが飛び出している場合もあり、これは「臍突出症」と呼ばれています。

赤ちゃんのでべそはほとんどが「臍ヘルニア」で、大きな声で泣いたりウンチをするときにいきんだりすると、でべそはピンポン玉くらいの大きさに膨らむようになります。

でべそはいつまで続く?

でべそはいつまで続く?

赤ちゃんのでべそは、成長するにつれて次第に治まってきます。でべそになった赤ちゃんの約8割は1歳くらいまでに治り、9割以上の確率では2歳くらいまでに自然に治まっていくでしょう。ただ、病院によっては1歳を過ぎてもでべそが治らない場合は手術を進める場合もあります。

でべそが治まっていくのは、腹筋がついてくるからです。寝返りで腰をひねる運動ができるようになったり、ずりバイやハイハイをしたりして前後に動けるようになることで、少しずつ腹筋がついてきて、お腹に圧力がかかってもおへそが飛び出さないようになってきます。

そのため、成長して筋力がついてくるうちにでべそは治っていくのです。

でべその治療法

でべその治療法

赤ちゃんのでべそは、成長して腹筋がついてくることにより自然に治まってきます。そのため、病院に相談しても経過を見るくらいで何も治療をしないことも多くありましたが、最近は積極的に治療をするケースも増えてきているようです。

圧迫療法

でべその治療方法としては、圧迫療法が主流です。昔からの言い伝えで、でべそは5円玉を貼り付けると治る、絆創膏をきつめに貼っておけば治ると言われていましたが、大人も使用する絆創膏では粘着力が強すぎるため、赤ちゃんの皮膚がかぶれてしまうことがあります。

5円玉や絆創膏も圧迫療法のひとつですが、きちんと病院で処置してもらうことで、赤ちゃんの肌にとっても負担のない治療が行えるでしょう。

病院での治療について

病院での治療について

赤ちゃんのでべそは、圧迫療法で治すことができます。病院なら、刺激の弱いテープで固定されるため、赤ちゃんの皮膚がかぶれる心配も少ないので安心です。

防水フィルムを貼っておけば、お風呂も気にせず入れますし、長期間固定できるのででべそも治りやすくなるでしょう。1ヶ月~2ヶ月くらいすると、徐々にでべそは治まってくることが多く、効果的な治療方法と言えます。

しかし、圧迫療法をしていても腹圧がかかるとでべそになってしまうこともあるため、その場合は違う治療方法を検討する必要があります。

手術について

手術について

赤ちゃんのでべそは、ほとんどの場合1歳~2歳くらいまでの間に自然に治っていきます。しかし、腹圧がかかるたびにでべそになってしまうこともあるため、別の治療方法が必要になることもあるでしょう。

また、圧迫療法を行っていても、余った皮膚が目立ってしまうことがあります。このような場合、手術をしておへそをより良い形に整えるのがオススメです。手術を行う時期は、病院により方針が異なります。

小学校入学ギリギリまで圧迫療法を試みて改善するケースもありますので、よく検討して判断するようにしましょう。

でべそ手術の費用

赤ちゃんのでべそがなかなか治らなければ、手術をして治療する必要も出てくるでしょう。その場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。

赤ちゃんのでべその手術には保険が適用されるため、6万円前後で手術を受けることができます。自治体によっては補助の範囲は異なりますが、乳幼児医療証があれば無料で手術を受けることができます。

全身麻酔をする手術になるため、月齢が浅いうちは手術を控えた方が良いでしょう。経過が順調なら、2泊3日で退院することが可能です。赤ちゃんの体調や体質なども考慮したうえで、よく考えるようにしましょう。

腹筋を鍛えて改善

腹筋を鍛えて改善

赤ちゃんのでべそを少しでも早く改善したいと考えるなら、腹筋を鍛えるようにしましょう。腹筋がついて来れば、腹圧がかかってもでべそになりにくくなるからです。

寝返りや、ずりバイ、ハイハイは腹筋をたくさん使うので、遊びながら腹筋をトレーニングしていくのがオススメです。

寝返りの練習として片脚を交差させたり、おもちゃを利用してハイハイを促したりするのも良いでしょう。少しずつ行動範囲が広がっていくことで、次第にでべそは治まってくるはずです。

でべそは赤ちゃんの象徴

でべそは赤ちゃんの象徴

基本的に、でべそは成長するにつれて治っていきます。最初はでべそを気にするお母さんもいらっしゃるでしょうが、赤ちゃんらしさの象徴として捉えておくのも良いでしょう。でべそが現れるのは1歳くらいまでなので、今しか見られないものとして微笑ましく見守ってあげることも大切です。

赤ちゃんがでべそになるのは、主に腹圧がかかるときですが、赤ちゃんが泣き叫んだり、ウンチをしたいといきんだりすることでお腹に圧力がかかります。

また、お腹いっぱい母乳やミルクを飲んだ時もお腹が張るため、でべそになりやすいでしょう。泣いたり、おっぱいを飲んだり、ウンチをしたりするのは赤ちゃんが健康に生活し、成長する上で必要なことばかりです。無理に腹圧をコントロールするのではなく、今だけのことだと捉えるようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんのでべそについてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。でべその正式名称は「臍ヘルニア」と言うので重大な病気と勘違いしやすいですが、成長するにつれて自然と治っていくものなので心配する必要はありません。

無理に押し込めたりすると赤ちゃんの皮膚を傷つけたりする恐れもあるので、治療したい場合は病院に相談するようにしましょう。でべそは赤ちゃんの時期しか見られないことも多いため、貴重なものと考えることもできます。可愛い赤ちゃんのでべそと成長をゆっくりと見守ってあげるようにしてください。