赤ちゃんは急に体調が変化したり、泣いたりすることが多く、次にどんなことが発生するのか予測がつきません。お母さんとしては、さまざまなことが発生しても慌てず落ち着いて対処していきたいものですが、赤ちゃんが鼻血を出してしまうと、つい慌ててしまうという方も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんは鼻血を出しやすいと言われていますが、鼻血を見るとどうしてもお母さんがパニックになってしまいます。もしかしたら病気かもしれない、どうやって鼻血を止めればいいの?など、何をすべきかわからなくなってしまうことでしょう。赤ちゃんの鼻血について知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。
赤ちゃんの鼻血の原因 症状
赤ちゃんの鼻血の原因や対処方法など詳しくご紹介していきたいと思います。たくさんの知識を知っておくことができれば、いざ鼻血が出ても慌てず対処することができるでしょう。
赤ちゃんの鼻の中が乾燥による鼻血
冬だけでなくエアコンが原因で、ドライノーズに悩まされる方もずいぶん増えています。鼻の中はウイルスや菌が入ってこないようにいつも湿り気がありますが、このドライノーズは鼻の中の粘膜までも乾燥してしまい、ヒリヒリ痛みます。
粘膜が乾燥すると傷つきやすくなり、出血し鼻血となって外に出てくるようになります。赤ちゃんは大人よりも皮膚が薄く粘膜が弱いですから、少しの乾燥で鼻血が出やすくなります。
乾燥すればそれだけ菌やウイルスに感染する機会が増え、免疫力の弱い赤ちゃんにとって良い事は一つもありません。環境によっては一年中起こる可能性もあるので、暖房をつける時は加湿も同時に行ったり、クーラーを効かせすぎないように注意しましょう
のぼせて鼻血
赤ちゃんは体内の血液量が大人よりも多く、新陳代謝も活発です。ですからちょっとした事でのぼせやすく、鼻血も出やすくなります。例えばお風呂に入ると体温が上がりますから血行が良くなって鼻血が出る事も珍しくありません。
一緒にお風呂に入ったら急に鼻血を出したので、びっくりしたお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも夜寝ている最中や朝起きた時に鼻血が出ているのは、沢山着たり布団をかけすぎていたりして、のぼせてしまったからだと考えられます。
寝ている最中に顔が赤かったり背中に汗をかいているようなら着せすぎなので、上手く体温調節できるよう手伝ってあげてください。
粘膜がデリケートになる原因での鼻血
鼻水のケアをきちんとしていても、赤ちゃんの鼻の粘膜そのものが敏感になっていると、すぐに鼻血が出やすくなってしまいます。赤ちゃんの鼻の粘膜がデリケートにしてしまうのは、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、蓄膿症などが関係している可能性があるでしょう。
アレルギー性鼻炎は、ハウスダストが含まれているホコリや、待機中に広がる花粉が刺激となって鼻炎症状を引き起こすものです。部屋の中は清潔な状態にしておき、外から帰ってきたときは花粉やホコリなどをしっかり洗い流すようにしましょう。
副鼻腔炎は、おでこの真ん中あたりから鼻の横にかけて存在する空洞部分が、風邪などのウィルスや細菌に感染し、炎症を引き起こす病気のことです。鼻がつまりやすくなっていたり、鼻水の色が黄緑色をしていたりするなら、風邪を引いている可能性が高いのですぐにお医者さんに診てもらうようにしましょう。
蓄膿症は、副鼻腔炎がなかなか治らず慢性化してしまったものです。頻繁に黄緑色の鼻水が出て、イヤなニオイがするのが特徴です。適切な治療が必要ですので、病院できちんと完治するまでケアしてもらうようにしましょう。
カフェインが原因での鼻血
コーヒーやチョコレートを多く食べると鼻血が出やすいというのは、すでに当たり前の事実ですね。これらの食べ物が鼻血を引き起こすのは、含有しているカフェインが原因です。
カフェインには血管を収縮させて血圧を上げ、血管から出血しやすい状態を作り出す働きがあります。赤ちゃんには縁遠い食べ物かも知れませんが、チョコレートは口に入れる機会があるかもしれませんので、離乳食を卒業するまではあげないようにしましょう。
また、お母さんが摂取したカフェインは、母乳を通して赤ちゃんに伝わります。鼻血が出やすい体質の赤ちゃんは、この母乳が原因で鼻血を出す可能性がないわけではありませんから、授乳中はカフェインをできるだけ控えた方が良いでしょう。
危険な鼻血
鼻血はたいていが良くある原因によって起こるもので、一部の病気以外はさほど心配する必要はありません。しかし、頭を強く打った後の鼻血は危険性を伴うケースがあります。
鼻付近をぶつければ血管が切れて出血しますが、血液の混じった鼻水のような液体が大量に鼻から出てきた場合は、頭蓋骨を骨折している可能性があるのですぐ病院へ連れて行きましょう。
この液体は血液ではなく脳の周りを囲んでいる髄液で、損傷した箇所から漏れ出て鼻を通って体外へ出てきます。特に歩き始めの赤ちゃんは良く転倒したり、公園で高い所からの落下などは危険がありますので、目を離さないようにしましょう。
大泣きで鼻血が出る場合は
赤ちゃんによっては、大泣きしているときに鼻血を出すことがあります。大泣きすると血圧が急上昇するため、鼻の粘膜にある血管が切れて鼻血を出してしまうのです。
鼻血を止めるには、赤ちゃんを落ち着かせてあげることが最優先になります。タオルなどをあてながら、抱っこをして背中をトントンしながら泣き止ませ、それから鼻血の処置をするようにしましょう。
鼻の粘膜を傷つけての鼻血
そもそも赤ちゃんは鼻血を出しやすいと言われています。その原因は、赤ちゃんの鼻の粘膜が非常に薄く、少しの刺激ですぐに傷ついてしまうからです。
また、鼻の入り口から1cmくらいの「キーゼルバッハ」と呼ばれる場所には血管がたくさん集まっているため、ちょっとした衝撃で傷つき、すぐに鼻血を出してしまうのです。では、具体的にどのような刺激が粘膜を傷つけ、鼻血を引き起こしてしまうのでしょうか。
ティッシュや綿棒の摩擦による鼻血
まず、よくある刺激として多いのが、鼻水を処理するときのティッシュや綿棒による摩擦です。
赤ちゃんは少しホコリっぽい場所にたり、誰かがクシャミをしただけでも、たくさんの鼻水を出します。これは、赤ちゃんの鼻に侵入したホコリやウィルスなどを外に出そうとする力が働くからです。
何度拭いても鼻水がたくさん出てくるため、優しく吹いているつもりでもティッシュや綿棒の摩擦が蓄積し、最終的には粘膜を傷つけてしまいます。その結果、鼻水に鼻血が混ざったり、突然鼻血が出てきたりしてしまうのです。
鼻水除去グッズの活用でリスク軽減
赤ちゃんの鼻水は、サラサラ流れるタイプの物と、粘り気があるタイプに分けられます。サラサラ流れるタイプの鼻水なら、鼻の外に出てきたところで拭き取れば、鼻の粘膜を傷つけることはありません。
しかし、粘り気があるタイプの鼻水だと外に出てきにくいため、綿棒を入れて掻き出そうとしたり、ティッシュで強くつまんで絞り出そうとしたりしてしまいます。
ただ、ティッシュや綿棒だけでは粘り気のある鼻水を全て除去することはできません。そこで、鼻水を除去してくれるさまざまなグッズを使用することになります。
逆流防止の弁がついたストロータイプのグッズや、スポイトのようなもので吸いとるタイプのグッズなどが人気ですが、これらのグッズを使用すると強い圧力が鼻の中にかかってしまうため、鼻の粘膜を傷つけてしまうのです。
鼻血を出したばかりだと、少し圧力がかかっただけでも再び粘膜が傷つき鼻血を出してしまいます。鼻血が続く場合は、鼻水除去グッズの使用を控え、外に出てきた鼻水を処理するようにしましょう。
鼻血を出さない鼻水の処理方法
赤ちゃんが鼻血を出すのは、ティッシュや綿棒、鼻水除去グッズなどの刺激が原因となっていることがあります。赤ちゃんは頻繁に鼻水を出すからこそ、毎日のケアを少し変えることで、鼻の粘膜を傷つけず鼻血を予防することができます。
鼻の粘膜をできるだけ傷つけない鼻水のケア方法として、ティッシュを使ったものがありますのでご紹介しておきましょう。
まず、ティッシュを縦に半分折り、もう半分折って細長い短冊状にします。折ったティッシュの先端を赤ちゃんの鼻の穴にくっつけて、鼻水をティッシュに吸着させ、少しずつティッシュを手前に引いていきます。
細長いティッシュの上をベルトコンベアのように鼻水がついていきますので、何枚か使用しながら鼻の奥にたまった鼻水を引き出していきましょう。
この方法は、サラサラ流れるタイプの鼻水にも、粘り気があるタイプの鼻水にも使えます。鼻の粘膜を傷つけず、鼻血を予防することができるので、これからはこの方法で鼻水をケアしてみてください。
赤ちゃんが鼻血が出たときの対処方法
赤ちゃんから鼻血が出てきたときは、頭の位置を高くしてあげるようにしましょう。クッションで高さをつけたり、座らせたり、縦に抱っこして鼻血が外に出やすいようにします。
大人のように上を向かせてしまうと、鼻血が逆流して飲み込んでしまったり、軌道に入ってむせてしまったりすることがあるので、顔は下を向くようにしてください。
ティッシュやタオルなどで滴る鼻血をキャッチしながら、指でそっと小鼻をつまむようにしましょう。赤ちゃんなら、1分~2分ほどで鼻血が止まってきます。長い場合でも、10分ほどすれば自然に鼻血は落ち着いてくるでしょう。
鼻血がなかなか止まらない場合は、病院で診てもらうようにしてください。また、鼻の穴にティッシュを詰めてしまうと、それが刺激になって再び鼻血が出やすくなってしまいますので、赤ちゃんには行わないようにしましょう。
赤ちゃんが鼻を触らないように
せっかく鼻血が止まっても、粘膜にできたかさぶたが痒くて触ってしまい、再び鼻血を出てしまう赤ちゃんがいます。鼻を触らせないようにするためにも、ミトンなどを手に被せておくと安心です。また、爪を短く切っておくことでかさぶたをひっかいてしまう心配が少なくなるでしょう。
周りがパニックにならないこと
小さな赤ちゃんからの出血を見ると、お母さんはすぐに何か異常があるのでは!とパニックになってしまいがちです。赤ちゃんはお母さんの気持ちに敏感ですから、お母さんがパニックになると赤ちゃんもつられて泣き出してしまうでしょう。
泣けば血圧が上がり、一層鼻血が出て止まらなくなってしまいます。内心パニックでも表情には出さないようにして、まずは鼻血を止めるのを最優先しましょう。
ただし、お母さんが落ち着いていてもお父さんや周りの人が大騒ぎをすれば、やはり赤ちゃんもパニックになってしまうので、赤ちゃんよりも周りの人を落ち着かせるのが最初かも知れません。この対応は乳幼児の怪我や病気に有効ですから、ぜひ試してみてください。
ここまでのまとめ
赤ちゃんの鼻水について原因や対処方法などについて幅広くご紹介しました。鼻血が出るとつい慌ててしまいがちですが、きちんと対処して予防もしておけば自然と鼻血が出る回数は減ってきます。
お母さんが慌ててしまうと、赤ちゃんの気持ちも興奮したままで鼻血が止まりにくくなってしまいますから、早く鼻血を止めたい時は冷静に行動するようにしましょう。