赤ちゃんの寝言泣きについて知っておきたいこと

赤ちゃんの寝言泣きについて知っておきたいこと 夜泣き違い 症状 原因 対処方法 予防方法 など 赤ちゃん 睡眠

赤ちゃんの夜泣きは育児の悩みの最たるもの。やっと寝かせつけたと思ったのに、1時間もしないうちに泣き出されると、お母さんやお父さんは疲労困憊します。

夜中に赤ちゃんが泣くのは夜泣きのせい、と思うかも知れませんが、夜間に赤ちゃんが泣く理由は他にもあります。赤ちゃんの寝言泣きがそれで、覚醒している状態で泣く夜泣きとは異なります。

赤ちゃんの寝言泣きの症状、原因、夜泣きとの違い、対処法など、赤ちゃんの寝言泣きについて知っておきたい情報を幅広くご紹介します。ぜひ参考にしてください。

赤ちゃんの寝言泣きとは?

赤ちゃんの寝言泣きとは?

赤ちゃんの寝言泣きとは、赤ちゃんが睡眠中に夢を見たかのように泣き出す状態を指します。幼児言葉がしゃべれるようになった赤ちゃんは、眠っている最中に寝言を言いますが、まだ言葉を発することのできない赤ちゃんの場合、ただ激しく泣き出します。

また場合によっては泣き出すのではなく、眠りの中でにこにこと笑っていたり、赤ちゃん言葉を発することもあります。

赤ちゃんの寝言泣きの特徴とは?状態は?

赤ちゃんの寝言泣きの特徴とは?

赤ちゃんの寝言泣きの特徴は、眠っている状態で泣き出すことで、何かとくに欲求があって泣いているわけではありません。寝言泣きの場合、夜泣きとは違い、しばらくするとそのまま自然に寝入ってしまうことがほとんどです。

とくに不安なことがなければ、抱き上げたり、授乳したりせずに静かに見守ることが基本で、無理に起こしてしまうと完全に目が覚めてしまい、寝かせつけに苦労します。

レム睡眠とノンレム睡眠の関係について

レム睡眠とノンレム睡眠の関係について

人間の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠が交互にあらわれます。夢や寝言泣きはこのうちレム睡眠中に多く生じる症状です。赤ちゃんの寝言泣きの原因について理解するためには、赤ちゃんの睡眠パターンやレム睡眠・ノンレム睡眠について知っておくことが必要です。ここでまずレム睡眠とノンレム睡眠の特徴について知っておきましょう。

レム睡眠とは?

レム睡眠の特徴のひとつは眼球が急速に動くこと。REM(レム)睡眠は、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)の頭文字を取ってこのように呼ばれています。レム睡眠中は脳の一部が活動し、情報を整理したり、日中起こった出来事を脳に記憶として定着させています。

大脳は活発にはたらいてますが、身体の姿勢を保つ筋肉は弛緩していることもレム睡眠の特徴。身体の休息の睡眠、と呼ばれるのはこのせいで、夢のほとんどはレム睡眠中に生じます。

ノンレム睡眠とは?

ノンレム睡眠は大脳の睡眠と呼ばれ、脳波の活動が低下し、体温も低くなります。血圧・呼吸・脈拍の三つが安定し、成長ホルモンが分泌されたり、免疫機能が増強されることもノンレム睡眠の特徴です。

レム睡眠とノンレム睡眠の周期

レム睡眠とノンレム睡眠は一定の周期で交互にあらわれます。大人の場合、レム睡眠とノンレム睡眠からなる一周期は約90分間で、入眠してから起床するまでに4回から6回ほど周期が繰り返されます。睡眠周期には個人差があり、一般的には90分から120分周期を繰り返しています。

赤ちゃんの睡眠パターンの特徴とは?

赤ちゃんの睡眠パターンの特徴とは?

大人の場合、睡眠全体に占めるレム睡眠の割合は約20%ですが、赤ちゃんの場合はレム睡眠の割合が高いことが特徴です。新生児のレム睡眠の割合はなんと睡眠全体の半分にものぼりますが、赤ちゃんが成長するにつれて徐々に低くなっていきます。

赤ちゃんの場合、睡眠周期も大人より短く、新生児の場合は40分から60分、その後3、4才になると60分から80分間とだんだん大人の睡眠周期に近づきます。

赤ちゃんの寝言泣きと睡眠パターンの関係

赤ちゃんの睡眠パターンの特徴は、睡眠周期が短く、レム睡眠の割合が高いこと。赤ちゃんがすぐに目を覚ましたり、寝言泣きをしたりするのは、この睡眠パターンに原因があります。

レム睡眠の割合が高いため、周囲の物音に敏感に反応し、手や足がぴくぴく動いたり、口元を動かすこともあります。またレム睡眠中は大脳皮質の活動が活発で、夢をみやすく、これも寝言泣きにつながります。※参照1

赤ちゃんの寝言泣きと夜泣きの違いとは?

赤ちゃんの寝言泣きと夜泣きの違いとは?

赤ちゃんの寝言泣きと睡眠パターンとの関連についてみてきましたが、では寝言泣きと夜泣き、この二つをどのように区別すればいいのでしょうか?寝言泣きと夜泣きは、一見すると非常に似通っています。寝言泣きと夜泣きの違いを心得ていないと、夜中に赤ちゃんが突然泣き出した際に対処方法を誤ります。寝言泣きと夜泣きの違いについて挙げてみましょう。

寝言泣きは覚醒していない

寝言泣きは覚醒していない

寝言泣きは睡眠中に夢を見たり、周囲の物音に対して脳が反応することで生じるもので、覚醒した状態で泣き出す夜泣きとは異なります。

寝言泣きの場合はそのまま何もしなくても、しばらくすると自然に泣き止み寝入ってしまいます。

夜泣きの時期はいつ頃?

夜泣きの時期

夜泣きは黄昏泣きとも呼ばれ、ある一定の時期になると始まる傾向があります。夜泣きが始まるのは、生後5、6ヶ月目からが多く、生後1年を過ぎる頃まで続くことが一般的です。

夜泣きの時期や泣き方の程度や頻度は、ひとりひとりの赤ちゃんによって個人差があります。夜泣きの場合、いったん始まるとほぼ毎日続くパターンが多く、おさまるまでにはしばらく時間がかかります。

寝言泣きの場合、いつから始まっていつ終わるというタイミングは顕著でなく、赤ちゃんの睡眠リズム、その日の体調、日中の活動などの影響を受け、泣いたり泣かなかったりします。

夜泣きはなかなか泣き止まない

夜泣きの場合はどんなにあやしてもなかなか泣き止まず、ひどい場合は何時間も泣き続け、最後には疲れ果てて眠ってしまう、というパターンが一般的です。

これに対して寝言泣きの場合は、そのまま何もせずに見守っているだけで、再び眠ってしまうパターンが大多数を占めます。

赤ちゃんの寝言泣きの対処法

赤ちゃんの寝言泣きの対処法

赤ちゃんの寝言泣きの原因や夜泣きとの違いについて挙げてみましたが、今度は寝言泣きの対処法について詳しく見ていきましょう。

寝言泣きを夜泣きと間違えて対処すると、泣き声はおさまるどころか、かえってひどくなることがあります。赤ちゃんの寝言泣きに上手に対応するには、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか?

泣き始めたら様子を見守る

泣き始めたら様子を見守る

赤ちゃんが睡眠中に泣き始めたら、まずは静かに様子を見守りましょう。寝言泣きであれば、そのまましばらくするとひとりでに眠ってくれます。

泣き始めたからといってすぐに抱き上げると、赤ちゃんの眠りが妨げられ、完全に目を覚ますおそれがあります。赤ちゃんが眠りの中で泣いたら、明かりをつけずに、とりあえず静かに様子を観察しましょう。

しばらくしても泣き止まないとき

しばらくしても泣き止まないとき

しばらくしても泣き声がやまないときは、赤ちゃんが何らかの生理的欲求を感じている可能性があります。おなかがすいた、おむつがぬれて気持ち悪い、目が覚めたので抱き上げてもらいたいなど、赤ちゃんの要求はさまざま。

夜間に赤ちゃんが泣き出し、しばらくたっても泣き止まないときは、赤ちゃんが何を欲しているかを把握するように努めましょう。

無理やり起こさない

無理やり起こさない

眠っている赤ちゃんが突然泣き出すと、病気なのでは?と不安に駆られ、思わず抱き上げて眠りから起こしてしまうお母さんもいるようです。

寝言泣きの場合はそのままに静かに寝かせておくと、ひとりでに眠ってしまいますので、ちょっと泣いたからといって、すぐに揺り起こすのはNG。無理やり起こすことはせずに、添い寝をしながら赤ちゃんが再び眠りにつくまで見守りましょう。

赤ちゃんがまったく泣きやまない場合

赤ちゃんがまったく泣きやまない場合

授乳しても、あやしても、何をしても赤ちゃんがまったく泣き止まない場合は、夜泣きが始まった可能性があります。夜泣きが始まると、お母さんはひたすら忍耐を強いられますが、夜泣きは赤ちゃんの成長発達の正常な一段階。身体機能と精神面が発達し、生活リズムが整うにしたがって、症状は徐々におさまっていきますので、あまり心配する必要はありません。

しか夜泣きの症状があまりにもひどい場合、単なる夜泣きではなく、夜驚症や夢遊病、睡眠障害の可能性もあります。毎夜泣き叫ぶ、意識をなくす、夜泣きのせいで体調が悪化する、夜泣きとともに高熱や痙攣などの症状を伴うなど、異常な点が見られる場合は必ず医師の診察を受けさせましょう。

乳歯が生えかけているとき

乳歯が生えかけているとき

夜泣き、寝言泣きにかかわりなく、乳歯が生えかけているとむず痒く、これが原因で夜間ぐずり泣きをする赤ちゃんがいます。乳歯が生えてくる生後6ヶ月から9ヶ月頃は、夜泣きをする赤ちゃんが増える時期で、歯がむずむずして機嫌が悪く、夜間の寝つきも悪くなります。

乳歯が生えかけたら、歯がためを用意して赤ちゃんにあげると、むず痒さが多少おさまります。

生活リズムを整えてあげる

生活リズムを整えてあげる

寝言泣きを完全に予防することはできませんが、赤ちゃんができるだけ質の高い睡眠を得られるよう、昼夜の生活のリズムを整えてあげましょう。

昼夜のリズムを整えるためには、日光を浴びることが効果的です。起床時に日の光を室内に取り入れる、散歩を毎日の日課に取り入れる、就寝前は明々した蛍光灯は避け、ソフトで柔らかい照明をつけるなど、赤ちゃんが眠りにつきやすい生活環境を整えましょう。

まとめ

赤ちゃんの寝言泣きについて知っておきたい情報を幅広くご紹介しましたが、いかがですか?夜中に突然赤ちゃんが泣き出すと、おむつが濡れてるの?おなかがすいたの?どこか痛いところがあるの?と不安になりますが、寝言泣きならばしばらくすると泣き止み、ひとりでに眠ってしまいます。

寝言泣きに上手に対応するためには、寝言泣きの原因や夜泣きとの違いをしっかり把握することが大切。抱きあげて起こしたほうがいいのか、それともしばらく様子を見たほうがいいのか、状況に応じて適切に対処しましょう。
※参照1 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団睡眠
※参照 日本医師会
※参照 NHK 大人と違う、子供の眠りのメカニズム