双子育児はとにかく大変。授乳、沐浴、寝かしつけとすべてが二人分。赤ちゃんひとりでも育児は大変なのに、二人の赤ちゃんを一緒に育てるのは並大抵のことではありません。
双子育児の大変さはお母さんだけでなくお父さんにも及びます。お母さんひとりで双子の赤ちゃんのお世話をしていくのは困難の極み。双子育児はパパや家族の協力も欠かせません。
双子の赤ちゃんの育児は辛く大変ですが、その代わり赤ちゃん二人の可愛い姿を思う存分楽しめます。双子育児は辛い?それても楽しい?双子育児のコツとは?など、双子育児について知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介します。ぜひ参考にしてください。
双子育児は大変?
生まれたばかりの赤ちゃんは授乳の間隔が短く、お母さんはほぼ24時間つきっきりでお世話することになります。赤ちゃんはひとりでもお世話するのが大変。とくに新生児は授乳の回数が多く、夜間に何回も起きて授乳することになりますので、お母さんは慢性的な睡眠不足に。
赤ちゃんの育児は体力勝負。授乳や沐浴だけでなく、赤ちゃん用品の洗濯や洗浄、その上に料理や掃除といった家事も加わり、出産後のお母さんには精神的にも身体的にも大きな負担がのしかかります。
ひとりでもこんなに大変な育児。これが双子の赤ちゃんとなると、お母さんの負担は倍増します。双子育児のここが辛い!というポイントとその対策方法をご紹介します。
双子育児は授乳時間・回数が二倍になる?
生まれたばかりの赤ちゃんには昼夜の区別がなく、2、3時間おきに寝ては起きるを繰り返します。新生児の毎日は寝ることと母乳・ミルクを飲むことから成り立っているといっても過言ではありません。新生児の場合、一日に8回程度授乳を行う計算になります。
双子育児の場合は授乳の回数も倍になり、お母さんは休む暇がありません。ひとりの授乳が終わったかと思うと、もうひとりが起き出してもう一度授乳。赤ゃんの月齢が上がり授乳回数が減るまでは、これを延々と繰り返す毎日が続き、お母さんは慢性の寝不足・疲労に。
お父さんや周囲の方の協力が得られずに孤立してしまい、育児が嫌になるお母さんも大勢います。双子の赤ちゃんの授乳の負担を出来る限り減らすためには、家族の協力と双子の授乳のタイミングを合わせるなどの工夫が必要です。
双子の赤ちゃんの授乳のタイミングを合わせる
双子育児の中でもっとも大変なのが授乳。ひとりでも休む暇のない新生児の授乳。これが二人分になるとお母さんは一日中授乳に追われてしまいます。
授乳に伴う負担を少しでも軽減するには、双子の赤ちゃんの授乳時間を合わせるしかありません。双子の赤ちゃんに同時に授乳する方法について見ていきましょう。
双子の赤ちゃんの同時授乳
双子の赤ちゃんの授乳時間を合わせることが出来たら、授乳に要する時間も格段に減ります。二人一緒に授乳ることにより、睡眠パターンも同じになっていきますので、お母さんの自由時間も増え、心身ともにリフレッシュできます。
ひとりが起きたら、もうひとりの赤ちゃんも必ず起こすようにしましょう。母乳での育児を希望している方にとっても、二人同時の授乳は母乳の出を良くするのに効果的です。
授乳は母乳、ミルク、母乳・ミルク混合?
双子の赤ちゃんの栄養ですが、二人分の栄養を母乳のみで補うことは難しく、その結果母乳とミルクの混合栄養になる場合が多いようです。
また育児の疲れから体調を崩してしまい、母乳の出が悪くなりミルク栄養を選択するお母さんもいます。母乳、母乳・ミルク混合、ミルクと授乳の形に違いはあっても、双子の赤ちゃんの授乳の時間は極力合わせるようにしましょう。
母乳育児の場合
母乳育児の場合、お母さんはソファや椅子に腰掛け授乳するほうが楽です。二人同時に授乳する方法はいろいろありますが、お母さんが横になって添い乳するよりも、ソファなどに座って行ったほうが体への負担は少ないでしょう。
ソファに座った状態で授乳する際には、両脇に赤ちゃんを抱きこむ形で授乳する脇抱きや、お母さんの両膝に赤ちゃんを置いて授乳する縦抱きがあります。
脇抱きとは?
左右両脇にひとりずつ赤ちゃんを抱く脇抱きは、フットボール抱きとも呼ばれます。市販されている授乳クッションには双子用のものがありますので、これを利用すると便利です。赤ちゃんを左右の腕で抱きかかえるようにするもので、この方法なら母乳を一緒に与えることが出来ます。
縦抱きとは?
縦抱きとは座った状態のお母さんの左右の太ももに、赤ちゃんを一人ずつ乗せて授乳する方法。太ももにひとりずつ赤ちゃんを乗せるというのは、慣れるまではバランスが取れず難しいかもしれませんが、慣れると二人同時に楽に授乳できるようになりす。
ミルク育児の場合
ミルク育児の場合にも二人同時に授乳します。お母さんがひとりで飲ませる場合には、クッションや布団などで高さを調節し、赤ちゃん二人を自分の前に寝かせてミルクを飲ませます。
お母さん一人で授乳する際に両手に哺乳瓶をもって同時哺乳するのが無理であれば、ひとりずつ順番に飲ませましょう。お父さんや家族の方が手伝ってくれるようであれば、ひとりはお母さん、もうひとつの赤ちゃんはパパや家族に任せましょう。
母乳・ミルク混合の場合
母乳とミルク混合育児の場合の方法は三つ。ひとつは最初に二人ともに母乳をあげ、そのあと足りない分だけミルクをあげる方法。もうひとつはひとりには母乳、もうひとりにはミルクをあげる方法。この方法では授乳のたびに母乳とミルクを交替であげるようにします。
ひとりに母乳をあげながら、哺乳瓶でもうひとりの赤ちゃんにミルクを飲ませると、二人同時に授乳が出来ます。
双子育児は入浴が大変
双子の赤ちゃんの沐浴・入浴は大変な作業。新米お母さんだったら赤ちゃんひとりを入れるのも大変。その上双子の赤ちゃんを同時にお風呂に入れるのは至難のわざ。
入浴もまた双子育児の難関のひとつ。二人一緒に入れるには練習と経験、そしてお父さんや周囲の方の協力が欠かせません。
双子の沐浴・入浴のコツ
双子のお風呂の入れ方は月齢によってポイントが変わってきます。生まれてすぐのころはベビーバスでひとりずつ順番に沐浴をさせます。この段階では二人一緒に洗ってあげることは無理なので、ひとりはベビーベッドやお布団で寝かせておき、その間にもうひとりをすばやく洗います。
もう少し月齢が上がったら、ひとりをバスチェアに座らせておいて、もうひとつをベビーバスで洗う方法があります。免疫力の十分でない新生児をいきなり浴槽に入れることは出来ません。
赤ちゃんを浴槽に入れられるのは、少なくも月齢1ヵ月になってから。1ヵ月健診で医師から許可が出たら、ベビーバスを卒業し、浴槽に入れられます。お母さんひとりで二人一緒に浴槽に入れるのは無理であれば、お父さんが帰宅してからお風呂にしましょう。
家事は出来るだけ手抜きする
待望の赤ちゃんの誕生。育児に対する気持ちも高まり、授乳は完全母乳、離乳食は毎日手作りで、と理想的な育児の形を夢見てしまうこともあるでしょう。しかし現実的にはパパや周囲の家族の協力があっても、双子の育児には大きな苦労がつきまといます。
精神的なプレッシャーも大きく、毎日24時間の育児に追われ、育児ノイローゼになるお母さんも大勢います。双子でなくても小さな赤ちゃんの育児は並大抵のことではありません。双子育児ともなると、授乳とおむつ替えにお風呂だけで、24時間すべてが費やされてしまいます。その上掃除、料理、洗濯などの家事が加わると、どんなに一生懸命に頑張っても育児と家事の両方を完璧にこなすことはとても無理。
双子の育児を行っている最中は、家事については手抜きもやむなし、と考えなければお母さんの体が持ちません。家事に関しては無理せず、手抜きできることはすべて手抜きするくらいの気持ちで臨むようにしましょう。
お父さんや家族のサポートが不可欠
双子の育児をお母さんひとりでするのはまず不可能。お父さんや家族の方の協力が欠かせません。双子の赤ちゃんを妊娠していると分かったら、ご主人はもちろんのこと、実家のご両親やご主人のご両親にも報告を兼ねて協力をお願いしておきましょう。
その上で、お父さんと協力してくれる家族の方に対して、週にどの程度のサポートをしてもらえるか、出産前にある程度サポートしてくれる方のめどをつけておくようにしましょう。
授乳やお風呂のサポートはもちろんのこと、1、2時間程度でもお母さんがひとりでほっとできる時間を作れるよう、赤ちゃんを見ていてくれる方がいると心強く感じられます。
便利な育児グッズを活用する
双子育児の負担を少しでも減らすため、便利な双子用育児グッズを積極的に利用してみましょう。双子用の育児グッズというと、二人乗りのバギーを思い浮かべますが、使って便利なグッズは他にもたくさんあります。お出かけだけでなく、双子の授乳やお風呂も断然楽になる便利グッズについて見ていきましょう。
双子用縦型ベビーカー
双子用のベビーカーには縦型と横型のものがあります。横型とは横に二台ベビーカーが連なったタイプ。双子用ベビーカーというと以前にはこの横型タイプが主流でしたが、現在では縦型とよばれるタイプも大人気。
横型タイプは赤ちゃんを乗せて歩くときに場所を取りすぎてしまい、他の通行者の邪魔になるというデメリットがありますが、縦型タイプなら一人用のベビーカーと同じ幅でこの悩みから解放されます。縦型ならスーパーやデパートに赤ちゃんを連れていっても気になりません。
もちろん横型タイプにもたくさんのメリットがあります。横型タイプも縦型タイプもデザイン性に優れていて、見ているだけで可愛いものがたくさん。双子の赤ちゃんを連れて外出する機会の多いお母さんのマストアイテムです。
双子用授乳グッズ
amazon:ツインズサポートクッション
双子の赤ちゃん二人に同時に授乳するときに便利なのがこれ、授乳用のサポートクッションです。赤ちゃん二人を同時に授乳できるので育児時間を短縮できます。双子用授乳クッションは半円形で、赤ちゃんを乗せられる部分が広くなっています。
双子の赤ちゃんを左右に置いて同時に授乳するのに便利。二人分の赤ちゃんの重みに耐えられるよう、マットレス素材が使われているので、お母さんの体にかかる負担がぐっと少なくなります。
ひとり飲みクッション
amazon:ハンズフリー授乳クッション
ひとり飲みクッションとは、赤ちゃんにひとりで哺乳瓶から飲んでもらえるように工夫されたクッションで、お母さんの手で支える必要がないことが最大のメリット。
傾斜のついたクッションに哺乳瓶を固定するようになっています。ただし授乳のときに動きの多い赤ちゃんには向いていないというデメリットもあります。授乳時の高さ調整やベビーチェアに乗せての授乳の際に利用するなど、授乳のサポートグッズと捉するといいでしょう。
双子用抱っこひも
amazon:TwinGo 双子用ベビーキャリア
抱っこ紐があると赤ちゃん連れの外出が断然楽になります。抱っこ紐には双子用のものもありますので、これはぜひひとつ用意しておきましょう。お父さんや家族の方と一緒に出かける場合は必要ありませんが、お母さんがどうしてもひとりで双子を連れて外出せざるを得ない状況も考えられます。
赤ちゃんの急病、定期健診、買い物など、双子用の抱っこ紐があると重宝します。一人用のおんぶひもと抱っこ紐を組み合わせて利用しているお母さんもいますが、その際には紐が解けて赤ちゃんが落下したりしないよう、厳重に注意することが必要です。
ハイローチェア
amazon:ハイローベッド&チェア ユラリズム
ハイローチェアとはいろいろな使い方のできる便利なベビーチェアで、電動タイプもあります。高さの調節が可能で、リクライニング機能もあり、ベビーベッドとしても利用でき便利。
またバウンサーのように揺らして寝かせることもできますので、一台でベッド、チェア、バウンサーと何役もこなしてくれます。双子のひとりがぐずったときに、泣いている赤ちゃんはお母さんが抱っこ、もうひとりはハイローチェアに座ってもらうといった使い方がお勧めです。
まとめ
双子育児に関しては大変さばかりが目についてしまいますが、年子育児と同じように赤ちゃん二人が一気に大きく成長してしまうというメリットもあります。いちばん手のかかる時期さえ終わってしまえば、あとはお母さんの自由時間が増えますので、早く子育てを終えることができます。
確かに双子育児は大変ではありますが、それと引き換えに最高の幸せや楽しみをもたらしてくれます。かけがいのない経験をした、どんなに大変なときでも双子の寝顔を見るだけで元気をもらえた、双子ということで見知らぬ人にも親切にされたなど、双子ならではの楽しさもいっぱい。お父さんや家族の方にもしっかり協力を求め、双子育児を上手に乗り切るコツをしっかり掴んでおきましょう。