赤ちゃんと夜間も添い寝できると、授乳にいちいち起き上がる手間がなく便利ですが、その反面赤ちゃんを押しつぶしてしまうのでは?寝返りをしたときに、赤ちゃんの上に覆いかぶさってしまい、危ないのでは?添い寝で授乳すると悪いくせがついてしまうのでは?など、赤ちゃんとの添い寝には、疑問点や不安な点がいろいろとあります。
また赤ちゃんと添い寝をするとしたら、いつからいつまでするべきか?赤ちゃんと添い寝をする際の注意事項など、添い寝をする前に知っておきたいポイントもたくさんあります。添い寝のメリット・デメリットも合わせて把握しておきましょう。赤ちゃんとの添い寝について知っておきたいさまざまな情報をご紹介します。
赤ちゃんとの添い寝について
赤ちゃんとの添い寝は日本では昔から伝統的に行われてきました。これに対して欧米では、たとえ新生児であっても、お母さんやお父さんとは別の部屋に寝かせることも多く、アジアと欧米では新生児の育児に対する考え方には違いがあるようです。
「一人寝」と「添い寝」について
欧米では赤ちゃんを幼いころから一人で寝かせる「一人寝」が主流といわれてきましたが、実際には添い寝の割合も意外に多く、欧米だからといって必ずしも「一人寝」が当たり前とはいえません。
一人寝のメリットとして挙げられるのは、早くから独立心が養われる、眠りのリズムが早く確立するなど。一人寝をさせられるかどうかは、育児に対する考え方だけでなく、ベビーベッドを置く場所を確保できるかどうかといった、部屋の間取りや住空間といった問題も絡んでいます。
日本での添い寝の習慣
日本で昔から赤ちゃんと添い寝することが多かったのは、上に挙げたように住居スペースが限定されていたことにも、原因の一端があります。現在では和室・洋室の両方を備えている住宅がほとんどですが、それ以前には畳の部屋に布団という生活様式が一般的でした。
和室の畳の部屋で親子三人で川の字で寝る、このように日本では昔から赤ちゃんと一緒に添い寝することが普通でした。しかし現在では寝室は洋室という家庭も多いので、昔に比べるとベビーベッドの使用は格段に増えています。
生まれてから数ヶ月間ほどベビーベッドに寝かし、その後ベッドあるいは布団でお母さんと添い寝というパターンが一般的と言えるでしょう。
生後すぐの赤ちゃんの寝かせ方
赤ちゃんの寝かせ方としては、生まれてからの数ヶ月はベビーベッドで寝かせ、その後にベッドや布団で添い寝というパターンが多いのですが、ベビーベッドは使用せずにベビー布団を使う方ももちろん大勢います。
ベビーベッドを使用するかどうかは、上の子やペットがいるかどうかなどの家族構成にもよります。またお母さんの出産後の体調や部屋の広さや環境なども、ベビーベッドのほうが適しているか、それとも布団にするかを考える上でのポイントになります。
ベビーベットにするか、それとも布団にするか、いろいろな要素を熟慮した上で、赤ちゃんにとって安全且つ快適な方法を選んであげるようにしましょう。
上の子がまだ小さい場合
上の子がまだ小さい場合は、赤ちゃんはベビーベッドで寝かせたほうが安心です。布団に寝かせてしまうと、上の子が誤って赤ちゃんを踏みつけたり、遊んでいるときにおもちゃなどで、寝ている赤ちゃんに怪我をさせてしまうおそれもあります。
これは室内でペットを飼っている場合も同様で、出来ればベビーベッドがあったほうが、ペットの毛などを気にせずに済みます。
ベビーベッド派?それとも布団派?
赤ちゃんをべビーベッドに寝かせるメリットのひとつは、布団にそのまま寝かせるよりは、埃やダストを吸い込む割合が少ないこと。他にもベビーベッドは高さがあるので、赤ちゃんを寝かせたり、抱き上げたりする際に、お母さんの腰にかかる負担も少ないので、その点でも楽かもしれません。
しかし便利な点だけでなく、不便な点もあると考える方も大勢います。ベビーベッドに赤ちゃんを寝かせると、夜間の授乳の際にその都度いちいち布団から出て、ベビーベッドまで行かなくてはならないことは大きなデメリットのひとつです。
赤ちゃんと離れて寝ていると、赤ちゃんの様子が気になって仕方ないお母さんもいるでしょう。赤ちゃんと別に寝ることで、赤ちゃんだけでなく、お母さんもぐっすり寝ることが出来る、という方もいますが、その一方で赤ちゃんのことが気になってかえって寝つきが悪くなる、という方もいます。
ベビーベットのほうがいいか、布団で添い寝するほうがいいかは、考え方次第といえるでしょう。
赤ちゃんとの添い寝のメリットな意見
赤ちゃんと添い寝すると夜間の授乳が楽そう、でも赤ちゃんとの添い寝は危ないのでは?と不安に思うお母さんも多いようです。確かに生まれたばかりの赤ちゃんは寝返りはおろか、自分で体を自由に動かすことが出来ません。
赤ちゃんと添い寝する場合には、お母さんのほうで十二分に注意する必要がありますが、注意すべき点さえ心得ておけば、添い寝はお母さん・赤ちゃんの双方に精神的なやすらぎを与えてくれるはずです。
赤ちゃんとの添い寝にはさまざまなメリットがあります。赤ちゃんと添い寝するメリットをいくつか挙げてみましょう。
夜間の授乳が断然楽になる
ベビーベッドに寝かせていると、夜間の授乳の際に何度も布団から起き上がり、ベビーベッドまで行かなければなりません。寝つきの悪い赤ちゃんの場合、授乳後になかなか寝付いてくれずに、再び寝かしつけるのに時間がかかり、お母さんが寝不足になってしまいます。
赤ちゃんと添い寝すれば、授乳のたびにわざわざ起き上がる必要がなく、授乳後はそのまま横になったまま寝かせつけが出来るので、お母さんにかかる体力的な負担を軽減することが出来ます。
赤ちゃんとのスキンシップを楽しめる
赤ちゃんと添い寝することにより、スキンシップが密になります。これはお母さんだけでなくお父さんにも言えることです。
仕事で外出することが多く、赤ちゃんとの触れ合いの時間がなかなかもてないお父さんにとって、夜赤ちゃんと一緒に過ごす時間は貴重な触れ合いタイム。
ただし授乳のたびに起こされてしまい、お父さんまで寝不足になることがないように、赤ちゃんを寝かせる位置を考えるなど、何らかの工夫が必要です。
情緒安定に大きくプラス
赤ちゃんとの添い寝は、赤ちゃんが空腹時にすぐ母乳を飲める、お母さんがいちいち授乳に起きなくて良い、といったメリットだけではありません。お母さんのそばで眠ることは、赤ちゃんの情緒安定に良い影響をもたらします。
これまでお母さんのお腹の中で一心同体に10ヶ月成長してきましたが、生まれて急にお母さんと離ればなれになり一人ぼっちで不安を感じています。しかし、すぐそばにお母さんを感じケアをしてもらえる環境が整えば、赤ちゃんも不安を感じず安心して成長していけます。
もちろん最初から一人で寝かせる方法がダメなわけではありません。ただ添い寝をして赤ちゃんの睡眠時間が増えたり深く眠れるようであれば、その赤ちゃんは添い寝の方が安心するのかもしれません。
赤ちゃんを寝かせやすい
抱っこしながら寝かせても、いざ布団におろした途端にぱっちり目を開けてしまう、こんな経験をするお母さんも多いはず。赤ちゃんには背中にスイッチがついているという言い回しがあるくらい、赤ちゃんはちょっとした変化に敏感です。
抱っこで寝てしまったので、静かに静かに布団におろしたその瞬間、赤ちゃんが目を覚ましてしまい、寝かしつけをもう一度最初からやり直す。一度だけならまだしも、これを一晩に何回も繰り返してしまい、疲労困憊してしまう。よくある育児中の風景ではないでしょうか。
よほど寝つきのいい赤ちゃんは別にして、寝ついたばかりの赤ちゃんの眠りは浅く、お母さんがちょっと体を動かしただけで起きてしまいます。
布団に寝かせると起きる、布団に寝かせると泣く、というのは育児の中でももっともお母さんの忍耐力が試される場面です。添い寝なら授乳をしながら、そのまま赤ちゃんを寝かせられますので、寝かせる→布団に寝かせる→泣く・起きる→寝かせる、のイライラが確実に減ります。
赤ちゃんとの添い寝のデメリットな意見
添い乳や添い寝に慣れてくると、どんなに眠くても、どんなに疲れていても、無意識に赤ちゃんのことをかばう姿勢が取れるようになってきますが、添い寝を始めたばかりの頃はまだコツがつかめず、不安に感じるお母さんも多いようです。
自分の寝返りがしたときにあやまって赤ちゃんに覆いかぶさってしまうのでは?窒息のリスクは?乳幼児突然死症候群(SIDS)があるのでは?など、添い寝に関する不安や疑問点はたくさんあります。今度は赤ちゃんとの添い寝のデメリットやリスクについて挙げて見ましょう。
窒息のおそれ
赤ちゃんと添い寝したいけれど、寝返りしたときに赤ちゃんの口や鼻を自分の体で覆ってしまい、赤ちゃんを窒息させてしまいそうで怖い。
赤ちゃんとの添い寝のいちばんのリスクはこれです。添い寝で夜間に授乳しているうちに、お母さんのほうが先に眠ってしまうことがないように、十分注意しましょう。
うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群の原因?
添い寝をすると乳幼児突然死症候群のリスクが高まる、という話を聞いたことがありませんか?乳幼児突然死症候群の原因については現在でも研究が行われている最中であり、確定的なことは断定できませんが、統計をもとに乳幼児突然死症候群を予防するためのポイントが発表されています。
その中のひとつが仰向けで寝かせること。添い寝で寝ているうちに赤ちゃんの頭が移動してしまい、うつぶせにならないように注意しなければなりません。参照:乳幼児突然死症候群(SIDS)について|厚生労働省
添い乳がくせになってしまう
添い寝で夜間の授乳をしているとこれがくせになると、昼寝のときも添い寝・添い乳が当たり前になり、結果的に卒乳の時期が遅れてしまう可能性があります。
添い寝は夜間の授乳が非常に楽ではありますが、その反面赤ちゃんもお母さんもその状態に慣れきってしまうことがあります。だらだらと添い乳をしていると、卒乳・断乳に余計な時間がかかってしまいます。
昼寝のときは添い寝をしない、卒乳のプランをしっかり立てるなど、授乳や添い寝に関するルールを決めておくほうが安心です。
赤ちゃんとの添い寝はいつから?
赤ちゃんとの添い寝ですが、始める時期に関してはいろいろな意見があります。生後一ヶ月目まではベビーベッドに寝かせたほうがいい、という意見もありますが、赤ちゃんの寝かせ方や注意事項さえ守れば生後一ヶ月目からでも添い寝して構わない、という意見もあります。
赤ちゃんとの添い寝の時期に関しては、赤ちゃんの個性や成長の具合、家庭の状況などによって、早く始めるか、遅く始めるかが決まってきます。
生後すぐの赤ちゃんはベビーベッド、あるいはベビー布団にひとりで寝かせ、その後状況に応じて添い寝するか、あるいはそのままベッドで寝かせるかのどちらかを選択することが一般的なパターン。
ただし、中にはベビーベッドに寝かせるとすぐに泣いてしまうので、生後一ヶ月目から添い寝しているという方も大勢います。具体的にいつからなら大丈夫という判断は、それぞれの家庭の事情や赤ちゃんの個性を考え合わせた上で決定することになります。
いつから赤ちゃんと添い寝できるか迷っていたら、生後一ヶ月目の乳幼児健診の際に相談してみるのも良い考えです。添い寝の時期はそれぞれの家庭の状況により異なりますが、添い寝をする際の注意点を守ることが大切です。
赤ちゃんと添い寝する際のポイント
大切な赤ちゃんと添い寝する場合に考えておくべきポイントを挙げてみましょう。
マットレスや敷布団は固いものにする
赤ちゃんの窒息の原因のひとつは、赤ちゃんや側で寝ているお母さんが身動きをした際、布団や毛布がずれてしまい、赤ちゃんの鼻や口が覆われてしまうことにあります。柔らかい寝具では赤ちゃんが沈んでしまう恐れがありますので、注意が必要。
赤ちゃん用の敷布団やマットレスは柔らかく、弾力性のあるものは避けるようにしましょう。掛け布団や毛布はお母さんと共有せず、赤ちゃん用のものを別に用意します。大人用の寝具では赤ちゃんには重過ぎてしまい、窒息の原因になりかねません。
添い寝に便利なベッドインベッドを利用する
眠っている間に赤ちゃんを押しつぶしてしまいそうで怖いお母さんやお父さんには、添い寝に便利なベッドインベッドや持ち運べるタイプのコンパクトベビーベッドがお勧め。
どこにでも置けて便利なベッドインベッドは、タイプも種類も豊富。他にもベッドの片側の柵が取り外せるようになったベビーベッドもありますので、出産前の準備のときにぜひチェックしてみましょう。
赤ちゃんを寝かせる場所
ベッドで添い寝する場合には、赤ちゃんが誤ってベッドから落下しないような場所に寝かせましょう。ベッドの端に寝かせるのは絶対にNG。
お母さんかお父さんが端に寝て、赤ちゃんを真ん中に寝かせるようにします。また布団に寝かせる場合には、赤ちゃんの周囲に物を置かないように注意してください。
赤ちゃんとの添い寝はいつまで続ける?
いろいろなメリットのある添い寝ですが、では添い寝はいつまで続けるべきでしょうか?欧米では早い時期から子供を一人寝させる習慣が確立されていますが、日本の場合、子供の一人寝は無理やりではなく、子供本人の希望や心の準備が整ってからゆっくり行うことが普通です。
赤ちゃんとの添い寝を始める時期はそれぞれの事情によりますが、添い寝をやめる時期についても同様。
何歳からは一人寝させると厳密に決めるのではなく、子供の気持ちや精神的な成長も考慮に入れながら、徐々に自立心を養っていくようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんとの添い寝についてぜひ知っておきたい知識をご紹介しました。添い寝にはメリット・デメリットそれぞれがありますので、添い寝を始める前にまずはこれらをきちんと把握しておきましょう。
添い寝は赤ちゃんとスキンシップの取れる貴重な時間。最優先すべきは大切な赤ちゃんの安全。添い寝の注意点ややり方を知り、ぜひ育児に役立てましょう。