赤ちゃんの睡眠時間について知っておきたいこと

赤ちゃんの睡眠時間について知っておきたいこと 赤ちゃん 睡眠

寝る子は育つと言うほど、赤ちゃんはよく寝るものです。しかし、お母さんによっては「こんなに寝てばかりいて大丈夫?」と心配になったり、「あんまり寝ないのは良くないの?」と不安になったりすることもあるでしょう。

赤ちゃんにより睡眠時間には個人差がありますし、月齢によってもトータルの睡眠時間は変わってきます。そこで、赤ちゃんのお仕事でもある睡眠時間について、詳しくご紹介していきます。

赤ちゃんと睡眠

赤ちゃんと睡眠

赤ちゃんが良く寝るものですが、そもそも何故赤ちゃんは長い時間睡眠をとるのでしょうか。それは、睡眠しているときに出てくる成長ホルモンに秘密があります。赤ちゃんの身体は生まれてから急スピードで成長していきます。

物を見る力を養い、食べ物の味を感じ、お父さんやお母さんの顔を見分けられるようになるのです。赤ちゃんが成長して、大人になっていくためには、脳の発達が必要ですし、身体の発達も欠かせません。成長ホルモンはその二つを促進させるために必要なもので、睡眠中にたくさん分泌されることがわかっています。

赤ちゃんは、生まれてから1歳になるまで身長が約1.5倍、体重は約3倍に成長していきます。たくさん成長ホルモンが必要な時期だからこそ、赤ちゃんには豊富な睡眠時間が必要になるのです。

月齢別の赤ちゃんの睡眠時間と様子

赤ちゃんは良く寝るものですが、月齢によって睡眠時間は変化していきます。まずは、生まれたばかりの新生児の赤ちゃんが、どれくらい睡眠時間を取っているのか見ていきましょう。

新生児

新生児

新生児の赤ちゃんは、1日のうち65%~80%をウトウト寝たり、起きたりしています。この頃の赤ちゃんの睡眠時間を比べると、1日のうち約16時間~18時間取っていることが多いようです。

ただ、かなり個人差がありますので、あまり睡眠をとらない赤ちゃんは12時間くらいのこともありますし、たくさん睡眠をとる赤ちゃんは20時間以上になることもあります。短いからダメ、長すぎるからダメということはありませんので、赤ちゃんのリズムを優先させてあげましょう。

新生児は昼夜問わずよく寝る

昼夜問わず寝る

新生児の赤ちゃんは、昼夜問わず短いサイクルで睡眠を取っていきます。睡眠時間にはかなり個人差があるものの、どの赤ちゃんも夜だから寝る、朝だから起きるということは認識していません。

新生児の赤ちゃんは、まだ昼と夜の認識ができていないため、関係なく眠ろうとするのです。また、新生児の赤ちゃんはレム睡眠が続いて眠りが浅いため、少しの刺激ですぐに目を覚ましてしまいます。徐々に月齢が進んで行くと、昼と夜の区別がつくようになり、睡眠リズムが変化していくでしょう。

生後1ヶ月~3ヶ月の赤ちゃん

生後1ヶ月~3ヶ月の赤ちゃん

新生児の頃は、昼夜問わず寝ていた赤ちゃんも、生後2ヶ月を過ぎる頃には徐々に昼と夜の区別がついてくるようになります。

しかし、まだ夜に長く寝ようとしたり、昼寝のタイミングをはかったりすることはできませんので、昼夜逆転することも多いでしょう。この頃の赤ちゃんの睡眠時間は、1日で14時間~15時間になることが多いようです。

生後3ヶ月~6ヶ月の赤ちゃん

生後3ヶ月~6ヶ月の赤ちゃん

生後3ヶ月~6ヶ月くらいになると、徐々に昼と夜の区別が認識できるようになってきます。また、体内時計が徐々に機能するようになってくるので、睡眠のリズムも掴みやすくなってくるでしょう。

この頃の赤ちゃんの睡眠時間は、1日で13~14時間くらいになることが多いようです。赤ちゃんによっては、夜の授乳が1回減って睡眠時間が長くなることもあるでしょう。

少しずつお布団に入る時間を整えてあげるようにすると、睡眠リズムがつかみやすくなります。この頃の赤ちゃんなら、日中の睡眠リズムを調整してあげるようにしてください。

朝9時~11時の間に朝寝を1時間、お昼の授乳が終わったら、お昼寝として2時間~3時間、夕寝として16時~17時の辺りに30分程度とれるリズムが理想的だと言えるでしょう。

もちろん、この睡眠時間を確保し、適したタイミングで取ることは難しいので、赤ちゃんに強制しないことが大切です。

生後6ヶ月を過ぎた赤ちゃん

生後6ヶ月を過ぎた赤ちゃん

生後6ヶ月を過ぎる頃になると、赤ちゃんの睡眠リズムが少しずつ変化してきます。夜泣きが始まり、なかなか寝てくれなくて大変な思いをするお母さんも多いことでしょう。

また首がすわりはじめて寝返りが打てるようになるため、うつぶせの状態で泣いて起きたりすることも増えてきます。生後6ヶ月を過ぎたころなら、睡眠時間をさらに調整していくようにしましょう。

今までは夕寝をしていましたが、徐々に夜の睡眠時間を長くしていく必要があるので、可能なら夕寝を卒業していきましょう。どうしてもウトウトしてしまう場合は、16時~17時の辺りで30分程度短めに夕寝を取るようにしてください。

生後6ヶ月~12ヶ月の赤ちゃん

生後6ヶ月~12ヶ月の赤ちゃん

生後6ヶ月~12ヶ月の頃になると、睡眠時間は11時間~13時間と短くなってきます。この頃になると、成長スピードは緩やかになってくるため、たくさんの睡眠時間が必要ではなくなってくるからです。

つかまり立ちや、ハイハイなどができるようになって運動能力が向上してくるので、睡眠の質も深くなり、ぐっすりと眠れるようになります。

睡眠時間も一度に長く取れるようになり、夜を中心に長い睡眠をとれるようになってくるでしょう。朝寝は無くなり、お昼寝の時間も短くなっていきます。1歳を過ぎる頃には、お昼寝の時間が無くても大丈夫になる赤ちゃんもいるでしょう。

睡眠時間と授乳・ミルクと体重増減

睡眠時間と授乳・ミルクと体重増減

1・2時間おきに目覚める赤ちゃんがいたり、生後すぐでも長時間寝る赤ちゃんがいたりと、睡眠リズムが整うまでは赤ちゃんによってスタイルが異なります。夜最後の授乳やミルクを終えたら朝までずっと寝ているという赤ちゃんならば、お母さんはとても楽です。

しかしこの時期夜にずっと寝てしまうと、昼間の授乳量やミルク量では足りずに体重が順調に増えない場合があります。寝ていると助かるからとそのままにしておくと、大きく成長する時期に栄養が足りず、体力がつかないので疲れて更に沢山寝るという悪いループに陥ってしまいます。

体重を測って体重曲線グラフに沿った伸びが見られないのならば、夜中に起こしてでも母乳・ミルクを飲ませるようにしましょう。

赤ちゃんの眠りが浅い場合は?

睡眠サイクルを整える

ご紹介した月齢別の睡眠時間やサイクルは、あくまで平均的な数値です。赤ちゃんにより個人差がかなりあるので、ご紹介した数値から外れていたとしても心配する必要はありません。

ただ、睡眠時間が短かったり、長かったりするのが個人差ではなく他の要因が影響していることもあります。睡眠サイクルを整えるためには、環境を万全にし、生活リズムを整えることが重要になってくるので、詳しくご紹介しておきましょう。

赤ちゃんの体内時計をリセット

体内時計をリセット

赤ちゃんの睡眠時間は、月齢が進んで成長していくにつれてどんどん変化していきます。徐々に長い時間眠れるようになってきたら、体内時計をしっかり管理していきましょう。

体内時計は人間の身体の場合、25時間で設定されています。1日は24時間ですから、体内時計に合わせていると少しずつずれていってしまうのです。

夜中に起きていたり、寝る時間が遅くなったりするのは、体内時計が影響していると考えられています。しかし、1日24時間というルールは変わりませんから、体内時計を調整してあげることが大切です。

最も簡単で確実なのが、朝日を決まった時間に浴びるというもの。朝6時~7時くらいに起きて朝日を浴びることで、体内時計がリセットされて24時間で快適に過ごせるようになります。太陽の光には、体内時計を動かす神経伝達物質「メラトニン」を刺激する作用があるので、積極的に朝の光を浴びるようにしましょう。

食事の時間を管理

食事の時間を管理

朝起きる時間を決めて、朝の光をしっかりと浴びたら体内時計がリセットされるので、睡眠サイクルが安定してきます。しかし、まだ睡眠を乱してしまう要素がありますので、ポイントをご紹介しておきましょう。

実は、食べる時間と眠たくなる時間は関連性があるため、食事の時間が乱れると、睡眠時間も乱れてしまうということがあります。そのため、朝、昼、晩、おやつといった食事の時間は必ず決めておくようにしましょう。

離乳食をスタートすると、食べるのに時間がかかったり、好き嫌いで食べなかったりすることもありますが、終わりの時間もしっかり決めて対応するようにしましょう。

赤ちゃんを疲れさせる。しっかり遊ぶ

しっかり遊ぶ

夜ぐっすり眠るためには、昼間にしっかりと遊んで身体を動かすことが大切です。家の中でばかり遊んでいると、消費エネルギーが少ないため、夜中に何度も起きてしまうようになります。

天気のいい日は外の公園で遊ぶようにして、できれば午前と午後に分けて2回遊ぶようにしましょう。しっかり身体を動かして遊べば、お腹が空いてたくさん食べるのでお腹も落ち着きます。空腹を感じると寝つきが悪くなってしまうので、しっかり食べられるように身体を動かして遊ぶようにしましょう。

お風呂の時間を決めよう

お風呂の時間を決めよう

赤ちゃんの睡眠時間を安定させたいなら、お風呂の時間もきちんと決めておくべきです。お風呂に入ることは身体への刺激にも繋がりますし、リラックス効果もあります。

また、「寝る前には必ずお風呂に入る」という習慣を身に着けておけば、お風呂に入ることで自然と眠たくなってくるでしょう。

お風呂上りに授乳やお水でしっかり水分補給し、少しスキンシップをとって徐々に寝る準備へと進んで行きましょう。遊び足りないようなら、お布団に入りながら絵本を読んだり手遊びをしたりして過ごし、自然に眠たくなるよう環境を整えていきましょう。

寝る環境で眠りの深さが変わる

寝る環境について

赤ちゃんの睡眠時間を整えたいなら、心地よく眠ることができる環境も必要です。室内温度は24℃前後が赤ちゃんにとって適温ですから、低すぎたり高すぎたりしないようにしましょう。また、衣服を着させ過ぎると汗をかいて夜泣きしてしまうため、軽めの衣服にしてあげるようにしてください。

お布団を何度もはだけさせるようなら、分厚すぎる可能性がありますので薄いお布団に変えてあげるようにしましょう。また、光や音の出るテレビやスマホはオフにし、静かに眠れる環境にすることも大切です。心地よい環境で、静かでリラックスできれば、赤ちゃんも自然に眠りにつきやすくなるでしょう。

お父さんも寝る環境を作りに協力を

赤ちゃんが十分な睡眠をとるには、家族の協力が欠かせません。せっかく寝入ったと思っても、お父さんが騒々しく帰ってくればパッチリ目が覚めてしまうでしょうし、テレビが大きな音量でついていれば気になって寝られません。

8時ごろには赤ちゃんが寝られるように、その前から少しずつ音量を下げたり照明を落として寝る環境を作るようにしてみましょう。

遅く帰ってくるお父さんは赤ちゃんと一緒に遊びたいかもしれませんが、その時間は休日や出勤前にずらしてもらってください。赤ちゃんを気にしすぎてストレスが溜まってもいけませんので、出来る範囲で皆が協力しあいましょう。

睡眠記録で状態を把握してみる

睡眠記録で状態を把握してみる

わが子がどれくらい寝ているのか分からない・十分の睡眠時間が取れているかどうか心配、というお母さんは、赤ちゃんの睡眠記録をつけるのをお勧めします。

24時間の表を作って、いつ寝たか・いつ起きたかを書き込んでいくだけなのですが、2ヶ月・3ヶ月とつけていくうちに、赤ちゃんなりのパターンが見えてきます。その表に当日あった事も書き込めば、もし睡眠時間が崩れた場合でも、その理由がすぐに分かります。

そのパターンを上手く利用すれば、赤ちゃんが睡眠時間を十分に取るためには何が必要かわかってくるのではないでしょうか。

赤ちゃん睡眠不足の弊害

睡眠不足の弊害

日本は先進国の中で、最も赤ちゃんの平均睡眠時間が低いと言われています。赤ちゃんの頃に睡眠時間の短さが当たり前になってしまえば、今だけでなく成長してからも様々なデメリットが現れるようになります。

睡眠が足りないと、大人はボーっとするようになったりイライラしがちですが、赤ちゃんも同様に記憶力が低下したり意欲の低さやイライラが目立つようになります。

また、夜泣きも睡眠のリズムが乱れて睡眠不足になるために起こると言われているので、夜泣きに悩むお母さんは一度赤ちゃんの睡眠方法を見直してみてはいかがでしょうか。これらの弊害は睡眠時間の不足だけではなく、就寝時間が遅くでも同様に起こりえますので、まずは早寝させるのを心がけましょう。

まとめ

赤ちゃんの睡眠時間について詳しくご紹介しました。月齢によって睡眠時間は変わりますし、個人差もかなりあります。新生児の頃は好きなように眠らせ、1歳に近づいてきたら睡眠サイクルを調整していくことで、夜に長く睡眠時間を取ることができます。

月齢や赤ちゃんの個性に合わせて睡眠をサポートし、質の良い睡眠時間が取れるようにしていきましょう。