赤ちゃんの血便について知っておきたいこと

赤ちゃんの血便について知っておきたいこと 赤ちゃん 排泄

赤ちゃんは自分で調子が悪いと言ったり、指で示して教えたりすることができません。そのため、お母さんの方から赤ちゃんの体調が良好かどうか、探っていく必要があります。

赤ちゃんの健康を表すバロメーターには機嫌や食欲、体重などいろんなものがありますが、毎日必ずチェックしたいのがウンチです。赤ちゃんのウンチには、たくさんの健康情報が詰まっています。

ウンチの見分け方にはさまざまなポイントがありますが、その中でも注意したいのが血便です。赤ちゃんの血便がどんな状態か知っておくことで、病気を早く発見し、治せるようにしていきましょう。そのためにも、赤ちゃんの血便についての情報を詳しくご紹介していきたいと思います。

赤ちゃんのウンチについて

赤ちゃんのウンチについて

赤ちゃんのウンチには、たくさんの健康情報が詰まっています。では、通常の赤ちゃんのウンチはどのような形状をしているのでしょうか。健康な状態の赤ちゃんの場合、クリーム色や黄色、緑色をしていることがほとんどです。

母乳を飲んでいる場合は黄色が濃く、ミルクを飲んでいる場合はクリーム色に近くなります。また、腸の滞在時間が長くなると発行して緑色になったりしますが、正常なウンチとして問題はないでしょう。

赤ちゃんの血便の種類

さて、気れになる赤ちゃんの血便ですが、何か重大な病気が隠されているかもしないと、不安になりますよね。ひとくちに血便と言っても、心配のない血便と、病気が関係している血便に分けられます。

心配があまりない血便

まず、心配のない血が混じった血便からご紹介していきましょう。血が混じった血便の場合、肛門付近が切れていることから発生している可能性があります。

便秘がちな赤ちゃんの場合、いきんで硬いウンチをすると肛門が切れて出血してしまい血便のように見えてしまうことがあります。

血の色が鮮やかなほど、肛門の近くで出血していることが考えられるでしょう。このような血の混じった血便をしても、機嫌よく食欲も変わらないようなら心配ないと言えます。

臓器による出血

臓器による出血

赤ちゃんの血便には、臓器の粘膜が傷ついたことにより生じていることもあります。赤ちゃんの臓器はまだ発達している最中なので、少しの刺激で簡単に傷つき、出血してしまうことがあるのです。

例えば、母乳やミルクなどに含まれる乳糖が発酵することにより、腸内の粘膜が刺激されて出血する場合があります。

肛門よりも少し遠い位置にあるため、少しくすんだ赤黒い血便になることがあります。実は、この類の血便は赤ちゃんには良くみられるものなので、こちらも心配する必要はないでしょう。発熱がなく食欲もあって元気なら問題ないと言えます。

粘り気のある血便

粘り気のある血便

赤ちゃんが血便を出して、それがねっとりと粘り気があるようなら、新生児メレナを起こしている可能性があります。

新生児メレナとは、ビタミンKが不足し血液を固めることができなくなる症状のことです。ビタミンKが不足していることで、度々血便や血を吐くようになります。

新生児メレナが原因の血便は、ビタミンKの摂取が必要ですので、病院で診断を受け処方してもらうようにしましょう。

下痢の血便

下痢の血便

赤ちゃんが下痢状の血便をしたときは、注意が必要です。出血を伴う下痢をする場合、菌やウィルスに感染している可能性があります。菌やウィルスに感染することで、腸炎が引き起こされ下痢上の血便になってしまうのです。すぐに病院で診てもらい、適切に処置してもらうようにしましょう。

そして、菌やウィルスの感染で最も注意が必要なのが、O-157の大腸菌群です。最悪の場合、命のかかわる危険性もあるので、すぐに病院に連れて行くようにしてください。

ジャムのような血便

ジャムのような血便

赤ちゃんがジャムのような血便をしている場合、腸重積症である可能性があります。腸重積症とは、腸の一部が腸の中にもぐりこむ症状のことで、血便と一緒に嘔吐を繰り返したり、背中を丸めて泣いたりすることが多く、このような様子が見られたらすぐに病院で診てもらうようにしましょう。

この場合の血便は、非常に重い病気であるため、早い処置が必要になります。ジャムのような血便が出たときは、一刻も早く見てもらうようにしましょう。

ストレス性の血便

ストレス性の血便

胃潰瘍や、十二指腸潰瘍による血便です。実は、これらはストレスから引き起こされると考えらえており、赤ちゃんにも多くみられます。

十二指腸潰瘍の場合、先天的に患っていることもありますが、ストレス性の血便ならリラックスできる状況を整えてあげることが大切です。

近頃は共働きの家庭が増え、赤ちゃんが早い段階から保育園へ預けられたりするようになっています。このことから、ストレスを感じ血便を出してしまう赤ちゃんが増えていると考えられているのです。

赤ちゃんの頃から心と身体にストレスをかけないよう、できる限りのケアをしてあげましょう。いずれの場合も医師に相談し、指示を受けるようにしましょう

熱や腹痛を伴う血便はO18の疑いも

熱や腹痛を伴う血便はO18の疑いも

赤ちゃんは消化器官も未熟なため、ちょっとした事で血便が起きやすいです。血便があっても赤ちゃんに調子の悪い所が見られないようならば、急いで病院に行く必要はありません。

但し、熱や強い腹痛と併せて血便が出る時は、O18の可能性がありますので、かかりつけの医師に診察してもらうようにしましょう。。O157は皆さんご存知の病原性大腸菌ですが、O 18は感染源の肉を食べない赤ちゃんが両親やペットから発病しやすい大腸菌なのです。

O 18はO157ほど強い症状が出るわけではなく、血便が出たとしてもO18の症状が改善すれば一緒になくなっていきますので、心配しないようにしましょう。離乳食が始まっている赤ちゃんは、荒れて出血した腸に負担をかけないように一段階戻してあげてください。

その他の注意するウンチ

その他のウンチ

赤ちゃんのウンチで心配なのは、血便だけではありません。その他の色でも、心配なウンチはありますので、ご紹介しておきましょう。

まず、白っぽいウンチをするときは要注意と言えます。先天性胆道閉鎖症がある場合、胆汁が塞がれて灰白色や白っぽい色の便が続きます。早めに治療をしておかないと、重症化してしまう可能性があるのですぐに診てもらうようにしましょう。

また、同じ白っぽいウンチでも発酵した米のとぎ汁のようなニオイがする場合もあります。この場合、ロタウィルスなど、さまざまなウィルスに感染している可能性があるでしょう。冬から春先に起こりやすいため、このようなウンチが出たときも、すぐに病院で診てもらうようにしてください。

水分補給やお腹のマッサージ

お腹のマッサージ

赤ちゃんから血便が出てくると、身体に異常があるのではないかと心配になりますよね。しかし、肛門が切れたことで出血が起きた血便なら、便秘を解消することで防ぐことができます。

便秘になるのは水分不足が関係しているので、母乳やミルク、白湯をこまめに与えるようにしましょう。

また、ウンチがつまらないように、お腹のマッサージを毎日行うと便通が改善されてきます。赤ちゃんのお腹を「の」の字に優しくマッサージしたり、片脚を持ち上げてユサユサ揺らしたり、トントン優しく衝撃を与えたりすることで、便意を刺激することができます。

水分補給をして、お腹のマッサージもしていけば、出血するほど硬いウンチを防げるようになるでしょう。

血便ではない赤い色のウンチの場合も

血便ではない赤い色のウンチの場合も

血便と言っても全体的に細かな赤色が散らばるくらいのものから、ペースト状に真っ赤というものまで形状は様々です。

真っ赤なペースト状は赤ちゃんにとって危険な状態を意味しますが、血便でなくとも赤色のウンチをする事があります。1歳前の赤ちゃんは消化機能が未熟ですから、前日にトマトやスイカなど赤色の食材を食べると繊維がそのまま便に混ざって出てくる事も多いですし、特定の抗生物質を飲むとレンガ色のウンチが出てきます。

また尿の色が濃いと、尿酸やシュウ酸のオレンジ色が現れる事もあったりと様々なので、色も大切ですが赤ちゃんの様子をチェックするようにしましょう。

病院を受診する時は

病院を受診する時は

病院を受診する時は、血便のついたオムツを持参したり写真に残して医者に見せられる状態にしましょう。一口に血便と言っても色や状態は様々ですから、口で説明するよりも実際に見てもらった方が早いからです。

赤ちゃんの血便に熱や腹痛を伴わないのならば病院が空いている時間まで待っても大丈夫ですが、腸重積を疑う血便が出た時は早急に病院に行き、処置をしてもらう必要があります。普段から赤ちゃんの様子を良く見ておくようにしましょう。

ここまでのまとめ

赤ちゃんの血便についてさまざまな情報を詳しくご紹介しました。ひとくちに血便と言ってもその原因はいろいろあり、すぐに病院で診てもらう必要がある場合もあれば、マッサージや栄養面で気をつけることで改善できる場合もあります。

ウンチは赤ちゃんの健康状態を表してくれる大切なバロメーターですから、毎日チェックし、赤ちゃんの健康に異常がないかどうかを確認しておくようにしましょう。

ただ、ウンチの状態は正常でも、機嫌が悪くてぐずることが多かったり、嘔吐や発熱が見られたりした場合は体調に変化が起きている可能性があります。

ウンチだけの情報でなく、さまざまな方向から赤ちゃんを観察し、少しでも違和感があったらすぐにお医者さんに相談してください。

次のページ