赤ちゃんとテレビの関係について知っておきたいこと

赤ちゃんとテレビの関係について知っておきたいこと 赤ちゃん 仕草

お母さんは、家事に育児にと忙しい毎日を送っています。赤ちゃんとの時間は大切ですが、家事をしている最中は大人しくしてくれたら助かるのに・・とつい思ってしまいますよね。

そんな時、テレビをつけておくと赤ちゃんが夢中になって大人しくなります。お母さんはその間にやりたい用事を済ませることができるので、ついついテレビに子守をさせてしまうことが増えているのではないでしょうか。

ただ、赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると良くない影響が出るのでは?と心配になりますよね。そこで、赤ちゃんとテレビの関係について知っておきたいことを詳しくご紹介していきましょう。

目次

赤ちゃんのテレビの影響

赤ちゃんのテレビの影響とは

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、どんな影響が出てきてしまうのでしょうか。テレビが赤ちゃんに与える影響として、注意すべきだと指摘されていることのひとつがコミュニケーション能力の低下です。

テレビからの影響で一番心配とされているコミュニケーション能力の低下はなぜ起きてしまうのか、詳しく見ていきましょう。

コミュニケーション能力の低下

コミュニケーション能力の低下

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、コミュニケーション能力が低下することが心配されています。これは、テレビが赤ちゃんに対して一方的に情報を発信し続けていることが関係しています。

テレビからは、カラフルな画面や楽しい音楽が流れてきたり、幼児向け番組のキャラクターが話しかけるように言葉を発したりしますが、赤ちゃんがそれに対して返事をしてもコミュニケーションが取れるというわけではありません。

赤ちゃんが何をしても、テレビの中のキャラクターはお構いなしに続けますし、何かリアクションが返ってくるわけではないため、次第にこちらから発信しても無意味だと感じ、受け身のコミュニケーションになってしまうのです。

テレビからの一方的なコミュニケーションに慣れてしまうと、自分から相手に何かをしようとする気持ちが育たなくなってしまうのです。

言語発達の遅れの可能性

言語発達の遅れ

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、言語発達の遅れが生じやすくなると言われています。これは、コミュニケーション能力の低下のひとつと捉えられており、テレビの音を聞くだけで言葉にするという機会が減ってしまうことが関係しています。

テレビに慣れて受け身のコミュニケーションが定着してしまうと、自発的に相手に何かを訴えようとしなくなるため、お腹が空いた、遊びたい、という気持ちを表現しようとしなくなります。その結果、なかなか言葉を発しようとしなくなり、話し始める時期がどんどん遅れてしまうようになるのです。

言語発達の遅れは、日本小児科学会が2歳以下の赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けることが関係していると発表しており、深刻な問題として指摘されています。

精神面への影響

精神面への影響

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、精神面の成長を阻害してしまうという心配もあります。

日本小児科学会は、赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、落ち着きがなかったり、集中力が欠けてしまったりするなどの注意欠陥障害になる危険性が大きいと発表しています。

視聴時間が1時間延びるごとに7歳の頃に注意欠陥障害になる可能性が10%上がると言われているため、長時間のテレビ視聴は控えるべきだと言えるでしょう。

視力への影響

視力への影響

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、目が悪くなるのではないかと視力への影響が心配になります。よく赤ちゃんがテレビに近づいてじっと見ている様子が見られますが、これは赤ちゃんの視力がまだ弱く、近づかないと見えないからです。

生後1ヶ月~2カ月くらいの赤ちゃんの視力は0.02ほどだと言われています。生後6カ月でも0.2、1才半になったとしても0.4くらいの視力なので、テレビに何が映っているのかわからないで診ているのです。

実際にテレビに何が映っているのか、どんな番組なのか理解できるようになるのは、4歳~5歳くらいだと言われています。気になる視力への影響ですが、1歳くらいになるまでは同じものをじっと注視し続けることができないので、あまりにも画面に接近していなければ、特に視力の心配をする必要はないでしょう。

ただ、テレビを見る角度には注意が必要です。

いつも斜めからテレビを見ていると、見たい対象物に対して斜めから見る癖がつき、顔を傾けるようになってしまいます。

顔を傾ける癖がついてしまうと、首回りの筋肉のバランスが崩れやすくなるので、テレビを見せるときは真正面から見るようにしましょう。

赤ちゃんのテレビの視聴時間について

テレビの視聴時間について

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、さまざまな影響が心配になりますが、具体的にどれくらいの視聴時間なら許容範囲になるのでしょうか。赤ちゃんにテレビを見せるなら、1日1時間~2時間くらいの範囲が良いでしょう。

テレビを見る時間が1時間延びる度に、7歳になった時の注意欠陥障害の可能性は10%上がると言われているので、長時間見せすぎないようにしましょう。

テレビをつけっぱなしにしないことが、長時間赤ちゃんが視聴してしまうのを防止する対策になりますので、こまめにスイッチを切るようにしておきましょう。

赤ちゃんがテレビ視聴を短くする工夫

赤ちゃんがテレビ視聴を短くする工夫
お母さんが赤ちゃんのテレビ視聴時間を短くしたいと思っても、赤ちゃんは次々変わる音や映像に釘付けになって中々言う事を聞いてくれません。

何回言っても聞いてくれない時はイライラしてテレビをオフにしてしまいますが、実はそれは逆効果です。急にテレビを消されて泣いたり怒ったり反発する赤ちゃんもいますから、まずは公園遊びや絵本など赤ちゃんがテレビと同じくらい楽しいと思っている事へ誘いましょう。

赤ちゃんが興味を示したらテレビのボリュームを下げていき、しばらくしたらテレビをオフにします。赤ちゃんが好きな幼児番組を一日のスケジュールに組み込んで、テレビの後は赤ちゃんが好きな事をするように計画しておけば、スムーズにテレビから離れられるでしょう。

赤ちゃんがテレビを見るときの注意点

テレビのつけっぱなしに注意

テレビのつけっぱなしに注意

赤ちゃんに長時間テレビやスマートフォンなどを見せ続けると、さまざまな影響が出てきます。しかし、赤ちゃんに見せるつもりはなくてもテレビをつけっぱなしにしてしまうこともあります。

朝の情報番組や、お昼のニュース、夕方の気象情報や夜のバラエティ番組など、テレビを見る習慣は知らないうちに沁みついているものです。

赤ちゃんは、チカチカ光が発するものが何なのか、いろんな音が聞こえてくるのは何故なのかと興味を引かれてしまうものですから、テレビがついているとどうしても反射的に見ようとしてしまいます。

テレビをつけっぱなしにしていると、知らないうちに視聴時間が長くなってしまいますので、テレビはこまめに消して必要なときだけつけるようにしましょう。

授乳中や食事中のテレビは注意

授乳中や食事中のテレビ

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、良くない影響が出てきます。何かやりたいことがあるときでも、テレビがついているとそちらに興味が惹かれてしまうため、注意力が続かなくなってしまうこともあるでしょう。

テレビをつけっぱなしにしないことが大切ですが、特に気をつけたいのが、授乳中や食事中のテレビです。赤ちゃんにとって栄養補給は、生命維持と成長のために欠かせないものですから、しっかり飲んで食べる必要があります。

しかしその時間にテレビがついていると、注意散漫になり、思ったように飲めなかったり食べなかったりすることがあるので注意しなければなりません。授乳や食事を始めるときは、必ずテレビをオフにして、集中できる環境を整えてあげるようにしましょう。

テレビはリビングだけで見るように

テレビはリビングだけにしよう

赤ちゃんに長時間テレビを見せないようにしたいなら、テレビを置くのはリビングだけにするようにしましょう。子供部屋や寝室にテレビを置いていると、つい音楽代わりにつけてしまうからです。

テレビをリビングだけに置いておくことで、寝かしつけの時や授乳のときにテレビの影響が及ぶことが少なくなります。

また、赤ちゃんが成長して自分で立ち上がったり指先が器用になったりすると、勝手にテレビのスイッチを入れてしまうこともあるため、子供部屋にテレビがあると、親が気づかないうちに長時間テレビを見続けてしまう可能性があります。

親の目が届くリビングにテレビがあれば、テレビをつけようとしてもすぐに対処することができますし、長時間テレビを見続ける心配もなくなるでしょう。

スマートフォンやパソコンも注意が必要

スマートフォンやパソコンも注意

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると、さまざまな影響が出てくる可能性があります。しかし赤ちゃんへの影響が出るのは、テレビだけに限ったことではありません。

パソコンでアニメの動画を見せたり、スマートフォンでゲームを見せたりするのも、テレビと同じような影響が発生すると考えられています。

カラフルな光や映像が発信され、さまざまな声や音楽が出てくる電子機器は、テレビと同じ影響を与えるものだと考え、できるだけ控えるようにしましょう。

テレビを近くで見ない工夫を

テレビを近くで見ない工夫を

赤ちゃんは、興味のあるものの近くに寄ってじっと見つめます。テレビも同様で、気がついたらテレビ画面にぴったりくっついて見ていた、なんて事も多いです。

1歳の視力は0.3ほどなので、画面に近づいて視力が落ちるわけではないのですが、小さい時にテレビを近くで見るという癖がつくと、成長してから視力が低下する原因になりかねません。

癖を無くすためにも視力のためにも離れてテレビを見る事が大事なのですが、そこで活躍するのがベビーガードです。テレビの前に設置すれば自動的にテレビと赤ちゃんの距離があき、またリモコンテレビ台に置いておけば勝手に触られる心配もありません。一度お店で確認して見てはいかがでしょうか。

赤ちゃんのテレビの活用方法

テレビの活用方法

赤ちゃんに長時間テレビを見せ続けると良くない影響ばかりが目立ちますが、テレビをうまく利用する方法もあります。まず、赤ちゃん1人だけでテレビを見せないようにし、お父さんやお母さんと一緒にテレビを見るようにしましょう。

好きなキャラクターが出てきたときは、「〇〇が出てきたね」と指をさして赤ちゃんに話しかけ、幼児向け番組でダンスや歌が始まった時は、赤ちゃんで一緒に歌って踊り、楽しめるようにします。

テレビからの情報を一方通行で受け取ってばかりいると、コミュニケーション能力は発達しませんが、お父さんやお母さんと一緒に楽しみながらテレビを見ることで、楽しくコミュニケーション能力を磨くことができるでしょう。

テレビの楽しい歌や踊りを利用して、赤ちゃんとのコミュニケーションに活用するのがテレビの賢い使い方だと言えます。

見るときは前もって約束 ルールを守る練習

見るときは前もって約束 ルールを守る練習

赤ちゃんが言葉を話せるようになると、外の世界を広げるためにも守るべき家庭や公共のルールや約束事を教え始めますが、テレビを見る時にもそのルールを適用しましょう。

ポイントはテレビを見せる前に約束する事で、「これから見る○○が終わったら、もうテレビはおしまい。お約束できる?」と聞き、赤ちゃんが出来ると答えた時に見せるようにしましょう。

終わった後続きを見たがっても、「お約束したでしょ」とテレビをオフしてしまいましょう。泣いたり怒ったりするかもしれませんが、そこでお母さんが負けて見せてしまうと、赤ちゃんは「約束」や「ルール」の意味が分からなくなってしまいます。最初は大変かもしれませんが、折れてしまわずに頑張ってください。

赤ちゃんがテレビ依存になったら

テレビ依存になったら

赤ちゃんに長時間テレビを見せないようにしたいと思っていても、つい楽なことからテレビやビデオを利用してしまうお母さんもいます。

このままではいけないとテレビを消そうとするものの、赤ちゃんが大泣きして結局またテレビをつけてしまうという悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。

テレビに依存してしまった場合は、別のオモチャや遊びで興味を引いてから、テレビのボリュームを下げて消すようにしてください。いきなりシャットダウンせず、テレビよりもっと楽しいことがあると教えてあげるようにしましょう。

ここまでのまとめ

赤ちゃんとテレビについて知っておきたいことについて幅広くご紹介しました。視聴時間はなるべく短めにして、賢くテレビを利用することで上手に付き合っていけるようにしてください。

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