赤ちゃん返りをするときに知っておきたいこと

赤ちゃん返りするときに知っておきたいこと 赤ちゃん 生活

初めての子育てがひと段落すると、「この子の為にも兄弟を作りたい」と思うお父さんやお母さんも多いのではないでしょうか。

しかし、第二子を出産すると、2歳、3歳、4歳、5歳ごろの上の子の態度が急変し、赤ちゃん返りをするようになることがあります。赤ちゃんのお世話で大変なのに、上の子の赤ちゃん返りがどんどん悪化していってしまうと、気持ちもイライラしてしまいます。

赤ちゃん返りを改善させるには、どうして赤ちゃん返りしてしまうのか原因を知り、きちんと対策していく必要があります。そこで、赤ちゃん返りしてしまう原因と、具体的な対策方法について詳しくご紹介していきましょう。

赤ちゃん返りとは

赤ちゃん返りとは

第二子が産まれた途端上の子が急に赤ちゃん返りしてしまうと、手がかかって大変です。では、具体的に赤ちゃん返りとはどのような状態のことをさすのでしょうか。

赤ちゃん返りの行為として多いのが、何でもイヤと言いだしワガママになる、今までできていたことができないようになる、抱っこを頻繁にせがむようになる、突然泣き出して困らせたりする、赤ちゃんに対して急に暴力をふるうようになる、というものがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

上の子が悪いわけではない

上の子が悪いわけではない

「赤ちゃん返りをして困る」と悩んでいるお母さんも多いですが、赤ちゃん返りは赤ちゃんのせいではない事を覚えておきましょう。赤ちゃん返りは、これまでお父さん・お母さんの愛情を一身に受けてきたのに弟や妹が生まれてからは今までの愛情が減ってしまった、と感じた赤ちゃんの困惑や不安が行動に表れたものと言われています。

お母さん自身は、上の赤ちゃんにこれまでと同じように接していると思っているかもしれませんが、言葉がまだ上手く出ない赤ちゃんはその分行動でもってお母さんが変わった事を伝えようとしているのかもしれません。叱る前に、お母さんも一度自分の行動や発言を振り返ってみましょう。

赤ちゃん返りの原因や症状は

何でもイヤ!とワガママに

何でもイヤ!とワガママに

赤ちゃん返りの症状として、なんでも「イヤ!」と拒否をしてワガママになることがあります。イヤイヤ期はとっくに過ぎているはずなのに、赤ちゃんが生まれてから急に「イヤ!」と拒否をするのは、もっとお母さんと触れ合う時間を持ちたいからです。

何でも素直に聞いていると、あっという間にお母さんは赤ちゃんのもとへ行ってしまいますが、イヤ!と拒否をすると、お母さんは「何でイヤなの?」と問いかけてくれます。今まで素直だったのが、急にわがままになってきたときは、赤ちゃん返りし始めているサインだと思いましょう。

できていたことができないように

できていたことができないように

赤ちゃん返りの症状として、今までできていたことが急にできなくなるというものがあります。

例えば、ひとりで着替えることができたのに、急に「これ着せて」と言ってきたり、ひとりでトイレに行くことができていたのに「ひとりだとできない」と言いだしたりします。それまでできていたことが、急にできなくなるのは、お母さんにもっと自分を見てほしいという気持ちが強いからです。

決してお母さんの手を煩わせたいからではありませんので、甘えたい気持ちになっていると察知してあげることが大切になります。

抱っこを頻繁にせがむように

抱っこを頻繁にせがむように

赤ちゃん返りの症状として、抱っこを頻繁にせがむようになることがあります。赤ちゃんを抱っこしようとしたら、振り払うように胸にしがみついてきたり、少しでもひとりで座っている瞬間があればすぐに膝の上に乗ろうとしたりします。

頻繁に抱っこをせがむのは、スキンシップが不足していることが原因です。今までたくさんお母さんに抱っこしてもらっていたのが当たり前だったのに、赤ちゃんばかりが抱っこされていて、自分の順番が回ってこないと感じているのです。抱っこを頻繁にせがむ時は、スキンシップ不足になっていないかどうか振り返る必要があるでしょう。

突然泣き出して困らせたりする

突然泣き出して困らせたりする

赤ちゃん返りの症状として、突然泣き出してしまうケースもあります。大人しく赤ちゃんのお世話をしてくれていたし、問題があるようには見えなかったのに、急に泣き出してしまうのは、我慢強くワガママが言えない性格の子供に多くみられます。

5歳を過ぎると様々なことが理解できるようになるため、ワガママを言うとお母さんが困ってしまうと感じ、必要以上に我慢し続けてしまう場合があるので注意が必要です。寂しさや甘えたい気持ちをうまく表現できないため、涙として感情があふれ出てしまうのです。

原因不明で突然泣き出してしまった時は、赤ちゃん返りを無理やり抑えようとしている可能性があるので、泣き止むまでそっと抱きしめてあげるようにしましょう。

急に暴力をふるうように

急に暴力をふるうように

赤ちゃん返りの症状として、赤ちゃんに対して急に暴力をふるうことがあります。これは、赤ちゃん返りの症状が悪化したときに見られる行動です。

ワガママを言ったり、抱っこをせがんだりしているのに、一向にお母さんがこちらを向いてくれない場合、怒りや寂しさの矛先が赤ちゃんに向かってしまうことがあります。

赤ちゃんに暴力をふるってしまうと、上の子をつい怒ってしまいがちですが、単に赤ちゃんが憎くてそうしているわけではなく、複雑な感情が関係していることを知る必要があります。耐えきれない気持ちが爆発しそうになっていることを理解し、きちんと向き合ってあげるようにしましょう。

幼稚園に行きたくない

幼稚園に行きたくない

今までは楽しく幼稚園に行っていたのに、弟や妹が産まれてから突然登園を拒否するようになるのも赤ちゃん返りの一つです。幼稚園に行っている間、下の赤ちゃんとお母さんが一緒に過ごしているのが不安なのでしょう。

無理に行かせるのは逆効果なので、一度幼稚園に相談してみるのをお勧めします。幼稚園ではそのような園児を多く見ていますから、家庭での対処法をアドバイスしてくれます。

幼稚園を休んでいる間は納得するまでお母さんと一緒に過ごすのも良いですし、お友達の家に遊びに行ったりして、自分から幼稚園に行きたくなるような雰囲気を作ってあげるのも良いのではないでしょうか。

赤ちゃん返りの対応、対処方法

赤ちゃんが生まれてから、上の子に赤ちゃん返りのような症状が出てきたら、早めに対策しておく必要があります。赤ちゃん返りを放置していると、悪化して赤ちゃんに暴力をふるい始めることがあるからです。赤ちゃんをたたいたり泣かしたりしてしまうと、赤ちゃんだけでなく上の子も傷ついてしまいますので注意しましょう。

お母さんの気持ちを言葉で伝える

お母さんの気持ちを言葉で伝える

まず、赤ちゃん返りしている子に対して、大切にしているという気持ちをちゃんと伝えることが大切です。いくら子供のことを可愛い、大切にしていると思っていても、その気持ちは言葉にしなければ伝わっていきません。

ですからまずは言葉でハッキリと、大切に思っていることを伝えるようにしましょう。「いつも元気でいてくれてありがとうね」「〇〇が大好きだよ」とストレートな言葉にすると、子供は素直に受け止めてくれます。恥ずかしがらずにまっすぐ気持ちを伝えるようにしましょう。

毎日必ずスキンシップを必ずする

毎日必ずスキンシップ

上の子に赤ちゃん返りが始まったと感じたら、スキンシップをたくさんとるようにしましょう。赤ちゃんのお世話で大変な時期ですが、上の子のスキンシップも同じように必要だと理解することが大切です。

たとえ10分でもいいので、上の子を抱っこして今日何があったかを効く習慣を持つようにしましょう。お母さんの腕の中で、今日一日の出来事を話していると、心も体も満たされていきます。

忙しいときや時間がないときは、一瞬でもいいのでギュッと強く抱きしめてあげましょう。「後でもっといっぱいギュッとしようね」と伝えておけば、安心して待つ時間を過ごすことができるでしょう。

上の子を責めない

上の子を責めない

赤ちゃん返りを始めると、イライラしてつい「お兄ちゃんだから我慢しなさい!」「お姉ちゃんなのに何でそんなことするの!」と責めてしまいがちです。しかし、「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」というフレーズがついてしまうと、上の子はますます反発してしまいます。

今までは名前で呼ばれ、お母さんを独り占めしていたのに、急に突き放されたように感じてしまうのです。イライラするとつい使ってしまいがちなフレーズですが、思いのほか子供を深く傷つけてしまうので、注意するようにしましょう。

たくさん褒めてあげよう

たくさん褒めてあげよう

赤ちゃん返りを始めた子供には、叱るよりも褒めることが必要です。

例えば、子供のごはんの時間では「赤ちゃんのお風呂が終わるのを待っててくれてありがとうね」と褒めてから「いっぱい食べて大きくなろうね!」とご飯を食べ始めましょう。

また、赤ちゃんを寝かしつけるのを手伝ってくれたり、お風呂に入っているときにタオルを取ってくれたりしたときは、「ありがとう!〇〇がいてくれて助かる」「お手伝いしてくれてありがとう、偉いね」とたくさん褒めるようにしましょう。

ひとつひとつ小さなことから褒めることで、自分の存在が認められ、お母さんにも注目してもらえていると感じることができます。お母さんにもっと褒められたい、もっと見てもらいたいと、たくさんお手伝いをするようになり、赤ちゃん返りも落ち着いてくるので積極的に褒めるようにしましょう。

兄弟の絆を深めよう

兄弟の絆を深めよう

赤ちゃん返りを始めるのは、突然赤ちゃんが登場してお母さんを取られたような気持になるからです。しかし、徐々に赤ちゃんの存在にも慣れてきて、お母さんにもたくさん褒められるようになってきたら、徐々に赤ちゃん返りは治まってきます。

赤ちゃん返りが落ち着いたら、兄弟の絆を深めるようにしていきましょう。寝かしつけのお手伝いを上の子に頼んでみたり、「赤ちゃんが泣いたら教えてね」と任せたりすることで、下の子を見守るという義務感が生じてきます。兄弟がいることの楽しさや、大切さを感じることができたら、もう赤ちゃん返りする心配はなくなるでしょう。

赤ちゃん返りはいつまで続く

赤ちゃん返りはいつまで続く

上の赤ちゃんが赤ちゃん返りをしてしまうと、これまで順調に成長してきた分まるで赤ちゃんが二人以上いるような状態になってしまい、お母さんもぐったりしてしまうのではないでしょうか。

いつになったら赤ちゃん返りが終わるのか、そればかり考えてしまう事もあるでしょう。赤ちゃん返りが続いた期間は1ヶ月以内から1年以上と非常に幅があります。

このようにいつまで続くのかは赤ちゃんによって異なり、下の赤ちゃんがある程度大きくなってお母さんの世話が減るまでか、本人が納得できるまでというのが一般的な目安です。

赤ちゃん返りを早く収めるには、やはり赤ちゃんがお母さんからの愛情を十分受け取ったと感じるまでしっかりスキンシップを図るのが一番なのではないでしょうか。

お父さんの赤ちゃん返り!?

お父さんの赤ちゃん返り!?

赤ちゃんが生まれると、上の子に赤ちゃん返りが生じてしまうことについて書いてきましたが、大人に赤ちゃん返りが出るときもあります。初めて赤ちゃんが生まれたときに、お父さんに赤ちゃん返りが生じてしまうケースです。

夫婦関係は良好だったのに、突然妻が母親に変わったことから嫉妬心が芽生え、赤ちゃん返りしてしまうのです。赤ちゃん返りの症状としては、無理難題を言い始めたり、赤ちゃんを可愛がろうとしなくなったり、外出する時間が増えたりします。どちらかというと世話焼きでお母さんと息子のように接してきた夫婦関係ほど、赤ちゃん返りしやすい傾向にあるようです。

対策としては、夫婦のコミュニケーションの時間を大切にし、赤ちゃんを寝かしつけたら一緒にお茶を飲んだり、話しをしたりするようにしましょう。寂しいという気持ちを察知し、一緒に子供を育てていく楽しさに方向転換していくことが大切です。

ここまでのまとめ

赤ちゃん返りについてさまざまな原因と、対策方法についてご紹介しました。赤ちゃん返りの症状が見られたときは、何かしら寂しさや戸惑いを感じているはずです。

頭ごなしに叱りつけたり、言い聞かせたりせず、しっかりと向き合うことで心の隙間を埋めていけるようにしましょう。きちんと向き合っていけば、赤ちゃん返りは早く治まってくるはずです。

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