初めての育児は大変なことの連続です。やっと育児のリズムがわかってきて、赤ちゃんとのコミュニケーションも取れるようになってきたら、次に心配になってくるのが身体の発達です。
最初に気になることのひとつとして、寝返りがありますが、どれくらいの月齢で寝返りが完了するものなのでしょうか。平均的な寝返りの月齢を知ることで、焦る必要はありませんが、気になることはたくさんあると思います。
そこで、さまざまな寝返りについて知っておきたいことを詳しくご紹介していきましょう。
寝返りの時期は いつ頃?
赤ちゃんが寝返りをし始める時期は、かなり個人差があります。早い場合だと、生後3ヶ月~4ヶ月で寝返りを始める赤ちゃんがいますが、平均的には生後5ヶ月~6か月あたりが多いようです。
寝返りを初めて、完璧に寝返りができるようになるのは生後7ヶ月くらいだと言われていますが、生後9ヶ月に寝返りが完了する場合もあるので、目安として捉えておきましょう。
寝返りしやすい時期や、寝返りしやすい条件などもあるので、詳しくみていきましょう。
寝返りしやすい季節は
赤ちゃんが寝返りする月齢にはかなりの個人差があります。活発な赤ちゃんや、身体を動かすことが大好きな赤ちゃんだと寝返り時期は早いかもしれませんが、それ以外にも寝返りに影響しているものがあります。
それが、季節です。季節によって寝返りしやすいときと、そうでない時があります。基本的に、暖かい季節は寝返りしやすいと言えるでしょう。その頃に月齢3ヶ月~4ヶ月あたりに成長していると、早めに寝返りをすることになります。
一方、寝返りしにくい季節としては、寒い季節です。そのため、寝返りする月齢は少し遅れ気味になるでしょう。
寝返りしやすい服装は
赤ちゃんが寝返りしやすい季節があるのは、気温だけでなく服装も関係しています。暖かい季節には薄着になるため、身体を動かしやすくなります。
一方、寒い季節には厚着になるため、身体を動かしにくくなります。もし、寝返りの練習を始めるとき、厚着の状態であれば室温を少し上げて薄着にしてあげると良いでしょう。
こんな仕草は寝返りの前触れ
今まで何の素振りも見せなかったのに突然寝返りをするようになったという赤ちゃんは少数で、ほとんどの赤ちゃんは少しずつ寝返りの練習をしています。
例えば、足を上げたり腰をひねるような仕草は寝返りの前兆だと言われています。筋肉が少ない事もあってか赤ちゃんは最初から自分の体を上手く使えませんから、こうやって少しずつ体の動かし方を覚えていくのです。更にそれが進むと、首を後ろにぐっと反らせ肩を持ち上げ身体全体が横向きの体勢になります。
こうなれば自分で寝返りが出来るまで、あと少しです。赤ちゃんがこの体勢からどうにも出来なくて唸ってしまうのならば、お母さんが後ろから腰を少し押してお手伝いしてあげましょう。
寝返りをしたがらない理由
赤ちゃんの成長と言えば、寝返りからお座り・ハイハイへと進んでいくイメージがありますね。しかし赤ちゃんによっては、寝返りを嫌がってそのままお座りに移ってしまう子も少なくありません。
その大きな理由はどうやら、うつ伏せの体勢が嫌な事にあるようです。大人でもうつ伏せになると苦しくなる事がありますよね。赤ちゃんがうつ伏せになれば大きな頭をずっと持ち上げていなくてはなりませんし、自由に体を動かせない分その苦しさも大きいのかもしれません。
泣いて嫌がるなら無理強いする事はありませんが寝返りしないのが気になるのならば、タオルを丸めてうつ伏せの赤ちゃんの脇の下にいれ苦しさを軽減してあげて、うつ伏せに慣れさせてみては。
寝返りの練習について
基本的に寝返りの時期が遅いからといって心配する必要はありません。発達が遅れているのではないかと気にする方もいらっしゃいますが、寝返りが遅いからと言って運動能力が低かったり、発達が遅れていたりするわけではないのです。
赤ちゃんが寝返りをしたい時期が最適ですが、寝返りをしてほしいと願う場合もあるでしょう。無理やりさせるのはよくありませんが、スキンシップの一環として遊びながら寝返りを体験するのは良いでしょう。
寝返りの練習時期
寝返りの練習方法をご紹介していますが、平均的な寝返りスタートの月齢は生後5ヶ月~6ヶ月ですから、それより前に練習することは避けましょう。
早い段階で寝返りができた子が周りにいると、つい焦って練習を始めてしまいがちですが、まだ首が座っていないのに練習を始めると、関節や靭帯を痛めてしまう可能性があります。
基本的には、赤ちゃんは首が座ってから寝返りをするようになるので、まだ首が不安定な時期は練習させないようにしましょう。
練習は下半身から
赤ちゃんが寝返りする手順としては、下半身が反捻り状態になり、続いて上半身がついてくるという順番です。
自然な流れで寝返りできるよう、練習する場合は、片脚を交差させてみると良いでしょう。足を交差させ、腰をひねった状態で横向きにさせて、ゆっくりと肩をサポートしながらうつぶせにしてみます。嫌がるようなら中断するようにしてください。
うつぶせになったことを不思議に感じてキョトンとする赤ちゃんもいますし、不安になって泣き出してしまう赤ちゃんもいます。うつぶせの状態で目を話してしまうと、窒息の危険もあるので、必ず練習の後は仰向けに戻すようにしましょう。
寝返りの向き
赤ちゃんと一緒に寝返りの練習をするとき、どちら向きに寝返りをすればいいのか、わからないということもあるでしょう。
そんな時は、寝ているときにどちらに顔を向けているかで判断するのがオススメです。例えば、寝ているときに右に顔を傾けているのなら、右回りで寝返りの練習をするのが良いでしょう。
赤ちゃんによって、得意としている方向が異なるため、よく観察して寝方の癖を捉えていくことが大切です。
横向きでトライ
赤ちゃんと一緒に寝返りの練習を始めたら、少し横向きに寝かせてみて自主練習させてみるのもオススメです。
例えば、右側に回転して寝返りの練習をするなら、左側の腰や、左半身の下にクッションやマットを敷いて傾斜をつけます。横向きに近い角度になることで、寝返りしやすくさせるのです。
何度も身体を動かしていると、そっちの方向じゃないと足を引っ張りそうになりますが、関節を痛めたり、脱臼してしまったりすることもあるので、決して引っ張らないようにしてください。
視野の広がりを体感
赤ちゃんと一緒にスキンシップを取りながら寝返りの練習をすることで、赤ちゃんはそれまで見えていた景色が変わったことに気づいていきます。
今までは仰向きで寝ていたので、天井しか見えていませんでしたが、うつぶせになることで床を見ることができるようになるからです。
見える世界が増えるため、もうひとつの世界を見てみたいと寝返りをしようとする可能性が高くなるでしょう。
おもちゃで遊ぼう
寝返りをし始めると、赤ちゃんは動くのがますます楽しくなってきます。ごろんと寝返りすることで、見える景色が変わるのが楽しくて、どんどん転がるようになるでしょう。
寝返りが上手にできるようになったら、おもちゃも交えて遊ぶとより楽しくなります。ガラガラと音のなるおもちゃで興味を引き、寝返りをしたらキャッチできるように手の方へ持って行ってあげましょう。
また、枕元からガラガラと音を立てて、寝返りしたらおもちゃの正体が分かった!という風にすれば、ますます寝返りするのが楽しくなります。寝返りの度におもちゃを使うことで、寝返り返りの練習にも繋がるでしょう。
寝返り返りの練習
寝返り返りの練習では、うつぶせの状態からスタートしていきます。理想としては、自分で寝返りをした後に実施すると良いでしょう。
まず、うつぶせの状態で赤ちゃんの腰を持ち、ゆらゆらと左右に揺らして横向きにします。そして、腰と肩をサポートしながら、ゆっくりと仰向けに戻していきましょう。
どちらの向きに寝返り返りするべきか迷った時は、うつぶせの時の顔の向きで判断すると良いでしょう。うつぶせの時に左側を向いているようなら、右肩を下にして仰向けになるのが自然です。
少しずつ慣れてきたら、うつぶせの状態で左半身にマットをひき、傾斜をつけて寝返り返りしやすいようにしてあげましょう。
ただこの練習は、必ず目を離さないようにしましょう。うつぶせに慣れていない状況なので、少し目を離すと呼吸困難に陥る可能性もあります。
寝返りの注意点
赤ちゃんと一緒に寝返りの練習をしているうちに、徐々に自分で寝返りできるようになってきます。ただ、寝返りができるようになったからと言って安心というわけではありません。
移動できるようになったので、近くに危険なものがあったり、落下したりする可能性があるからです。ベビーベッドの柵はしっかりと固定し、ソファに寝かせるときも隙間に挟まったり、落ちたりしないよう注意するようにしましょう。
また、近くに立てかけているものがあると、寝返りをした反動でぶつかり、物が落下してくる恐れもあります。寝返りできるようになるということは、キケンも増えてくるということなので、充分注意するようにしてください。
寝返りの癖
赤ちゃんが寝返りできるようになると、片方しか寝返りできないことが気になってくる場合もあります。
右側しかひっくり返らないからと、無理やり左側もトライさせようとすると泣き出してしまうこともあるでしょう。赤ちゃんによって、寝返りが得意な方向は違います。
最初は片方しか寝返りできなかったとしても、徐々に両方できるようになりますので、焦る必要はありません。それよりも、寝返りの完成度を高めてあげるようにしましょう。
寝返りがまだ慣れていないと、片方の腕だけが下敷きになって圧迫されてしまうことが良くあります。寝返りができたら、さりげなく腕を解放させてあげることで、少しずつうまくなっていくでしょう。
寝返り防止について
赤ちゃんが寝返りできるようになっても、まだ自力で寝返り返りできない場合、うつぶせのまま長時間目を離してしまうことになります。ちょっとトイレに行っているときや、家事をしているときに寝返りをしてしまうのではないかと、気がかりになってしまいますよね。
そこで、その場を離れるときには寝返り防止のクッションでガードしておくようにしましょう。左右に厚めのクッションをひいておくことで、目を話している隙に寝返りすることを防止することができます。
寝返りができるようになった赤ちゃんにとって、寝返り防止クッションは邪魔なものなので、時々泣いてこれを外して!と訴えることもあるでしょう。そんな時は、クッションを解除して思う存分寝返りを楽しませてあげてください。
寝返りの範囲
寝返りができるようになり、寝返り返りもできるようになるとさらに赤ちゃんの行動範囲は広がります。
リビングの真ん中に寝かせておいたのに、ちょっとお茶を入れに行ったらソファの近くまで寝返りして移動していた、なんてことも出てきます。
寝返りできるようになるということは、自分で危険な場所に移動してしまうということでもあります。倒れやすいものはないか、身体に害のあるタバコや食べ物は手が届くところにないか、今一度チェックしておきましょう。
また、キッチンのような危険なものがたくさんある場所には入れないように、あらかじめ柵を設けておくことも必要です。事前に赤ちゃんにとって危険なものを排除することにより、寝返りで危険な目に合う確率も下げることができるでしょう。
赤ちゃんの発育は毎日変わっていくものです。まだ大丈夫だと思っていると、思わぬ事故を引き起こしてしまうこともありますので、念には念をいれて先回りして対策しておくようにしましょう。
早すぎる寝返りは?
寝返りをし始めるのは5ヶ月ごろと言われていますが、今は生後1・2ヶ月ですでに寝返りをしてしまう赤ちゃんもいます。それを見て成長が早いと喜ぶご両親もいますが、首が据わっていない時期の寝返りは本当の寝返りとは言えません。
寝返りと言うよりも、何かの拍子にうつ伏せに倒れたという方が近いです。首が据わった後の赤ちゃんの寝返りは、短い時間でも自分で頭を持ち上げますが、新生児の場合はそれが出来ないのでうつ伏せに倒れた時に頭がフラフラし布団にぶつかります。
このように頭に衝撃を与えるのは良くありませんし、布団に顔が埋まって窒息する可能性もあります。首が据わるまでは、寝返りしないような工夫を施しましょう。
寝返りは遅くてもいい
周りの赤ちゃんが次々と寝返りしていくと、寝返りが遅いことが気になりがちです。しかし、寝返りが遅いからといって発達が遅いというわけではないのです。また、寝返りが遅いことによってその後の発育に影響が出ることもありません。
生後9ヶ月くらいにやっと寝返りができるようになる赤ちゃんもたくさんいますから、焦らず赤ちゃんがしたいタイミングを大切にしてあげましょう。
一度寝返りを始めると、寝返り防止クッションがなくては目が離せなくなりますし、キケンも増えてくるので良いことばかりではないことを知っておきましょう。
首の据わりが遅ければ寝返りも遅いケースも
赤ちゃんが中々寝返りをしないとお母さんは何か異常があるのかと心配になってしまいますが、7ヶ月目・9ヶ月目でやっと1回だけ寝返りしたという子もいるのであまり心配しなくても大丈夫です。
寝返りに大きく関係してくるのが首の据わりで、これが遅ければ自動的に次の発達段階である寝返りも遅くなります。首が据わるのは大体生後3ヶ月ごろと言われていて、それが遅い場合は脳性麻痺などの障害が疑われてきました。
しかし、それ以外にも遺伝で頭が大きいケースや良性筋緊張低下と呼ばれる体の柔らかいケースなども多いので、他に特記すべき異常がない限りは、赤ちゃんの個性と考えて気長に待ちましょう。
気になる場合は定期健診へ
寝返りができる時期には個人差はあるものの、明らかに周囲から遅れていて不安だと感じていたり、生後9ヶ月を過ぎてもまだ寝返りをはじめなかったりするようなら、一度病院で診てもらうのも良いでしょう。
定期健診で発達状態を確かめてもらうこともできますが、不安を少しでも早く解決することも大切です。
近くの小児科や、育児サークルなどで質問をしてみることで、より良い解決方法を見つけたり、不安を払拭したりすることができるでしょう。
まとめ
赤ちゃんの寝返りについてさまざまな角度からご紹介しました。寝返りする月齢には個人差がありますから、赤ちゃんが寝返りしたい時期を尊重してあげるのが基本です。
練習をする場合は首のすわりや、関節に気を付け、寝返りの事故も予防していきましょう。寝返りすることで赤ちゃんはますます活発に元気に育っていきますので、是非ゆったりとした気持ちで見守ってあげてください。