赤ちゃんの首すわりについて知っておきたいこと

赤ちゃんの首すわりについて知っておきたいこと いつ頃 早い 遅い 練習 確認 注意点 など 赤ちゃん 生活

生まれたばかりの赤ちゃんは小さくて、とってもデリケート。新米お母さんにとっては、赤ちゃんを抱っこして授乳するのもちょっと不安かもしれません。生まれたばかりの赤ちゃんはまだ首の筋肉が発達してないので、自分の筋肉の力で頭を支えることが出来ず、ふらふら、ぐらぐらと不安定に揺れてしまいます。

首のすわっていない赤ちゃんは、抱き方・寝かせ方に細心の注意を払わなければ、危険が及ぶこともあります。首すわりが完了しているかどうかは、育児のやり方自体を大きく左右する重要事項。また抱っこやおんぶに便利な育児アイテム、抱っこ紐にしても首すわり前・首すわり後では、違うタイプのものを選ばなければなりません。

赤ちゃんの首がすわるのはいつから?首がすわらない場合は練習が必要なの?首すわりが完了しているかどうか、どうやって確認するの?など、赤ちゃんの首すわりについて知っておきたいポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

赤ちゃんの身体機能の発達順序

赤ちゃんの身体機能の発達順序

赤ちゃんの首すわりについて詳しく見ていく前に、まずは赤ちゃんの身体機能の発達について押さえておきましょう。赤ちゃんの身体機能の発達は上から下へと順々に進んでいきます。

最初に目で物を追えるようになり、その後に首すわり、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、つかまり歩きと続き、最終的に一人歩きが出来るようになる、というのが、赤ちゃんの身体機能の発達過程。

首すわりが完全に出来るようになるには、首の筋肉だけでなく、肩や背中、腕の筋肉など、上半身の筋肉すべてがきちんと発達することが条件になります。

生まれたばかりの赤ちゃんの首の状態とは?

生まれたばかりの赤ちゃんの首の状態とは?

生まれたばかりの赤ちゃんはまだ首の筋肉の発達が完成していないため、お母さんに支えてもらわないと、頭や首が前後左右にがくがく揺れて危険です。

首の筋肉が未発達なため、支えがないと、まっすぐに頭を持ち上げることが出来ません。起きているときも寝ているときも、筋肉の力で自分の頭を持ち上げることが出来ないばかりか、前後左右に身動きすることさえ出来ませんので、布団に寝かせる際や抱き上げる際には赤ちゃんに怪我がないように、慎重に優しく支えてあげることが必要です。

赤ちゃんの首がすわるとはどんな状態?

赤ちゃんの首すわりが完成するまでにはいくつかの段階があります。完全に首がすわる状態になるまでには、どのような過程があり、そしてそれらはいつ頃起きるのでしょうか?

首すわりが完了するまでには、下に挙げた過程をひとつひとつクリアしていく必要があります。

首がしっかりしてくる

首がしっかりしてくる

生後すぐの赤ちゃんは首がぐらぐらしていますが、生後一ヶ月目には首まわりの筋肉が徐々に発達してきて、首がしっかりしてきた、と感じられるようになります。

首がしっかりしてくると、うつぶせの体勢から頭を持ち上げようとする動きも見られるようになります。首の筋肉が徐々に発達していることを意味します。

少しの間であれば頭をまっすぐキープできる

少しの間であれば頭をまっすぐキープできる

生後2ヶ月目になると、お母さんに縦抱きにされたときに、ちょっとの間であれば、頭をまっすぐにキープできるようになります。

首や肩の筋肉はだいぶしっかりしてきていますが、長い間この状態を保つことは出来ず、しばらくすると頭が揺れてしまいます。

この段階ではまだ首は完全にはすわっていませんので、赤ちゃんの後頭部から手を離すと、頭がぐらぐら、ガクガクしてしまいます。またこの時期になると、音に反応して頭をその方向に向けるようにもなります。

うつぶせ寝の状態から頭を少しの間持ち上げられる

うつぶせ寝の状態から頭を少しの間持ち上げられる

生後3ヵ月頃になると、うつぶせ寝の体勢から頭を持ち上げられるようになります。ここまで来ると、首すわりの完了まであと少し。

自治体が行っている3ヵ月・4ヵ月の乳幼児定期健診の際にも、首すわりは必ずチェックされますので、気になることがある場合には、このときに医師に相談してみると良いでしょう。

仰向けの状態で引き起こすことが出来る

仰向けの状態で引き起こすことが出来る

仰向けに寝ている赤ちゃんの両腕を持ち引くことにより、赤ちゃんの首が体と一緒に起き上がってきたら、赤ちゃんの首すわりもほぼ完了したといえるでしょう。

引き起こしをする際には、決して無理せず、赤ちゃんの両腕を優しく引いてあげるようにしましょう。

3ヵ月・4ヵ月乳幼児定期健診

3ヵ月・4ヵ月乳幼児定期健診

3ヵ月・4ヵ月目に行われる乳幼児定期健診では、首のすわりが重点的に確認されます。他にも身長、体重、頭囲、胸囲といった身体の成長度合だけでなく、音への反応や目で物を追うかどうか、あやすと笑うかどうか、首はすわっているかといった身体機能の発達状態も詳しくチェックしてもらえます。

3ヵ月・4ヵ月目の乳幼児健診はほとんどの自治体が実施していますので、必ず受診するようにしましょう。

赤ちゃんの首すわりの時期は?いつから?

赤ちゃんの首すわりの時期は?いつ頃?

すでに述べたように、首すわりをはじめ、赤ちゃんの身体の成長や発達にかかる時間には個人差があります。月齢がどのくらいになったら首すわりが出来るようになるかは、一人一人の赤ちゃんの成長の度合いや置かれている環境、赤ちゃんの個性などによって違ってきます。

早い子では生後2、3ヵ月頃に首がすわりますが、遅い赤ちゃんでは生後5ヶ月以降になってはじめて首すわりが完全になります。

赤ちゃんの首すわりは焦らずに見守る

赤ちゃんの首すわりは焦らずに見守る

赤ちゃんの首すわりが完了するまでには、少なくても1、2ヶ月、場合によっては数ヶ月以上かかることもあります。赤ちゃんの成長や発達については、ついつい他の赤ちゃんと比べてしまいますが、赤ちゃんの発達には個人差があることを理解しておくことが大切。

同じ月齢の子が出来ているからといって、むやみに焦っても仕方ありません。赤ちゃんの首すわりに対する正しい知識を備えておき、赤ちゃんが安全に過ごせるよう、上手にサポートすることが必要です。

首すわり前と首すわり後では、抱き方、授乳の仕方、寝かせ方、入浴のさせ方など、育児の際の注意点がいろいろと異なってきます。首すわりが完成するまでの間、お母さんやお父さんは赤ちゃんに危険がないよう、十二分に注意を払わなければなりません。

赤ちゃんの首すわりはどのように確認する?

赤ちゃんの首すわりはどのように確認する?

赤ちゃんの首がすわると、抱っこやおんぶだけでなく、授乳、お風呂、外出と、育児のすべてが少し楽になるような気がします。

お母さんやお父さんとしては、出来るだけ早く首がすわってほしいと思うのが当たり前。赤ちゃんの様子を観察しては、首がすわったかどうか確認してみたくなります。今度は赤ちゃんの首がすわっているかどうか、どのような方法で確認できるかについて見ていきましょう。

以下に挙げる確認方法はきわめて一般的なものですが、実際のところ、赤ちゃんの首すわりが終わっているかどうかの判断は、それほど簡単ではありません。首すわりについての疑問点や不安なことは、3ケ月・4ヵ月の乳幼児健診の際に、医師に直接尋ねることをお勧めします。

うつぶせ寝で頭を持ち上げられるかどうか

うつぶせ寝で頭を持ち上げられるかどうか

うつぶせ寝の体勢から頭を持ち上げられるかどうか確認してみましょう。この動きは首すわりの発達の第一段階。首だけでなく、肩、腕、胸、背中と上半身の筋肉全体の発達具合もチェックすることが出来ます。

うつぶせ寝をさせるときに注意点

うつぶせ寝は首がある程度しっかりしてからでないと非常に危険なので、その点にくれぐれも注意しましょう。首がすわる前に、ふとした瞬間に寝返りが出来てしまうことがありますが、この場合も要注意。

うつぶせになったまま頭を起こすことが出来ないと、窒息してしまう危険性があります。赤ちゃんがうつぶせになったときは、つきっきりで側にいて、赤ちゃんに危険がないよう注意してください。まだ首すわりが完了しない段階では、頭は少し上がるものの、その状態をキープできません。その場合も適切なサポートをしてあげるようにしましょう。

縦抱きにしてみる

縦抱きにしてみる

縦抱きにして、少しだけ赤ちゃんの体を傾けてみたときに、赤ちゃんが自分で頭をまっすぐにすることが出来るかどうかの確認になります。

体を傾けたときに、赤ちゃんの頭がふらふら傾く場合にはまだ首がすわっていません。急な角度で体を傾けるのは危険ですので注意しましょう。

赤ちゃんを仰向けの状態から引き起こす

赤ちゃんを仰向けの状態から引き起こす

仰向けの体勢の赤ちゃんの両腕を優しく引き、赤ちゃんが体を引き起こせるかどうかの確認になります。赤ちゃんの頭が体と一緒に起きあがってきたら、首がすわってきたことを意味します。

赤ちゃんが痛くないよう、手を引っ張るときは優しく、ゆっくり起こしてあげましょう。体に頭がついてこない場合は、首すわりは出来ていません。寝かせた状態の赤ちゃんの腕だけを強く引っ張って起こすのは危険です。

赤ちゃんの首すわりの練習はしたほうがいい?

赤ちゃんの首すわりの練習はしたほうがいい?

赤ちゃんの首すわりは生後2、3ヶ月で始まり、4、5ヶ月目に完了するのが標準的といえますが、これはあくまでも目安。赤ちゃんの成長の度合いやもってうまれた身体的な特徴により、標準よりも早く出来る子もいれば、生後半年を過ぎてからやっと首がすわる子もいます。

他の赤ちゃんよりも首すわりが遅いからといって、焦る必要はありません。赤ちゃんの身体機能の発達とともに、首すわりも必ず出来るようになりますので、必要以上に赤ちゃんにプレッシャーをかけることがないように注意しましょう。

首すわりのための練習というよりも、上半身の筋肉を発達させ、適度な運動をさせるという意味に捉えたほうが良いでしょう。

うつ伏せの練習が首座りの練習に

うつ伏せの練習が首座りの練習に

うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群のリスクを高めるという話があります。うつ伏せ寝のリスクとは、寝返りの出来ない赤ちゃんが、枕や布団に鼻や口を塞がれてしまい、窒息するおそれがあること。

このうつ伏せ寝のリスクを不安に思うあまり、赤ちゃんが起きているときも、一切うつぶせにしないという育児方針を持っている方がいるようですが、これは赤ちゃんの上半身の筋肉の発達を遅らせてしまうことがあります。

うつぶせにしたまま、赤ちゃんを放置しておくことは絶対にしてはいけません。いかなる理由であれ、赤ちゃんをうつぶせにするときは、お母さんやお父さんが側につきっきりでサポートするようにしましょう。

赤ちゃんに危険が及ぶおそれがなければ、うつぶせの練習をさせることは首すわりの練習として効果的です。

まだ赤ちゃんの頭ががくがく、ふらふらするときは無理ですが、うつぶせの体勢から、少しの間頭を持ち上げられるようになったら、うつぶせの練習も取り入れてみましょう。首だけでなく、背中や腕の筋肉に適度な刺激を与えることが出来ますので、上半身全体の運動になります。参考:社団法人 大阪小児科医会 首のすわり

首のすわりが遅いのは先天的な病気?

首のすわりが遅いのは先天的な病気?

他の赤ちゃんよりも少し発達が遅いからといって、お母さんやお父さんが焦ってしまうのは禁物。

首すわりがなかなか出来ないと、脳性まひや筋肉の異常などの先天的な病気なのでは?と不安に駆られてしまうお母さんもいるようですが、首すわりの時期が遅いということだけでは、先天的な病気なのかどうかを判断することは出来ません。

首の筋肉以外にも気になることがある場合には、小児科で精密検査と診察を受ける必要があります。

赤ちゃんの上手な抱き方について

赤ちゃんの上手な抱き方について

首すわりの前と後とでは、赤ちゃんの抱き方を変えなければなりません。首がすわる前の抱き方の基本は横抱き。赤ちゃんを胸の前に包むように両腕で抱えます。

首がすわるようになった4、5ヵ月目からは縦抱きが便利。まだ首のすわっていない赤ちゃんでも、授乳後のげっぷのときには縦抱きをすることになりますので、縦抱きの上手な行い方も学んでおきましょう。

縦抱きをする際にも赤ちゃんの頭をしっかり支えてあげないと、首すわりが完了していない赤ちゃんの場合、頭がグラグラ、がくがくすることがあります。

抱っこ紐も首すわりの段階に応じて選ぶ

抱っこ紐も首すわりの段階に応じて選ぶ

乳幼児を抱っこ・おんぶするときに欠かせないのが抱っこ紐。抱っこ紐にはたくさんの種類があり、どれを選ぶか迷ってしまいますが、その際に考慮に入れるべきなのが首すわりが出来ているかどうか。

市販の抱っこ紐は、首すわりが出来た赤ちゃんに対して使用するタイプが主流ですが、最近では首すわり前から使えるものもたくさんあります

まとめ

赤ちゃんの身体機能の発達は順々に少しずつ進んでいくもので、ある日突然完璧に出来るようになることは稀。ほとんどの場合は、一進一退を繰り返しながら、気がついたら自然に出来ていたという流れになります。

首すわりも同様で、はじめの頃は、うつぶせの体勢から頭を起こそうと苦しそうに頑張っていた赤ちゃんも、毎日毎日これを繰り返すことにより、首や肩の筋肉がどんどん発達していきます。赤ちゃんの首がすわるまで、抱き方や寝かせ方に注意しながら、焦らずサポートしてあげましょう。