産後の床上げについて知っておきたいこと 産後の生活は?

妊娠中は、夫婦同士の生活や体調管理、これから産まれてくる赤ちゃんの準備で頭がいっぱいになりますよね。赤ちゃんが無事に産まれたら、今度は赤ちゃんへの授乳やおむつ替え、寝かしつけなどお世話で手一杯の状態になります。

そのため、出産後はお母さん自身のことは二の次になったり、考えられなくなったりするでしょう。しかし、実は産後直後こそお母さんにとって重要な期間となります。産後の過ごし方によって、その後の体調や病気への影響も変わってくるのです。

産後の過ごし方や、床上げ期間など、必要な情報を出産前から把握しておくことで、出産後の生活をより安定していけるようにしましょう。

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昔から言われる「床上げ」の必要性

昔から言われる「床上げ」の必要性

出産を経験すると、母親や親戚から「床上げまではゆっくりしてね」と、「床上げ」という言葉をよく耳にするようになります。床上げとは、寝床をしまうという意味で、敷きっぱなしにしていたお布団をたたんで日常生活を再開するということです。

逆に言えば、床上げまでは常にお布団を敷きっぱなしにして、すぐに横になれる状況がお母さんには必要だということになります。

産後のお母さんの身体は、本人が思っている以上に疲労し、さまざまな器官の回復が必要ですので、安静にすることが絶対となっているのです。

床上げ期間は 産後1ヶ月が大切

床上げ期間は 産後1ヶ月が大切

出産後の過ごし方は、とにかく安静が第一です。では、どれくらいの期間安静にする必要があるのでしょうか。

昔から「床上げ3週間」と言われますが、身体の回復の面から見ても出産して3週間過ぎてから少しずつ日常生活への復帰を試みるようにすると良いでしょう。

出産直後は、5日~6日間ほど産院で入院することがほとんどですので、その後の2週間は自宅や実家で安静に過ごすようにしてください。高齢出産の場合、身体の回復に時間がかかる傾向があるので、産後1ヶ月を目安に復帰を考えるようにしましょう。

床上げ期間の生活で気をつけること

産後の家事 産後は水に触らないこと

産後の家事 産後は水に触らないこと

床上げと同じく、出産してからしばらくの間は水に触らないように言われることもあるでしょう。

水に触らないようにするというのは、水仕事をしないようにするという意味です。台所や洗濯物、お風呂掃除など水に触れる家事は立つ時間が長く体力も消耗しやすいため、昔からそう言われてきました。

昔に比べれば、薪でご飯を炊くこともないですし、洗濯物のために水をくみ上げたりする必要もないので、比較的ラクではありますが、長時間立つことと体力を消耗してしまうことには変わりがないので、できるだけ水仕事は行わないようにしましょう。

産後の目 目を使わないこと

産後の目 目を使わないこと

床上げや水に触れないことに加え、目を使わないことも古くから言われていることです。針仕事や本を読むなど、目を使うと神経が興奮して疲れてしまうことから、目を使わないようにすることが大切だとされてきたのです。

現代なら、スマートフォンやパソコンでインターネットやメッセージのやり取りをすることを、極力控えた方が良いと言えるでしょう。テレビもあまり見すぎないようにしてください。目を使いすぎると疲れやすくなりますし、頭痛の原因にもなることもあります。

また、部屋を明るくしすぎたり直射日光が差し込んだりする部屋だと、光の刺激が強すぎますので光を抑えるようにしてください。

産後重いものを持たないこと

産後重いものを持たないこと

産後しばらくの間は、重いものも持たないようにしてください。布団を干したり、重い野菜を持ったりすることはもちろん、赤ちゃんの抱っこも極力控えるようにしましょう。授乳する場合も、添い寝をしながら行うようにするのがオススメです。

産後に重いものを持つと、緩んだ骨盤の筋肉や靭帯が支えきれないため、ギックリ腰を引き起こしたり尿漏れや悪露を増やしたりする可能性があるからです。そのため、身体が回復するまでは重たいものをできるだけ持たないようにしましょう。

産後のお出かけ 外出しないこと

産後のお出かけ 外出しないこと

産後は、外出も基本的に禁止です。外出するということは長い時間立ったり歩いたりすることにもなりますし、買い物をすると重い荷物を持つことにも繋がります。

また、赤ちゃんを連れて外に出られるのは1ヶ月検診を終えてからになりますので、産後しばらくの間は出歩かないようにしましょう。目安としては、1ヶ月検診やお宮参りの時に初めて外出するくらいにしてください。

産後の入浴 お風呂に入らないこと

産後の入浴 お風呂に入らないこと

産後しばらくの間は、湯船に浸かるのも禁止です。産後は身体の免疫力も下がりやすいため、お風呂に入ることで雑菌に影響される可能性が高いからです。

湯船に浸かるのは避け、シャワーで簡単に済ませるようにしましょう。シャンプーやクレンジングもできるだけ控えるようにしてください。

産後1ヶ月安静にする理由

このように、出産後は思いのほか禁止事項がたくさんあります。これは出産という出来事が身体に大きな影響を与えているからです。

こんな風に書くと、産後は起き上がれないほどクタクタになってしまうのかと思ってしまいますが、実際は意外とそうでもありません。動こうと思えば動けてしまいますし、やろうと思えば事もこなせてしまいます。こんなに元気なのだから、大丈夫と思ってしまう方もいらっしゃいますが、実際の身体はまだ回復しきっていません。

子宮の大きさを元通りに

子宮の大きさを元通りに

出産後に安静にする理由として、子宮の大きさを元通りにするのに時間がかかるということがあります。

子宮の大きさは、出産前はみぞおちあたりまで大きくなっていますが、出産直後は赤ちゃんが出るためおヘソの辺りまで小さくなります。その後は、少しずつ時間をかけて元の子宮の大きさに戻っていくため、安静にしておく必要があるのです。

悪露の排出期間

悪露の排出期間

出産した後は、「悪露(おろ)」と呼ばれる子宮内部に残った胎盤や組織、血液などが出てきます。出産後がピークで、その後少しずつ骨盤が閉じていくことで減っていきますが、産後安静にしていないと、一度に大量の悪露が出てしまうことがあります。安静期間が短いと、悪露が長く続いたり残留物が子宮内に残って病気の原因になったりすることもあるため、安静にしておく必要があるのです。

母乳の安定期間

母乳の安定期間

出産後に安静にする理由として、母乳を安定させるということがあります。

母乳を産生するためには、「プロラクチン」というホルモンが必要ですが、このプロラクチンが安定して分泌され母乳の量が安定するのには時間がかかります。安静にしておくことで分泌量が安定し、母乳量も落ち着いてくるので赤ちゃんの飲む量に適した母乳が出てくるようになるでしょう。

産後は家族に協力が必要に

産後は家族に協力が必要に

出産後は、体力や身体の機能を回復するために安静することが大切です。安静とは1日の中で横になっている時間の方が多いことを表します。入院生活に近い状態が安静だと考えるようにしましょう。

しかし、自宅に戻ると安静にしなければとわかっていても、洗濯物が気になったり掃除をしてしまったりとつい動いてしまうこともあります。起きている時間や家事の時間が発生しないようにするためには、家族の協力が必要不可欠です。出産前に、それぞれの役割分担をしっかり割振りしておき、できないことは実母や義母に頼るようにしましょう。

物理的に来てもらうことが難しい場合や、両親が高齢で負担になる場合は、地域のサービスを受けることもできます。産後1ヶ月の期間限定で、家政婦さんに来てもらうことで、精神的にも肉体的にも楽になってくるでしょう。

また、産後のケアをしてくれる施設で「産褥入院」して、身の回りのお世話や赤ちゃんのお世話をしてもらうのもひとつの方法です。いずれにせよ、お母さんが最もリラックスできて安静できる方法を、事前に考えておくことが大切です。

産後に安静にしないとどうなるのか

出産後は、「床上げ3週間」と言われるように安静にすることが大切です。しかし、出産後に動こうと思えば動けてしまうため、気にせずいつも通り家事をしてしまう方もいらっしゃるでしょう。では、産後に安静にしないとどのような影響が出てしまうのでしょうか。

尿漏れしやすくなる

尿漏れしやすくなる

出産後に安静にしていなければ、尿漏れが起きやすくなる可能性があります。

妊娠すると、子宮がどんどん大きくなって内臓が上へと押し上げられたり圧迫されたりします。出産後は少しずつ子宮の大きさが戻り内臓も元の位置に戻っていきますが、その時期に安静にしていないことで重力のまま内臓が下がり、広がった骨盤の中に落ち込みやすくなってしまうのです。

骨盤の中に内臓が落ち込んで入ってしまうと、骨盤はそれ以上閉まらなくなるため、骨盤は開いたままで安定しようとしてしまいます。骨盤が開いた状態で内臓が入り込んでしまうと、骨盤の底にある骨盤底筋に負担がかかりやすくなります。ちょっとした衝撃でも大きな負担になるため、尿漏れが発生しやすくなってしまうのです。

腰痛や起きやすくなる

腰痛や起きやすくなる

出産後に安静にしないことで、内臓が重力のまま骨盤内に落ち込み、骨盤が閉まりにくくなってしまいます。すると、お尻や腰回りが大きいままになるだけでなく、腰痛も発生しやすくなるでしょう。

骨盤には、たくさんの靭帯や筋肉がついていますが、骨盤が閉まらないことからバランスが崩れてしまい、腰痛が慢性化しやすくなるのです。妊娠前から腰痛が起きていた方は、より辛くなることもあるでしょう。

赤ちゃんが成長してくると、重たくなりますし抱っこやおんぶなどで腰を使うことも増えてきます。ギックリ腰にならないためにも、骨盤が落ち着くまでは安静を心掛けるようにしましょう。

更年期障害が起きやすくなる

更年期障害が起きやすくなる

出産後に安静にしないことで、更年期障害が重くなる傾向があると言われています。更年期障害とは、閉経した後に起こる火照りやイライラなどホルモン異常の症状のことです。

出産後の過ごし方と更年期障害の直接的な関係性は認められていませんが、産後に安静にしないことで子宮周辺の血液循環が滞りやすくなり、ホルモンバランスも崩れやすいことが関係していると言われています。

また、安静にしないことで悪露が出しきれず子宮内部に残って子宮筋腫などの病気を引き起こす可能性もあるため、産後は病気や更年期障害の予防のためにも、安静にした方が良いと言えるでしょう。

産後日常生活へ回復する方法

産後日常生活へ回復する方法

出産後は、最低でも3週間は安静にする必要があります。では、安静期間を経た後はどのように日常生活に戻っていけばよいのでしょうか。

いきなり全開ですべてのことをやろうとすると、身体も気持ちも追いついてきませんので、少しずつ元の生活に戻っていくようにしてください。

最初は料理だけを再開し、徐々にお洗濯や掃除にも参加していきましょう。ただ、赤ちゃんのお世話もあるので全て今まで通りにこなすのは不可能です。家族に甘えられる部分は甘え、上手に役割分担しながら、みんなで赤ちゃんを育てて行けるようにしましょう。

床上げ期間を伸ばしすぎないこと

床上げ期間を伸ばしすぎないこと

出産後は、身体のために安静にすることが大切です。しかし、出産後2ヶ月も3ヶ月も安静にしたままの状態でいると、今度は体力が回復しなくなりますので、ダラダラしすぎないようにしましょう。

赤ちゃんが成長するにつれて、重くなりますし歩き始めるとより一層活発になります。育児には体力も必要ですので、産後1ヶ月を目安に、起き上がる時間を増やして体力を回復するように心がけましょう。

寝たままの状態でもできる産褥体操や、ある程度体調が回復してから行うウォーキングなど、それぞれのペースに合わせて体力を戻していくようにしてください。

出産前の産後の準備が大切

出産前の産後の準備が大切

出産後は赤ちゃんのことで手一杯になるため、産後の過ごし方は出産前に準備しておくようにしましょう。赤ちゃんを連れて帰ってきたときに、あれこれ準備しないように済むためにも、赤ちゃんグッズはひとまとめにしておくと安心です。

出産後の家事の役割分担や、床上げ3週間~4週間の重要性も、家族と一緒に認識しておくことでストレスも緩和されてくるでしょう。

まとめ

出産後の過ごし方や、床上げ期間について幅広くご紹介しました。出産や授乳はお母さんにしかできないことですが、それ以外のことは家族にも行うことは可能です。ひとりで全てをやろうとせず、家族や周辺の人たちとコミュニケーションを取りながら、快適に過ごせるようにしていきましょう。

また、事前の準備や理解が何よりも大切ですので、出産前から産後の過ごし方についてよく話し合い、産後の3週間~1ヶ月をゆったりと過ごせるようにしてくださいね。

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