赤ちゃんをお風呂に入れようとすると泣き出してしまい、なかなか泣き止んでくれない。お風呂に入れるたびに泣き出すので、お風呂に入れる時間が近づくとストレスを感じる。
赤ちゃんは泣くものと分かってはいても、お風呂のたびに泣かれるのは辛いもの。どうして泣いているのか、理由がはっきり分からないので宥めるお母さんも一苦労します。
赤ちゃんとのバスタイムはお母さんやお父さんにとって楽しいスキンシップの時間。赤ちゃんがお風呂嫌いにならないよう、お風呂に入れるときに注意したいポイントなど赤ちゃんがお風呂で泣くときに知っておきたい情報をいろいろとご紹介します。
赤ちゃんがお風呂で泣く原因とは?
お風呂に入ることは大人にとっては至極当たり前のことで、不安に感じることなど何一つありませんが、赤ちゃんには、お風呂に入ることがどういう意味なのかまったく分かりません。
何の準備もいきなりお風呂に入れられることは、赤ちゃんにとって楽しいことではありません。赤ちゃんがお風呂で泣く原因や状況について、考えられることをポイントごとに挙げていきましょう。
服を脱がされること
これからお風呂に入るということが分からない赤ちゃんにとって、いきなり着ている服を脱がされることは不安材料のひとつになります。
ぬくぬくと安心しきっていたところに、唐突に服を脱がされると、怖い、不安、驚き、混乱といったネガティブな感情を本能的に感じてしまいます。
浴室が寒すぎる・熱すぎる
浴室の温度が適切に保たれていないことも、赤ちゃんが泣き出してしまう原因のひとつ。赤ちゃんはまだ体温調節機能がうまく機能していないため、周囲の室温や湿度の変化が大きいとそれだけで体力的にも精神的にも負担になります。
お湯の温度が熱すぎる
大人にとっては適温でも、皮膚の薄い赤ちゃんにとっては熱すぎることもあります。赤ちゃんの体にかけるお湯の温度が高すぎる場合にも泣き出してしまいますので、お湯の温度調整はしっかり行わなければなりません。
お母さんやお父さんの抱き方が良くない
まだ赤ちゃんをお風呂に入れることに慣れていない新米お母さんやお父さんは、お風呂での赤ちゃんの抱き方が不自然だったり、ぎこちなかったりすることも。赤ちゃんを片手で抱いて、もう片方の手で赤ちゃんの体を上手に洗うには、ある程度の経験と練習が必要になります。
沐浴のときは泣かなかった赤ちゃんが、お風呂になってから急に泣き始めた場合は、抱き方が不安定なせいかもしれません。
体を洗われることを嫌う
石鹸やバスフォームで体を洗われることが嫌いな赤ちゃんもいます。石鹸のぬるぬるした感触や体に水がかかることが怖くて泣き出してしまうのかもしれません。
石鹸やシャンプーが目に入った
赤ちゃんの体や顔を洗っているときに、どんなに気をつけていても石鹸やシャンプーが赤ちゃんの目や鼻、口に入ることがあります。お風呂の途中まではなんでもなかったのに、突如泣き出した場合には石鹸やシャンプーが目や鼻に入っていないかどうか、確認してあげましょう。
お風呂の時間が長すぎる
赤ちゃんは体力がなく、お湯に当たるだけですぐに疲れてしまいます。赤ちゃんがお風呂で泣くのは、疲れて眠くなったせいかもしれません。赤ちゃんをお風呂に入れる際には、疲れさせないように、必要なものをすべて用意した上でさっと済ませることが必要です。
シャワーの音に敏感に反応してしまう
お風呂場は密閉空間で音が響きやすくなっています。シャワーの音、お湯を体にかける音、浴槽につかる音などに驚いてしまい、泣き出す赤ちゃんもいます。
具合が悪い、機嫌が悪いとき
お母さんのお風呂の入れ方に何一つ問題がないにも関わらず、泣き出して止まらない場合には、赤ちゃんの体の具合が悪いせいかもしれません。赤ちゃんが具合悪そうにしているときや機嫌が悪いとき、空腹なときや授乳後すぐなども避けたほうがいいでしょう。
赤ちゃんがお風呂で泣き出す状況のいろいろ
赤ちゃんがお風呂で泣く状況はさまざま。お風呂に入れようと服を脱がせているときから泣き出す子もいれば、体を洗おうとすると激しく泣き出す子も。またお風呂からあがった後にぐずぐず泣いてしまう赤ちゃんもいます。
月齢3ヶ月目頃から泣き出す子もいれば、月齢5ヶ月以降になってから泣き出す子もいて、いつ頃がいちばんお風呂に入れにくいかは、一人一人の赤ちゃんによって異なります。生まれたばかりの赤ちゃんはまだ視力が弱く、ぼんやりとしか物を認識できません。周囲の状況をはっきり認識できないため、普段と違うことを感じると不安に感じてしまいます。月齢が上がるにつれて視力も発達し、お風呂で泣くことも少なくなっていきます。
赤ちゃんがお風呂で泣くのは一過性
お風呂で赤ちゃんに泣かれてしまうと、どうしていいのか途方に暮れてしまいますが、これは一過性のもの。それまではお風呂に入れるたびに激しく泣きていたのに、ある日突然まったく平気になるパターンがほとんどですので、あまり神経質にならずに赤ちゃんを優しい言葉で宥めながら、できるだけ短い時間内にお風呂を終えるようにしましょう。
赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点と対処法について
赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点について詳しくみていきましょう。赤ちゃんは泣くものとはいえ、何の準備や段取りもなく 赤ちゃんをお風呂に入れることはお勧めできません。
赤ちゃんにできるだけ快適にお風呂に入ってもらうためにも、またお母さんやお父さんの負担をできるだけ軽くするためにも、赤ちゃんのお風呂の上手な入れ方についてしっかり把握しておきましょう。
授乳後は避ける
授乳後すぐの入浴は避けるようにしましょう。同様におなかが空いているときや機嫌や体調の悪そうなとき、眠そうなときにお風呂に入れられると、ぐずり泣きをするのは当たり前。
機嫌が悪いときや熱っぽいときは無理やりお風呂に入れる必要はありません。お湯でガーゼを濡らし、顔や首、体の気になる部分を優しく、丁寧に拭いてあげるようにしましょう。
赤ちゃんに話しかけながらお風呂に入れる
水の音や体に不意にかかるお湯を怖がる赤ちゃんに対しては、お母さんからのはたらきかけが欠かせません。きれいにしようね、気持ちいいね、と優しく赤ちゃんに話しかけながら、体を洗い流してあげるようにしましょう。
赤ちゃんが不安に感じないように、お母さんの肌を赤ちゃんにぴったりとつけ、安定した体勢で赤ちゃんを支えるようにします。
赤ちゃんの服を脱がせる前の段取り 待たせない
赤ちゃんの服を脱がせてから、お風呂に必要なものや着替えを用意していては、赤ちゃんに寒い思いをさせてしまいます。赤ちゃんの服を脱がせる前にお風呂に必要なものと着替えをすべて用意するようにしましょう。
ベビーソープやシャンプーといった入浴グッズだけでなく、お風呂から上がったときにすぐに必要なバスタオル、綿棒やベビーオイルといったケア用品も一緒に用意しておきましょう。他にもオムツや着替えを必ずセットにして、赤ちゃんの着替えを行う場所にスタンバイしておきます。
お風呂場にはベビーソファやバスチェアを用意しておくと、お母さんが体を洗うときに便利です。またお風呂が終わったあとに赤ちゃんの着替えを行う場所として、バウンサーなどの上にバスタオルを敷いておくといいでしょう。
服を脱がせたらガーゼや沐浴布で体を覆う
すっぽりと体を覆っているベビー服を脱がせると、それだけで不安になってしまう赤ちゃんもいます。赤ちゃんに無防備な思いをさせないよう、服を脱がせたら沐浴布やガーゼで体を覆ってあげましょう。
刺激の少ないソープを使う
どんなに注意していても赤ちゃんの体を洗っているときに、ソープやシャンプーが目に入ってしまうことがあります。刺激の強いソープやシャンプーが目に入ると、その痛みで赤ちゃんは泣き出します。ソープやシャンプーは、できるだけ刺激の少ないタイプを選ぶようにしましょう。ベビー用ソープであれば安心ですが、大人用のものを使う場合には、敏感肌の方でも使用できるマイルドなタイプにしましょう。
お風呂の時間をできるだけ短くしたい場合は、石鹸よりも泡タイプのほうが便利です。泡立てる手間が省けます。
浴室の温度を調整しておく
赤ちゃんをお風呂場に入れる前に、浴室の温度を調整しておきます。寒すぎないよう、また暑すぎないよう、前もって浴室の温度や湿度をしっかり確認しましょう。体温調節機能が未熟な赤ちゃんにとっては、寒すぎても暑すぎても不快に感じられます。
お湯の温度を適切に調整する
お湯の温度が熱すぎると赤ちゃんが泣き出すだけでなく、デリケートな皮膚をいためる原因にもなります。適温は体温よりも少し高めの38℃から39℃。季節によって若干の調整を行うことも必要です。
シャワーの温度だけでなく、湯船の温度もしっかり調整しましょう。大人にとってはぬるく感じられるかもしれませんが、赤ちゃんを湯船に入れる際には少しぬるめに調整しておきましょう。また湯船につかる時間は2、3分程度にとどめたほうが安心です。
お湯の温度を調整するのに便利なのが湯温計。手で確かめるだけではよく分からないときに重宝します。
シャワーの圧力は弱めにする
頭や体にシャワーのお湯をかける場合、シャワーの圧力はごく弱めにしましょう。赤ちゃんの体にいきなり強くシャワーを当てると泣き出してしまいます。シャワーを嫌がるようであれば、お母さんの手でシャワーの圧力を弱めながら赤ちゃんの体に当てる方法もあります。
シャワーヘッドをベビー用タイプにすると、柔らかな水圧で赤ちゃんの不安を軽減してくれます。他にもシャワーヘッドをガーゼで包むと水の勢いをおさえられます。どんな方法がもっとも便利で効果的か、いろいろな方法を試してみましょう。
手早く体を洗うようにする
体力のない赤ちゃんにとっては、ぬるめのお湯でもお風呂に入れる時間が長すぎると、体力を消耗させてしまいます。とくに月齢の低い赤ちゃんの入浴時間はできるだけ短くすることが基本。同時にお湯の温度にも注意しましょう。赤ちゃんを疲れさせないためには、手早くお風呂に入れる必要があります。
お風呂に入れる前にバスグッズをすべて準備し、入浴時間をできるだけ短くしてあげましょう。体を洗われることやシャワーで石鹸を洗い流すことを嫌がる場合、浴槽の中でガーゼを使い体の汚れをふき取る方法もあります。
入浴時間は体を洗う時間と浴槽につかる時間を含めて、10分から15分以内におさめましょう。
入浴後は赤ちゃんとのスキンシップタイム
入浴後は赤ちゃんに風邪を引かせないよう、用意しておいたバスタオルですばやく赤ちゃんの体から水分をふき取ってあげます。その後は赤ちゃんとのスキンシップの時間にしましょう。
綿棒で耳やおへそのお手入れを済ませたら、ベビーオイルでマッサージ。赤ちゃんが泣いているときはしっかりお母さんが抱きとめてあげるようにしましょう。
入浴後の水分補給を忘れずに
お風呂から上がったら必ず水分を補給してあげましょう。熱いお湯に入ったあとは喉が渇いています。月齢によりますがミルクや白湯、麦茶など、お風呂に入る前に用意しておくといいでしょう。
ベビー用バスグッズを利用する
赤ちゃんをお風呂でご機嫌にしてくれるのが、あると便利なベビーバスグッズ。ベビーチェアやベビー用タブ、赤ちゃんの耳に水が入らないようにしてくれるイヤキャップ、手で支えずに赤ちゃんを抱けるバス用のスリング、滑らないバスマット、音の出るバス用おもちゃなど、赤ちゃんの入浴を手助けしてくれるバスグッズを上手に利用しましょう。
お父さんに手伝ってもらう
お母さん一人で赤ちゃんをお風呂に入れるのは大変な作業。お父さんがいるときはパパに手伝ってもらうと楽になります。お母さんが体を洗っている間は、お父さんに赤ちゃんを見ていてもらうと安心です。
まとめ
赤ちゃんがお風呂で泣く原因や状況や、お風呂に入れるときの注意点・対処方法など、赤ちゃんの入浴について知っておきたい情報をポイントごとにご紹介しました。
赤ちゃんとのお風呂は貴重なスキンシップの時間。赤ちゃんとの肌と肌の触れ合いを楽しめる寛ぎタイムにしたいものですが、お風呂を嫌がる赤ちゃんは意外に多く、楽しいはずのお風呂タイムが台無しになることもあります。
赤ちゃんがお風呂で泣くのは所詮一過性の出来事。それまでは毎日泣いていた赤ちゃんが、ある日突然大のお風呂好きになることもよくあること。お風呂で赤ちゃんに泣かれてもイライラせず、優しい言葉で宥めながらさっと終えるようにしましょう。