産まれたばかりの赤ちゃんは、とても繊細ですし風邪でも引いたら大変!と思ってしまいますよね。外出したときに風邪のウィルスをもらってしまうかもしれませんし、風邪を引いた家族から感染してもらう可能性もあります。
風邪を引いてしまうと、鼻づまりや咳など悪化した時のことが心配です。特に、咳をこじらせて痰が絡まってしまった赤ちゃんは、ゲホゲホと苦しそうですし何とかしてあげたいと思います。そこで、赤ちゃんの痰や咳を緩和させる方法などについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
赤ちゃん一人では痰を出せない
大人は自力で痰を出せるので深刻に考えませんが、赤ちゃんにとっては死ぬ可能性のある恐ろしい症状だと心しておきましょう。
特に喘息や気管支炎が酷く気道が狭まった所へ大量に痰が出てくると、赤ちゃんは自分でどうにも出来ないために窒息死する可能性があるのです。実際にこのようにして亡くなってしまうケースも見受けられるため、風邪の症状の一つだとしても十分注意しておく必要があります。
中でも肩を大きく上下させて呼吸していたり、顔色が悪い時は呼吸困難を起こしている可能性が高いので、すぐに病院に連れて行きましょう。早く治療できれば問題ありませんから、何かおかしいと思った時は躊躇せずに受診する事が大事です。
赤ちゃんの免疫力について
基本的に、母乳で育てられている赤ちゃんはお母さんから免疫や抗体を受け取ることができているので、風邪のウィルスや菌に感染しにくいと言われています。
ミルクで育てている赤ちゃんは、風邪を引きやすいと言われていますが、母乳で育っているからと言って100%風邪を引かないわけではありません。赤ちゃんが風邪を引かないよう、お世話をするときは手を洗い、換気をして新鮮な空気に触れさせてあげるようにしましょう。
赤ちゃんの痰について
赤ちゃんが風邪を引いてしまうと、痰が絡んだ咳をしはじめることがあります。ゲホゲホと苦しそうになるので気がかりですが、そもそも痰とはいったい何でできているのでしょうか。
痰は、喉に侵入したホコリやチリを粘膜で絡め取ったものです。健康な状態でも、呼吸器の粘膜にホコリやチリが侵入したら痰が出てきます。
風邪の時に出てくる痰には、風邪のウィルスや菌、戦った白血球の死骸などが付着しており、色も黄色やクリーム色、黄土色をしています。
鼻水から痰に変わる痰
赤ちゃんを苦しめるたんですが、喉の粘膜が機能することで生み出されるものです。ただ、痰は喉から発生するだけでなく鼻を経由して作られることもあります。赤ちゃんの場合鼻水による痰が生じやすいため、注意が必要です。
風邪を引くと、ウィルスや菌を排除するために鼻水が大量に出てくるようになりますが、粘度が加わり鼻づまりを起こした場合、鼻の奥を通じて喉の方に鼻水が流れ込んでくることがあるのです。
赤ちゃんは鼻呼吸を基本としているため、鼻づまりを起こしても無理に鼻から息を吸い込もうとします。その結果、粘り気のある鼻水が喉へと流れ込んでしまうのです。
鼻水が混じった痰は、通常の痰よりも粘り気が強く、なかなか出てこないため苦しむ赤ちゃんが多いようです。鼻づまりを防止するためにも、鼻水はこまめに拭きとり、チューブなどで定期的に吸いだしてあげるようにしましょう。
赤ちゃん痰の色について
風邪を引いているときの赤ちゃんの痰は、黄色がかった色をしていたり、クリーム色、黄土色であったりすることが多いです。これは、風邪のウィルスや菌、死滅した白血球などが含まれている証拠です。
しかし、吐き出した痰の色が緑色をしていたり、赤い色が混じったりしていることもあります。
緑色の痰は、蓄膿症や、緑膿菌に感染した場合に起こります。
黄緑色をしていることもありますが、緑っぽい色をしているようなら、一度病院で診てもらうようにしましょう。
赤ちゃんの痰に赤い色が混じっている場合は、喉の粘膜が傷ついて出血している可能性がありますが、胃腸の病気が関係している恐れもあります。痰の色が異常だと思った時は、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。
小児喘息と痰関係
近年は赤ちゃんの小児喘息発病率が急激に増えています。小児喘息の原因は、ハウスダストや花粉・ダニ・ペットの毛・特定の食材などアレルギーによるものが多いです。異物を体外へ出そうと痰が多く出るので、喉にからまって呼吸困難になってしまう事も珍しくありません。
赤ちゃんに喘息が遺伝する確率非常に高いと言われています。早期に治療すれば中学生くらいには全快するので、痰を出す原因となるアレルゲンを無くすよう部屋の掃除や布団干し等を徹底的に行ってください。
痰を赤ちゃんが飲み込むのが心配?
風邪を引くと、咳に痰が絡まりやすくなりますが、うまく痰が出せない赤ちゃんは、度々痰をゴクリと飲んでしまうことがあります。
ウィルスや菌が混じった痰なのに、大丈夫かしらと心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。基本的に、痰を飲み込んでしまっても症状が悪化することはありません。強い胃液で処理されてしまうため、風邪のウィルスや菌が体内で暴れる可能性は低いと言えるでしょう。
痰が出やすい時期はいつ頃
咳や痰が出る原因の1つである花粉が飛ぶのは春先ですが、アレルギーをもっていない方でも秋は咳や痰が出やすい時期と言われています。
秋は台風や長雨など低気圧の日が多いですが、気圧が下がると空気が薄くなって副交感神経が優位になり、副交感神経は気管支を縮める働きがあるので、結果として痰や咳が出やすくなるのです。特に台風が来る直前や雨が降る前など気圧が急に下がる時に起こりやすく、台風アレルギーなんて呼ばれているほどです。
気管支の弱い赤ちゃんには、台風の予想経路を確認して前もって準備してあげると良いですね。また、秋はダニが発生しやすい時期でもあるので、晴れた日は赤ちゃんが寝ている布団を干すようにしましょう。
赤ちゃんの痰を出しやすくする方法
赤ちゃんの痰がなかなか出てこないと、ゲホゲホと苦しそうで心配にありますよね。どうしたら痰が出てくるのか模索しているお母さんも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの痰を出しやすくするのには、さまざまな方法があります。大切なのは、水分、湿度、痰の移動、そして姿勢です。
水分を多めにとること
まず水分についてですが、喉が乾燥している状態だと痰が出にくくなるため、母乳やミルク、白湯などを与えて潤しておくようにしましょう。
白湯を飲ませるときにスプーンで飲みにくい場合は、哺乳瓶に入れると飲みやすくなります。水分を摂取すると、数分のうちに痰が発生してきますが、乾いた状態よりも出やすくなるでしょう。
湿度を高く保つこと
水分を与えるのと同じくらい大切なのに、湿度があります。湿度が低く、乾燥してカラカラの室内だと喉が乾燥して痰が出にくくなってきます。
空気が乾燥していると、新たな風邪のウィルスや菌にも感染しやすくなりますし、鼻や喉の粘膜を傷めてしまう可能性もあるので、十分に加湿するようにしましょう。加湿器を準備したり、室内に洗濯物を干したりすることで、湿度を上げることができます。
縦に抱っこ背中をトントン 痰の移動について
赤ちゃんの痰をスムーズに出したいなら、痰を少しずつ動かしていきましょう。縦に抱っこして、背中をトントンと優しく叩いてあげるようにしてください。
手のひらをお椀のような形にして叩くと、振動が伝わりやすくなります。何度もトントンとたたいていくことで、痰が少しずつ動いていき、外に出やすくな寝るります。
寝ているときは、横向きにして背中をトントンさせてあげるようにしましょう。仰向けの状態なら、胸を軽くトントンするだけでもOKです。
何度も繰り返していると、母乳やミルクをゲボッと戻してしまうこともありますが、その中に痰が含まれている場合もあります。吐き出しやすい赤ちゃんの場合は、トントンするときにタオルなどで汚れないよう準備しておくと良いでしょう。
姿勢を変えてみる
赤ちゃんの痰が絡んで苦しそうな咳をしているときは、寝ている姿勢を少し変えてあげるようにしましょう。仰向けの状態だと、咳が出やすくなるため、クッションや布団などを上半身の下に引いて少し傾斜をつけるようにします。
上半身に角度をつけることで、咳が治まりやすくなりますし、咳と同時に嘔吐してしまう心配も軽減されるでしょう。首が座っている状態の赤ちゃんなら、横向きに寝かせてあげると呼吸が楽になります。
ただし、長時間同じ方向を向いて寝ていると、腕や足がしびれてしまうこともあるので、定期的に姿勢を変えてあげるようにしてください。
赤ちゃんの痰は早期治療が大切
赤ちゃんの痰は、悪化してしまうとなかなか出づらくなってきます。風邪の進行が速い赤ちゃんは、あっという間に症状が悪化してしまうこともあるので、早めに治療することが大切です。
風邪の引き初めにきちんと対処しておくことで、痰が絡む激しい咳を予防することができるでしょう。また、風邪を引かないように対策することも必要です。
家族が風邪を引いている場合、飛沫感染で赤ちゃんが風邪を引いてしまう可能性があるので、手洗いうがいをしっかりして、マスクを着用するようにしましょう。
ここまでのまとめ
赤ちゃんの痰についてさまざまな情報をご紹介しました。咳の原因や、色による病気の有無、そして痰をスムーズに出す方法など、お分かりいただけたと思います。
そして何より、風邪を悪化させず、痰が絡まないようにするためには早期治療が必要です。風邪を引き始めたかな?という時でも、必ず病院を受診し、悪化させないように気をつけましょう。